3・11と教育改革
教科研の「講座 教育実践と教育学の再生」の第5巻をあわただしく、読んだ。とてもおもしろかった。
冒頭の谷さんの論文で、3・11が何を教育に問いかけたのかという問題提起をするどく提示する。生存の危機に子どもたちが直面した時、生きる意味そのものが問いかけられるにもかかわらず、それでもすすめるドリルによる学力競争とそれとの乖離は広がるばかり。その実情を、被災地各地の実践が明らかにする。
ではそのもとでおこなわれている教育改革とはどういうものか。東京と大阪が、その実態を告発する。とくに大阪の平井さんの論文は秀逸。子どもの貧困などの実態から、大阪の教育改革の貧困さをうきぼりにしていく。
そして、現在の教育改革をめぐる論点を、あきらかにした研究者の論文が続くけど、これが読み応えがある。戦後史のなかで現在の教育改革の意味を論じた渡辺論文をはじめ、新自由主義、教師のやりがい、改革の経緯、教育の自由の再建を論じた、中嶋、勝野、中田、佐貫の各論文は、とてもいま論じられるべきものを正面からとりあげたものとして、読んだ次第です。
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