一強の自民党大会、高揚と不安と 実績強調・減る党員
名護市の投票日当日、自民党大会が開かれていた。うーん。運動方針に、 「改憲へ全国対話集会」を明記するなど、あくまでも強気だけど……。
一強の自民党大会、高揚と不安と 実績強調・減る党員(朝日新聞)19日に開かれた自民党大会で、安倍晋三総裁(首相)は引き続き、経済成長を最優先させる考えを強調した。衆参両院議員409人(衆参両院議長を含む)の大所帯となり、両院の「ねじれ」も解消したが、党大会では、地方の足場固めが思うようにいかないといった不安材料も浮かんだ。
「日本をずっと覆っていたあの厚く黒い雲を、私たちは間違いなく吹き飛ばすことができた」。安倍首相は、議員や党員ら3300人(主催者発表)を前に身ぶり手ぶりで経済再生の成果を誇った。来賓の経団連の米倉弘昌会長も「安倍政権には、長期にわたって国のかじ取りを担っていただきたい」と持ち上げた。
首相は演説の大半を経済に割き、憲法改正、集団的自衛権といった課題は封印した。高支持率を維持するには引き続き「経済最優先」の姿勢を強調する必要がある、との判断だ。
だが、首相の高揚感とは裏腹に、党大会では自民党が抱える課題も鮮明になった。その一つが、自民党の「足腰」の弱体化だ。
「選挙に強い自民党をつくらないといけない。今年は党員拡大に全力を挙げる」。党大会で石破茂幹事長は強調し、120万人の党員獲得目標を掲げた。
1990年代初頭に約547万人を超えた党員は減り続け、現在は約70万人。国会では「一強」だが、当選回数の少ない議員が大半で、支持層を固めない限り、いつ政権から滑り落ちるかもわからない。党員拡大の目標を達成できない議員らに罰則も辞さない方針も初めて打ち出した。
堅調な内閣支持率と逆に、地方首長選での取りこぼしが目立つのも不安の種だ。19日の沖縄県名護市長選でも推薦候補が敗北。23日告示の東京都知事選でも「連敗ドミノ」を起こせば、政権の求心力は低下しかねない。党大会では、支援する舛添要一・元厚生労働相の当選のため、出席者全員に「東京に住む親戚、友人を紹介してください」と書かれた用紙が配られ、党員の危機感をあおった。
さらに懸念されるのが自民党の「幅」の狭まりだ。第1次安倍内閣では、安倍氏と距離を置いた古賀派や谷垣派などリベラル勢力が「党内野党」としてたびたび批判の矢を向け、それが内閣の緊張感や自民党の政策の幅広さにつながった。こうした党内野党の存在が、かつての長期政権の一因とも指摘される。
だが、リベラルな重鎮議員の引退や閣内への取り込みなどで、首相への批判はなりを潜める。……
靖国神社参拝についても、「今後も受け継ぐ」と明記している。18日に開かれた党主催のシンポジウムでは「伝統や文化を反映した日本国籍の憲法をつくるべきではないか」(船田元・党憲法改正推進本部長代行)など改憲論一色。首相の靖国参拝を批判した米政権について、萩生田総裁特別補佐が「米国は共和党時代、一度も揚げ足を取ったことはない。(民主党の)オバマ大統領だから言っている」と述べたことも記憶にあたらしい。一方で、国際的には孤立の道を着実に歩んでいるのだが。
総裁演説はこれ。秘密保護法への批判にたいしても、まったく聞く耳をもたないという感じだ。
運動方針は、これ。「積極的平和主義」、「日米同盟をさらに強化し、これを基軸として、価値観を共有するアジア太平洋地域の各国との連携を深める」、「党是である憲法改正の実現に向けて、党全体として積極的に取り組む」、そして、「日本の歴史、伝統、文化を尊重し、靖国神社への参拝を受け継ぎ、国の礎となられた方々に対する尊崇の念を高め、感謝の誠を捧げ、恒久平和への決意を新たにする」。
一方で、党勢の減退。だからこそ、保守というか、靖国的な勢力の結集強化をはかる。これがたどりついた自民党の姿でもあるんだろうなあ。
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