教委制度見直し本格化 政治主導狙い、権限を首長に
うーん。ほんとうに進んでいくのか? 重大な局面。
教委制度見直し本格化 政治主導狙い、権限を首長に(朝日新聞)安倍政権が教育委員会制度の見直しに本格的に乗り出した。安倍晋三首相は28日の衆院本会議で「現行の制度を抜本的に改革する」と表明。政治からの中立性を保ってきた教委の権限を自治体の首長に移し、政治主導の教育行政に変えるのが狙いだ。政権は3月にも関連法改正案を国会提出する構えで、実現すれば戦後教育の大転換になる。
自民党は28日、教委制度のあり方を議論する小委員会(委員長=渡海紀三朗・元文部科学相)を開催。自治体の教育行政の事務方トップである教育長について、教委が教育委員から選出する従来の方式を変え、首長が任命できるよう関連法の改正方針を確認した。教育行政に首長の意向を反映しやすくする狙いだ。
現行制度では、首長は予算編成や教育委員任命などで教育行政に関わるものの、実務は教育長が担う。教育長は多くが公務員出身で、教育関係者や民間から選出される場合もある。教科書採択や教員人事、学校での教育内容などは首長の意向に左右されず、政治的中立性を高めるようにしてきた。一方、教委は非常勤の教育委員により運営され、2011年に大津市で起きたいじめ自殺問題では対応の遅さや責任の所在のあいまいさが批判された。
自民党は12年9月に安倍晋三総裁が就任すると、教育再生実行本部を発足させ、教育行政の見直しに着手。同年11月の中間とりまとめで、教委を「無責任な教育行政システム」と批判し、「首長が任命する教育長が責任者」「教委はその諮問機関」などとする見直し案を提案した。その背景には、教職員労組が教育現場に一定の影響力をもつことを問題視し、選挙で選ばれた首長こそ民意を反映した教育行政を進められるとの考えがある。
翌12月の衆院選を経て安倍政権が発足すると、安倍首相は実行本部長だった下村博文氏を文科相に起用。政府の教育再生実行会議を担わせ、中間とりまとめに沿った提言づくりを進めた。首相は会議の席上、「(首長が)こういう教育をしたいと市民や県民に問い、同意を得ても実行できないのはおかしい」と、首長の権限を強める意向を示した。
さらに政権は政府の中央教育審議会(文科相の諮問機関)メンバーに首相に近いジャーナリストの桜井よしこ氏を起用するなど、環境を整備。中教審は昨年末、地方教育行政の最終責任を教委から首長に移す改革案を下村氏に答申し、①首長が教育行政の大綱的な方針を策定②首長が任命・罷免(ひめん)する教育長が日常事務を執行③教委は大綱方針などを審議――などを求めた。「教育に政治的影響が及び過ぎる」との懸念から、教育長への指示機会を限るなど首長の権限に一定の歯止めをかけたが、戦後教育の根幹として1948年から続く教委制度の大転換につながるものだ。……
だけど、ボクらからしても、教育委員会はあまり近い存在でなく、実感をもちにくし仕組み。現場の先生から見れば重しになるだけの存在という感覚が強いと思う。その教育委員会制度をもちろんより悪い方向に転換しようというものだけど、この議論の難しさを痛感するし、その結果、なかなか運動も広がっていかない感じがする。
教育委員会の歴史をひもとけば、そのもの制度設計にかかわる激しいせめぎ合いのくり返しの歴史である。それは結局、「教育の自由」をめぐるせめぎ合いでもある。それだけに、戦後教育の根幹にかかわる問題だし、きわめて政治的な手間だと言うことができる。だからこそ、下村さんも昨日の講演で「中教審から日教組を外したのは歴史上初めてだ」と言って、中教審に政権の意向を働かせていることを認めている。政権は3月にも通常国会に改正案を提出する考えだという。公明党は慎重姿勢だけど、ここまで自民党が構えてくるとどうなのだろうか。やはり、妥協するのだとろうなあ。本当に山場に向け、しっかりした議論をやっていかないとなあ。
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