あの日からもずっと、福島・渡利で子育てしています
福島関連の本を何冊か読みでいる。だいたい、買ったり、もらったりしたまま、そのまま読み切れずにおいてあった本。この本も、最後まで読み切れなかったものを、最近読み終えたもの。
福島で子育ている思いを赤裸々に語る。揺れながら、悩みながら、葛藤しながら。原発事故が、この地に暮らす人にもたらした苦悩や困難がどれだけ大きいものであったのか、そしてそれが今なお解決せずに続いているということを。何よりも、子どもたちの生活と成長にもたらした苦難を。読んでいて苦しい。福島の現実によりそうことって、どういうことなのだろうか、つくずく考えさせられる。そこでおこっていることの認識をどう共有するのか。そこで生きている人にとっては、そこで子育てをすることそのものが、ともすれば非難の対象になりかねない。責められていると感じてしまう面がある。原発事故がなかったことにしようという国の思惑と、妙に一致したことになってしまう。だけど、そこには、葛藤や苦悩がある。その悩みや思いをうけとめることって、どうなんだろう。そこで生きる必死の思い。
渡利ののような地域で、その地のとどまる意味。なぜ、そういう選択をするのか。人は孤立しては生きれない、子どもは地域があってこそ育つという意味。そこで、子どもの被曝が最小限ですむ努力。
だけど、同時に逆のことも言える。甲状腺だけではなく、どれだけ健康被害はあるのかはわからないし、そこには、やはり見解の解決しようがない違いはある。だから、避難をして、子どもの孤立を最小限にする努力はと。そうしたことも含め、どうすれば。その困難や苦しみをどう共有すればいいのか。
様々な福島がある。もっといえば、原発に近い、それこそ避難を強制されている地域もある。そんな多様な福島を理解するにはどうすればいいのか。
東電と国の責任という大きな問題を問いかけ続けること。やっぱり、それが大事だ。そのうえで、どう当事者の選択を支援していくことができるのか。線引きのない、そういう支援をどうすすめるのか。そんなことを考えると、施策の現状、国の対応はあまりにも酷い。除染も、賠償も、生活支援も。生活再建への支援も。子育てのこととともに、いろいろなことを考えさせられた、当事者の本音の語りなのだと思う。
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