教科書に政府見解 文科省 検定基準に明記へ
何か、こんなニュースも嫌だなあ。
教科書に政府見解 文科省 検定基準に明記へ(東京新聞)文部科学省は、現行の小中高校の社会科教科書の検定基準を見直し、歴史や領土問題について、政府の統一見解を踏まえた記述にするよう求める規定を盛り込むことを決めた。文科省は、よりバランスの取れた記載にすると強調するが、中国や韓国の反発が強まる可能性もある。来春申請が始まる中学教科書検定に間に合うよう、近く教科用図書検定調査審議会に諮り、早ければ来年一月の改定を目指す。
新たに盛り込まれるのは▽政府の統一見解や確定判決がある場合、それらを踏まえた記述にする▽戦時中の歴史的な事象について未確定、あるいは諸説がある場合、特定の事柄や見解を強調することなく、バランスよく記述する-の二点。
犠牲者数が諸説ある南京事件などについては、特定の人数だけではなく諸説があることの記述を求めたり従軍慰安婦問題では、戦後補償が政府間で法的に解決済みとの政府見解を盛り込むことを求めたりするとみられる。
今年三月に公表された高校教科書検定でも、日本史Aの南京事件で「少なくとも十数万人が殺害された」と記述した申請教科書に検定意見が付き、「犠牲者数については約二十万人や十数万人、また、それ以下など諸説がある」と修正して合格した。
文科省の担当者は「教科書会社側に政府見解だけの記載を求めるものではなく、これまでも検定で指摘してきた内容だが、検定基準に盛り込むことで、今まで以上にバランスの取れた教科書にできる」と説明している。
一方、近現代史の記述で中国や韓国への配慮を求める「近隣諸国条項」について、自民党は昨年の衆院選で見直しを公約に掲げたが、文科省は当面の検討課題として今回は見直さないことにした。
また、沖縄県竹富町教育委員会が、八重山採択地区協議会(沖縄県石垣市、竹富町、与那国町)の決定と異なる中学公民教科書を使用している問題について、教科書採択のルールを明確化するため、来年の通常国会に改正法案を提出することを決めた。
すでに中教審での議論も終了し、いよいよって感じか。
かなり、具体的なところまで、検定基準をつくって、教科書で縛っていく。そのときに、その内容は露骨に政治的に政府よりのものになっていく。しかも、それをすすめているのが歴史修正主義者であるだけに、ほんとうに、異常な事態になっていく。諸外国で、教科書の内容をこのように統制するところって、おそらく中国とか北朝鮮ぐらいじゃないだろうか?そして、この動きは、その中国からの反発は必至だろうけれども。
この間、ほんとうに政治と教育の距離が異常だ。1つは、ほんとうに統制的、思想的な介入をする。子どもとの関係では、それは教科書であったり、道徳であったりいずれにしても教育内容、ここに教員統制がかぶる。
もう1つは、政策面で、そこは競争を徹底しておこなわせるような教育政策をおしつける。
現場のかかえる教育の問題からすれば、いずれの問題もかなり無茶な問題としか言いようがないのだけれども、そんな教育の本来的なありようなくすすむ介入。それが教育基本法を改悪した理由と言えばそれまでだけど、だからこそ、憲法によって対抗しなければいけない局面にある。
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