大学入試改革:新共通テスト創設 段階別「点数グループ」
今日の毎日にこんな記事が載っていた。
大学入試改革:新共通テスト創設 段階別「点数グループ」(毎日新聞)政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が検討している大学入試改革の原案が2日、判明した。現在の大学入試センター試験のように1点刻みをやめ、段階別の「点数グループ」で評価する新しい大学入試の共通テストを創設する。また、高校生の学習到達度を在学中に確かめる新テストも作成。2種類の新テストはいずれも複数回受験できる。
日本の大学入試制度を抜本的に変える大改革になるが、導入年度は、高校生に混乱を与えないよう「十分な周知期間を置く」とし、現在の高校生は対象にせず、数年後をイメージしている。10月中旬の会議で提示した上で、11月中にも提言をまとめる方針。その後、文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」で、導入年度など具体策が議論される方向だ。
大学入試の新テストは、現行のセンター試験をベースに、「知識偏重」にならないよう、結果は段階別に大まかに示す。受験生は複数回受けることができるようにする。各大学はテスト結果から、受験生が教育についていける学力があるかどうかを判断する。その上で面接、論文、社会活動の成果などを評価し、各大学の理念に合った学生を選抜する仕組みだ。
高校生の学習到達度をみる新テストは、高校生が身に着けるべき基礎的・共通的な目標を国が設定し、思考力や判断力を含めた幅広い学力の到達度を測る。希望者が受けられるようにし、高校在学中に複数回受験できるように設計。高校の卒業認定や大学入学資格には使わない。推薦やAO(アドミッション・オフィス)入試では、この新テストの結果を「基礎学力」の判定に活用できるとした。
「新大学入試」を設けるのは、受験生の基礎学力は国、才能を伸ばす教育は各大学という役割分担を明確にする狙いがある。また、高校到達度テストだけでは大学の選抜機能維持も難しく、さらに到達度テストが「入試化」すると受験競争の早期化につながる恐れもあるためだ。
新テストの実施主体は、作問技術や試験運営の蓄積がある大学入試センターと小中学生対象に全国学力テストを実施している国立教育政策研究所が有力視されている。
かなり大幅な入試制度の「改革」に向かうわけで、研究者の多角的な意見を聞きたいところ。
グループわけをすることで、実際に生じている大学の格差というものを追認するわけで、それはいろいろな見方ができるのだと思うけど、これでねえ。
この入試のあり方そのものについての突っ込んだ議論も聞きたいところだけれど、そもそも「知識偏重」にならないように工夫というが、いまの高大接続の問題、大学教育や高校教育のかかえる問題をこうした入試制度の問題にかなり流し込む形での議論で、どこまで問題解決に迫れるのかということも、正直言って、???などでもあるのだけれども。
しかも高校段階での到達テストを導入することは、これまた、高校教育の格差化と競争、狭いテスト競争に追い込まれる可能性が大きいことは、義務制段階での学力テストを見れば予想されるだけに。うーん、どうなんでしょうねえ。こんな議論では…。
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