宮崎駿監督「僕の長編アニメーションの時代は終わった」
やっぱり一つの時代が終わるのかなあとも思う。
宮崎駿監督「僕の長編アニメーションの時代は終わった」(NHKニュース)アニメーション映画の巨匠、宮崎駿監督は6日午後、東京都内で記者会見し「僕の長編アニメーションの時代はもう終わった」と語り、最新作「風立ちぬ」をもって引退することを正式に発表しました。
引退会見は、東京都内のホテルで6日午後2時から始まりました。
このなかで宮崎さんは「何度もこれまでやめると言って騒ぎをおこしてきた人間ですが、今回は本気です」と笑顔で語りました。
そのうえで引退を決めた理由について「(最新作の)『風立ちぬ』は(前作の)ポニョから5年かかっている。次の作品を考えると5年じゃすまない。6年か、7年か。僕の長編アニメーションの時代はもう終わったんだ」と述べ、年齢を重ねるごとに創作にかかる時間が延びていることが背景にあることを明らかにしました。
一方「短編映画は制作するのか」という質問に対して、宮崎さんは「僕は自由。やってもやらなくても自由です。でも今はそのことに頭を使うことはしません」と前置きしたうえで「今後は前からやりたかったことをやる。それはアニメーションではありません」と述べ、短編映画の製作を現時点では考えず、別の仕事に専念する考えを示しました。
しかし、そのやりたいことの内容については「やれなかったらみっともないから言いません」と明言を避けました。
現在館主を務めている東京・三鷹市の三鷹の森ジブリ美術館での仕事には、今後も「関わっていく」ということです。
会見場にはアメリカやフランス、ロシア、中国、韓国など、海外のメディアも含めおよそ600人が訪れ、アニメーション映画の巨匠の引退を惜しむ質問が相次ぎました。…
でもって、次が、引退の辞。
公式引退の辞 宮崎駿
ぼくは、あと10年は仕事をしたいと考えています。自宅と仕事場を自分で運転して往復できる間は、仕事をつづけたいのです。その目安を一応“あと10年”としました。
もっと短くなるかもしれませんが、それは寿命が決めることなので、あくまでも目安の10年です。
ぼくは長編アニメーションを作りたいと願い、作って来た人間ですが、作品と作品の間がずんずん開いていくのをどうすることもできませんでした。要するにノロマになっていくばかりでした。
“風立ちぬ”は前作から5年かかっています。次は6年か、7年か……それではスタジオがもちませんし、ぼくの70代は、というより持ち時間は使い果たされてしまいます。
長編アニメーションでなくとも、やってみたいことや試したいことがいろいろあります。やらなければと思っていること――例えばジブリ美術館の展示――も課題は山ほどあります。
これ等は、ほとんどがやってもやらなくてもスタジオに迷惑のかかることではないのです。ただ家族には今までと同じような迷惑をかけるようになりますが。
それで、スタジオジブリのプログラムから、ぼくをはずしてもらうことにしました。 ぼくは自由です。といって、日常の生活は少しも変わらず、毎日同じ道をかようでしょう。土曜日を休めるようになるのが夢ですが、そうなるかどうかは、まぁ、やってみないと判りません。
ありがとうございました。
以上
2013,9,4
宮崎さんの作品で好きなのはなにかな? ラピュタ、ナウシカ、ハウル、千と千尋、コナン…。だけど、子どもが大きくなって、どんどん映画館から遠のいてしまう。最近はDVDでも見なくなった。こんどの『風立ちぬ』だって、ちょっとがっかりしそうでこわくってみれないのが正直なところ。
作品にはよしあしはあるけれども、今日の記者会見の一問一答で、印象にのこった言葉はやはり、これ。「僕は児童文学の多くの作品に影響を受けてこの世界に入った人間ですので、基本的に子どもたちに『この世は生きるに値するんだ』ということを伝えるのが自分たちの仕事の根幹になければならないと思ってきました。それは今も変わっていません」。そのことは、ボクらも心したいと思ったなあ。
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