空自、米爆撃機訓練に参加 「専守防衛」逸脱か
これは東京新聞のスクープ。今日の1面。おどろいた!
空自、米爆撃機訓練に参加 「専守防衛」逸脱か(東京新聞)米空軍の演習「レッド・フラッグ・アラスカ(RFA)」で、航空自衛隊のF15戦闘機の編隊が米戦略爆撃機B52の爆撃援護訓練に参加していたことが分かった。航空幕僚監部(空幕)広報室は訓練の事実はないと否定しているが、空幕発行の部内誌に載った参加隊員の体験記から判明した。専門家らは、憲法で禁じられた集団的自衛権の行使を想定した訓練だと批判している。
◆部内誌に体験記 12年7月号
空自部隊は一九九六年度から米アラスカ州での米空軍演習に参加しており、F15戦闘機は二〇〇三年度から派遣されている。
本紙が入手した空自の月刊部内誌「飛行と安全」一二年七月号には、同演習での攻勢対航空(敵航空基地攻撃)訓練中、空自F15編隊がB52による爆撃を想定し、「果敢に先陣を切って経路を啓開し、粘り強く戦闘を継続してB52を援護」したという隊員の体験記が掲載されていた。
空幕広報室は本紙の取材に、同内容の訓練は事実ではないと否定。だが「他の参加国を含め任務遂行に支障を生じさせる恐れ」を理由に、詳しい内容については伏せている。
日本は専守防衛の国是から戦略爆撃機を持たない。B52は航続力や搭載量に優れ、相手国中心部をじゅうたん爆撃するような任務に好適とされている。
政府は従来、日本の防衛に当たる米艦艇を自衛隊が護衛することは、個別的自衛権の範囲内とする見解を示してきた。だが、戦略爆撃機の援護は国会で議論されていない。
琉球大の我部政明教授(国際関係論)は「これは集団的自衛権行使を前提にした訓練と考えてよい。海自の米空母の護衛訓練は知っていたが、この空自の訓練内容には驚いた。そもそも日本の防衛に戦略爆撃機が必要なのか。専守防衛という枠を大きく超える可能性がある」と話す。一九八〇年の政府見解は、集団的自衛権の行使を前提とした自衛隊の訓練を認めていない。
安倍政権は集団的自衛権の行使容認に前のめりだが、今月にも再開される首相の諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」で過去に検討された集団的自衛権行使の類型にも、戦略爆撃機の援護というケースは含まれていない。……
もちろん、米軍の攻撃型兵器を補完するような装備はもちはじめているし、攻撃型訓練への参加もすすんでいる。そういう意味では、やはりという感じもする。が、同時に、どんどん、歯止めが崩れ始めている感じがする。その論理は、まったくのなし崩しで。その論理そのものをきちんと分析することも大事。だけど、歯止めそのものをもっと根源的に問いかける必要もありそう。そのためにも、憲法9条のもとでの、国のあり方が、外交のあり方を根本から問わないと、このなし崩しに対抗できるのか、なども考えさせられるなあ。
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