長崎 原爆投下68年 平和宣言で政府を批判
背筋をぴんと張って、こういうニュースを読む。
長崎 原爆投下68年 平和宣言で政府を批判(東京新聞)長崎は九日、被爆から六十八年の原爆の日を迎えた。長崎市松山町の平和公園で市主催の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が営まれ、田上富久(たうえとみひさ)市長は平和宣言で「日本政府に、被爆国としての原点に返ることを求める」と述べ、核兵器廃絶に積極的な姿勢を示さない政府を批判した。被爆地・長崎の明確なメッセージは安倍政権下で活発化する改憲などの議論にも影響を与えそうだ。宣言は一方で、若い世代への体験継承を訴えた。
田上市長は、四月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会で、核兵器の非人道性に関する声明に政府が賛同しなかったことを「世界の期待を裏切った。核兵器の使用を状況によっては認めるという姿勢で原点に反する」と糾弾した。
インドとの原子力協定の交渉再開についても「NPTを形骸化することになる。核保有を目指す北朝鮮に正当化の口実を与え、朝鮮半島の非核化の妨げになる」と指摘した。式典にはインド政府の代表が初めて出席した。
市長は核軍縮に取り組む方針をあらためて示したオバマ米大統領への支持も表明。世界の核弾頭の九割を持つ米ロ両国にさらなる削減を呼び掛けた。
市民には、戦争放棄を明示した日本国憲法の前文を引用し「平和希求の原点を忘れないためには、戦争体験、被爆体験を語り継ぐことが不可欠」と訴え、若い世代に「あなたたちこそが未来」と語り掛けた。
東京電力福島第一原発事故の被災地には「一日も早い復興を願い、応援する」と呼び掛け、具体的なエネルギー政策の提示を国に求めた昨年に引き続き、連帯の意思を示した。
式典には過去最多に並ぶ四十四カ国が出席。原爆投下国の米国から昨年に続きルース駐日大使が参列した。各国代表や福島県川内村の猪狩貢(いがりみつぎ)副村長ら参列者約六千三百人は原爆投下時刻の午前十一時二分に黙とうし、犠牲者の冥福を祈った。
安倍晋三首相はあいさつで「確実に『核兵器のない世界』を実現していく責務がある。非核三原則を堅持しつつ、核兵器廃絶に力を惜しまぬことを誓う」と述べた。
被爆者代表の築城(ついき)昭平さん(86)は「平和への誓い」で「核兵器も戦争もない平和な世界をつくることは、全ての大人の責任だ」と訴えた。
長崎市によると、この一年間に新たに死亡が確認された被爆者は三千四百四人に上り、原爆死没者名簿に記載された総数は十六万二千八十三人。長崎市内に住む被爆者は今年三月末時点で三万七千五百七十四人、平均年齢は七八・二歳となった。
田上さんはかなりきびしい口調だったようだ。別の記事では、四月二十四日、スイス・ジュネーブでの出来事を紹介している。 「なぜ賛同できないのか。その理由をお聞かせいただきたい」と天野万利(まり)・軍縮会議政府代表部大使に詰め寄った話。NPT再検討会議の準備委員会での共同声明に賛同しなかった顛末。
若者たちの声にも耳を傾けたい。長崎市の市民団体が選ぶ「高校生平和大使」に、昨年に続いて東京電力福島第一原発事故で避難した高校生が選ばれ、九日の平和祈念式典に出席、「放射線におびえる日々は平和と言えない」と訴えた。「事故直後は情報がなかった。とにかく『逃げてください』とだけ言われた」。
こういう声に式典に参加した安倍さんは何を思ったんだろうか?
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