教育のつどい2013 教育課程・教科書分科会
金曜の夜、フォーラムのあとは、直接自分の仕事とは関係のない、請負仕事というか、流れでの仕事の打ち合わせをかねた飲み会を、高校の先生方を中心に。まあ、話を聞くのはおもしろいのですけどね。
そんでもって土曜日、日曜日は、分科会です。ずっとこの10数年、同じ24分科会に参加しているのだけど、ここはそのときどきの教育内容をめぐる政策的な焦点が、それなりにうきぼりになる分科会。最初に参加した頃は、前回の指導要領改定の時期で、総合的学習の時間が大きな焦点だったなあ。自前の教育課程づくりにもとづく学校づくりというのが焦点になる時期もあったけど。
今年は大きなテーマになったのが、教科書。とくに採択をめぐる問題だ。この間の高校実教日本史教科書の排除が大きな焦点になる。そして、道徳。さらにキャリア教育だ。うーん。
とくに教科書をめぐってはそうなんだけど。道徳でも、キャリア教育でも共通する問題がある。たとえば教科書では、その修正主義的な議論そのものを批判する必要はある。そしてそこにある言論・表現の自由という問題。それは前提の問題でもあるのだけれども。同時に、教育の自由と言えばいいのか、教育課程の自主編成権をどう取り戻すのかという問題。目の前にいる子どもたちの実態から、どのような教育計画をたてるのかという問題だ。そのなかで、教科書をどう考え、その教科書を教材としながらどのような教育をするのかという問題だ。そこには教科書の記述や、採択ということにとどまらない問題があるのだ。教科書問題はどうしても、記述の問題にかかわって議論されがちだけど、子どもの問題を父母などの議論していくうえでも、この後者の問題も含めて議論しないとなかなか合意は広がらない。そういう車の両輪の問題なんだけど、この議論はまだまだ成熟しているようには思えない。
キャリア教育の問題では、職業科のなかなかユニークで楽しい実践の話があったけど、どううけとめればいいのか、最初はまよった。だけどよくよく話を聞いていると、そこにこめられた子どもの実態への接近と、子どもの将来を見据えた教育計画がやっぱりあるんだよなあ。そういうことを考えると話のつながりなども見えてきた。
うーん。だけど全体としては政治的な危機感が強いというのが印象だった。そういうなかで、車の両輪のような柔軟な議論をどうできるのかというもの大事ななんだけど、結構、悩ましいなあということが残る分科会だった。そういう悩ましさを考えながら、考えなきゃいけないのだろうなあともね。それは大きな収穫でもあるのだけ。毎年と同じようにね。
ちなみに2日目の夜は、分科会の飲み会。大学の分科会の合同で、K先生やNさんとともに、FB友だちのKさんにも挨拶。となりで美術の分科会もいて、義姉とも遭遇。飲み会でいろいろ話して、演説もして(苦笑)。だけど、その後は、ある先生といやはやまじめな議論を1時間、しっかりと打ち合わせです。
3日目の帰りは、Nさんとの打ち合わせをかねて。だけど、二人とも新幹線の切符をとっていない。もちろん、お盆休みの最終日で、満席。唯一、こだまのグリーンが残っていて、奮発して2人でグリーンに乗車、まあのぞみと3000円ほどの違い。たっぷり2時間ほどの討論でしたが。今月4回目の東海道新幹線はちょっとリッチな旅でした。
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