疎開船「対馬丸」沈没から69年 那覇の児童ら祈り
昨日は、69年目だったんですよね。
疎開船「対馬丸」沈没から69年 那覇の児童ら祈り(朝日新聞)戦時中の69年前、沖縄から九州へ疎開する約1800人の学童や民間人を乗せて沈没した「対馬丸」の犠牲者を悼む慰霊祭が22日、那覇市で開かれた。汽笛の音が流れるなか、1分間の祈りが捧げられた。
対馬丸は1944年8月21日、長崎を目指して那覇港を出港。しかし翌日、鹿児島県の悪石島(あくせきじま)沖で、待ち伏せていた米潜水艦の魚雷を受けて沈没。生存者は400人ほどにとどまった。
慰霊祭には、生存者や犠牲者が通っていた那覇市内の小学校の児童らも出席。高良政勝・対馬丸記念会理事長は「疎開は国策だったとはいえ、幼くして命を失ったみなさんを忘れてはならない」と語った。
サイパン島が占領され、「サイパンの次は沖縄だ」と判断した軍の要請で、政府は奄美大島や徳之島、沖縄県の年寄り・子供・女性を島外へ疎開させる指示を出す。予定人数は、日本本土へ8万人、台湾に2万人の計10万人。7月19日、県は「沖縄県学童集団疎開準備要項」を発令し学校単位で疎開事務をすすめる。多数の兵士が沖縄に移駐し大量の食糧が必要になり、足手まといになる民間人を県外へ移動させることは急務だったのだ。
対馬丸(6754トン)は、1944年8月21日夕方、疎開学童、引率教員、一般疎開者、船員、砲兵隊員1788名を乗せ、同じように疎開者を乗せた和浦丸・暁空丸と護衛艦を含む計5隻の船団を組んで長崎を目指し出航。しかし翌22日夜10時過ぎ、鹿児島県・悪石島の北西10kmの地点を航行中、米潜水艦ボーフィン号の魚雷攻撃を受け対馬丸は沈められてしまう。建造から30年も経った老朽貨物船・対馬丸は航行速度が遅く、潜水艦の格好の標的だった…。ほとんどの乗船者は船倉に取り残され、海に飛び込んだ人も台風の接近に伴う高波にのまれた。犠牲者数1418名(氏名判明者=2004年8月現在)。
救助された人々には「箝口令」がしかれ、対馬丸が撃沈された事実を話すことを禁じられた。犠牲者や生存者に関する詳細な調査も行われず、沖縄に残された家族に正しい情報が伝わることはなかった。そしてその後、10月10日には那覇を中心に大空襲があり、翌年の地上戦では県民の4人に1人が犠牲になるなど、悪石島さらなる戦争被害を被ったため、対馬丸撃沈事件が知られるようになったのは戦後しばらく経ってからだった。
何年か前に、対馬丸記念館に行ったことがある。何の展示もない記念館。当たり前である。海に沈んだんだもの。その何もなさが、この事件の悲劇性を物語る。この戦争とは何だったのかも物語る。
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