奨学金の無利子枠拡大、5万人分 返済の猶予期間も延長
続いて今日は文科省の概算要求。
奨学金の無利子枠拡大、5万人分 返済の猶予期間も延長(共同通信)文部科学省は27日、日本学生支援機構が大学生らに貸与している奨学金の無利子枠を5万6千人分増やし、卒業後に返済に苦しんでいる人の返済猶予期間を延長するなど救済策も拡大する方針を固めた。学ぶ意欲があっても経済的理由で進学を断念することがないよう環境を整備するのが目的。文科省は2014年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。
本年度は約14万人分を確保していた新入生向けの無利子枠を4万人分増やし、これとは別に東日本大震災で被災した世帯の学生向けを4千人分拡大。また海外留学する学生のために新たな無利子奨学金制度を創設し、1万2千人分の確保を目指す。
うーん、給付制を最初から諦めるなど、腰が引けているなあ。
この問題で大内さんが、見解を表明しているのでクリップ。
今日(8月28日)に報道された文科省の概算要求方針について
大内裕和(中京大学教授)
今日、各紙において文部科学省の概算要求方針が報道された。これについての見解は以下の通りである。
1 無利子枠の拡大(5万6000人分)し、有利子枠を削減
1990年代の後半以降、無利子枠をほとんど拡大せず、有利子枠のみ急速に拡大してきた流れを転換しようとしている点では前進であり、評価できる。しかし、この程度では全体の半数以上が有利子奨学金である構造は変わらない。無利子枠の一層の増加が必要である。
2 年収300万以下の場合に最大5年間の返済猶予期限を10年間に延長
非正規雇用など低賃金労働が急速に増加している。非正規雇用労働者の90%以上が年収300万以下となっている現状からすれば、猶予期限延長は望ましい。しかし、非正規から正規への転換が難しく、所得が容易には上昇しない状況が続くなかで、これでは「ひと息」つけても、根本的な解決にはならない。最も適切なのは、猶予期限を撤廃し、本人年収基準とすることだ。
3 年利10%の延滞金を5%に引き下げ
余りにも高すぎる延滞金の利率の引き下げは、制度の改善である。しかし、延滞金自体が、「返せない」人に一層の負担を強いるものであり、すぐに廃止することが望ましい。
4 給付型奨学金創設の見送り
給付型奨学金創設を求める世論に応えていない。一刻も早い導入が望まれる。
全体のコメント
「奨学金被害」を批判する世論と奨学金運動の力もあって、様々な点での改善が提案されている。しかし、どれも部分的な前進であって、根本的な解決にはほど遠い。またこの概算要求でさえ、教育予算の増額に否定的な財務省の壁を突破するのは容易ではないだろう。「奨学金問題対策全国会議」をはじめ、奨学金制度改善の声を一層広げていくことが重要だ。
そうたしかに運動で変えたところがあるのは注目していい。
だけどそれでも、いま求められている改善にはほど遠い。やはり、もっと声をあげないとねえ。
しかも、財務省に対して、腰の引けた文科省。はてさて……。
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