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米軍は、自国では、このオスプレイの危険について、ちゃんと認識して、行動しているんだよなあ。
米国一面砂漠、沖縄人口密集 オスプレイ配備(沖縄タイムス)着陸に失敗した米海兵隊のオスプレイが訓練していたネバダ州の空軍クリーチ基地は、一面の砂漠に囲まれている。事故現場までの距離約5キロの半径で地図に円を描いても、線上に民家は見当たらない。普天間飛行場から同じ円を描くと、人口密集地が収まり、浦添市役所や北谷町美浜のアメリカンビレッジがかかる。近くにいた人たちに地図を見比べてもらうと、「事故多発機の訓練は広い米国でやるべきだ」と口々に語った。
タイムスの記事そのものでは、ネバダと沖縄の地図が掲載され、半径5キロに何があるのかが一目でわかるようになっている。ネバダではどこまでの砂漠が続いている。
ほんとうに、沖縄は危険だ!
関東大震災の際の虐殺の語り部って、すごい!
デマと虐殺 語り続ける 関東大震災 あす90年 「生き証人」97歳 長島花樹さん(東京新聞)九月一日、首都圏に甚大な被害をもたらした関東大震災から九十年を迎える。揺れや大火で壊滅状態となった首都圏では「外国人が暴動を起こした」といったデマから虐殺が起きた。七歳の時に被災した豊島区の長島花樹(はなき)さん(97)は「うめき声が今も耳の奥に残っている」と話す。 (杉戸祐子)
大震災から数日後、長島さんが栃木県内の親類を頼って避難するため、鉄橋の落ちた荒川を豊島区の自宅近くから、埼玉県側に渡し船で渡ろうとした時のこと。「ギャア」「ウーン」。川堤で日本人が朝鮮人を虐待する声が聞こえてきた。
目の当たりにはしなかったが、「ひどいことをしているのは子どもにもわかった」。背景にデマがあることは知っていた。「警官が『朝鮮人が井戸に毒を入れたから飲まないように』と言って回っていた。警察もすっかり混乱していた」
他にも、通っていた小学校の教諭が話し方の特徴から日本人に外国人と間違えられ、「捕まって袋だたきにされそうになった」。通りがかった同僚が事情を話して解放されたが「通りがからなかったら殺されていただろう」。
おしゃれ心から髪を「おかっぱ」にしていた知人の男性が、外国人と間違えられないように「七三分け」に変えたことも、目に焼きついているという。
長島さんは今もこれらの記憶を語り続ける。
「あの揺れを思えば普通の地震は怖くない。ただデマは本当に怖い」
いうまでもなく、あおの大震災の混乱の中で、「朝鮮人が暴動を起こした」といったデマが流され、戒厳令が敷かれた。各地で住民による自警団や軍隊が、朝鮮人や中国人、社会主義者らを殺害するという事件がおこったし、警察による虐殺もあった。犠牲者は数千人に上るとされるが、政府の調査は行われていないのだ。
日弁連はいまから10年前に調査報告を発表し勧告も出しているんだよなあ。
本当は、今日、明治でやっている「関東大震災90周年記念集会」に行きたかったんだけどなあ。残念だな。
この問題がなぜ、本土の新聞、全国紙で大きくとりあげられ、その後の調査報道がなされないのか。そこにいちばんの問題があると思うんだけど。沖縄タイムスの平安名さんの記事。
オスプレイ:「あれは墜落だ」操縦士ら証言(沖縄タイムス)26日午後(日本時間27日午前)、海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が米ネバダ州のクリーチ空軍基地近郊で着陸に失敗した事故で、事故機が所属するカリフォルニア州ミラマー基地の海兵隊員らが、事故をめぐる生々しい会話を交わしていることを本紙取材に明かした。米軍は、現場検証やパイロットら乗員から事故発生時の聴取など原因の解明を念頭に調査を進めているが、公表される情報は限定的だ。
ミラマー基地所属のオスプレイのパイロットは本紙に対し、「(事故機は)着陸体勢に入ったとたん、すぐに基地に戻る必要を示す警告ランプが点灯。機内に緊張が走ったそうだ」と話す。
オスプレイは他機種のヘリと違い、オートローテーション機能がない。そのため、着陸を促す警告ランプが点灯した場合、パイロットはただちに平たんな場所を探し、着陸を試みる必要がある。
「周辺一帯、何もない平地だったのが幸いした。地面に突っ込むような形で着陸し、乗員が機内から外へ飛び出した後に機体は燃え始め、やがて黒こげとなったそうだ」
海兵隊員らは着陸を「墜落」と形容し、機体は「黒こげだ」と証言するが、同基地広報は「ハードランディング」との表現に終始し、「墜落」という印象を否定する。
事故発生時の状況をめぐり、情報を共有する海兵隊員らは、「乗員が助かったのは奇跡だ。間一髪の判断で最悪の事態を免れた」「わずかな瞬間の判断が生死の分かれ目となる。パイロットは良い判断をした」などと興奮した声で状況を話す。
オスプレイのパイロットで、2010年アフガニスタンで起きた空軍CV22墜落事故の調査委員長を務めたドン・ハーベル元空軍准将は本紙に対し、「オスプレイにオートローテーション機能がないというのは周知の事実。警告ランプが点灯した場合、ただちに平たんな場所を探して着陸を試みるのは常識だ」と指摘。だからこそオスプレイの事故防止には、機体の整備に関する情報の共有と開示がより重要だと訴える。
今回の事故発生現場は、クリーチ空軍基地から約5キロ、ラスベガスから北西約80キロの公道沿いの地点で、周囲に住宅などがない平地だ。
米軍普天間飛行場には、事故機と同型のオスプレイが配備されている。
もし、こうした状況が同飛行場で起きていたらどうなっていたか。今回の事故は、オートローテーション機能を持たないオスプレイを、住宅街と隣接する同飛行場に配備する危険性をあらためて提示している。
この問題で、記事に付け加えることは何もない。ほんとうに、この事故をどう沖縄、そして日本の問題として考えるのかだ。
さて、今日、注文していた、ONE LOVE 高江のTシャツが届きました!
暑い中、ほんとに暑い日、午前中、思い切って、武馬さんの写真展に行ってきた。やっぱり、稲城は遠いです(苦笑)。
地域の人たちがおこなう平和展の一環として、おこなわれている写真展。手作り感もよかったけど、写真の展示もよかったです。鉄砲玉のような若い写真家の武馬さん。もちろん、写真はまだまだ荒削りだけど、対象に自分なりにまっすぐ向かっていくところがいい! 今回の写真も22枚、ずっと見ていくと、最後はやっぱりぐっときた。ほんとうに、この国はどこにいくのだろうか? 絶対に、行ってよかった写真展だった。
会場で、主催者の稲田さんからいろいろ話をお聞きした。この写真展もいろいろなドラマがあったみたいで、小さな仲介をできたことは喜び。
ほんとに、まだまだ荒削りだよ。だけど、大きく育ってほしいなあ!
シリア問題は、いよいよ大きな山場になっている。うーん。
英下院、シリア軍事介入否決 米高官「単独行動も」(共同通信)英下院は29日、シリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑を受け、英軍のシリア軍事介入への参加に道を開く政府提出議案を13票差で否決した。政権側による使用の明確な根拠がないと反対した。議決に拘束力はないが、キャメロン首相は否決を踏まえ、議会承認なしには軍事介入に参加しない意向を表明、現時点での攻撃への参加を事実上断念した。
英国は米国の最重要同盟国で、米欧「有志連合」による軍事介入を想定していた米国にとって大きな痛手。しかし、米CNNテレビによると、米政府高官は英下院の否決を受け、米軍による単独行動が「あり得る」との認識を示した。
ずっとニュースを見ていても、なかなかアメリカがここまで軍事介入を急ぐのかは、もう1つよくわからない。いわゆる「対テロ戦争」の延長線上なのか。ならば、国際法や国連のルールをきわめて、脆弱なものにしてしまった経過があるだけに、ほんとうにいまの局面は重大な局面だ。
それだけに、過去の問題に、いろいろな検証にとりくんだイギリスは、現時点では慎重な態度をとるようになったということか。カナダも同調しないというニュースも流れている。
問題は、化学兵器の使用とされている。だけど、化学兵器の使用一つをとっても、だれが使ったのかという点でも、どうも簡単な問題ではないようでもある。アサド政権への国際的な批判は強い。この点はわりあいとはっきりしている。だけど、と、同時に、その反政府勢力そのものも複雑であるようなんだけど……。ほんとに問題を単純に見ないように心掛けないとなあ。
エジプト問題に続き、もちろん問題の性質は全然違うのだけど、このシリアの問題でも、なかなか個人的な理解は、状況についていっていないなあ。問題はたしかに緊急。だけど、まず、10月号は一息ついたし、いろいろ取材をしないとなあ。
自分の働く職場の雇用環境を何とかしてほしいというのは、ほんとに切実な課題なんだなと、あらためて痛感させられる調査。井上伸さんから教えてもらった。
「自分の会社をブラック企業だと思う」会社員は3割--理由は"パワハラ""うつ病"(マイナビニュース)リビジェンは29日、全国の社会人男女を対象に実施した「ブラック企業」に関する調査の結果を発表した。それによると、「自分自身が所属する会社をブラック企業だと思う」と回答した人は約3割に上った。
同調査は、2013年8月27日にインターネット上(スマートフォン)にて行われ、スマートサーベイモニター会員の男女500人から有効回答を得た。
まず、自分自身が所属している会社のことをブラック企業だと思うかと尋ねたところ、「非常に思う」が9.2%、「やや思う」が20.6%となり、合わせて約3割の29.8%が自分自身が所属する会社をブラック企業だと考えていることがわかった。それに対して、「あまり思わない」は22.8%、「全く思わない」は28.4%、「どちらともいえない」は19%となった。
あなたは自分自身が所属している会社のことをブラック企業だと思いますか?
「非常に思う」「やや思う」と回答した人に、その理由を聞いてみると、「自社の製品を強制的に買わせる」「パワハラ」「6時出勤、23時退社(残業代はつかない)」「昨年の年間休日50日」「うつ病の社員が何人かでているから」「上司が同僚を電卓で殴って怪我をさせたにも関わらずその上司を会社は守り、同僚は心を病んで退社」など、様々な意見が寄せられた。
将来の私生活に対し不安を抱えているかとの問いに対しては、「非常に不安である」が25.2%、「やや不安である」が43%となり、7割近い68.2%が将来に対して不安を感じていることが判明。反対に「あまり不安ではない」は11.6%、「全く不安ではない」は2.4%で、不安が少ない、または抱えていない人は14.0%にとどまった。「どちらともいえない」は17.8%だった。
今後、転職を考えているかと質問したところ、「とても考えている」が21.4%、「多少は考えている」が27.2%と、約半数の48.6%が転職を考えていた。一方、「あまり考えていない」は17.4%、「全く考えていない」は16.6%、「どちらともいえない」は17.4%となった。
これがリビジョンが発表したものだけど。
「あなたは自分自身が所属している会社のことをブラック企業だと思いますか?」との質問に「非常に思う」が9.2%、「やや思う」が20.6%。しかも 「非常に思う」「やや思う」と回答した人に「その理由を教えてください」と質問したところ、「自社の製品を強制的に買わせる」「パワハラ」「6時出勤、23時退社(残業代はつかない)」「昨年の年間休日50日」「うつ病の社員が何人かでているから」「上司が同僚を電卓で殴って怪我をさせたにも関わらずその上司を会社は守り、同僚は心を病んで退社」などとリアル。
だけど、将来への不安を増大させながら、転職を積極的には考えられない現実のなかに封じ込められているというのが実態か。たたかいや運動がどのように、広がっていくのか、広げていくのか。ほんとに、ほんとに切実で、緊急の課題になっている。
午前中、ちょっtpよるところがあって、それから職場に。たまった実務を粛々と処理。ちょっと考えて、資料をさがして、やりとりする作業が実際にはなかなか手がつかない。それほど、実務がたまっている。
それでも、午後からは、教育学会の会場に。表題のシンポジウムに参加。
テーマがとても重いから。大熊町で校長先生をされていた大清水先生が、「原発事故による避難と学校再開にどう向き合ったか」という報告。いかに東電と一体となった町であったかというところからはじまって、事故後の教員に課せられたもの、子どもたちの苦しみにどう向き合ったのかということを語られた。いろいろ考えさせられることがあるのだけど、問題が大きく、なかなか考えきれない、答えをだせないことがいっぱいある。大熊の本をちゃんと読んでおかなくっちゃなあと反省。
続いて、境野先生が、「放射能汚染への父母の不安と学校の受容」と題して報告。実際の被曝の不安、子どもだけでなく、父親がいまだに原発で働いているケースも少なくはない。福島に残ってクラス子どもたちは多いのだから。だけど政治の手だては何と限られたことか。不十分な除染。許されない再除染。うーん。いろいろ疑問がよぎってくる。
で、子安さんが「科学の再考と論争的テーマの授業づくり」。もともとおこまわれていた原子力教育。客観を装う事故後の教育。だけどそこには明らかな誘導があると。だけど、ある意味では、このシンポだって一つの誘導があるのかもしれない。いろいろ、どんどん疑問が生まれる。考えなければと思うのだけどなあ。自分の能力では、現時点では、ほとんど思考停止。だけど、自分に課せられた問題じゃないかと、反省しきり。ただし、夏休みもとらない、猛暑の仕事の日々で、シンポの途中で、意識がとぎれたのも正直なところ。
学会会場では、どうしても営業活動。いろいろな人と挨拶。今日は、まず、先輩記者からはじまって、つかまえたかったI先生とは喫煙場で。大学の研究室のW先輩と、同期のSさん。会釈だけ数人。帰りに、教科研のS新事務局長などなど。
人から、どうして夏休みとらないのって、質問されるけど。うーん。今月は、これでもギリギリだったもんなあ。それでも、教育のつどいに取材にでかけたり。だけど、これがないと次がつくれない。うーん。最近は、目先の企画のための取材が多いですよ。もっと先まで深く考えて、勉強もしないと。理論的な深まりがなくなり、おこっている問題に即応するような企画だけになってしまうんだけどなあ。はやく、ここを打破できないと、などと考えるとねえ。休んで、じっくり勉強するのも必要かなあ(苦笑)。ほんとに薄っぺらいなあ、現実には自分は。
9日に文科省が公立学校の体罰調査を発表したのに続き、私学でも公表をはじめたというニュース。
体罰教員の学校名公表 京都府私立中高連合会印刷用画面を開く(京都新聞)京都府私立中学高校連合会は29日、2012年度に体罰行為を認定した教員53人について、学校名を公表した。中学が4校、高校が16校。同連合会によると都道府県レベルでの公表は全国初で、「二度と体罰をしない決意として発表した」としている。
学校名公表をめぐっては、府が情報公開請求に対して任意調査を理由に非開示としたうえで、山田啓二知事が5月に自主的な公表を要請。同連合会は各校の同意を取り、今月上旬にまとめた再集計結果を基に公表した。
同連合会は「公立と違って各校の独立運営だが、全校から同意を得ることで公表に踏み切った」とした。各校で何件の体罰があったかは「了解が取れていない」として公表しなかった。
中学校は4校8人で、立命館、京都文教、龍谷大付属平安、京都光華。
高校は16校45人で、同志社、京都文教、東山、京都両洋、洛陽総合、大谷、龍谷大付属平安、洛南、京都外大西、京都西山、立命館宇治、京都廣学館、京都国際、福知山成美、福知山淑徳、京都共栄学園。
体罰の定義もいまだはっきりしないし、調査結果も十分なものとは到底思えないけれども。情報が公表されるのはいいこと。貴重な一歩かな。ただ、問題の本質やその背景についての議論と認識が深まらないと、表面的なものになりかねないし、問題の解決にどこまで迫れるのかは、これからも問題だなあ。
最初から、文科省は、腰砕けということか。
文科省:「全面35人学級」見送り 学力相関見られず(毎日新聞)◇教員上乗せは増員
文部科学省は28日、検討中だった「義務教育全面35人学級化」を見送り、新たに小中学生のコミュニケーション能力などを「少人数教育」で高める方針を固めた。各自治体のニーズに応じた教員配置で少人数教育の拡充を図る。来年度予算の概算要求に反映させる。
関係者によると、今年度の全国学力テストの結果から、学力と学級規模の相関関係はなかったが、円滑に意思疎通できる力や規則正しい生活習慣を育む点では、少人数学級で効果が見られた。文科省は来年度、定数に上乗せする「加配教員」の数を今年度より大幅に増やす。
生活指導を強化する少人数学級や習熟度別授業、複数教員によるチームティーチングなどを念頭に、各自治体から必要数を集約し、予算を配分する。
35人化については、現在、小学1、2年で導入されており、3年生以上でも各自治体での取り組みが進んでいる。
うーん。うーん。最初から、優先順位をつけるのだろうな。その際に、政治家の顔色を考える。自民党は、子どもは大人数で競争させた方がいいと固く信じている人がまだ多そうだしなあ。
しかし、学力と相関見られずと言うが、どんな検証をしているのか。そもそも学力テストの結果をどう見ているのかなど、はっきりしない。発表されたばかりのもので、どういう検討ができるというのかなあ?不思議。
教育予算の先も見えるなあ。本気で、教育予算を豊かなものにするという立場に立ちそうにないんだよなあ。
今月の仕事は、あまりにもバタバタ。ちょっと、というかあまりにも大変だった。うーん、これではいけないのですけどね。何とか脱却して、しっかりすすめないとねえ。
さて、一段落して、夕方からは教育学会へ、表題のラウンドテーブルに。高等教育の無償化問題のところにいこうか迷ったけど。
報告者の1人は、公立小学校の特別支援学級。その抱える困難に、ちょっと驚く。たんたんとした報告だけど、実際に、子どもをうけとめ、そして文化的な授業づくりを模索し、そして成長を支える実践。しかも、学校の外の機関ともつなぎつつ支援する。うーん、たくさん、いろんなことを考えさせられる。
さらに、もう1本の報告は、相方だったので…。中身は割愛しますが、うん、さすがという感じ。
障害ある子どもの姿と、いま教室にある子どもの姿との共通性と、同時に、障害ある子どもの家庭に重なる困難の複合性。しかし、一方で、社会から排除されるその現状と、障害ある子ども以外にも広がる排除の問題。そこから何をどう考えるのか。と、同時に、まず教育実践のうえで、こうした子どもの現状から、どう子ども理解を深めるのか。
短い時間でも、なかなか刺激的な発言が続いた。
終わった後、食事会に参加。知り合いも多く、同時に今日初めて知り合った人とも、いろいろ会話できてよかったですよ。障害児教育の分野の人の熱さというものも、いろいろ考えさせられるなあ。そこにいた研究者の方と、実は子どもの保育園がいっしょだったり、世界は狭かったりです。
続いて今日は文科省の概算要求。
奨学金の無利子枠拡大、5万人分 返済の猶予期間も延長(共同通信)文部科学省は27日、日本学生支援機構が大学生らに貸与している奨学金の無利子枠を5万6千人分増やし、卒業後に返済に苦しんでいる人の返済猶予期間を延長するなど救済策も拡大する方針を固めた。学ぶ意欲があっても経済的理由で進学を断念することがないよう環境を整備するのが目的。文科省は2014年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。
本年度は約14万人分を確保していた新入生向けの無利子枠を4万人分増やし、これとは別に東日本大震災で被災した世帯の学生向けを4千人分拡大。また海外留学する学生のために新たな無利子奨学金制度を創設し、1万2千人分の確保を目指す。
うーん、給付制を最初から諦めるなど、腰が引けているなあ。
この問題で大内さんが、見解を表明しているのでクリップ。
今日(8月28日)に報道された文科省の概算要求方針について
大内裕和(中京大学教授)
今日、各紙において文部科学省の概算要求方針が報道された。これについての見解は以下の通りである。
1 無利子枠の拡大(5万6000人分)し、有利子枠を削減
1990年代の後半以降、無利子枠をほとんど拡大せず、有利子枠のみ急速に拡大してきた流れを転換しようとしている点では前進であり、評価できる。しかし、この程度では全体の半数以上が有利子奨学金である構造は変わらない。無利子枠の一層の増加が必要である。
2 年収300万以下の場合に最大5年間の返済猶予期限を10年間に延長
非正規雇用など低賃金労働が急速に増加している。非正規雇用労働者の90%以上が年収300万以下となっている現状からすれば、猶予期限延長は望ましい。しかし、非正規から正規への転換が難しく、所得が容易には上昇しない状況が続くなかで、これでは「ひと息」つけても、根本的な解決にはならない。最も適切なのは、猶予期限を撤廃し、本人年収基準とすることだ。
3 年利10%の延滞金を5%に引き下げ
余りにも高すぎる延滞金の利率の引き下げは、制度の改善である。しかし、延滞金自体が、「返せない」人に一層の負担を強いるものであり、すぐに廃止することが望ましい。
4 給付型奨学金創設の見送り
給付型奨学金創設を求める世論に応えていない。一刻も早い導入が望まれる。
全体のコメント
「奨学金被害」を批判する世論と奨学金運動の力もあって、様々な点での改善が提案されている。しかし、どれも部分的な前進であって、根本的な解決にはほど遠い。またこの概算要求でさえ、教育予算の増額に否定的な財務省の壁を突破するのは容易ではないだろう。「奨学金問題対策全国会議」をはじめ、奨学金制度改善の声を一層広げていくことが重要だ。
そうたしかに運動で変えたところがあるのは注目していい。
だけどそれでも、いま求められている改善にはほど遠い。やはり、もっと声をあげないとねえ。
しかも、財務省に対して、腰の引けた文科省。はてさて……。
これは、2週間前に韓国の通信社が報じたニュース。だけど、日本ではまったく報道されていない。
マッカーサーの機密文書公開 慰安婦の強制性に言及(聯合ニュース)1945年当時、連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー最高司令官が、旧日本軍が従軍慰安婦を強制動員した事実を記録した機密文書を作成していたことが明らかになった。
米下院外交委員会東アジア担当専門委員を務めた米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)客員教授、デニス・ハルピン氏が13日(現地時間)、同文書の主要内容と表紙の写真を聯合ニュースに公開した。
この文書は1992年3月に機密等級が解除され、2006年から米議会が慰安婦決議案採択を推進する際に、日本政府が慰安婦動員に直接介入し慰安所を組織的に運営していた証拠資料となった。また、当時のブッシュ政権により議会に提出され決議案通過に大きく貢献した。
マッカーサー最高司令官の名前で1945年11月15日に連合国軍総司令部が作成したこの文書は、「性的奴隷」である慰安婦制度の大綱を盛り込んだもので、朝鮮半島とビルマ(現ミャンマー)などで慰安婦動員および慰安所運営に日本軍がどう介入したのかについて、詳細な内容を提供するものだ。
2006年に当時のヘンリー・ハイド下院国際関係委員会(現・下院外交委員会)委員長に提出されたこの文書のタイトルは「日本軍慰問施設(Amenities in the Japanese Armed Forces)」。
ハルピン氏は「この報告書は、慰安婦システムに日本軍は公式的に介入しておらず、私的な事業だったとする日本の右派勢力の主張がうそであることを立証するものだ」と説明した。
報告書の結論では「厳格な規律の下での慰安所設置は、日本軍が駐屯する一定規模を超える全ての地域で軍当局の承認を受けた」と記されている。
また、戦争捕虜などの証言を引用し朝鮮半島にいた日本人事業家らが日本軍の要請を受け、朝鮮の女性らをビルマなどに連れて行く過程で日本軍の許可を得たと記述されている。
さらに、ある捕虜が22人の19~31歳の女性を300~1000円で買い取り、日本軍から無料乗船券をもらって釜山から船で女性らを日本軍の駐屯地に連れて行ったという内容も記載されている。
女性らはビルマに到着後、日本軍歩兵第114連隊に配属され、中国・広州から売られてきた21人の中国女性、そして日本女性らと合流した。通行権や医療は日本軍が提供し、食べ物は日本軍の支援で慰安所の所有者が購入したと記されている。
報告書はまた、ナチス・ドイツの親衛隊(SS)にあたる日本の憲兵隊が慰安所周辺に存在した事実も記載し、兵士らが軍の機密を話題にしないよう監視していたとしている。
ハルピン氏は日本の軍当局が慰安婦の移動を担当したという点は、人身売買に直接介入したことを示唆するもので有罪を裏付ける証拠だと強調した。
米国の同盟国である日本に対する慰安婦決議案に当初は非協力的だったハイド元委員長も、この文書を見てから日本軍が慰安婦を強制的に動員したことを認識した。その上で、これを「明白な証拠(smoking gun)」と表現し、議会通過を積極的に支援した。
ハルピン氏は、「注目すべき点はブッシュ政権が機密等級が解除されたこの文書を日本政府が(慰安婦制度運営に)直接介入した証拠として議会に提出したことだ」と指摘した。併せて、クリントン前国務長官が1995年に大統領夫人として中国・北京で行った人権や女性の権利をテーマにした国連演説で、慰安婦を「強制動員された性奴隷」だと指摘したほか、昨夏にも同じ表現を使った点に言及した。
ハルピン氏は最近、読売新聞が社説で慰安婦の強制性を事実上否定したことについても苦言を呈した。
ハルピン氏は読売新聞に対し、マッカーサー最高司令官の下で作成された文書があり、ハイド元委員長が文書を「明白な証拠」と指摘し、クリントン前長官が「性奴隷」だと表現しても、「依然として同じ主張を展開するのか」と問いかけた。
1週間後にも、東亜日報が報じている。アメリカで、なぜ世論が変わっていったのかの背景がよくわかるもの。
できればマッカーサー機密文書の現物を見てみたいものであるなあ。
概算要求が続いている。どの省庁も、予算枠は膨張するばかり。だけど、発想がとにかくお金をつぎ込んで、経済を活性化させるというもの。それもその行き先は、当然、大企業中心。
国交省、重点配分枠に1.2兆円 14年度概算要求 (日経新聞)国土交通省が27日発表した2014年度予算の概算要求は一般会計総額が13年度当初予算比16%増の5兆8591億円になった。公共施設の耐震化など防災や老朽化対策の公共事業関係費が膨らんだ。政府の成長戦略を後押しする重点配分枠は1兆2419億円を計上。都市やインフラの国際競争力向上に向けて首都圏空港や大規模港湾の機能強化を盛り込んだ。
国交省予算の大半を占める公共事業関係費は17%増の5兆1986億円。道路整備は1兆2026億円、ダムなどの治水は6763億円を計上した。群馬県の八ツ場ダムの本体工事の費用も盛り込んだ。IT(情報技術)などを活用したインフラの維持管理・更新事業では3731億円を要求した。
交通インフラの整備では、羽田空港の滑走路延伸や成田空港の格安航空会社(LCC)専用ターミナルの整備といった首都圏空港の強化事業に147億円を計上。整備新幹線はすでに着工している北海道、北陸、九州の各新幹線の建設費で822億円を要求した。京浜港や阪神港といった大規模港湾に貨物を集めたり、近隣の物流施設の機能を高めたりする事業は536億円を求める。
同日発表した来年度の税制改正要望では、航空会社が燃料の補給時に払う航空機燃料税の軽減措置の3年間延長を盛り込んだ。リニア中央新幹線を建設する東海旅客鉄道(JR東海)が取得する不動産の登録免許税や不動産取得税を非課税にする措置の創設も求めた。
安倍内閣が、新自由主義的構造改革一本槍とは言えない支離滅裂さが出ている。正直言って、旧来型の自民党政治への復帰を思わせる。経済の矛盾を前に、何でもありの、正直一貫性のない経済政策になっていることの証左かなあ。
だけど、そのどさくさにまみれて、大軍拡にも踏み出そうとしている。日経新聞によれば、自民党の麻生太郎副総理兼財務相は27日、横浜市内のホテルで講演し、「尖閣は守るという意志を明確に伝える意味において、自衛隊の増強は避けて通れない」「防衛力を持っていても、立派な憲法を持っていても、いざというときに国家、国民のために使うという国民的なコンセンサスがいる」とも発言したそうな。根本から、批判する必要があるよなあ。
全国学テの結果が公表された。いよいよ曲がり角に来ているという感じがする。
全国学力テスト 知識の活用力に課題(NHKニュース)全国の小学6年生と中学3年生を対象に行われた「全国学力テスト」の結果が27日公表されました。
国語と算数・数学のいずれも身につけた知識を活用する力に課題がある一方、正答率の低い地域と全国平均との差が縮まっており文部科学省は「学力向上の取り組みで底上げが図られている」と分析しています。
「全国学力テスト」は、文部科学省が平成19年度から小学6年生と中学3年生で行っていて、ことしは4年ぶりにすべての児童生徒、およそ230万人が対象となりました。
テストは国語と算数・数学で行われ、それぞれ▽基礎的な知識をみる問題Aと▽その知識を活用する力を問う問題Bに分けて出題されました。
公立学校の正答率の平均は▽小学校の国語のAが62.7%、Bが49.4%、▽小学校の算数のAが77.2%、Bが58.4%、▽中学校の国語はAが76.4%、Bが67.4%、▽中学校の数学はAが63.7%、Bが41.5%でした。
問題Aより問題Bのほうが正答率が低いのは過去のテストと同じ傾向で、複数の内容を分析的に捉えて自分の考えを書くなど、知識を活用する力に依然として課題があることが分かりました。
また、このテストでは都道府県ごとの平均の正答率を公表していますが、正答率の低い地域と全国平均の差が縮まり、今回初めて小学校のすべてのテストで最下位と全国平均の差が5ポイント以内におさまりました。
文部科学省は「学力向上の取り組みで底上げが図られている」と分析しています。
テストの結果は、28日までに各地の教育委員会や学校に伝えられます。
で、こちらが、その調査結果。
詳しくは、しっかり分析して、専門家の意見もたくさん聞かないとなあ。
ただ、これだけ、このテストの対策のための授業みたいなものがひろがった現状でのこの結果。
NHKの報道では、都道府県別の正答率について、秋田と福井の高さを紹介し、文部科学省は「学校と教育委員会が一体となって家庭学習の充実や、自分の考えを文章化する授業に取り組んできたことが背景にある」と分析しているとしている。問題はその中身だよなあ。しかも、去年、すべてのテストで正答率が最も低かった沖縄県では、いくつか最下位を脱出したとして、沖縄県では、秋田県に教員を派遣し、1年にわたって研修を受けているほか、専門家を招いて授業の研究会を重ねてきたといっている。文部科学省は「底上げが図られている」としているが、問題はその中身なんだろうけど。高知県が4ポイント上昇したこともとりあげ、独自の学習シートを作って放課後の補習や家庭学習を促しているなどなど。これって、それだけでもどうなんだろうか?
しかも、文部科学省国立教育政策研究所の勝野頼彦教育課程研究センター長は、「過去に正答率が低かった問題を意識的に出した結果、一部改善は見られたものの、引き続き課題となっていることが分かった。特に、基本的な知識や技能を実生活や問題解決に活用できるかどうか、いわゆる『活用力』に課題があった」と分析していると紹介。結局、課題とされる活用、応用などがね。B問題は依然として低い。グローバル化に対応などと良いながら、実際には、これまで反復練習が中心となっているのを伺わせるのだけど。というか、これではどんな意味があるのかというような思いも、正直、現場では広がっているのではないのか。もっと、子どものとって、どんな学力が必要で、教育がどうあるべきか。現場からの議論をしっかり積み上げないと、どんどん行き詰まるのではないのかなあ。などと思った次第。
うーん。ついに合意かあ。臨時国会の1つの大きな課題になるんだよなあ。
高校無償化の所得基準、年収910万円に 自公合意(日経新聞)自民、公明両党は27日午前、国会内で政調会長会談を開き、高校授業料の無償化制度に設ける所得制限について世帯年収910万円以上とすることで合意した。所得制限で浮いた財源を使い、年収250万円以下の低所得者層に公立高校で年間13万円、私立高校で14万円の給付型奨学金を創設する。所得制限導入時の新入生から適用する。
所得制限の基準額を巡っては、自民党は年収900万円、公明党は930万円を主張し、最終調整を進めていた。政府・与党は2014年度からの導入を目指し、秋の臨時国会に関連法の改正案を提出する。
自民党の高市早苗政調会長は記者団に、所得制限の対象は全世帯の22%で、約490億円の財源を捻出できるとの見通しを示した。政府・与党は低所得者層向けの給付型奨学金に限らず、私立の高校生を抱える世帯への就学支援金の増額や、海外の日本人学校に通う生徒への支援拡大などにも活用する方針だ。
高校授業料の無償化制度は、民主党政権下で10年度から始まった。
民主党政権下の高校授業料無償化は、その後の高校中退者の減少などにあらわれているように重要な成果だったと思う。だけど、いろいろ不十分さもある第一歩だんたんだと。しかし、それが、つぶされる。一方で、自民・公明は、250万円までの低所得世帯に無償で支給する新設の「給付型奨学金」に関し、私立高校生に年14万円、公立高校生に年13万円とすることでも合意したという。
所得制限導入により、私学に通う高校生に支給される就学支援金も大幅に増える。世帯年収250万円までの低所得層は現行の23万7600円から29万7000円に増加。世帯年収250~350万円の層は、現行の17万8200円から23万7600円に増える。350~590万円の層は、現行の11万8800円から17万8200円に引き上げる。
ここには意図的に、問題をすり替え、分断を持つ込むトリックがありそうだ。だからこそ、冷静な議論をしないと、なかなか合意が広まらないかもなあ。もう少し、この子育て層の、経済実態・生活実態の分析をしっかりやった批判が必要だろうなあ。
と、同時に、なぜ、国際的な条約も含め、高校の授業料を無償化としているのか。つまり貧しい家庭だけではなく、一定以上の収入のあるそうも無償化で公で面倒をみるのか。ここを社会的な合意がえられるような説得力をもった議論も必要なのだろうなあ。
那覇空港の滑走路増設をめぐる動きが活発になってきた。ちょっと重要な問題だけに、クリップ。
那覇滑走路増設:総事局、埋め立て来月申請(沖縄タイムス)那覇空港の第2滑走路増設に向けて、事業主体の沖縄総合事務局と国土交通省大阪航空局が、9月後半にも埋め立て申請を県と那覇港管理組合(管理者・仲井真弘多知事)に提出する見通しであることが分かった。工期5年10カ月の前提である2014年1月着工をにらみ、仲井真知事は提出後3~4カ月で申請の可否を判断するとみられる。
申請に先立つ環境影響評価(アセスメント)手続きで、総合事務局と大阪航空局が提出した評価書を受けて、県と同組合は連名で来週末にも意見を出す見通し。意見は50件に満たないとみられ、大きな変更や再調査を求めるものはない。
総合事務局と大阪航空局は、埋め立て分に関して県と同組合、滑走路増設分は国交省航空局に意見を求めていた。国交省意見は9日付で出ている。
意見を受け、総合事務局と大阪航空局は評価書を補正する作業に入る。補正を終えた後、9月後半にも評価書の告示・縦覧を始めるとともに県などに埋め立て申請を提出する方向で調整を進めている。埋め立て申請は、評価書の告示・縦覧が始まり次第、行うことが可能になる。
那覇空港の第2滑走路増設をめぐっては、県の強い要望により、事業費の増額などで工期を実質1年短くし着工を2カ月前倒しすることで、政府は当初7年だった工期を5年10カ月に短縮。19年末に完成させるには14年1月着工が前提となる。13年度予算では130億円が盛り込まれた。
タイムスは3、4カ月で可否と書いたが、2、3カ月でという話もある。」実は、通常は半年から一年かかるものだそうだ。工期短縮のために強行するというのか。そもそも、埋立対象となる公有地水面は160haもの広さ。余りにも乱暴ではないのか。しかも、工期短縮の工事を担えるのはどうしても大手ゼネコとならざるをえないのでは。地元への経済波及効果は小さくなる。
沖縄の海は自然の宝庫だ。この那覇空港滑走路増設では、サンゴとクビレミドロは埋め立てられる。クビレミドロはひじょうにめずらしい黄緑色藻の一種で沖縄島で しか確認されていない。一属一種の日本固有種。これを移植して保全するというのだけれども。屋内移植実験はあるが、海域で成功するかどうか不明だという話。そもそも、サンゴの移植は科学的には確立されてないし、移植場所もまだ何も決まっていないのだ。
国土交通省によると、那覇空港の滑走路処理能力は年間13万5000回で、2030年の予測でも12万1000回だという。つまる、どんなに観光客がふえて増便しても滑走路の処理能力には余裕があるのだ。にもかかわらず、那覇市に唯一残された自然海岸を埋め立てるというのだがその根拠は弱いというほかない。
ではなぜ、こんな話になるのか。那覇空港の滑走路処理能力が限界に近づいていると主張している人たちは自衛隊の軍用機が増え続ける事が念頭にあるからではないのか。最近、那覇空港にいくと、F15だとか、P3Cだとか軍用機が幅を利かせている。防衛省は滑走路増設の機に乗じてF15を20機から30機に、偵察機を6機程度増やす計画をもっているという。那覇空港でも現在でも爆音被害は限界だ。しかし滑走路増設を主張する沖縄県知事は、軍事利用拡大には沈黙しているのだ。(以上、赤嶺さんのツィートを参考に、構成) 写真は6月に沖縄に行ったときの那覇空港。そのときはP3Cがいっぱい。
実物をみられるのは来月になってからなんでしょうね。厚生労働白書。
交際相手いない若者、男性6割・女性5割(読売新聞)2013年版の厚生労働白書案が26日、明らかになった。
「若者」を個別テーマとして初めて取り上げ、少子化につながる若者の晩婚化や未婚率上昇について、「自力で『理想の相手』を見つけることの難しさも一因」などと分析しているのが特徴だ。
白書は9月中旬に閣議で報告された後、厚労省が公表する予定だ。
白書案は「若者の意識を探る」というサブタイトルで、結婚や出産・子育て、仕事に関する若者の意識などを分析した。
結婚については、国立社会保障・人口問題研究所の調査(2010年)などで、〈1〉18~39歳の未婚者の9割弱が結婚願望を抱いている〈2〉異性の交際相手も友人もいない割合は男性で約6割、女性で約5割に上っている――との結果になったことなどを踏まえ、白書案で「結婚相手の候補となりうる交際相手がいる若者は限定的」と指摘した。
どこまでリアルにせまるのだろうか?楽しみでもある。
一方、『現代思想』は、「婚活のリアル」。まあ、示し合わせたわけではないだろうけれども。こちらも、ちがった意味で、読み応えがありそうです。まずは、知り合いの論文から。
ちょっと、励まされるニュース。
過熱する憎悪:中高生、抗議の原動力 排斥デモおかしい(毎日新聞)◇K−POPファン ツイッターや動画で訴え
在日コリアンらの排斥を掲げるヘイトスピーチ(憎悪表現)デモ。数年前から始まっていたデモに対し、早くから「おかしい」と声を上げたのは、K−POPファンの中高生らだったという。彼らの日常ツールともいうべきツイッター(短文投稿サイト)で広がった批判は立場や主義を超え、「カウンター」と呼ばれる抗議活動を活発化させるきっかけとなった。
静岡県沼津市の定時制高校2年の女子生徒(16)がツイッターでデモを知ったのは今年4月のことだ。
中学時代、韓流ドラマにのめり込んだのがきっかけで、お気に入りの韓国人女性歌手が来日した時の「追っかけ」をしている。週4日、時給760円のコンビニのアルバイトも「そのための資金稼ぎ」と笑う。ハングルは独学でマスターし、インターネットで知り合った友人も韓国にいる。<大好きな人が傷つけられるのは許せないし、守らないといけない>
ツイッターにそう書き込んだ約2カ月後の6月30日。家族の反対を押し切り、各駅停車の東海道線で一人、東京・新大久保に向かった。「朝鮮半島へ帰れ」「やつらを通すな」。気が付くと、怒号が飛び交う中、カウンター側の最前列でデモ隊と対峙していた。行く手を阻もうとしたが、警戒中の機動隊員に脇に押し出された。目の前をデモ隊が悠々と通り過ぎていく。悔しくて涙が止まらなかった。
数日後、翌週予定されていたデモが事実上の中止に追い込まれたと知った。あの場所で初めて出会った人たちと声をからしたことが無駄ではなかった。ようやくそう思えた。
「良い韓国人も、悪い韓国人も殺せ」。忘れられないのは現場で掲げられていたプラカードだ。「相手にするな、放っておけと言う人もいる。でも私は許せない」。最近、在日コリアンへの差別の問題についても考えるようになったという。
◇
「韓流スターの商品を壊したり、韓国人に死ねなどの暴言を吐いたりしているのをネットで見ました。人として最低だと思います」
愛知県の公立高校1年の男子生徒(15)は中3だった1月、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の嫌韓デモに反対する意見をYouTubeで公開した。ビデオカメラの前で正座し、約3分間。少年が顔出しで前日のデモを語る動画は大きな反響を呼び、再生回数は1万2500回を超えた。…
この高校生は次のようにいっている。「ツイッターなどでデモを知り、黙っていられないと思った。動画投稿は趣味だから抵抗はなかったけど、顔を出すことにはやっぱりちゅうちょがあった。でも、こそこそしたくないから」「韓国に不満があったとしても、暴言を吐くだけでは何も変わらないし、みんなが悲しむだけ。大人ならもっと別のやり方があるんじゃないですか」と。
若者は保守化したと言われている。たしかに、新自由主義と親和的な気分のなかで生きているし、そして、近現代史の事実については教えられていない。だけど、若者の姿は一葉ではない。そういうなかで、こういう思いをもつ若者も少なくはないのだ。
陳腐な感想しか書けないのだけど、なあ。よかった、よかった。
島根・松江市教委、「はだしのゲン」閲覧制限を撤回(TBSニュース)漫画「はだしのゲン」が島根県松江市の小中学校で自由に読むことができなくなっている問題。26日、松江市教育委員会は臨時の会議を開き、閲覧制限の撤回を決めました。
広島の原爆被害を描いた漫画「はだしのゲン」。松江市教育委員会は「描写が過激だ」として、市内の小中学校に対し、児童や生徒への閲覧制限を求めていました。
その後、松江市には全国からおよそ3000件の意見や苦情が寄せられたため、教育委員会は26日、臨時会議で「各学校の自主性を尊重する」とし、要請の撤回を決めました。
「我々がコントロールすることは問題がある」(松江市教育委員会 委員)
早ければ夏休み明けには松江市内の小中学校の本棚に、「はだしのゲン」が並ぶことになりそうです。
ならぬことは、ならぬ。下村さんの発言も、世界の流れからいって、ちょっと通用しないことですしね。
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改憲、有権者の「賛成」減少 (朝日・東大谷口研調査)(朝日新聞)■集団的自衛権の行使も
安倍政権がめざす憲法改正や集団的自衛権の行使容認に対し、政権発足時に比べて有権者の賛成度が下がっている。朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室の共同調査でわかった。賛成派は依然多いが、積極姿勢をとる政権や参院選当選議員とは対照的に、有権者の理解は広がっていない。
調査は、昨年末の衆院選後に回答した有権者1890人が対象。意識の変化を探るため、先月の参院選後に調査票を送り1540人(81%)から回答を得た。
改憲に「賛成」「どちらかと言えば賛成」と答えた賛成派は44%。「反対」「どちらかと言えば反対」と答えた反対派(24%)を上回ったが、衆院選時(51%)から7ポイント下がった。参院選比例区で自民に投票した人に限っても、賛成派は58%で、参院議員全体の賛成派(75%)とはいずれも大きな開きがある。
さらに、改憲の発議要件を衆参の3分の2から過半数に緩和する96条改正では賛成派はより少なくなり、31%にとどまった。議員の賛成派は52%だった。
また、集団的自衛権の行使容認の賛成派は39%で、衆院選時の45%から6ポイント下がった。安倍晋三首相は参院選の大勝後、議論を加速させる方針を示し、行使容認に前向きな小松一郎駐仏大使を内閣法制局長官に起用。しかし、有権者にはこうした政権の姿勢と温度差があることがうかがえる。
原発の再稼働については反対派が6ポイント増の43%にのぼり、28%の当選議員とは15ポイントの開きがあった。
安倍さんの動きは、国民のあいだで警戒感を広げているのは事実だと思う。この改憲、解釈改憲をふくめた課題が、彼らにとっても大きな矛盾をはらんでいるということがわかる。それだけに、彼らも彼らなりに対応してくるのだろうけれども。だけど、国会議員が全体として前のめりのなかで、どんな動きになっていくのかは注視しておく必要がある。
ただ安倍晋さんの仕事ぶりについて、「よくやっていると思う」から「思わない」まで5段階で、59%の人が「どちらかと言えば」を含めて「よくやっている」と評価している。しかし、「評価できる」とされた中身は、経済成長戦略策定に向けた取り組み(41%)、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加表明(31%)、黒田東彦(はるひこ)氏の日銀総裁への起用(23%)だ。経済政策、「アベノミクス」への期待といえばいいのか。
これがその世論調査の特集。
うーん、生のデータが見たいところだな。
どこまで、海の汚染はひろがったのか? かなり絶望的なものを感じるのだけど…。
福島第一 排水溝から高濃度ストロンチウム タンク汚染水 外洋流出(東京新聞)東京電力福島第一原発の地上タンクから、原子炉を冷やした後の処理水三百トンが漏れた問題で、東電は二十三日、外洋につながる排水溝に沿い、高い濃度の放射性ストロンチウムなどを含む水が確認されたと発表した。処理水がそのまま外洋に流れ出ていたことが確実になった。
東電は二十二日、問題のタンク群近くの排水溝で採取。分析した結果、タンクより上流では放射性セシウム、放射性ストロンチウムとも濃度比のばらつきはあまりなく、濃度も一リットル当たり数十ベクレル程度と比較的低かった。
しかし、処理水が溝に流れ込んだとみられている地点から下流側では、セシウム濃度はほとんど検出されなかったのに対し、ストロンチウムは一リットル当たり二〇〇~五八〇ベクレルと高い値で検出された。
タンクから漏れた処理水は、原子炉建屋地下にたまった高濃度汚染水からセシウムの大半を除去してあるが、ストロンチウムなどは高濃度で残っているのが特徴だ。
溝で採取された水とタンク内にあった処理水の特徴が一致していることから、漏れた水は溝を伝って外洋に流れ出たことがより確実となった。既に、溝の中には土砂とともに水が流れた形跡があり、毎時六ミリシーベルトと通常よりかなり高い放射線量が計測されていた。
どのように理解すればいいのか。だれか、この問題について、どう勉強すればいいのか?教えてほしい。
明日は、取材に言って仕込むか、それとも割り切って休むか。思案中。
なんなのだ、これは。
タンク汚染水漏れ、点検記録なし 福島第一原発(朝日新聞)東京電力福島第一原発のタンクから高濃度の放射能汚染水が漏れた問題で、東電がタンクを巡視する際の点検記録を作っていなかったことが23日、原子力規制委員会による現地調査でわかった。東電の汚染水管理のずさんさが、大量の汚染水漏れにつながっていた。規制委は点検と管理を強化するよう東電に指示した。
東電はタンクから汚染水漏れがないか、1日2回巡視している。しかし、漏れに気づかずに約300トンが漏れ、一部は海に流れ出ていた可能性が高い。
この日、規制委の更田豊志委員らが福島第一原発を調査。東電に巡視の状況を記した点検記録を示すよう求めたところ、放射線量や見回った時刻などの記録がなかったことがわかった。
巡視の際に放射線量を定期的に測って記録すれば、変化によって汚染水漏れを早い段階で見つけることができる。しかし、点検はタンクから水漏れがないかを外から見るだけだった。
更田委員は「異常や変化をとらえるためには、平常の状態を記録し続けておく必要がある。点検がずさんと言わざるを得ない。漏洩(ろうえい)を前提とした対策が取れていない」と指摘した。
危機感がないといえばそれまでだけど。だけどなあ。
安全だ、大丈夫だと信じたい、が信じるという神話をつくるってことに転化する。その構造を打破できずにいる。政府も、東電も。まず事態を直視すべきでしょう。
高校のとき、なぜかものすごくこの人の歌がすきだった。
たぶん、高校1年のときの曲がこの曲だった。
だからUTADAも大好き。
あと、アイドル系で好きだったのが、桜田淳子だったなあ。
なんとなく、一貫しているかもねえ(苦笑)。
その後、彼女がどのような人生を送ったか、知るよしもないが、ただただ、合掌。
大事な思い出でもあるしね。
集団的自衛権をめぐる議論が活発だ。というか異様な様相をみせるようになっている。そもそも、そこには無理があり、その無理を無理矢理突破しようとしているのだから。そのなかでも一局面。
集団的自衛権の山本氏発言 公明代表が支持表明(東京新聞)公明党の山口那津男代表は二十二日の記者会見で、前内閣法制局長官の山本庸幸(つねゆき)最高裁判事が憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は困難と発言したことについて「ぎりぎり許される」と支持する考えを示した。
山本氏が法制局長官から最高裁判事に就任した直後の発言だったことを踏まえて、山口氏は「内容的には法制局の議論の積み重ねの範囲だ。これまでの立場の集大成という意味で、この機会が最後の発言の場になるという思いもあったかと推測する」と指摘した。
山本氏は二十日の最高裁判事就任会見で、「集団的自衛権の行使は、従来の憲法解釈では容認は難しい。実現するには憲法改正が適切だろうが、それは国民と国会の判断だ」と発言。これに対し菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十一日の記者会見で「合憲性の最終判断を行う最高裁判事が、公の場で憲法改正の必要性に言及したことに、極めて違和感を感じる」と不快感を示していた。
最高裁判事が判決以外で憲法解釈に言及するのは極めて珍しい。一方、憲法で「憲法及び法律にのみ拘束される」と、外部から圧力を受けないよう独立性が保障されているため裁判官を批判した菅氏の発言も異例だ。
公明党は解釈改憲による集団的自衛権行使に反対の立場。山口氏は二十二日の会見でも「従来の(政府)見解を変更する必要があるなら、なぜ変えるのか、変えた結果どういう影響が及んでいくのか幅広く慎重に検討する必要がある」と強調した。
この山口さんの発言も、いろいろな見方ができるのだろうけれども。具体的なやりとりは。
Q 前法制局長官と菅官房長官のやりとりについて。
A
中身の問題と発言する立場の問題と2つ問題があるかもしれない。内容的には、これまでの法制局の議論の積み重ねの範囲でおっしゃったことだろうと認識している。その点で山本さんは直前まで法制局長官として、歴代の法制局の答弁の積み重ね、あるいは長官として歴代長官の立場や発言も引き継いできた中で、その範囲内でおっしゃったことだ。最高裁判事に就任する時点での発言だ。最高裁の判事は独立性を持って、事件の解決に必要な限りで憲法判断を示すという裁判所の立場だから、今後の最高裁判事として、実際に活動されるにあたっての言動、われわれ立法府に所属する人間として、発言を慎重に考えたい。最高裁判事の実際の仕事に携わる立場からご本人も、そういう立場での発言に気を使われるだろうと思っている。国会の立場で、3権分立の下で、判事の言動についてはわれわれも一定の配慮をしなければならない。
同時に行政の立場の方々も同様のことは配慮されるだろう。そういう中で、昨日の発言は、行政から司法に移る当初の発言だから、これまでの立場の集大成という意味で、この機会が最後の発言の場になるのかな思いもあったかと推測もされるが、私はぎりぎり立場上許される発言だと思う。
Q 集団的自衛権の行使容認にあたっては憲法改正が必要か。
A
まだそこまで議論が成熟していない。いままだ政府は現時点でも、従来の法制局の見解を維持している。それを変えるべきかどうかという議論は、政府としては公式にはなされていない。我々がその段階で、いま申し上げることではない。
いずれにしても、首相の私的諮問機関である安保法整懇でこれから議論が開始されるのであれば、今後従来の見解を変更する必要があると考えるのであれば、なぜ変えるのか、あるいはどのように変えるのか、変えた結果どういう影響が及んでいくのかということを、幅広く深く慎重に検討していく必要があるだろうと現段階ではそう思っている。
一方で、集団的自衛権の在り方を検討している「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の柳井俊二座長は23日、共同通信の電話インタビューに応じ、憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を全面的に容認するよう政府に提言する考えを明言したそうだけどねえ。
明日から、ちょっとこの問題の集中的勉強を再開しないとなあ。仕事だしなあ。
体もつらいけど、心がちょっとね。すぐ、いろいろ考え込むなあ。難しい問題が多いから。すぐ、孤立感と孤独感。まあ、自分からいろいろ十分なことができない人間だしねえ。それはそれでも、しっかり、しないとねえ。
うーん。今日の朝のニュースでこんなのが流れた。
少人数教育などに教員3万人余採用へ(NHKニュース)小中学校で1クラスの児童生徒の数を35人以下にして少人数教育を行うなど、きめ細かな指導を進めるため、文部科学省が来年度から7年かけて教員3万3500人を新たに確保する計画をまとめたことが分かりました。
公立の小中学校では現在、小学校1年生と2年生で35人学級となるよう予算措置がとられていますが、文部科学省は子どもたちの学力向上やいじめなどの対策にはきめ細かな指導が欠かせないとして中学3年生までのすべての学年で少人数学級の実現を目指しています。
そして来年度予算案の概算要求に向けてまとめた計画で、来年度から7年かけて、教員合わせて3万3500人を新たに確保する方針を固めたことが分かりました。
このうち少人数教育の実現に7年で1万4700人の採用を見込み、来年度は2100人分の経費を盛り込みたいとしています。
1クラス35人以下にするだけでなく、教科や習熟度によってクラスを分け、少人数で授業をするなど、それぞれの学校に適した方法で進められるようにする方針です。また、▽いじめ対策や▽障害のある子どもへの特別支援教育、▽小学校での英語教育を担当する教員のほか▽若手を育成する「指導教諭」などとして、7年で合わせて1万8800人を採用する計画で指導力の向上や新たな教育課題に対応していきたいとしています。
35人学級については、すでに一度は計画していたわけで…。民主党政権下で薄まって、政権交代を前に、事実上撤退していった。財務省の強硬な暴論の前には、たじたじだし。自民党を前に、どんなことも文科省は言うのかなあ。問題は財務省と自民党の前でこの省庁が縮み上がることだよなあ。今後の展開は、注目したいが、やっぱり運動を強めないと。もちろん問題のある部分への発言も含めてねえ。
昨日は、69年目だったんですよね。
疎開船「対馬丸」沈没から69年 那覇の児童ら祈り(朝日新聞)戦時中の69年前、沖縄から九州へ疎開する約1800人の学童や民間人を乗せて沈没した「対馬丸」の犠牲者を悼む慰霊祭が22日、那覇市で開かれた。汽笛の音が流れるなか、1分間の祈りが捧げられた。
対馬丸は1944年8月21日、長崎を目指して那覇港を出港。しかし翌日、鹿児島県の悪石島(あくせきじま)沖で、待ち伏せていた米潜水艦の魚雷を受けて沈没。生存者は400人ほどにとどまった。
慰霊祭には、生存者や犠牲者が通っていた那覇市内の小学校の児童らも出席。高良政勝・対馬丸記念会理事長は「疎開は国策だったとはいえ、幼くして命を失ったみなさんを忘れてはならない」と語った。
サイパン島が占領され、「サイパンの次は沖縄だ」と判断した軍の要請で、政府は奄美大島や徳之島、沖縄県の年寄り・子供・女性を島外へ疎開させる指示を出す。予定人数は、日本本土へ8万人、台湾に2万人の計10万人。7月19日、県は「沖縄県学童集団疎開準備要項」を発令し学校単位で疎開事務をすすめる。多数の兵士が沖縄に移駐し大量の食糧が必要になり、足手まといになる民間人を県外へ移動させることは急務だったのだ。
対馬丸(6754トン)は、1944年8月21日夕方、疎開学童、引率教員、一般疎開者、船員、砲兵隊員1788名を乗せ、同じように疎開者を乗せた和浦丸・暁空丸と護衛艦を含む計5隻の船団を組んで長崎を目指し出航。しかし翌22日夜10時過ぎ、鹿児島県・悪石島の北西10kmの地点を航行中、米潜水艦ボーフィン号の魚雷攻撃を受け対馬丸は沈められてしまう。建造から30年も経った老朽貨物船・対馬丸は航行速度が遅く、潜水艦の格好の標的だった…。ほとんどの乗船者は船倉に取り残され、海に飛び込んだ人も台風の接近に伴う高波にのまれた。犠牲者数1418名(氏名判明者=2004年8月現在)。
救助された人々には「箝口令」がしかれ、対馬丸が撃沈された事実を話すことを禁じられた。犠牲者や生存者に関する詳細な調査も行われず、沖縄に残された家族に正しい情報が伝わることはなかった。そしてその後、10月10日には那覇を中心に大空襲があり、翌年の地上戦では県民の4人に1人が犠牲になるなど、悪石島さらなる戦争被害を被ったため、対馬丸撃沈事件が知られるようになったのは戦後しばらく経ってからだった。
何年か前に、対馬丸記念館に行ったことがある。何の展示もない記念館。当たり前である。海に沈んだんだもの。その何もなさが、この事件の悲劇性を物語る。この戦争とは何だったのかも物語る。
いったいどうなっているのか? もうわけがわからないほどの事態になっている気がする。
福島第1 汚染水海に流出濃厚 東電「否定せず」(河北新報)福島第1原発の地上タンクから放射能汚染水が大量に漏れ出した問題で、東京電力は21日、汚染水の一部が海に流れ出た可能性を認めた。同型タンクは製造が容易で整備しやすい一方、耐久性に問題があり、過去にも漏えい事故を起こしている。大量に増え続ける汚染水を処理するため、整備の効率性を優先した結果が招いたトラブルと言え、対策の見直しに迫られている。
タンクから漏れ出した汚染水は約305トンに上る。大半は地面に染み込んだとみられるが、東電が21日、原子力規制委員会の指示を受け、海につながるタンク近くの排水溝を調べ、毎時6ミリシーベルトと高い線量を計測した。
東電は「汚染水が流れなければあり得ない数値で、海への流出は否定できない」との見解を示した。流出量は不明としている。海は約700メートル先で、排水溝の出口付近の海水に含まれる放射性物質は微量にとどまった。
東電によると、タンクは容量1000トンで汚染水の残量は約700トン。20日夜に別の同型タンクへ移送を始めた。作業は22日夕に終えるという。
漏えい源のタンクと同じ型は構内に約350基ある。1日400トン(プール1杯分)のペースで増え続ける汚染水を保管するため、東電は構内に整備し、2011年10月に使用を始めた。
タンクは円筒型の組み立て式で施工日数は最短で3日。溶接作業が要らず、作業が楽でコストを抑えられるメリットがある。一方、ゴムパッキンの耐用年数は5年と短く、当初から水漏れを懸念する声が上がっていた。
同型タンクは今回を含めて5回の漏えいトラブルを起こした。大量の汚染水を処理するため、耐久性の危うさに目をつぶり、効率性を優先して整備を進めた。今後も使用を継続するという。
今回の事故を受け、東電はタンクの見回り回数を1日2回から3時間おきにする監視強化策を打ち出した。
汚染水の海洋流出は7月、地下水の漏出が判明。地上と地下から二重の漏えいが明らかとなり、漁業者や国際社会から反発を受けるのは必至だ。…
何がどれだけ漏れだしているのか。水とともに流れ出しているものもあれば、そこにたまっているものもある。放射性物質の特質からくる汚染の状況の全体像がもう1つよくわからない。しかも、いま問題になっているものは、原子炉の技術的なものではなく、もっと原始的といいうか原理的なもの。そこにたいする対策が、どこまでされているのだろうかなあ。東電も無責任だろうけれども、政府はいったい何を考えているのか?
政府が責任をもって、この福一の処理をすすめるということにならないともう大変なことになるのは、だれもわかっていることなのに。どんどん事態は悪化していく。もっと迅速に、すべての叡智をあつめて、あらゆることをやらないと。
東大の村上さんの調査が、今日の中教審で議論になった。このニュースをクリップ。
教委廃止、首長6割が反対 東大准教授調査(朝日新聞)教育委員会の改革論議について、全国の市区町村長はどう考えているのか――。東大の研究者が調査したところ、現行制度の廃止に反対する首長が全体の6割近くにのぼることがわかった。「制度を変更する必要はない」と考える首長も3割を超えた。22日の中央教育審議会で報告される。
東大教育学部の村上祐介准教授が今年3月、全国の市長、区長全員に加え、町村長の3分の1の計1120人に調査票を送付。6月までに市長457人▽区長19人▽町村長196人の計672人から回答を得た(回収率60%)。
いまの制度を「廃止し、その事務を市町村長が行う」に首長自身「反対」「どちらかといえば反対」と答えたのは58%。「賛成」「どちらかといえば賛成」は11%。「どちらともいえない」は31%だった。
村上准教授は2004年にも同じ調査をしたが、「教委廃止」への賛成は16%で、今回より5ポイント多かった。
一方、教育委員が会議で物事を決める現行制度をめぐり、「維持しつつ、改善を図る」に「賛成」(以下、「どちらかといえば」も含む)と答えたのは57%。教委の権限を弱めて「(方針を決めない)諮問機関とし、教育長を責任者とする」について「賛成」したのは58%だった。「諮問機関」派のうち6割は「現行制度の維持」とも答えている。
こうした結果から、村上准教授は「橋下徹・大阪市長と違い、多くの市町村長は、教育委員の会議について改革の必要はあるが、残すべきだと答えている。教育が政治から一定の距離を置く必要があるとの考えがうかがえる」と話す。
調査では、教育の課題ごとに首長がかかわるかどうかも尋ねた。少子化で各地で進む「学校統廃合」について「関与すべきだ」と答えたのは83%、「学校でのいじめ問題への対応」は56%なのに対し、東京都、大阪府・市で問題化した「国旗・国歌の問題」は37%、東京都、大阪府、神奈川県でこの夏、問題になっている「教科書採択」は11%にとどまった。
首長から見た教育行政の現状についても尋ねた。教委が一般行政から独立していることが首長自身に制約になっているかについては、「思う」「どちらかといえば思う」と答えた人が計23%。これに対し、「思わない」は倍の51%だった。教育委員が会議を開いて決めるから事務が遅れがちだと「思う」は14%。「思わない」が4倍以上の62%にのぼった。市区町村長は、今の教委をあまりネガティブにとらえていない様子だ。
意外なほど、首長は抑制的。
「首長が何もかも自己の決定権の下に置くべきだとする改変は疑問。首長の『過信』に基づくとも感じられる『万能感』による教委への過度の関与には『危うさ』を感じる」
「先生が首長の号令一下、右顧左眄(うこさべん)するような雰囲気では、信頼ある安定した教育は望めない。そのためにも安定的な教育委員会制度が必要」
「教育委員は教育方針を示しながら選挙で選任するのが妥当。理想の教育行政を展開すべきだ。定員も10人くらいであってもよい」
「行政課題は首長が国の関係機関と意見交換して、どんどん改善されている。しかし、教育分野については首長が制度的に関与できないから『60年1日の如く』」
「一部の教育委員会の運用・対応のまずさがクローズアップされすぎ」
「政治、経済が必ずしも安定していない現状で感情的な議論にならないように」
「戦後レジーム(体制)からの脱却を目指し、教育制度改革を一気に進めようとする考え方は危険。幅広い国民の声や住民主体の議論に基づいた制度改革でなければならない」などの自由記述があったそうだ。
もちろん、首長はいまのままの教委がよいとは思っているわけではない。「維持しつつ改善」「諮問機関で教育長を責任者に」の首長はそれぞれ57,58%もある。村上さんは「教委は改革の必要はあるが、残すべきだと思っている。教育が政治から一定の距離をとる必要があると考えている様子だ」と言っている。
だけど、首長が関与すべき課題については、「統廃合」は83%、「いじめ問題」は56、「国旗・国歌」は37%、「教科書採択」は11%。これも注目すべき。
何を議論すべきか。よくよく考えたいもの。論点をしっかり整理しないとなあと思った次第。
ああ、腹が立つなあ。
社会保障改革 「自助」で痛み求める 工程法案の骨子決定(東京新聞)政府は二十一日の閣議で、社会保障制度改革に関し、個別の法案を提出する時期や実施時期などの工程をまとめたプログラム法案の骨子を決定した。骨子は「自助・自立を基本とする」と明記。介護保険法改正案を二〇一四年の通常国会に提出し、一五年度に実施する日程を盛り込んだ。家族や地域の負担を重くする「自助」を重視し、高齢者や高所得者に痛みを求める見直し案が並んだ。
政府は法案を秋の臨時国会に提出し、成立させる方針。個別の改革法案は一四年以降、順次国会に提出する。
骨子は政府の社会保障制度改革国民会議が五日にまとめた最終報告を踏まえて作成。地域などで助け合う「共助」で自助を補い、それでも困窮などで対応できない場合のみ税金を財源とする「公助」で生活を保障する方針を明記した。
介護保険では(1)軽度の「要支援」者を保険の対象から外し、介護保険を財源にして市町村の判断で独自の事業をできるようにする(2)現行は一律一割の利用者負担を高所得者だけ引き上げる-などの改革を盛り込んだ。
医療保険では、七十~七十四歳の窓口負担を、新たに七十歳になる人から段階的に一割から二割に引き上げる方針を明記。法改正は必要なく、厚生労働省は一四年度からの実施を目指す。七十五歳以上は一割を維持する。
紹介状なしに大病院を訪れる患者への定額の自己負担導入や、大企業の健康保険組合の負担増などは一四~一七年度に順次実施。法改正が必要な項目は一五年の通常国会に提出する。
工程表はこれ。「kosshi.pdf」をダウンロード
朝日新聞などは、国民会議の議論について、「年齢別」から「負担能力別」に切り替えを主張と書く。だけど、ほんとうにそうなのか? 具体化は実にあいまいなのだけど、高収入の高齢者の負担という点でも実際になされている議論は、広く負担なのだ。これでは、高齢者の負担を増大し、給付を削減することになる。つまり、年齢を広くといいつつ、高齢者をターゲットにしつつ、実際には負担能力別からの撤退になりかねない方向。福祉社会型政策からの撤退を思わせるのだ。
しかも、高齢者の負担増というのは、実は、今子育てから子どもが大きくなろうとしている層が、子どもの高学費と親の介護のダブルパンチの負担が強いられることになる。ここにも相当深刻な経済困難を広げることにもなりそうで、それこそ社会の持続可能性というものも揺らぎはしないのかと思ってしまうのだけれども。
金東元(キム・ドンウォン)監督のドキュメンタリー映画を見る。〈オランダ〉ジャン・ラフ・オハーン/〈フィリピン〉フェリシダッド・デ・ロス・レイエス、ピラール・フリアス/〈中国〉韋紹蘭(ウェイ・シャオラン)/〈韓国〉李秀山(イ・スサン)という5人の被害者と羅善学(ルオ・シャンシュエ、韋紹蘭の息子)/パク・ウォンギル(李秀山の息子)
の映画。日本軍「慰安婦」の被害を重層的に追った作品。いや、やっぱり凄かった。
朝鮮半島で、だまされて連れて行かれた被害者だけではなく、中国やフィリピン、インドネシア、オランダ人の被害も追う。その被害の規模にもあらためて驚かされるのだ。
と、同時に、彼女たちがその戦後のなかで受けた困難や苦しみは想像を絶するものだったことにもあらためて考えさせられる。そして、声をあげた!
教育のつどいで、教科書の記述が問題になったとき、被害か書かれる大きな要因は「近隣条項」だという発言があった。もちろん、近隣条項の意義について否定する気はない。だけど、日本の歴史認識に大きな影響をあたえたのは、そういう外交問題だけではなく。とくに、80年代後半以降の被害と当事者のその支援者のたたかいの持つ意味は大きい。実際に、被害の実相が、歴史研究のレベルでも格段とその調査がすすんだのも、その時期なんだから。「慰安婦」問題にしても、ほんとうに実態が明らかになりはじめたのは、ごく近年ことである。金学順さんの91年の証言が契機だ。そのあたりのことについては、交流会で、少し発言したりしたのだけど…。そういう人々のとりくみに無関心であれば、歴史の事実から遠ざかる。まだまだ、被害そのものと、戦後の歩みについて、自覚的な人たちのあいだでも、多くのことが知られていないのも正直事実なのだと思う。
そういう意味でも、いまだからこそ、この映画は必見だな。
大手の出版社なのに……。ブラックジャックを出していたのに。なんなんだろうこれ。酷い。
秋田書店:不正訴えた女性社員を解雇 撤回求め提訴へ(毎日新聞)秋田書店が漫画雑誌の読者プレゼントで景品数を水増し掲載していた問題で、社内で不正をやめるよう訴えた景品担当の女性社員(28)が「プレゼントを窃取した」などとして懲戒解雇されていたことが20日分かった。女性側は「罪をなすりつけられた」と主張。「組織的不正」として景品表示法違反(有利誤認)で秋田書店に措置命令を出した消費者庁の調査で主張が裏付けられた形となり、解雇撤回を求めて提訴する考えだ。【東海林智】
女性の説明や加盟する労働組合「首都圏青年ユニオン」などによると、女性は不正のあった雑誌でプレゼント担当を4年以上務めていた。
担当になった際の引き継ぎで不正を知り「一つの商品しかないのに、当選人数を10人にするのはおかしい」などと上司に訴えたが、「会社にいたかったら文句を言わずに黙って仕事をしろ」と言われたという。
女性は不正を続けているうちに睡眠障害や適応障害を発症、2011年9月から休職していたが、12年2月29日に「多数の読者にプレゼントを発送せず、不法に窃取した」と書かれた解雇通知書が送られてきた。
女性やユニオンは仕事を理由とした病気の発症で休職中に解雇するのは無効と主張。窃取と指摘された点について「会社の指示で当選者の数に満たないプレゼントしか準備されていなかった」としている。
ユニオンの神部紅事務局次長は「不正を強制しながら、罪をなすりつけて懲戒解雇したのは許せない」と話す。女性は「不正をやめるべきだと何度も訴えた。消費者庁に不正を指摘され、会社も認めたのだから、解雇を撤回して謝罪すべきだ」と訴えている。
秋田書店は「解雇と不正は別問題だと考えるため、コメントは差し控える」と話している。
東海林さんが直接本人に取材しているわけで。彼女は2007年に同社に入社。「ミステリーボニータ」編集部、「プチプリンセス」の編集にも携わったそうだ。プレゼント欄を先輩から業務を引き継いだわけで……。それは、プレゼントの予算はボニータが各号約8万円、プチプリンセスが約13万円だとか。毎回、編集長と相談してメインの景品を決め、量販店などで商品を購入したうえで、それを撮影して雑誌に載せた。商品が1点しかない場合でも雑誌で「2名様」や「3名様」にプレゼントなどと紹介したという。告知されたプレゼント数に対し用意された数は1〜2割程度のケースが多かったし、告知数に対し約10倍の応募があったとも。
当選者を発表する際も、実際の商品が送られる読者以外は、都道府県と氏名を担当者が捏造。「読者に申し訳ない思いで、本当に嫌だった」と語り、「プレゼントの数に多少の違いはあっても全誌で何らかの不正はあった。秋田書店はきちんと反省して出直してほしい」と話しているそうだ。
この業界、とくに雑誌のひどさはどこでも言われていることだけど、ここまで神経は麻痺していて、どんな雑誌がつくれるものなのかなあ。たたかえ青年ユニオン!
もう一つの日清戦争とよばれる東学農民戦争は、日本では、東学党の乱だとか甲午農民戦争とよばれ、その戦争の性格がねじまげられて教えられてきた。しかし近年、中塚先生をはじめ、日本でも韓国でも、歴史研究がすすみ、その全体像が明らかにされつつある。本書は、一般の入門書の体裁をとるが、みごとに東学農民戦争の全体像をつかめる一冊になっている。ボクも、いろいろ本は読んできたつもりだったけど、はじめてこの戦争とは何だったのかをつかめたような気がする。
なによりも日本軍の王宮占領に抗して、全国各地の東学を学ぶ農民が抗日闘争に決起した。これに対して日本軍は徹底的な殲滅戦を行ったのだ。日清戦争は、朝鮮での主導権をあらそった、清と日本との戦争と考えれているが、しかし、東学農民戦争を併せて考えると、日本の朝鮮への侵略であり、抵抗を封じ込める支配のための戦争であった。だからこそ、朝鮮の人々の死がもっとも多いのだ!
平等をかかげた東学の思想は、その後と、この半島での抵抗と民主化を求めるたたかいとダブってくる。だからこそ、日本において東学の行動綱領を評価したのが、田中正造であったことも注目される。
日本は当時は、表向きは国際法というものをものすごく気を使うようなそぶりを見せていた。だけども、その内実は国際法をふみにじる無法の限りをこの戦争でも尽くしている。にもかかわらず、なぜ、この無法が国際的に問題とならなかったのか。また、韓国でも戦後すぐには、なぜ問題にならなかったのか。その経緯も本書ではよくわかる。だからこそ、この戦争に向き合うのは、現代の課題なのだとも思った。
クリップしておく。
集団的自衛権行使容認「非常に難しい」 最高裁判事会見(朝日新聞)前内閣法制局長官の山本庸幸(つねゆき)氏(63)が20日、最高裁判事への就任会見で、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について、「私自身は非常に難しいと思っている」と語った。憲法判断をつかさどる最高裁判事が、判決や決定以外で憲法に関わる政治的課題に言及するのは、極めて異例だ。
最高裁・山本判事の会見詳細憲法改正をめぐるトピックス
山本氏は、解釈変更を目指す安倍内閣が、集団的自衛権の行使容認に前向きな内閣法制局長官を起用したため、最高裁判事に転じた経緯もあり、発言には政権内からの反発も予想される。ただ、最高裁内部では、「個別の裁判に関して見解を示したわけではなく、発言に何ら問題はない」と静観する見方が大勢。発言が進退問題に結びつく可能性はなさそうだ。
この日の会見で山本氏は、「我が国への武力攻撃に対し、他に手段がない限り、必要最小限度で反撃し、実力装備を持つことは許される。過去半世紀、ずっとその議論で来た」と自衛権をめぐる解釈の経緯を説明。「集団的自衛権は、他国が攻撃された時に、日本が攻撃されていないのに戦うことが正当化される権利で、従来の解釈では(行使は)難しい」と述べた。
その上で、行使容認には「憲法の改正しかない」と指摘。「それをするかどうかは、国会と国民のご判断だ」と話した。
一方で、「国際情勢や安全保障上の状況の変化などを踏まえて内閣が決断し、新しい法制局長官が理論的な助言を行うことは十分あり得ると思う」とも述べた。
安倍内閣は今月8日、集団的自衛権の行使容認に前向きな小松一郎・前駐仏大使を法制局長官に就任させ、山本氏は最高裁に転じた。山本氏を含めて歴代の法制局長官は「憲法上、集団的自衛権の行使は認められない」との解釈を示してきたが、小松氏を長官に据えた今回の人事は、容認に向けた体制づくりの一環とされる。
よく考えなければいけないのは、山本さんは、現状は事実上追認しているわけだし、その憲法解釈が際限ない軍書くと、海外派兵をすすめてきたことには注意が必要。そもそも恣意的な解釈だということ。また、改憲への価値判断には言及していない。そういう役割しかはたしてこなかった、内閣法制局の議論でさえ、安倍さんの今の動きにはこうした発言となる。そういうことに注目したいという感じかなあ。そこらあたりは、ちゃんとした議論で対抗しないとなあとこの間、ずっと思っているのだけど、なかなか勉強できないでいるのが現状というところ。
松江の学校での貸し出し制限からはじまった今回の問題。松江では制限撤回の方向に向かっているのだけど。
「はだしのゲン」鳥取市でも閲覧制限(NHKニュース)中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」を、松江市教育委員会が一部に過激な描写があるとして市内の小・中学校の図書室で子どもが自由に読むことができなくするよう学校側に求めていた問題で、鳥取市の市立図書館も、おととしから本を事務室に移し、自由に読むことができない状態にしていたことが分かりました。
図書館では今後は制限をなくし誰でも読めるようにしたいとしています。
漫画「はだしのゲン」は、去年12月亡くなった被爆者で漫画家の中沢啓治さんが、原爆の被害を受けた広島で力強く生きていく少年の姿を描いた作品です。
この「はだしのゲン」について松江市教育委員会は去年12月、一部に過激な描写があるとして、子どもが図書室などで自由に読むことができなくなる「閉架」の措置を小・中学校に口頭で要請していました。
この問題で鳥取市の市立中央図書館もおととし、本を児童書のコーナーから事務室に移し、自由に読むことができない状態にしていたことが分かりました。
理由について図書館では、「女性を乱暴するなど性的な描写がある」と保護者から指摘を受けたためとしていて、希望する人の閲覧や貸し出しには応じていたということです。
鳥取市立中央図書館の西尾肇館長は「どのような形で閲覧してもらうのがよいのか職員で議論するのをつい怠っていた。図書館として閲覧を制限したつもりは全くなく、今後は一般書のコーナーに移して手にとって読めるようにしたい」と話しています。
松江の事件も、在特会の組織的な動きで、その抗議内容は、野蛮な加害の事実の記述にたいしてのものであったことがその後明らかになっている。
何よりも、この問題は、言論・表現の自由にかかわる問題。その人権意識が行政機関では薄れ、抑圧の側に立つ。
そして、抑圧の理由そのものは歴史の事実そのものをねじまげるものでもある。
だけど、事実経過がなぜこうも明らかにならないのだろうか。学校にしても、図書館にしても、住民の意見と、専門家の責務というなかで、運営されるべきもの。そういう議論がなぜなされずに、政治の圧力やそれを背景にした括弧付きの市民運動なるものの力に右往左往するのか。そのことのもつ問題というのもよく考えなきゃいけないと思うなあ。
異様なできごとだけど、これが日本の実態。そして氷山の一角かあ。
生活保護:和歌山市が受給者の審査請求を拒否(毎日新聞)和歌山市内の生活保護受給者2人が、8月から始まった保護費切り下げを不服として審査請求しようとした際、同市の窓口で「審査するのは県」と受け取りを拒否されたことが、同市などへの取材で分かった。行政不服審査法では、市町村でも手続きができると定められている。厚生労働省は法の趣旨を徹底するよう都道府県などに通知(9日付)した。
国は生活保護のうちの「生活扶助」を3年で最大10%削減する方針を出し、今月から切り下げが始まった。
2人のうち1人の男性は今月初め、市の窓口で「審査するのは知事なので書類は受け取れない。県庁に持っていってほしい」と断られたため、8日に県に提出したという。同市生活支援課の沖重樹課長は取材に対して「担当者の認識不足だった。今後二度とないようにしたい」と話した。
切り下げに反対する弁護士らでつくる「生活保護問題対策全国会議」は「同様に市町村窓口で拒否されたケースは把握できているだけで全国で計5件」と指摘した上で「和歌山のケースは知らなかったが、拒否が判明するのは氷山の一角」と話した。
生活保護制度の発足以来、最大の基準引き下げが強行され、それにたいして審査請求が全国で広がっているわけです。ところが、原処分をおこなった役所(福祉事務所)も、審査請求をうけとって県にまわす義務が、法的にさだめられているにもかかわらず、福祉事務所に審査請求書を提出しにいくと、「府・県庁に行くように」と受け付けないという対応をするケースが各地で続出。これもまた「水際作戦」みたいなもの。厚労省は、こういった事態にたいし、9日付で都道府県に対し事務連絡(審査請求人が審査請求書を福祉事務所に出した場合は福祉事務所が都道府県知事に送付する)を出しているのだけれどもねえ。
生活保護問題対策全国会議などは、19日、厚生労働大臣宛に「適正な審査請求手続の確保を求める要望書」を提出した。
ほんとうに権利というもののもつ意味を考えないやつらだ。
金曜の夜、フォーラムのあとは、直接自分の仕事とは関係のない、請負仕事というか、流れでの仕事の打ち合わせをかねた飲み会を、高校の先生方を中心に。まあ、話を聞くのはおもしろいのですけどね。
そんでもって土曜日、日曜日は、分科会です。ずっとこの10数年、同じ24分科会に参加しているのだけど、ここはそのときどきの教育内容をめぐる政策的な焦点が、それなりにうきぼりになる分科会。最初に参加した頃は、前回の指導要領改定の時期で、総合的学習の時間が大きな焦点だったなあ。自前の教育課程づくりにもとづく学校づくりというのが焦点になる時期もあったけど。
今年は大きなテーマになったのが、教科書。とくに採択をめぐる問題だ。この間の高校実教日本史教科書の排除が大きな焦点になる。そして、道徳。さらにキャリア教育だ。うーん。
とくに教科書をめぐってはそうなんだけど。道徳でも、キャリア教育でも共通する問題がある。たとえば教科書では、その修正主義的な議論そのものを批判する必要はある。そしてそこにある言論・表現の自由という問題。それは前提の問題でもあるのだけれども。同時に、教育の自由と言えばいいのか、教育課程の自主編成権をどう取り戻すのかという問題。目の前にいる子どもたちの実態から、どのような教育計画をたてるのかという問題だ。そのなかで、教科書をどう考え、その教科書を教材としながらどのような教育をするのかという問題だ。そこには教科書の記述や、採択ということにとどまらない問題があるのだ。教科書問題はどうしても、記述の問題にかかわって議論されがちだけど、子どもの問題を父母などの議論していくうえでも、この後者の問題も含めて議論しないとなかなか合意は広がらない。そういう車の両輪の問題なんだけど、この議論はまだまだ成熟しているようには思えない。
キャリア教育の問題では、職業科のなかなかユニークで楽しい実践の話があったけど、どううけとめればいいのか、最初はまよった。だけどよくよく話を聞いていると、そこにこめられた子どもの実態への接近と、子どもの将来を見据えた教育計画がやっぱりあるんだよなあ。そういうことを考えると話のつながりなども見えてきた。
うーん。だけど全体としては政治的な危機感が強いというのが印象だった。そういうなかで、車の両輪のような柔軟な議論をどうできるのかというもの大事ななんだけど、結構、悩ましいなあということが残る分科会だった。そういう悩ましさを考えながら、考えなきゃいけないのだろうなあともね。それは大きな収穫でもあるのだけ。毎年と同じようにね。
ちなみに2日目の夜は、分科会の飲み会。大学の分科会の合同で、K先生やNさんとともに、FB友だちのKさんにも挨拶。となりで美術の分科会もいて、義姉とも遭遇。飲み会でいろいろ話して、演説もして(苦笑)。だけど、その後は、ある先生といやはやまじめな議論を1時間、しっかりと打ち合わせです。
3日目の帰りは、Nさんとの打ち合わせをかねて。だけど、二人とも新幹線の切符をとっていない。もちろん、お盆休みの最終日で、満席。唯一、こだまのグリーンが残っていて、奮発して2人でグリーンに乗車、まあのぞみと3000円ほどの違い。たっぷり2時間ほどの討論でしたが。今月4回目の東海道新幹線はちょっとリッチな旅でした。
教育のつどいフォーラム5 学ぶ・働く・つながるに参加。
中嶋さんが学びの保障。お金がかかるうえに排除。無償化で緩和と積み残し。教科の学び、進路=自立、将来。現在の豊かさ、社会的なつながりの豊かさ。と問題提起。
佐古田さんが高校無償化の意義と課題。2010年貧困、格差が社会的な問題化とふりかえりつつ「社会全体であなたの学びを支えます」文科省のチラシ。しかし中退問題。「枠外」5%。5.7万、進学しない2.7万。そうしたなかで日高教の提言。適格者主義。1963年。から83年特色に応じた。
馬場さんがおもに株式会社の通信制について報告。愛知 中退4位 不登校。1万いけない。定時制 2倍のところも。豊田市 株主 kddi 。 株式会社立の危なさ 借金。新聞広告とフリーペーパー。定時制 働く子が増えている。
野尻さんが子どもを商品化。不登校、引きこもりターゲット。社会に結びつきたい、外れている自覚、そこに現れ、飛びついてしまう。効率の悪さを許さない。貧困層、諦めていく。夢をもたない。子どもが福祉の対象と思われていない。家庭のもの。地域で生きていくのがしんどい。問題の複雑化。背景を捉える。子どもの貧困。家そのものが貧困。制度がない。他の子どもと同じ経験ができない。弁当を一回ももってきたことがない。母親はクスリ漬け がんばれでは。支援だけがほしいわけではない。
古庄さんが学校の枠の外。サポステ160のとりくみ。ひきこもり69・5万 支援機関とつながっているのは1割。包括的連続的 不利な状況にある若者という言い方。
いろいろ考えたけど、こういう問題を公的なものの中でどう位置付けるかということ。そこに学校の問題も出てくる。中嶋さんがまとめのなかで、政府が支援という言葉を使うべきでない。それは保障だと言っていたけど、そう権利ということを曖昧にしない取り組みをしないと。
で、今日は靖国をめぐってもいろいろあった。
安倍首相、総裁名で玉串料 靖国参拝見送り 中韓に配慮(朝日新聞)安倍晋三首相が終戦の日の15日は靖国神社に参拝せず、自民党総裁として玉串料を奉納する意向を固めた。第1次内閣の時に参拝しなかったことを「痛恨の極み」と語る首相だが、中国、韓国とのさらなる関係悪化を避ける。参拝見送りの一方で玉串料を奉納することで、外交的な配慮と首相自身の「思い」を両立させる考えだ。
安倍内閣では、古屋圭司拉致問題相が15日に靖国に参拝する調整に入った。稲田朋美行革相も参拝する方針。ただ、「靖国に行くか行かないかについては言わない」と繰り返してきた安倍首相は参拝を見送る。首相周辺は14日、「本当は参拝したくてたまらないが、我慢して行かないのだろう」と首相の胸の内を読み解いた。
もともと首相は靖国参拝に積極的で、第1次内閣で参拝できなかったことを「痛恨の極み」と振り返ってきた。当時は在任中に6回参拝して中韓両国との関係が悪化した小泉純一郎首相から政権を引き継いだという事情がある。
無役だった昨年8月の終戦の日には参拝し、翌9月に自民党総裁に返り咲くと10月の秋季例大祭にも参拝した。周囲には「国のリーダーが国のために殉じた人に哀悼の誠を捧げるのは当然だ」と語っていた。
ただ、昨年12月に国のリーダーに就くと、難しい判断を迫られる。李明博(イミョンバク)大統領(当時)の竹島上陸や尖閣諸島国有化で中韓との関係は険悪になっており、政府高官は「攻撃の口実を与えるので参拝は得策ではない」と指摘。東アジアの不安定化を懸念する米国の意向も首相のもとに届いていた。
今年4月の春季例大祭は参拝せず、真榊(まさかき)の奉納にとどめた。麻生太郎副総理らの参拝に中韓が猛烈に反発したが、首相自身の対応への目立った反発はなく、政権幹部は「想定の範囲内におさまった」と漏らした。
中国側の意向を探るため谷内正太郎内閣官房参与を7月に中国に派遣するなどした。中国側は「8月15日に首相が参拝すれば、国内で日本批判が強まって混乱する」との見通しを示したという。ある政府高官は中国側に「もしも首相が参拝しなかった場合、その意味を受け止めるべきだ」と非公式に伝えた。
「情勢を見てギリギリに判断する」と周囲に語っていた首相は参拝を見送って自民党総裁として私費で玉串料を納める。対外的な顔である「首相」と国内的な顔の「自民党総裁」を使い分け、自身の意思を示す。
ただ、首相在任中に靖国神社に参拝したいという意欲は変わらない。今月6日の記者会見でも「国のために戦って尊い命を犠牲にした方々に対し、手を合わせてご冥福をお祈りし、尊崇の念を表する気持ちは持ち続けていきたい」と強調。10月の秋季例大祭もその機会にはなる。
で、安倍さんは、記者会見で「 本日は国の来し方を思い、静かにこうべを垂れ、御(み)霊(たま)を悼み、平安を祈る日だ。国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対する感謝の気持ちと尊崇の念の思いを込めて、萩生田光一(自民党)総裁特別補佐に奉(ほう)奠(てん)してもらった。 (自身が)今後、いつ靖国神社に参拝するか、しないかは、それ自体が政治問題、外交問題に発展していくという観点から申し上げない考えだ」とまで言っている。だけど、靖国の「英霊」とは、天皇のために死んだ人であり、天皇がすすめた侵略戦争での死を顕彰する場だ。戦没者一般を悼む場では決してないというのは、すでに国際的常識だ。代理での参拝は、自身の参拝とどうちがうのか?加害を反省せず、不戦の誓いをあえて避けたことと重なって、世界はどう見るのだろうか?3人の大臣と102人の国会議員が参拝した。
韓国の国会議員の抗議行動は、その横断幕の内容も含め、きわめて冷静なものだった。安倍さんたちに行動は、世界から見て、挑発ともとれるのだけどなあ。ほんとになあ。
さすがに今日は驚いた。安倍さんの考え方というのははっきりしているなあ。
終戦68年、平和祈り追悼式 首相、アジア加害明言せず(共同通信)68回目の終戦記念日を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が、東京都千代田区の日本武道館で開かれた。2007年の第1次政権以来、2回目の参列となった安倍晋三首相は式辞で「世界の恒久平和に貢献し、万人が心豊かに暮らせる世を実現するよう全力を尽くす」と述べた。1994年の村山富市首相の式辞以降、歴代首相が触れてきたアジア諸国への加害と反省に関しては明言しなかった。
「歴史に謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を深く胸に刻む」との表現は盛り込まれたが、安倍首相の歴史認識をめぐり、中国や韓国が反発を強めるのは必至。例年ある「不戦の誓い」との文言も今回はなかった。
これがその式辞なるもの。
加害と反省も、不戦もない。この日に、私たちは、この国は、何を考え、学びあうべきなのか。
平和のために、ボクたちに求められていることとは。その「平和」への思いが、ないんだな。あの方には。
日中戦争の時代、『麦と兵隊』で国民的作家になった火野葦平が克明に記した20冊もの従軍手帳が北九州・若松に遺されている。この程、全貌が明らかにされ、陸軍報道部を中心としたメディア戦略が浮かび上がってきた。当時、中国の蒋介石政権は日本軍の残虐行為を国際社会に訴えていた。のちに陸軍報道部長となる馬淵逸雄は、これに対抗するため、火野を報道班に抜擢。徐州作戦に従軍させ、「兵隊3部作」はベストセラーとなり、映画化もされ、戦意高揚に貢献する。さらにペン部隊が組織され、菊池寛、林芙美子ら流行作家が参加していく。 太平洋戦争が始まると、火野はフィリピンで宣撫工作に従事し、大東亜文学者会議をリードしていく。しかし、実際に火野が目にしたのは過酷な戦場の現実だった。戦後、戦争協力で批判された火野は、自ら命を断った。作家を戦争に動員した軍のメディア戦略と火野葦平の軌跡を初公開の従軍手帳や関係者の証言から描く。
石川達三の「生きている兵隊」が、南京事件を記録したのに対し、陸軍がメディア操作を強める。そのなかで、従軍作家として活躍したのが火野葦平。彼が書いたことと書けなかったこと…。戦時中から抱えていた葛藤。
ボクは、火野を評価もしないし、同情もしない。だけど、戦後、こういういわば戦前、思想的なレベルでは、戦争推進勢力と同じところにいた人たちが、戦後もずっと抱え続けた葛藤。それがある意味では、日本の戦後の平和と戦争意識の特質ではないかとも思う。少なくとも、「靖国」派というか、いまの安倍さんたちの議論は、そういう人たちの葛藤を踏みにじり、押し流してしまうものだと思った。
前提の問題として、現在の言論・表現の自由をめぐる状況は、よくよく考えないといけないとも。
もう1つ、働かせ方の問題。控えめな数字とは言え、事態の悪化はどんどん進んでいく。
非正規雇用1881万人で過去最多に 4~6月 雇用者全体の36%に(日経新聞)総務省が13日発表した4~6月期の労働力調査(詳細集計)によると、非正規雇用で働く人は1881万人となり、四半期ベースで2002年の集計開始以来最多となった。役員を除いた雇用者全体の数も過去4番目の多さだったが、正社員は減った。総務省は「景気対策の効果などで雇用は生まれたが、非正規に流れているのが現状」と分析している。
役員を除いた雇用者数は5198万人。このうち非正規が1881万人で、36.2%を占めた。前年同期から1.7ポイント上昇した。正社員は3317万人で、前年同期から53万人減った。
7月に総務省が発表した就業構造基本調査では2012年の非正規社員は2043万人だったものの、労働力調査とは集計の対象や方法が違うため、数字が異なった。
非正規のうち特に増えているのが、賃金水準が低いパート・アルバイトだ。前年同期から増えた非正規106万人のうち約7割を占めた。企業の多くは、景気回復による労働力不足をひとまず人件費負担の軽い非正規で補っているようだ。今後は雇用情勢改善の動きが、非正規から正社員へと拡大するかどうかが焦点となる。
完全失業者は前年同期から23万人減り、277万人。失業期間が1年以上に及ぶ「長期失業者」も1万人減り、104万人となった。
うーん。
だけど、いまの働かせ方は、働いている労働者そのものとあいだで大きな矛盾を生じさせているということなんだと思うなあ。これは昨日のニュースだけど、ちょっときになった。
働き盛りの半数近く「やりがい感じられない」(NHKニュース)働き盛りの30代や40代で「仕事にやりがいを感じられない」という人が半数近くに上り、ほかの世代より割合が高いことが東京の社団法人の調査で分かりました。
「収入の伸び悩みなどがやりがいの低下につながっている」と分析しています。
これは、企業に関する調査や研修を行っている社団法人「日本能率協会」が、仕事への意識を分析するため、ことし6月に行ったもので、正社員や非正規労働者、合わせて1000人が回答しました。
この中で「仕事にやりがいを感じない」と答えた人は全体の41.6%でしたが、年齢層別に見ると30代で46.6%、40代で45.2%とほかの世代より4ポイントから5ポイント高くなっています。
「収入に不満がある」と答えた人は30代で76.9%、40代で72.3%で、こちらもほかの世代より高く、協会では、収入の伸び悩みがやりがいの低下につながっているとみています。
このほか「現在の仕事は自分の能力を発揮できていない」と答えた人も、30代で46.2%、40代で51.5%を占め、組織の中核を担う世代が課題を抱えている様子がうかがえます。
日本能率協会は「企業の競争力を高めるためには、30代、40代の活躍が不可欠で、会社側は危機感を持って賃金や評価制度の見直しなどに取り組む必要がある」と話しています。
これがその調査の報道発表文書。
ポイントは
1.30 代・40 代の半数近くが「仕事にやりがいなし」「能力発揮できていない」(p2)
2.女性の 8 割が「リーダー」より「メンバー」を志向、仕事優先スタイルは敬遠(p3)
3.「収入」がモチベーションを左右するも「現状に不満」7 割、成果主義志向が多数派(p5)
4.やる気と自信にあふれたシニア、「いくつになっても働きたい」7 割強(p8)
5.若手社員はスキルアップの意欲高いが、「教育は会社の責任」と人任せな一面も(p9)
6.仕事の能率上げる「事前の情報収集」、職場に足りない「人材のスキルアップ」(p10)
大枠では企業にとりこまれつつ、根本的な矛盾も見えるという感じかなあ。働きがいをめぐる問題というのは、いろいろ問題をよく考える上で大事なんだろうと思った。
一度、反対を前に葬り去られた法案を、国会の審議もしないうちから、打診をし実質的に制度化する。なんとも恐ろしい時代である。国会とは何なんだろうか?
課長級から勤務柔軟に 政府方針、時間規制に特例 年収800万円超が対象 トヨタや三菱重に打診(日経新聞)政府は1日8時間、週40時間が上限となっている労働時間の規定に当てはまらない職種を新たにつくる方針だ。大企業で年収が800万円を超えるような課長級以上の社員が、仕事の繁閑に応じて柔軟な働き方をできるようにして、成果を出しやすくする。新たな勤務制度を2014年度から一部の企業に認める調整を始め、トヨタ自動車や三菱重工業などに導入を打診した。
労働基準法は時間外労働への残業代の支払いのほか、休日や深夜労働に伴う割増賃金の支給を企業に義務づけている。この労働時間の規定を、いわゆるホワイトカラーの一部に適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」を企業が実験的に採用できるようにする。秋の臨時国会に提出予定の産業競争力強化法案に制度変更を可能とする仕組みを盛り込む。
新制度「プロフェッショナル労働制」(仮称)の対象は、大企業の課長級の平均である年収800万円超の社員で、勤務時間を自分の判断で決められる中堅以上の社員を想定している。一般の部長、課長相当級の社員だけでなく、高度な専門知識を持つ人材や、エンジニアらも含まれる。本人の同意と労使合意が前提となる。政府は新日鉄住金やIHIなど大企業にも導入を呼びかける。
新制度を導入すると、企業は対象の社員に一定の年俸と成果に応じた給与を支払う。一方、働く側は繁忙期に休日返上で働き、閑散期にはまとめて休むといった働き方を選べるようになる。1日あたり、1週間あたりの労働時間の制約がなくなるため、在宅勤務も広がる可能性がある。
企業は研究開発での効果も見込む。経済界からは「本当は技術者が時間を気にしないで働きたいと思っても、労働時間の規定があるので思い切って働けない」(自動車大手幹部)との不満が出ていた。規定を外せば、新製品の開発時期に人材を集中して投入することも可能になる。
労働時間の規定の対象外となっているのは、一般企業ではすでに労働組合員ではなくなった管理職らだ。ホワイトカラーにまで広がれば、働き手の生産性を高め、日本経済全体の競争力強化につながる可能性がある。
新制度には労働界などから反発も予想される。07年の第1次安倍政権でもホワイトカラー・エグゼンプションを盛り込んだ法案提出を検討したが、野党から「残業代ゼロ法案」などと批判されて取り下げた経緯がある。政府は全国一律ではなく、導入対象をひとまず一部企業に限ることで、労働界の理解を得たい考えだ。
日本の課長クラスで、労働時間を、自律的に管理できる状況にあるとはとうてい思えない。となると、これは本当に、長時間労働を合理化する法律になる。中間管理職が、長時間労働になれば、当然、実体的には全部の職場に蔓延する。本人の同意と労使合意が前提というが、本人と会社は対等では決してないし、個別の労組が労働時間の問題で、会社に対抗できる現状にはないのは、現在の日本の労働実態から見ても明らかではないのか。夜露いっそう過労死が蔓延する、その一方で、残業時間など賃金は切り捨てられる。そもそも労基法との関係はどうなるのか? それを国会の審議前からすすめる、これはどうなるのだ!
なんか北岡さん、この間、好き放題言い続けている感じがするなあ。
集団的自衛権、米国以外にも 有識者懇、対象国拡大提言へ(共同通信)安倍晋三首相が設置した有識者による「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元外務事務次官)が年内にまとめる報告書に、集団的自衛権を共に行使する対象国を米国以外に拡大する提言を盛り込むことが13日、分かった。安全保障環境の複雑化に対応するとして、中東からの石油輸送のシーレーン(海上交通路)確保などを想定し、政府が幅広く選択できるようにすべきだと判断した。
座長代理の北岡伸一国際大学長が共同通信に明らかにした。「密接な関係にある国が攻撃を受け、日本に重大な被害が及ぶとき」に集団的自衛権が行使できるとの趣旨の提言を検討しているとした。
どこまでが、観測級で、どこまでが今の実態の追認と言えばいいのか。何がいちばんのねらいで、何が変化球なのか。よく整理をしてみないと。酷い議論だよなあ。
あの事故から、もう9年である。
日米「県内」に固執 沖国大米軍ヘリ墜落9年(沖縄タイムス)米軍普天間飛行場所属のCH53ヘリが沖国大に墜落して13日で満9年を迎えた。在沖海兵隊の航空部隊の本拠地である同飛行場の機能について、県は「県外」への移設を求めるが、日米両政府は「県内」に固執し、長く平行線をたどる。一方、海兵隊の活動実態をみると、元来沖縄に居続けておらず、アジア太平洋の同盟国を巡回訓練する姿が浮かび上がる。沖縄にいることが「抑止力」とする主張は揺らぎ、幅広い選択肢がある実相がみえてくる。
海兵隊が対外的に公表している情報だけをまとめても1月以降、アジアの同盟国と少なくとも7回合同訓練を繰り返している。
二国間の軍事演習は、2月にタイで「コブラ・ゴールド」、3~4月で韓国と「フォール・イーグル」、4月はフィリピンで「バリカダン」、7~8月に豪州で「タリスマン・セイバー」をそれぞれ実施。6月にはマレーシアで9カ国が参加した多国間演習「カラット2013」を行った。
オスプレイも昨年10月の配備以降、韓国、グアム、フィリピン、タイ、豪州へ派遣。海兵隊は「従来のCH46より行動範囲を広げ、太平洋全域に行く」と言う。航続距離が延びたオスプレイの登場によって、どこからでも訓練地に到着でき、沖縄を本拠地とする必然性が一つ弱まった。
海兵隊の実戦部隊はアジア太平洋地域を巡回し、多国間の協力関係を築くことで「抑止力」を維持しているのが実態だ。「地理的優位性」のある沖縄にとどめ置かれているというのは実情からかけ離れている。
そもそも海兵隊の部隊が海外展開する際、強襲揚陸艦ボノム・リシャールに乗って移動するのが基本。揚陸艦は佐世保基地(長崎県)が母港で、移動の迅速さだけを考えれば九州など西日本に本拠地を置く方が効率的とも思える。
県幹部は、普天間の機能を県内に押し込める両政府の姿勢について「今沖縄に存在していることが理由になっている。にもかかわらず『抑止力』や『中国の脅威』など抽象的な言葉で語っている」と批判した。
今日の事態に連なる9年前の事件。沖縄二紙は鋭く告発する。
「節目」と追加配備 沖縄に人権はないのか 配備撤回で対米要求を(琉球新報)
[オスプレイ配備強行]恐怖と同居はごめんだ(沖縄タイムス)
今日の事態は根源から問いかけられるべきだ。
これは東京新聞のスクープ。今日の1面。おどろいた!
空自、米爆撃機訓練に参加 「専守防衛」逸脱か(東京新聞)米空軍の演習「レッド・フラッグ・アラスカ(RFA)」で、航空自衛隊のF15戦闘機の編隊が米戦略爆撃機B52の爆撃援護訓練に参加していたことが分かった。航空幕僚監部(空幕)広報室は訓練の事実はないと否定しているが、空幕発行の部内誌に載った参加隊員の体験記から判明した。専門家らは、憲法で禁じられた集団的自衛権の行使を想定した訓練だと批判している。
◆部内誌に体験記 12年7月号
空自部隊は一九九六年度から米アラスカ州での米空軍演習に参加しており、F15戦闘機は二〇〇三年度から派遣されている。
本紙が入手した空自の月刊部内誌「飛行と安全」一二年七月号には、同演習での攻勢対航空(敵航空基地攻撃)訓練中、空自F15編隊がB52による爆撃を想定し、「果敢に先陣を切って経路を啓開し、粘り強く戦闘を継続してB52を援護」したという隊員の体験記が掲載されていた。
空幕広報室は本紙の取材に、同内容の訓練は事実ではないと否定。だが「他の参加国を含め任務遂行に支障を生じさせる恐れ」を理由に、詳しい内容については伏せている。
日本は専守防衛の国是から戦略爆撃機を持たない。B52は航続力や搭載量に優れ、相手国中心部をじゅうたん爆撃するような任務に好適とされている。
政府は従来、日本の防衛に当たる米艦艇を自衛隊が護衛することは、個別的自衛権の範囲内とする見解を示してきた。だが、戦略爆撃機の援護は国会で議論されていない。
琉球大の我部政明教授(国際関係論)は「これは集団的自衛権行使を前提にした訓練と考えてよい。海自の米空母の護衛訓練は知っていたが、この空自の訓練内容には驚いた。そもそも日本の防衛に戦略爆撃機が必要なのか。専守防衛という枠を大きく超える可能性がある」と話す。一九八〇年の政府見解は、集団的自衛権の行使を前提とした自衛隊の訓練を認めていない。
安倍政権は集団的自衛権の行使容認に前のめりだが、今月にも再開される首相の諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」で過去に検討された集団的自衛権行使の類型にも、戦略爆撃機の援護というケースは含まれていない。……
もちろん、米軍の攻撃型兵器を補完するような装備はもちはじめているし、攻撃型訓練への参加もすすんでいる。そういう意味では、やはりという感じもする。が、同時に、どんどん、歯止めが崩れ始めている感じがする。その論理は、まったくのなし崩しで。その論理そのものをきちんと分析することも大事。だけど、歯止めそのものをもっと根源的に問いかける必要もありそう。そのためにも、憲法9条のもとでの、国のあり方が、外交のあり方を根本から問わないと、このなし崩しに対抗できるのか、なども考えさせられるなあ。
世論調査をクリップ。うーん。
NHK世調 安倍内閣支持57%(NHKニュース)NHKが行った世論調査によりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は57%で、先月の前回の調査と比べて1ポイント上がり、「支持しない」と答えた人は1ポイント上がって29%でした。
NHKは、今月9日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査の対象となったのは、1604人で、64%に当たる1019人から回答を得ました。
それによりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は57%で、先月の参議院選挙の1週間前に行った前回の調査と比べて1ポイント上がりました。
一方、「支持しない」と答えた人は29%で、1ポイント上がりました。
支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が42%、「政策に期待が持てるから」が18%、「実行力があるから」が17%だったのに対し、支持しない理由では、「政策に期待が持てないから」が37%、「支持する政党の内閣でないから」が21%、「人柄が信頼できないから」が15%などとなっています。
次に、6つの政策課題を挙げて、国が今最も力を入れて取り組むべきだと思うことを聞いたところ、「景気対策」が24%、「社会保障制度の見直し」が20%、「原発への対応」が17%、「財政再建」と「東日本大震災からの復興」がそれぞれ12%、「外交・安全保障」が7%でした。
安倍内閣の経済政策を評価するかどうか尋ねたところ、「大いに評価する」が8%、「ある程度評価する」が57%、「あまり評価しない」が24%、「まったく評価しない」が5%でした。
また、景気が回復していると感じるかどうかについては、「感じる」が14%、「感じない」が49%、「どちらともいえない」が33%でした。
さらに、消費税率について予定どおり、来年4月から8%に引き上げを行うべきか尋ねたところ、「行うべきだ」が26%、「行うべきでない」が42%、「どちらともいえない」が27%でした。
一方、政府が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使をできるようにすべきだと思うかどうか聞いたところ、「思う」が29%、「思わない」が22%、「どちらともいえない」が40%でした。
また、原発を巡って国の原子力規制委員会が安全性を確認した原発の運転再開を進めるという政府の方針については、「賛成」が24%、「反対」が39%、「どちらともいえない」が32%でした。
麻生副総理兼財務大臣が、憲法改正に関連し、ナチスを引用した発言をしたことについて、政府は、麻生氏は発言を撤回しており、辞任する必要はないとしていますが、この政府の対応が適切だと思うかどうか尋ねたところ、「適切だ」が24%、「適切でない」が35%、「どちらともいえない」が33%でした。
8月15日の「終戦の日」に、閣僚が靖国神社に参拝することについて聞いたところ、「賛成」が37%、「反対」が24%、「どちらともいえない」が33%でした。
政治意識は、まだまだ流動的と言えばそれまでなんですけどねえ。安倍内閣の支持率はじわじわ低下というレベル。経済政策を評価するが、景気回復の実感はない。政策的なしつもんにはわからないが多い。期待と現実の乖離を基本とした、脆弱なうえにたつ高支持率。だけど、この秋は正念場。いずれにしても、国民生活に影響の多い、社会保障や消費税の問題が山場を迎えるから。しっかり、しよう!
ちなみに各党の支持率は、自民党が37.9%、民主党が7.3%、日本維新の会が4.6%、公明党が4.6%、みんなの党が3.2%、共産党が3.5%、生活の党が0.2%、社民党が0.8%、「特に支持している政党はない」が30.8%。
京都に向かう電車のなかで、読書をしようと思ったけど、最近は、新幹線に乗ると、すぐに眠ってしまうなあ。
それでも、少しで起きて、『賃金と社会保障』の7月下旬号にのっている、森川さんの表題の論文を学習。生活困窮者自立支援法について書いてある論文は、いまのところこれしかないのかな。
読んでいて一番大事なのが、論文の最後に書かれている、この法律の条文が、生活困窮者が健康で文化的な生活が保障され、そのなかで自立することが権利だということが軸にすわっていないことなんだと思う。それがないから、生活保護受給者と、困窮して支援をうける人との間に、線引きをする。結局は、その選択という問題になり、支援が生活保護受給の壁になっていきかねない構造になるということになる。
自立支援のとりくみは、そういう権利を保障する施策の遅れから、民間団体の手によって営まれ、試行錯誤がおこなわれてきた。それだけに、もともと制度できにはさまざまな矛盾をかかえている。これまでのとりくみだって、今度の法的位置づけだって、その矛盾をはらみながら、前進という評価をしたくなる人たちがいるのはボクは理解できる。だけど、問題は、その権利生の実現にあるのだと思う。懸念を排するためには、それが法律に位置づけられないとと強く思った。
官僚というのは、やはりしたたかだ。見事なぐらい懸念を持たざるをえない、危険な仕組みになっているというのは、この論文を読んで、強く思った次第。
帰りの電車のなかでは、『東学農民戦争と日本』を読み始めました。
怒りで心がいっぱいになる。
【電子号外】オスプレイ8機追加 普天間へ移動強行(琉球新報)在沖米海兵隊は12日午前、空軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリの宜野座墜落事故を受けて、一時中止していた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場への追加配備を再開した。山口県の岩国基地に一時駐機中だった残り10機のうち、8機が午前8時ごろから同基地を相次いで離陸し、最初の2機が同10時15分ごろ宜野湾市の普天間飛行場に到着、同23分ごろまでに8機全てが着陸した。
米海兵隊は12日午前7時ごろ「日米間の綿密な調整によって配備再開が決まった。運用体制が整ったオスプレイと乗組員は本日、普天間飛行場に到着する予定だ」と追加配備の再開を発表した。県や宜野湾市など関係市町村には沖縄防衛局が伝えた。海兵隊は同日に移動する機数は明らかにしていないが、10日までに全ての機体の試験飛行を終えており、12日中に全機が移動する公算が高い。
米軍は追加配備のオスプレイ12機のうち、3日に2機を普天間に移動。残る10機も5日以降に飛来するとしていたが、5日の米軍ヘリ墜落事故を受け、日本側は米側に追加配備の一時見合わせを求め、米軍が日程を延期していた。
追加配備されるオスプレイ12機は、米本土から7月30日に岩国基地に搬入され、順次普天間に移動するとしていた。
オスプレイは老朽化したCH46中型輸送ヘリの後継で、海兵隊は飛行速度や後続距離が大幅に増すとしているが、開発段階から墜落事故が相次ぎ、安全性が懸念されている。
さらに、夕方にもう1機、普天間に到着している。
ほんとうに、長いたたかいとなった。
恒例の国民生活意識調査。いろいろ考えさせられる。
収入に「満足」47%、96年以来の高水準 内閣府調査(日経新聞)内閣府は10日、「国民生活に関する世論調査」の結果を公表した。生活全体について「満足」は昨年の前回調査に比べて3.7ポイント増の71%。7割を超えるのは1995年以来で「不満」は4.4ポイント減の27.6%だった。収入・所得に「満足」は3.7ポイント増の47.9%と96年以来の高い水準。所得・収入に「不満」は4.5ポイント減の49.8%で16年ぶりに5割を下回った。
調査は6月6~23日に全国の20歳以上の男女1万人を対象に実施。6075人から回答を得た。
所得・収入への「満足」が「不満」を上回ったのは96年が最後で、今回は「満足」が「不満」と拮抗する水準に近づいた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復の実感が広く行き渡るには時間がかかっているとみられるものの、内閣府は「国民の生活への意識が緩やかだが改善している」と分析している。
政府への要望では「医療・年金など社会保障の整備」が0.2ポイント減の65.9%でトップ、「景気対策」が6.9ポイント減の59.6%で続いた。食生活、住生活、自己啓発・能力向上、レジャー・余暇生活に「満足」との回答はそれぞれ過去最高となった。収入に余裕が生まれ、生活を充実させるための投資が増えていると内閣府はみている。
まだ、HPに結果は出ていない。この調査は時期も発表も結構いいかげん。というか、そこに政治的な意図や事情も感じられるのだけど。
報道を見る限り、「満足」というものと、実際の経済的な実態との乖離がやはり気になる。政治は簡単には変わらない者、現状はとりあえずしかたがないものというようなバイアスがかかっているのだろうか。一方で、社会保障への要求の高さは相変わらず。それを踏みにじる政治がすすめられようとしても、なかなかそこが不満という形で強い政治的な要求として形成されないのなか。そのあたりの、国民意識にかかる力がなんで、どのようにそれを包み込みながら、政治的な要求にしていくのか、そのあたりの解明が大事なのかなあ。といろいろ悩むのだけど。
佐藤学さんと勝野正章さんの著作。彼らの危機感が、伝わってくる。基本、書いてあるなかみは、この間、いろいろ議論され尽くされてきたこと。そのおさらいなんだけど。安倍さんの議論は、どこまでいっても、競争で子どもたちを追い立てることと、教え込みと管理で子どもたちをしばること。そのために、教科書を統制し、教員を管理するというもの。一方で、子どもたちは、自分の頭で学び、試行錯誤し、葛藤を通じて発達していく。それを支えるような教員の専門性と、状況に応じた自由な活動を基盤とした文化が求められる。それが教育の条理というもののはずなのに。憲法と教育基本法が想定し、それは世界の常識として定着しているはず。だけど、日本の世論はかならずしもこの点での十分な合意形成に成功していない。そこをついて、学校的な教育政策が跋扈する。どう合意を広げていくのか。世界の姿を示すことも大事だとも思ったけど。なにか、なるほどというような議論の仕方はないものなのかなあ。いい本があったら、だれか紹介してよ。
この前のHH60の墜落のときにも米軍はハンセン上空をかってに飛行禁止にしていたけど、結局こういうことなんだよなあ。
本島に米軍優先空域 訓練時の一時制限 年千回(琉球新報)2010年3月の嘉手納ラプコン返還後も、沖縄本島周辺の航空管制を担う那覇ターミナル管制所で米軍関係者が管制業務に携わり続け、米軍の飛行を想定して設定された空域が存在していることが分かった。琉球新報が9日までに入手した資料によると、民間機はその空域を避けて飛行しており、本島空域で現在も米軍機の運用が優先されている。航空関係者は「嘉手納ラプコン返還は表面上だけだった」と指摘し、米軍の訓練実施のため「アルトラブ」と呼ばれる一時的な空域制限も年間千回近く発生していることを明らかにした。
米軍の飛行を想定している空域は「アライバル・セクター」と呼ばれ、米軍機が普天間飛行場や嘉手納基地に着陸する際、米軍関係者の退役軍人が那覇ターミナル管制所で管制業務を実施する。
アライバル・セクターは米空軍嘉手納基地中心に、北と南にそれぞれ長方形に広がっている。空域は高度約600~1800メートルで、風向きや季節で北と南が入れ代わる。
この空域の設定により、民間機は那覇空港に発着する際、設定空域下の約300メートル以下の低高度を保たなければならず、事実上米軍機の運用が優先されている。航空関係者は「ラプコンの返還前後も実態は変わっていない」と指摘している。
国土交通省は管制権は日本側にあるとし、アライバル・セクターについて「(米軍関係者が)訓練の調整をする範囲の目安だ」と説明したが、正確な範囲は明らかにしていない。米軍関係者が常駐している根拠について、同省は「日米地位協定に基づいている」としている。
一時的に制限区域を設ける「アルトラブ」について、同省は過去に実施されたことは認めた。だが年間回数については「米軍の運用に関わる回答は差し控える」とコメントした。
実態も、運営の仕方も、ここまでかと。徹底した米軍優先、軍事優先が貫徹する。それに追随する日本政府ということか、安保・基地協定の体制の現実をまざまざと見せつけられる気がするのだなあ。
背筋をぴんと張って、こういうニュースを読む。
長崎 原爆投下68年 平和宣言で政府を批判(東京新聞)長崎は九日、被爆から六十八年の原爆の日を迎えた。長崎市松山町の平和公園で市主催の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が営まれ、田上富久(たうえとみひさ)市長は平和宣言で「日本政府に、被爆国としての原点に返ることを求める」と述べ、核兵器廃絶に積極的な姿勢を示さない政府を批判した。被爆地・長崎の明確なメッセージは安倍政権下で活発化する改憲などの議論にも影響を与えそうだ。宣言は一方で、若い世代への体験継承を訴えた。
田上市長は、四月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会で、核兵器の非人道性に関する声明に政府が賛同しなかったことを「世界の期待を裏切った。核兵器の使用を状況によっては認めるという姿勢で原点に反する」と糾弾した。
インドとの原子力協定の交渉再開についても「NPTを形骸化することになる。核保有を目指す北朝鮮に正当化の口実を与え、朝鮮半島の非核化の妨げになる」と指摘した。式典にはインド政府の代表が初めて出席した。
市長は核軍縮に取り組む方針をあらためて示したオバマ米大統領への支持も表明。世界の核弾頭の九割を持つ米ロ両国にさらなる削減を呼び掛けた。
市民には、戦争放棄を明示した日本国憲法の前文を引用し「平和希求の原点を忘れないためには、戦争体験、被爆体験を語り継ぐことが不可欠」と訴え、若い世代に「あなたたちこそが未来」と語り掛けた。
東京電力福島第一原発事故の被災地には「一日も早い復興を願い、応援する」と呼び掛け、具体的なエネルギー政策の提示を国に求めた昨年に引き続き、連帯の意思を示した。
式典には過去最多に並ぶ四十四カ国が出席。原爆投下国の米国から昨年に続きルース駐日大使が参列した。各国代表や福島県川内村の猪狩貢(いがりみつぎ)副村長ら参列者約六千三百人は原爆投下時刻の午前十一時二分に黙とうし、犠牲者の冥福を祈った。
安倍晋三首相はあいさつで「確実に『核兵器のない世界』を実現していく責務がある。非核三原則を堅持しつつ、核兵器廃絶に力を惜しまぬことを誓う」と述べた。
被爆者代表の築城(ついき)昭平さん(86)は「平和への誓い」で「核兵器も戦争もない平和な世界をつくることは、全ての大人の責任だ」と訴えた。
長崎市によると、この一年間に新たに死亡が確認された被爆者は三千四百四人に上り、原爆死没者名簿に記載された総数は十六万二千八十三人。長崎市内に住む被爆者は今年三月末時点で三万七千五百七十四人、平均年齢は七八・二歳となった。
田上さんはかなりきびしい口調だったようだ。別の記事では、四月二十四日、スイス・ジュネーブでの出来事を紹介している。 「なぜ賛同できないのか。その理由をお聞かせいただきたい」と天野万利(まり)・軍縮会議政府代表部大使に詰め寄った話。NPT再検討会議の準備委員会での共同声明に賛同しなかった顛末。
若者たちの声にも耳を傾けたい。長崎市の市民団体が選ぶ「高校生平和大使」に、昨年に続いて東京電力福島第一原発事故で避難した高校生が選ばれ、九日の平和祈念式典に出席、「放射線におびえる日々は平和と言えない」と訴えた。「事故直後は情報がなかった。とにかく『逃げてください』とだけ言われた」。
こういう声に式典に参加した安倍さんは何を思ったんだろうか?
こんどの選挙で、ブラック企業の問題が、大きな争点になったことはとても意味があったことだと思う。
ブラック企業 4000社調査へ 厚労省 世論と共産党の追及に押され(しんぶん赤旗)厚生労働省は8日、若者を使い捨てにする「ブラック企業」が大きな社会問題になっているとして、集中的な監督指導を実施すると発表しました。離職率が高い企業約100社をはじめ、過重労働や法違反の疑いがある約4000社を対象に9月の1カ月間に立ち入り調査を行います。
同省が「ブラック企業」に焦点を当てて取り組みを実施するのは初めて。参院選でも大きな争点となり、「ブラック企業」問題を追及してきた日本共産党が躍進するなど世論と運動、日本共産党の追及に押されたものです。
同省は9月を「重点月間」として集中的に監督指導を実施し、労使協定を超える長時間労働やサービス残業がないかを確認。法違反が判明した場合、是正されるまでハローワークでの職業紹介の対象から除外します。
過労死を引き起こした企業に再発防止の取り組みを徹底させることや、重大・悪質な違反が確認された企業については送検し、企業名を公表することを打ち出しました。
電話相談やパワーハラスメント(職場のいじめ・嫌がらせ)防止の周知・啓発にも取り組むとしています。
日本共産党は国会で「ブラック企業」問題を真っ先に取り上げ、ワタミ、ユニクロなど実名で告発。労働の規制緩和によってブラック企業が広がる土壌をつくった政治の責任を追及し、実態調査と厳しい監督指導、離職率の高い企業名の公表、長時間労働の規制などを提起してきました。
安倍晋三首相は山下芳生参院議員の質問に対して、労基法違反などが疑われる企業を調査し、重大な違反には「厳正に対処する」(3月6日、参院本会議)と答弁していました。
無法な実態の告発という文脈から、つかわれはじめたブラック企業ということば。「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」という映画がもう5年前。うちの雑誌のはじめてタイトルにこの言葉を使ってからも3から4年ぐらいたつのかな。
これが、その厚生労働省の発表。どう対抗していくのかと言う点での論点も、実名の公表やそのためにも離職率の公表、長時間労働の規制などは基本の基本だよ。そこになかなかつっこまないなあ。
個人的には、法的なレベルでも、どのように整理されるのか。と同時に、経済学的にも、どう位置づけるのか。告発という文脈にとどまらず、もっと、社会科学的に整理したいもの。概念そのものも曖昧だし。
運動論も含め、いろいろ議論がある。それはそれで、大事な議論も多いので、ヴァージョンアップのために何が必要かを考えたいもの。
もちろん、安倍さんによる解釈改憲など許されるはずがない! だけどねえ。
内閣法制局の元長官、集団的自衛権めぐる動きを批判(朝日新聞)安倍晋三首相が憲法解釈を担う内閣法制局のトップを代えるなど、集団的自衛権の行使容認に向けた環境整備を進めるなか、元長官の阪田雅裕氏が朝日新聞のインタビューに応じ、平和主義や法治主義の観点から批判した。
新長官の小松一郎・前駐仏大使は、首相の意向を尊重せざるを得ない。だが、歴代首相が国会で表明を重ねた憲法解釈を変えることは、政府が9条の枠内で自衛隊の活動を模索してきた戦後の蓄積を崩しかねない。阪田氏はこうした手法の危うさを指摘した。
「集団的自衛権の問題は日本国憲法の三大原理の一つ、平和主義に関わる。国会の憲法論議も圧倒的に9条に集中して積み重ねられてきた。そういう蓄積を無視し、今までのは全部間違っていたということが、果たしてあっていいのか」
安倍内閣は憲法の柱である平和主義をめぐる新方針を、国会や国民が関われない解釈変更で実現しようとする。集団的自衛権の行使容認と9条の整合性について、阪田氏は「憲法全体をどうひっくり返しても余地がない」と語った。
なぜ行使が必要で、歯止めはどうするのか。国民への説明は首相と小松氏の連帯責任となった。阪田氏は「法治国家として、9条がもし時代に合わないなら改正するのが筋だ」と主張。「万一憲法解釈を変えるなら、内閣として国民の大方が納得する説明が最低限必要だ。それが政治だ」と語った。
なぜ、だけどねえ、と言いたくなるのか。
もちろん、この解釈改憲を許さないという点での広範な共同がいま求められていることはそうだと思う。「だけど」、われわれはわれわれの言い方をきちんとしなくって、大丈夫なのかってこと。つまり、内閣法制局の現状はいろいろな面があるということ。いまの集団的自衛権に関する解釈だって、憲法や国際法の理解からいってかなり歪なものだ。現行、安保条約はすでに部分的というか、制限があるものの集団的自衛権を認めることを前提としている。そういう安保や、そのもとでの自衛隊を前提に、解釈がなされているという面がある。それは、別の面からみれば、実際の憲法との乖離をなんとかつじつまをあわせようという「知恵」という面もあって、それは、集団的自衛権の全面的な発動・容認への歯止めになってきたという面もたしかにある。これまでの自民党流のあり方からいっても、こうなんだというところもしっかり押さえとかないといけないような気がする。
たしかに、そういう憲法解釈にそった、国民意識がかなり多数になっているということは言えるのかもしれない。だけれども、それそのものがかなり歪んだものであるだけに、原理的な解釈とのバランスのなかで、いまの解釈がなりたっているという側面もあるとボクは思う。だからこそ、きちんとした議論も、つねにふり返るようなことをしないと、あらたな解釈改憲に対抗できないというか、歯止めとして十分の役割すらはたせなくなる気もしている。どうなんだろうか。
大内さんの記事でブラックバイトの書き込みをしたけど、水島さんもその特徴を端的に報告しているので、こちらもリンクをはっておく。
大学生のブラックバイト おでんやコーヒー券がノルマ! コンビニ、カフェのチェーン店は特にどす黒い 水島宏明 | 法政大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクターいまどきの大学生は、親のリストラや非正規化など社会の現実を反映し、苦学生が目につく。生活費や学費、遊興費などに事欠くためにアルバイトしてお金を稼いでいる。こうした事情から私が教えている学生の大半はバイトに明け暮れている。ゼミの授業などで学生の発表が長引いた場合に時間を延長して授業を続けていると、「これからバイトがあるので・・・」とそそくさと去っていく学生は珍しくもない。
そのバイト先に「ブラック企業」が目につくのだ。ブラック企業とは、長時間にわたって働かせる、休みを与えない、精神的に追い込む、理不尽なノルマを課す、残業代を払わないなど、違法な働かせ方をする会社のことだ。
家庭教師派遣で長い待ち時間があるのに待機時間に賃金を支払わない。居酒屋で残業になった時に時間外手当を支払わない、テスト期間中も休めないほどシフト勤務を入れられる、カフェで12時間以上働くのに休憩時間がほとんどない、などという声はザラにある。
またコンビニや飲食店では、その店の商品をノルマとして購入させるケースも目立っている。私のゼミのある男子学生のケースを紹介しよう。大手コンビニチェーン「ローソン」のある店でバイトしている。夜の勤務が多いその学生は、ときおり、おでんを30個、40個という単位で買わされるという。理由は、その店の売り上げを伸ばし、所属地域のローソンの売り上げランキングで上位に入れるために店長に無理強いされるから、という。
当の学生によると、日々の各店舗の売り上げランキングは深夜0時に決定する。その少し前になると、店長が売り上げを計算し、他店の売り上げ情報を調べてソワソワし出す。「このままだと2位だ。後8万円で逆転して1位になれる」などと店長が言い出し、それぞれのバイト学生や従業員らに「おでん何個を買ってくれ」とノルマを言い渡す。学生にしてみれば、その分、自分のバイト代が減ってしまうのだから抵抗感はあるが、断ってしまうと、店長がバイトのシフトを組む際に嫌がらせのように不利な形にするので、バイトがやりにくくなる。だからしぶしぶ、おでんを買う。数十個のおでんを購入した後は、部屋での食事のおかずはおでんがしばらく続く。
また、やはりゼミのある女子学生のケース。勤めているのはドトールコーヒーのチェーン店だ。客が少ない日などに店長から「コーヒー券を買って!」とノルマを課せられる。日によって数は異なるが、学生バイトだと10枚、主婦パートだと20枚などと年齢によってノルマの差があるという。
実はこの女子学生が働いていたドトールコーヒーは、ガソリンスタンドが併設されていて、経営は一緒だ。だから、場合によって学生バイトはガソリンカードも購入させられる。ドトールコーヒーとはいっても、本社の直営ではなく、彼女の雇用主はガソリンスタンドを経営する「○○石油」というような小さな会社だ。この女子学生が携帯電話でこっそり撮影した店のホワイトボードの写真を見ると、「ラスト22時まで計12食 6時まで 計15食 9時まで 計18食」と書かれ、バイトの終了時間に合わせて、何食を売るかがノルマ化され、「売れなかったら各自責任を取る事!!!」と自腹での購入を求められていた証拠が映っていた。「各自責任を取る」とは、つまり自分で購入しろ、ということだ。
前述の男子学生に「おでん」を買わせるローソンの店もフランチャイズ店なので、経営者はローソン本体ではなく、やはり個人商店という点ではドトールコーヒーと同じだ。
つまり学生バイトの彼ら彼女らは、大手のコンビニや大手カフェのフランチャイズ店の、そのエリア内での売り上げランキング競争のために、ノルマ買いを強いられる。経営者はあくまでフランチャイズのそれぞれの個人商店主らなので、学生たちが仮に裁判などで理不尽を訴えたとしても、訴える相手は個人商店主ということになる。他方、ローソンやドトールコーヒーは労働問題では無関係という立場になる。
これはひどい話ではないか。…
そうそう、あいかわらず従来型の、居酒屋や飲食業もひどいし、塾・家庭教師がひどいんだよなあ。給与からノルマ買い分を差し引かれるというえげつなさ。その本体は、かなり有名な企業だったりするわけだから、もっと告発されないとなあ。
実は、どこかのバザーで手に入れた本。そのまま読まずに積んであった。ことし著者の講演があり、ボク自身は別の取材で聞きにいけなかったのだけど、ほかの人に聞きにいってもらった。読まなきゃなあと思っていたときに、麻生さんの、あの発言があった。それであわてて読み始めてみた。これがものすごく、面白く、収穫の1冊だった。
ドイツの「過去の克服」については、日本では石田勇治さんの著作などがあり、とくに1968年を契機にしたブラント政権などのとりくみがあり、ボクも学んできたし、仕事でも扱ってきた。
この本の対象はむしろその後のいまである。ベルリンの壁が崩壊し、東側の、いわば反ファシズム「建国神話」の見直しという問題がある。EU統合による国境を越えた、ドイツ以外での「過去の克服」がとりくまれる。そこに移民に増大による統合という問題。言い換えれば、異文化との対話と共同という課題がはじまる。戦争体験世代からの世代の交代という問題が、当然、戦争体験の、ドイツの過去の相対化という問題を生じる。だけど、それが、より一般化され、普遍化される。そこでめざされるのが、人権と民主主義の普遍化というなかでの「ドイツの過去の克服」なのだ。もちろん、そのとりくみは、教科書対話にみられるように、試行錯誤の途上だけど、確実に、その方向がめざされている。それを「記憶の文化」と呼ぶ。日本とは決定的に違う、厚みと豊かさに、驚きとともに、ちょっとショックをうける。それがフクシマまでつながるのだもの。
日本の課題はあまりにも複雑で、積み残されたものが多い。うん、あきらめずに、しっかり日本の蓄積には自信というか、ちゃんと光をあてながら、課題をみすえないとなあ。だけど、率直に、こういうドイツの歩み、とくに近年の模索や試行錯誤なども含め、学んだり、紹介したりしないとなあと思った。
今日のインタビューでも出た話題なんですけど、よく考えなければいけない問題。
ブラックバイト:横行 「契約無視」「試験前も休めず」 学生に厳しいノルマやクレーム対応事例も(毎日新聞)アルバイトをする大学生の間で、「契約や希望を無視してシフトを組まれる」「試験前も休ませてくれない」などの悩みが広がっている。学生たちの声を集めた大内裕和・中京大教授(教育学)は、違法な長時間労働などをさせる「ブラック企業」になぞらえ、「ブラックバイト」と呼び、問題視している。企業が非正規雇用の志向を強める中、正社員の業務をアルバイトに肩代わりさせる「基幹化」が進んでいるようだ。
大内教授は6〜7月、中京大の学生約500人を対象にアルバイトに関する経験や意見について調査した。大内教授はその記述から、学生のアルバイトが、かつての「遊びや欲しいものを買うための小遣い稼ぎ」というイメージから様変わりしていることを実感した。
厳しいノルマを課されたり、クレーム対応やアルバイトの募集、新人育成などの重要な仕事をさせられた例もあるという。大内教授は「企業では派遣や契約社員などの非正規労働の『基幹化』が進み、学生アルバイトに求められる仕事の水準が上がっている」とみる。
それでも、一部の学生は、厳しい条件のアルバイトを「やめるにやめられない」ため、追い詰められる。
昨年の全国大学生協連の学生生活実態調査によると、下宿生の仕送り額の平均は月6万9610円と、6年連続で減った。一方、アルバイト収入は増え、依存度が高まっている。大内教授によると、フリーターの増加で競争が激化し、やめると次のバイトを見つけにくい。ブラック企業で見られるような「勤務先がやめさせてくれない」ケースもあるという。また、学生にとっては、就職活動の交通費をためておく必要があり、大きな負担になっているという。…
高学費の一方で、ローン化、サラ金化する奨学金。借りたくても借りられない学生もいる。学生のアルバイトの実態はどんどん深刻化する。長男が、学生のころ、居酒屋のチェーンのバイトをしていて、ここまでやらすのかと驚いたけど、いまや飲食にとどまらない、アパレルやホテル業などどんどん基幹化がすすんでいるようだ。正直、これだけの高学費のもとで、親が生活費まで送るのはかなり無理があるというのが、親経験者としての実感。
一方で、大内さんがいうように、「学生は労働法の知識が不十分で、違法な働き方をさせられても泣き寝入りしてしまう。学生アルバイトの現場が無法地帯化している恐れがある」。学生にとっては、まかされる、たよられるというのはやりがいにもつながるという罠もしかけられている。さらに「上の世代からは、バブル崩壊前の『バイトは気楽』『嫌ならやめればいい』という見方をされがち。今の学生アルバイトの厳しい現実が理解されにくい」という問題もある。
これが、学生たちが、いろいろな問題に、疑問をもつことを阻んでいるとしたら。
現状の深刻さとともに、若者の成長という点から、これからの社会のあり方という点からも大きな問題だよなあ。
大学もキャリア教育というのなら、こういう問題を考えないと!
今日は、仕事で愛知まで。インタビューでしたけど、面白かったです。
帰り、名古屋の地下鉄で名古屋駅につこうとしたとき、電車のなかで、いっせいに携帯がなる。自分の携帯を見てみると、奈良でM7・8、震度7という緊急地震速報が。東日本大震災のときの恐怖がよみがえります。しかも、ボクの実家は現在奈良にあり、高齢の母親も住んでいます。
すぐには、正確な事態がわかりませんでした。だけど、M2・3の和歌山の地震の情報があるだけ。しばらくして、奈良にも連絡がつき、なんともないことがわかりました。
技術的な問題はいろいろあるようですが、どんどん正確な情報がだせるようになればと思います。だけど、なによりも何もなかったことで、ほんとうにホッとしました。いろいろなことを一瞬考えたもの。
もちろん、電車のとまり、いろいろ困った方もいるでしょうね。新幹線も少し遅れました。いろいろたいへんだったひとには、お疲れさまと、心から。
いつもは8月の後半に発表される学校基本調査の速報。いつもよりも早いのかな?
今春の大卒、非正規雇用が3万9000人・ニート3万人 文科省調べ(日経新聞)大学を今春卒業した約56万人のうち5.5%にあたる約3万人が就職や進学をせず、その準備もしていないことが7日、文部科学省の調査で分かった。大半が「ニート」(若年無業者)とみられる。前年の6.0%(約3万3千人)から0.5ポイント減少したが、依然として高い水準。契約・派遣社員やアルバイトなどの非正規労働者も約3万9千人に上り、若者の就労支援の強化が急務となっている。
文科省の学校基本調査速報によると、今春の大卒者は55万8853人で、卒業後に就職も進学もしていない人は全体の13.6%(前年比1.9ポイント減)の7万5928人に上った。
このうち内定を得られないまま卒業し、就職活動を続けている人や進学の準備をしている人は4万5158人にとどまり、残る3万770人はどちらの活動もしていなかった。家事手伝いやボランティア従事者も含まれるが、大半がニートとみられる。内訳は男性が1万6882人、女性が1万3888人だった。
ニートは通学も仕事もしておらず、職業訓練も受けていない15~34歳の若者のことで、総務省の労働力調査によると、2012年のニートは約63万人。ニートが増えると日本社会全体の労働力が下がる恐れがあり、将来的な生活保護受給者の増加や税収減につながる可能性もある。
一方、大卒者のうち37万5959人が就職した。就職率は67.3%で前年比3.4ポイント増え、3年連続で上昇した。このうち雇用期間の定めのない正社員などとして就職した人は35万3173人(63.2%)。前年より1万8078人増え、景気回復を裏付けた。
非正規雇用で就職した人や就職も進学もしていない進路未決定者など、安定的な職についていない人は全体の20.7%(前年比2.2ポイント減)を占める11万5564人。このうち週30時間以上働く契約社員や派遣社員などになった人は2万2786人。アルバイトなどの一時的な仕事と合わせると、非正規で働く人は大卒者の7.1%の3万9636人に達する。
文科省は「就職率は回復基調にあるが、リーマン・ショック前の水準には戻っていない。安定的な職に就けない大卒者が5人に1人いる状況は改善すべき課題だ」としている。
厚生労働省との合同の就職率が発表されたときは、94・3%とかの数字がでる。だけど、その数字にはトリックがある。母数が就職希望者であるからだ。これだと、就職を途中であきらめたり、活動をやめて人は母数にはいらなくなる。となると率は高くなる。これに対し、学校基本調査の数字は、母数が全卒業者になる。そのなかで、就職率は67・3%だ。去年の63・9%から見れば改善されているとは言えるのだろうけれども。だけど2000年代の最初に50%台におち、それから70%台に回復し、リーマンショックで60%に落ちた以降、60%台の数字が続く厳しい状態であることは変わらない。しかも、いわゆる新卒無業(就職も進学もしていない人プラスアルバイト)といわれるのが20%前後からは減ったものの、依然20%に近い、10%後半台の数字になる。基本的な特徴は大きくはかわっていないということなのだ。
いったいこれは何なんだ。暗澹たる気持ちになってしまう。
福島原発の汚染水、1日300トンが海へ 経産省が試算(日経新聞)経済産業省は7日、東京電力福島第1原子力発電所から1日300トン(ドラム缶1500本分)の汚染水が海に流出しているという試算を初めて公表した。安倍晋三首相が同日の原子力災害対策本部で「国としてしっかりと対策を講じる」と表明したことを受け政府は汚染水や地下水のくみ上げ、水を遮るための凍土壁の建設などを急ぐ。
一方、東電は9日から原発周辺の護岸近くで、汚染された地下水をポンプでくみ上げる作業に着手することを発表した。回収した水は地上のタンクにためた後、建屋の地下にある汚染水とともに浄化処理に回す計画だ。
経産省の資源エネルギー庁が示した推計によれば、福島第1原発1~4号機では主に裏手の山側から1日あたり1000トンの地下水が流れ込み、400トンが建屋のひび割れ部分から中に入っている。残りの600トンは海に流れ、このうち300トンは建屋の地下とつながるトレンチ(坑道)などの高い濃度の汚染水と混ざってから海に流出しているようだという。
試算は東電が地下水の流れを制御できず、一部は汚染されて海に流れ続けてきた可能性を示す。経産省は1日300トンの流出量が推定値であり「厳密な評価はしていない」として、詳細な根拠を示さなかった。
だいたい、こうした実態は、いぜんから懸念されていたこと。なぜ、いま発表なのか?
しかも、今日、政府は、汚染水対策に国も支援すると表明した。だけど、現在の対策の方法は5月に経産省が東電に示した方法だ。それからもう3カ月だ。東電も後手だけど、国も後手後手の対応としか言いようがない。だいたい、一企業にこうした事故の終結を任せるということ自体間違っている。企業ベースであるかぎり、被害は小さく見積もられる。そのことを放置していたのが国だ。今回の対応も、ほんとうにすべての技術・叡智を結集しておこなっていると言えるような科学的な方法なのか?
しかも、なぜ、参院選後にこうしたことが出てきて、かつ、国会閉幕の日の政府が提起するのか? 国民も国会も蚊帳の外ということなのか?
という今日、次のような調査も公表された。
福島第一原発沖の海底、約30か所で高濃度セシウム(TBSニュース)東京大学が福島第一原発から20キロ圏内の海底の土に含まれる放射性セシウムの濃度を計測した結果、30か所あまりで局所的な高い値が確認されました。
東京大学生産技術研究所のソーントン・ブレア特任准教授らは、福島、宮城、茨城沖で海底の土に含まれるセシウム137の分布状況をおよそ400キロにわたって計測しました。今年2月までに福島第一原発から20キロ圏内の海底の土を調べたところ、周辺の海域に比べて5倍以上という局所的な高い濃度が30か所あまりで計測されました。このうちの20数か所では海底の地形が崖になっていたり、くぼんでいたりする特徴がみられました。
研究所では「こうした地形の場所では海流が弱いため、細かい粒子がたまりやすく、分散しにくいのではないか」としていて、濃度の変化などを引き続き調べることにしています。
そうとう深刻な量。そのうえに流出が続いている。
ほんとうに、最優先で、叡智を集めて、最大の対策をおこなわなければ。これは政治の仕事である(もちろん東電の責任を徹底して明らかにし、その責任を果たさせることも含めだけど)。どうなのかなあ。
この記事を読みながら、いろいろ考え込んだ。
戦後補償:問題置き去り…旧植民地関係者、救済漏れ(毎日新聞)今年も終戦記念日が近づいてきた。戦後68年がたとうとしているのに、国会では戦後補償の問題が置き去りにされたままだ。関係者の高齢化が進む中、早期解決を求める声が上がっている。
「私たちも老い先短い。尊厳ある生活が安心してできるようにと切に願います」。中国残留孤児の妻栄子さん(68)の帰国に伴い、1987年に来日した赤沢江風(こうふう)さん(66)=岡山県総社市=は6月に国会内で開かれた集会で訴えた。中国では教職に就いていたが、日本では自動車会社で働いて4人の子を育てた後、退職した。
2008年度から始まった残留孤児・婦人らへの新支援策は、困窮した孤児らの世帯に対し、生活支援給付(東京23区の60代単身で月約8万円)と、満額の老齢基礎年金(月約6万6000円)の併給を認めた。だが、孤児本人に先立たれた配偶者は生活支援給付のみになる。こうした配偶者は400人以上いるとみられ、さらに増えそうだ。当事者たちは議員立法による改善を望むが、実現の見通しは立っていない。
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「経済大国が小さなカネを節約していると笑われる」。そう訴えるのは台湾出身の呉(ご)正男さん(85)=横浜市中区=だ。旧制中学に入学するため日本に移住し、16歳で陸軍に志願。戦後2年間にわたり旧ソ連・カザフスタンの収容所に抑留された。
日本兵らが旧ソ連各地で強制労働などをさせられた「シベリア抑留」を巡っては、1人当たり25万〜150万円を支払うシベリア特別措置法が10年に成立した。しかし韓国、台湾、中国などの外国籍の旧日本兵は対象外。補償の拡大を懸念する国側の意向があったとされる。呉さんは「日本にとって不名誉なことだ。生存している外国籍の抑留経験者は数十人なのに」と話す。
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旧植民地出身でありながら日本軍属・軍人として連合国の軍事裁判を受けた元BC級戦犯への補償問題も放置されている。99年の最高裁判決が立法解決を促したが、目立った動きはない。
朝鮮半島出身で戦時中はタイなどで捕虜の監視をしていた李鶴来(イハンネ)さん(88)=西東京市=は6月、補償立法を求める要請書を安倍晋三首相あてに提出した。
「巣鴨刑務所から釈放されて57年たつが、なお要請を続けなければならない。悲しみと憤りを感じる」と李さん。李さんが要請書を出した首相は安倍氏で29人目という。
多くは、司法的救済の道はたたれ、政治的決断を求める段階にきている。だけど、自民党の政権復帰と「靖国」派の復権で、政治状況はかなり後ろ向きになってしまっている。
ここで紹介されているような、残留孤児家族や、植民地地域のシベリア抑留、BC級戦犯の問題という植民地関係者の問題は、典型だけど。それだけではない、日本における空襲被害もある。もっと言えば従来からとりくまれているさまざまな戦後補償も多くは積み残されている。
長く、ボクもこうした問題を企画で扱ってきた。自分自身、すでにやったからとマンネリになったり、後回しになったりしないか。あらためて自分自身に問いかけなくっちゃいけないなあと思う。同時に、それが、いまだ国民的に共有された「過去の克服」になっていない以上、いかに国民自身の歴史認識を形成していくのか。どのように形成するのか。しっかり考えてとりくまないとなあと、強く反省させられた次第。
テレビで、建造された船体を見ると、やはり、腰を抜かすほどでかい!
海自最大「ヘリ空母」進水 護衛艦 戦闘機搭載なら「攻撃型」(東京新聞)海上自衛隊最大の艦艇となるヘリコプター空母型護衛艦「いずも」(基準排水量一九、五〇〇トン)の命名・進水式が六日、横浜市内で行われた。再来年三月に引き渡され、海上作戦や災害派遣、海外活動に活用される。
平らな甲板、右寄りの艦橋を持つ外観は空母そっくり。就役中のヘリ空母型護衛艦「ひゅうが」型より一回り大きい。多目的艦を目指した結果、大型化したという。建造費はイージス護衛艦並みの一千二百億円。
政府は憲法の制約から「攻撃型空母」は保有できないとしているが、国際的には「ヘリコプター空母」に分類される「いずも」は戦闘機を搭載すれば「攻撃型空母」に変身する。海自は「戦闘機や垂直離着陸機オスプレイを搭載する予定はない」とし「空母ではなく、護衛艦」と主張する。
対潜水艦ヘリ七機を搭載し、ほかに大型ヘリ二機を搭載可能。他の艦艇に燃料を提供できる洋上補給機能もある。艦内には手術室と三十五病床があり、海外派遣や災害出動時には四百五十人が長期宿泊できる。乗員は海自最多の四百七十人(うち女性九十人)。任務に応じて乗員や搭載ヘリの数は増減する。
ジョージワシントンは、333 m×76.8 m。いずもは、248.0m×38.0m、そのでかさがわかる。
すでに、自衛隊は、「ひゅうが型」護衛艦が2隻就航している。こちらも、200m近い甲板をもち、軽空母ともヘリ空母とも言われた。いずも型はさらに一隻予算化されているので、計4隻の空母となるわけだ。中国の大軍拡は、これだけ問題にしているのに、一方で、日本はここまできているのだ。
なかなかわりきれないニュースだよなあ。
最低賃金 平均14円増 3年ぶり高水準 全国平均763円(東京新聞)厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は六日午前、二〇一三年度の地域別最低賃金について、引き上げ幅の「目安」をまとめた。時給で示す全国平均額は現行より十四円増の七百六十三円となり、上げ幅は一〇年度(実績で十七円増)以来、三年ぶりの高水準となった。
景気の回復傾向に加え、デフレ脱却を目指す安倍政権が賃金底上げに意欲的なことが影響した。昨年度は目安が七円増で、地方審議後の実際の上げ幅は十二円増。
最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の支給水準を下回る「逆転現象」が起きている十一都道府県のうち、北海道を除く十都府県で逆転が解消する見通しだ。
北海道は逆転解消に必要な賃金の上げ幅が時給二十二円と大きいことから、十一~二十二円と幅を持たせた目安を示した。目安の上限なら解消するが、実際は本年度の解消は厳しそうだ。
北海道を除く四十六都府県の上げ幅の目安は、経済規模に応じてA、B、C、Dの四ランクに分けられ、愛知などが入るAは十九円、滋賀などのBは十二円、新潟などのCは十円、高知などのDも十円だった。
中央の審議会は七日に田村憲久厚労相に目安を答申。その後、都道府県ごとに設置した地方審議会が目安や地域の実情を踏まえて議論し、各地の新たな最低賃金が決まる。このため目安額と実際の引き上げ幅が異なることがある。新たな金額は、十月ごろから適用される見通し。
労使の代表と有識者で構成する小委員会での議論は、労働組合側が物価上昇などを踏まえて大幅増額を要求したのに対して、経営者側は景気回復の効果が地方の中小零細企業まで及んでいないとして慎重な対応を求めていた。
額から言えば、労働者側に近いもの。だけど、引き上げは期待されていたほどの額ではない。最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の支給水準を下回る「逆転現象」が北海道を除いて解決することは歓迎するべきことだけど、だけどその生活保護の額は、基準が切り下げたあとのものであり、そういう意味で底上げたものにすぎない。さっそく引き下げの影響だとも言える。中小企業への支援策はどうなるのだろうか。中小企業政策を充実しないと、絵に描いた餅というか、新しい矛盾をつくりかねない。そして、いちばん気になるのは地域間格差の拡大。たとえば東京869円と高知662円、岩手・宮城などの663円では200円以上の差となってしまった。それだけ、ちがうのだろうか? 地域の疲弊がどんどんすすむのではないのか。ここにメスを入れる政策がなぜ具体化されないのか?そんな感想がよぎるのだけど。
ニュースと資料をクリップだな。
派遣労働「業務」の期間制限撤廃 規制緩和、厚労省研究会(共同通信)厚生労働省の有識者研究会は6日、派遣労働の期間に関する規制の緩和を報告書に盛り込む方針を固めた。「業務」に対して設けられている最長3年の期間制限を撤廃し「個人」への制限に切り替えるよう求める。実現すれば、人が代わることによって長期間、派遣労働者が同じ業務を担える。
研究会は、派遣労働者が同じ仕事をこれまでより長く続けられるようになって、知識が深まり、キャリアアップしやすくなるとみている。だが企業が正社員の仕事を派遣労働者に置き換えやすくなり、非正規雇用がさらに増える懸念もある。
6日午後の研究会で素案を提示する。
うーん。
もう1つ。実は先日日本経団連が発表している。今後の労働者派遣制度のあり方についてという文章。ちゃんと、読み比べて見ようかな。自民党政権のもとで、見直しどころか、どんどん経営者の利益をベースにすすんでいる感じだな。焦点となる「人」ベース問題が典型かな。
国研のいじめ調査。
いじめ被害と加害、9割が経験 小学生を追跡調査(共同通信)2010~12年の3年間にいじめを受けたことがある小学生と、いじめをしたことがある小学生はともに90%近くに上ることが5日、分かった。多くの子どもが被害、加害の両方を経験していることになり、被害者と加害者が入れ替わりながらいじめに関わっている様子がうかがえる。
国立教育政策研究所が公表したいじめ追跡調査で判明。研究所は「大部分の子どもがいじめを日常的に経験している。多くは1週間もすれば自然と解決するが、長引いたり、多数が一人をいじめるようになったりすると、深刻な結果につながりかねない」としている。
07~09年に実施した調査でも、ほぼ同じ傾向が出ている。
うーん、やっぱりいじめは難しい。定義からはじまって、その数字をどうみるのかも含めて。かならずしも増加しているわけではない? 日本の場合、教師集団の実践と努力で、いじめの深刻化が防がれてきた面もあるのだと思う。だけど、それが十分に対処できなくなっているとも言えるのだろうけれど、そのとの対比で、だいじなのが、このいじめの一般化、日常化ということなのか。低年齢化も含め、子ども社会の変容ということか? もっといろいろ豊かにつかむ必要があるのかなあ。むずかしい。
明日は広島の日…。
韓国人被爆者を追悼 2682人の名簿奉納(東京新聞)強制連行などで日本に渡り、広島への原爆投下で亡くなった韓国人を追悼する慰霊祭が五日、広島市中区の平和記念公園にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の前で営まれ、被爆二世の辛亨根(シンヒョングン)・駐広島韓国総領事が日韓関係について「改善への両国民の期待は高くなっている」と述べた。
慰霊祭には韓国原爆被害者協会の理事ら約二百二十人が参加した。チマ・チョゴリを着た女性が鎮魂の舞や慰霊歌を披露し、この一年間に亡くなった十一人を加えた二千六百八十二人分の死没者名簿を奉納。来日中の米映画監督オリバー・ストーン氏も見学した。
辛総領事は、北朝鮮に核開発をあきらめるように求めた上で「韓日の和解は、市民の力で徐々に遂げられていくと確信している」と話した。
慰霊碑は一九七〇年に建立された。在日本大韓民国民団の広島県本部は「広島では、身元が判明していない人を含めて、二万人以上の韓国人が原爆の犠牲になった」としている。
朝鮮半島出身者の被爆は7万人もおよぶという主張もある。原爆被害者および子女のための特別法推進連帯会議」は、「日本による植民地支配と強制連行、侵略戦争が無かったなら、原爆被害者は生まれず、子孫にまで苦痛を味わわせることもなかっただろう」と述べ、原爆投下で約7万人の韓国人が被爆し、このうち4万人が死亡したと主張している。生存者も数十年にわたり、さらには次の世代までもが病気や貧困、差別に苦しみながら生きてきたと訴えている。この問題で、日本が主体的に調査してことはない。日本で「原爆被爆者援護法」は1957年に制定されているが、韓国人被爆者は排斥されてきた。この方針が転換されるのは、2003年のこと。それも裁判によるたたかいの結果だ。うーん。
韓国の被爆者の多くは南部のパプチョンという都市の出身者。強制連行とともに、植民地支配のもとで、土地を奪われ、食い詰めて日本に来た人も多い。いずれにしても日本の植民地支配の結果でもある。にもかかわらず、いまだ、援護・支援、謝罪と賠償は残されたままでもある。北の核をめぐるさまざまな問題のもとでも、そういう側面が被爆の問題でも残されていることはしっかり考えておきたいものだなあ。
うーん。歴史との向き合い方ということをいろいろ考えさせられる。
爵位受けた人の財産没収は合憲 韓国、対日協力の清算強化(共同通信)日本による朝鮮半島の植民地支配に協力した「親日派」が日本から受け取った財産を没収し国有化する法律をめぐり、韓国憲法裁判所は4日、日本から爵位を受けた人物に与えられた財産を没収対象にするのは合憲との判断を示した。聯合ニュースが伝えた。
植民地支配への協力行為の清算強化の動きといえる。
韓国では2005年に成立した特別法で、爵位を得た人物が日本から受けた財産の没収について1910年の日韓併合で日本に協力したかを基準とした。しかし2011年の法改正で爵位を受けた全ての人を対象としたため、法改正前にさかのぼって罰する遡及立法だとの指摘が出ていた。
ヨーロッパの場合、ドイツで60年代後半に、「過去の克服」の名で、ナチスの犯罪への反省が大きな課題になり、それが近年、各国でのナチ協力者へ犯罪の「克服」が課題とされるようになって、共有化されるようになる。いわば問題が相対化というか、抽象化されて、一般化されている。だけど、日本の場合、日本の天皇制権力、軍国主義による侵略と植民地支配の蛮行は、日本自身では十分に克服されないばかりか、曖昧かされ続けてきた。むしろ、アジアの民主化の進展のなかで、アジアの国の側から、その「克服」が大きな課題として突きつけられる形になる。韓国の場合の特徴などはもっと勉強してみたいが、ヨーロッパで先行した左翼の教条主義的な言説みたいなものではなく、左翼も保守陣形もふくめた民族的な課題として形成されている印象。植民地時代の評価、精算、克服がいわば国民的な課題となっていることをぼくらは知るべきだろうなあ。
日本の保守陣営はこれに、感情的に対立する傾向が強い。だけど、問題はそこれ明らかにされている、事実のはずののだけれども。それは植民地支配の内実を事実で明らかにするものであろうからなあ。
ちょうど今見ているどらま「ソウル1945」では、日本の協力者であった文子爵の没落が出てくる。いろいろ考えさせられるのだけどなあ。
日曜日は、朝から親父の7回忌、昼から会食。もう出席者は基本、ボクの従兄弟である。今日は、これまた私用をすませ、東京に戻る。それなり慌ただしく、いろいろ衝撃的な話もあり。京都から帰りの新幹線。局地的大雨には、ギリギリ遭わなかった。
さて、これもまた衝撃的。
沖縄で米軍ヘリ墜落、乗員1人を病院搬送(TBSニュース)5日午後、沖縄本島北部のアメリカ軍の訓練場内に、アメリカ空軍のヘリが墜落しました。乗員4人のうち1人は病院に運ばれたということです。
5日午後4時過ぎ、沖縄本島北部にあるアメリカ軍キャンプハンセン内にアメリカ軍嘉手納基地に所属する「HH-60ヘリ」が墜落しました。墜落した機体には4人が乗っていて、このうち1人は病院に運ばれました。現場では機体が大破して、炎が上がっているのが確認され、アメリカ軍のヘリが消火にあたりました。
「沖縄のこれが現実、民間地と演習場が近い距離にあるということ、いつ民間地域で事故が起きるか分からない」(墜落現場に近い 當眞 淳 宜野座村長)
墜落した機体は訓練中だったということです。
「在日米軍の司令部に原因究明と再発防止について、しっかりとした対応をしていただきたいと申し入れをさせていただいた」(小野寺五典 防衛相)
小野寺防衛大臣は記者団に「航空機事故ということで誠に遺憾なことだと思っている」と述べたうえで、防衛省から在日アメリカ軍に対し、原因の究明と再発防止について申し入れを行ったことを明らかにしました。
数カ月前のF15の墜落があったばかり。米軍機の事故が続いている。沖縄の安全が脅かされているのははっきりしている。しかも、今回の墜落の近くには沖縄の水瓶がある。これは深刻な事態なのだ。だけど、政府のアメリカへの物言いは、あいかわらず腰が引けている。
もっと怒ろう。本土も。オスプレイがやってきている。
明日、父の7回忌で、奈良に行くのを利用して、立命の土曜講座の岩井忠熊先生の表題の講演を聞いてきた。岩井先生は、京大在学中、70年前の農学部グラウンドでの壮行会にも参加している。
15年戦争の人的被害は日本でも310万人、アジアで1900万人以上ととてつもなく大きい。しかも、この数字そのものも未確定だ。明治以来の一貫した侵略性が、いっそうその戦争の様相をつくっていたのだと思う。実際の戦局は中国では民族的抵抗にあい泥沼化し、太平洋ではミッドウェー以降敗戦を続ける。43年にはガダルカナルの敗戦があり、艦船も、航空機もどんどん減って行く。とくに優秀なパイロットが不足し、大量養成のために学徒出陣がはじまる。そういうなかの岩井さんの体験だ。だけど、入営した部隊では、その敗戦の実相が語り継がれ、そして犬死をするなという上官。だんだんと、軍隊の内部にも厭戦感が広がっていく様がよくわかる。岩井さんは震洋という海上特攻の部隊で活動している。
もう体験者の話を聞く機会がどんどん減っている。ものすごく貴重な機会をだった。先生のお元気な姿を見れたのもよかった。
わだつみの話をされ、像の破壊が暴力学生による偶発的な事故ではなく、像の作成を本郷新に依頼した小田切秀雄が学生にあの像を壊すべきだと言ったことが契機の計画的なものだったという中村元理事長の証言を紹介されたのがびっくりでした。
よし、全員認定の勝訴だ!
8人を原爆症と認める、大阪地裁 国の却下処分取り消し(共同通信)国が要件を緩和して導入した原爆症認定の新基準で申請を却下された近畿地方の8人の被爆者が、却下処分の取り消しなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は2日、全員を原爆症と認め、処分を取り消した。さらに国に認定も義務付けた。
新基準は、原爆症認定の集団訴訟で国敗訴が相次いだため2008年に導入。しかしその後も却下が相次ぎ、被爆者らが提訴し、すでに国敗訴の判決も出ている。厚生労働省の有識者検討会は基準見直しを議論しており、認定の在り方があらためて問われそうだ。
付け加えることはない。政府は早く認定基準を変えるべきだ。
ところで、こんなニュースがあった。これはしらなかった。
原爆資料館:「被爆再現人形」撤去方針 制作者が反論(毎日新聞)広島市の原爆資料館が打ち出した「被爆再現人形」の撤去方針に見直しを求める声が相次ぐ中、初代「被爆再現人形」の制作に関わったレプリカ職人の宮本※吉(しょうきち)さん(71)=京都市中京区=が毎日新聞の取材に応じた。資料館側が撤去理由として「作り物」と主張していることに対し、「等身大で立体的に示された実像は人の心や脳裏にずっしり残るはずだ」と反論している。
資料館は展示の全面リニューアルに伴い、2016年度に人形を撤去する方針を打ち出した。「実物中心の展示へ切り替えるため」と説明している。これに対し、反対署名が提出され、被爆者からも見直しを求める声が上がっている。
撤去されるのは1991年から展示されている2代目の人形。73年から18年間展示されていた初代は、レプリカ制作を手がける西尾製作所(京都市山科区)が作った。72年に資料館から依頼を受け、創業者の故西尾惣次郎さんを中心に宮本さんもスタッフとして取り組んだ。忠実に再現するため、被爆者への聞き取りから始めた。
「真皮はのこる。白味を帯びた灰色」「口唇は赤黒く硬くなる」。同製作所には、被爆者からやけどや皮膚の状態を克明に聞き取ったメモと、それを基に描かれたデッサンが保管されている。聞き取りの結果、髪は縮れて逆立ち、やけどで破れた皮膚を垂らす女性2人と、大やけどを負って歩く子供のデッサンが出来上がった。
宮本さんは子供の人形を制作する際、当時2歳だった長男の手や足から石こう型を取り、リアリティーを追求した。完成した3体の人形は、被爆画家の福井芳郎が描いた絵を拡大印刷した背景、がれきの模型とともに展示された。
当時を振り返り、宮本さんは「人形は作り手の意志を差し挟んだものではない」と強調。撤去については「当時の写真や映像もすごいものはたくさんあるだろうが、多くはモノクロだ。人形は色があり、実物の本質を捉えてそっくりに作っている」と話した。
ボクがはじめて、資料館にいったのはたぶん高一のとき、73年じゃなかったのかな。初代のレプリカかな? こわくってものすごく衝撃をうけた。これってとても大事な体験だったような気がするけど、どうなんだろうか。被爆の継承をどうするのか重く、大きな課題でもあるのだなあ。
いやあ、あらためてかなりたいへんな事態。
年金課税の強化提言 社会保障国民会議が原案(朝日新聞)政府の社会保障国民会議は2日、医療や介護、年金など各分野の改革の具体策について、大詰めの議論に入った。報告書の原案には所得が多い人の医療・介護の自己負担引き上げのほか、年金課税の強化も盛り込まれた。週明けの最終会合でとりまとめる見通しだ。
この日は、報告書のうち各論部分の原案が示された。高齢者も含めて所得に応じた負担を求める改革案が並んだ。社会保障の財政が悪化する中で将来世代の負担を抑えるため、「負担のあり方を『年齢別』から『負担能力別』に切り替える」との考え方に基づく。
年金分野では世代内の再分配機能を強めるため、「年金課税のあり方を見直すべきだ」と強調。年金にかかる所得税・住民税を軽減する公的年金等控除や、遺族年金の非課税措置の縮小を検討するよう求めた。受給開始年齢の引き上げについては、高齢者の働き方とセットの中長期的課題として考え、速やかに検討を始めるよう促した。
財政安定のために少子高齢化の状況に応じて給付を抑える仕組み(マクロ経済スライド)は、物価下落時でも実施できるようにすることを検討課題に挙げた。
介護分野では、介護の必要度が低い「要支援」向けのサービスを介護保険の対象から外し、市町村の独自事業に段階的に移すことを提案。一定の所得がある利用者の負担を今の1割から引き上げることも求めた。
医療分野では、国民健康保険(国保)の運営主体を市町村から都道府県に移すことを明記。財政の悪化や地域間格差を改善するねらいだ。移管の準備のために国保の赤字を国が穴埋めする方法としては、高齢者医療の支援金のうち、大企業の健保組合の負担を増やして浮かせた税金の活用を提案した。
また、給付の「重点化・効率化」を図るため、紹介状のない患者が大病院を受診する場合、初診・再診料として定額の負担を求める仕組みを提案。高い医療費がかかった場合の患者の負担上限を定める「高額療養費制度」は、低所得者の上限額引き下げが必要とした。
自立・自助を強調し、効率化、持続性のもとで、公的な負担の後退を合理化し、全世代型の名のもとに、とりわけ、どうしても給付割合が大きくなる高齢者を削減のターゲットにする。もちろん、だけど、若者に押しつけられるのは、自立・自助なんだから。
医療・介護・年金、いよいよ本格的なたたかいが必要になるということなんだおるなあ。ちゃんと、こういう動きは、国民のあいだで議論がなされないといかんけど。どう広げていけばいいのか、まずは知恵の出しどころなんだろうけれどもねえ。
いよいよ本気で、解釈改憲をすすめるつもりなようだ。
内閣法制局長官に小松氏 集団的自衛権容認派(朝日新聞)安倍晋三首相は内閣法制局の山本庸幸長官を退任させ、後任に小松一郎駐仏大使をあてる方針を固めた。集団的自衛権の行使容認に積極的な外務省出身者を起用することで、容認に向けて体制を整える。8日の閣議で正式に決める方針だ。
小松氏は外務省で条約課長や国際法局長を歴任。首相が第1次安倍内閣で行使容認に向けて立ち上げた私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の事務作業に関わった。法制局長官は次長から昇格するのが通例で、法制局経験のない小松氏の起用は異例。
集団的自衛権は、同盟国などが攻撃された時に自国への攻撃と見なして反撃できる権利。歴代内閣は「国際法上保有しているが、憲法9条との関係で行使できない」という憲法解釈を踏襲している。内閣法制局は国会答弁の積み重ねにより、この解釈を支えてきた。そこで安倍首相はトップに行使容認派を起用し、解釈変更への環境を整える考えだ。
首相は参院選後の7月22日の記者会見で、集団的自衛権の行使容認について「安全保障環境が大きく変わる中で国民を守るために何が必要かという観点から引き続き議論を進める」と述べ、議論を加速させる考えを表明した。安倍政権は安保法制懇を8月中にも再開して、今秋にもまとまる報告書を踏まえて憲法解釈の変更を目指す。
露骨な人事。石破茂さんは、「集団的自衛権を行使できるようにするという我が党の立場からすれば極めてふさわしい人材だ」と言い、彼が国際法に精通していることから(本当か?、どんな国際法だ?)、「集団的自衛権の問題は国内法だけでなく国際法との整合が要求される」とまで言っている。つめた反論も必要になったきそうな感じだけどなあ。
企画化しなくっちゃいけないので、これもクリップしておこう!
「ブラック企業」は許さない 被害対策弁護団を結成(朝日新聞)社員に違法かつ過酷な働き方をさせる「ブラック企業」の被害を防ぐため、労働問題に詳しい弁護士たちが31日、全国組織「ブラック企業被害対策弁護団」を結成した。被害者から相談を受けつけ、法律上のアドバイスをしたり、訴訟を起こしたりする。
「ブラック企業」とは、インターネットで若者を中心に広がった言葉で、長時間労働やパワハラ、残業代の不払いなどが横行している企業のこと。弁護団をつくって情報交換を行うことで被害の実態解明も目指す。被害者が多い企業に対して集団訴訟を起こすことも検討する。
弁護団には、全国で50人以上の弁護士が参加する。発足の記者会見で、代表の佐々木亮弁護士は「ブラック企業は社会問題化している。弁護団の結成が、違法状態に置かれている人の声を拾い上げるきっかけになればいい」と話した。弁護団への問い合わせは代々木総合法律事務所(03・3379・5211)へ。
まだ、HPはなさそうだな。
→HPを教えていただきました。ここ。
うーん。麻生さん。ちょっと資料として残しておくためにクリップ。
全体像が今日になってやっとわかってきたという感じ。まずは講演の詳細。
麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細(朝日新聞)麻生太郎副総理が29日、東京都内でのシンポジウムでナチス政権を引き合いにした発言は次の通り。
僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。
そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。
私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。
この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。
しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。
そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。
ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。
靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。
何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。
僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。
昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。
そんでもって撤回のコメント。
麻生副総理「ナチス憲法発言」撤回に寄せたコメント全文(産経新聞)麻生太郎副総理兼財務相が発表したナチス発言撤回に関するコメントの全文は次の通り。
7月29日の国家基本問題研究所月例研究会における私のナチス政権に関する発言が、私の真意と異なり誤解を招いたことは遺憾である。
私は、憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている。この点を強調する趣旨で、同研究会においては、喧騒にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげたところである。私がナチス及びワイマール憲法に係る経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである。ただし、この例示が、誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい。(原文通り)
もし、ブラックユーモアのつもりだったとしても、ブラックユーモアとして、言うべきことでは決してない。ここには、やはりナチに対する評価というか、容認の問題は避けられないよなあ。ほんとうにこの人は歴史をしらない。
だからこそ、事実認識の不正確。
そして、なによりも国民の運動や声を喧騒ととらえている。だからこそ、それがナチにつながるのだ。そもそも、この集会そのものがえぐいよなあ。副総理がいくことそのものが、世界からみて異常なこと。国益を損なう政権であることの証左でもあるなあ。
うーん、なるほど。これは。
核弾頭、世界に1万7千発 長崎大がデータベース公開(共同通信)長崎大核兵器廃絶研究センターは1日、米国やロシアなどの核保有国が持つ核弾頭の数を推計したデータベースをホームページで公開。現在、9カ国に計約1万7300発あるとの推計結果を明らかにした。
各国の専門機関の情報や資料を基に、約1年かけてより正確な数を分析。国別に分類し、実戦用がどの程度あるかなどを示す表や、図を用いて説明したポスターを作った。
データベースを開発した同センターの中村桂子准教授は「核削減が進まない現実を認識し、被爆地として何を訴えるかを判断するのに必要な情報だ」と強調した。随時更新するとしている。
1万7000発かあ。
今日、記者会見があった。行けなかったけど。もう次の仕事です。だけど、これは大事なとりくみ。
慰安婦問題のサイト開設 学者ら「まず事実知って」(共同通信)旧日本軍の従軍慰安婦問題を研究している学者らが1日、「資料や証言など確かな根拠に基づく事実関係を知ってもらおう」とウェブサイト「FIGHT FOR JUSTICE 日本軍『慰安婦』―忘却への抵抗・未来の責任」を開設したと発表した。
吉見義明中央大教授や林博史関東学院大教授らが同日、東京都内で記者会見した。サイト作成に携わった金富子東京外国語大教授は会見で、インターネットに「慰安婦問題は捏造」などのバッシングがあふれていると指摘。「責任を回避するために問題をゆがめて忘却を強いる勢力に抵抗し、未来に事実を伝えたい」と話した。
入門編を吉見さんが、Q&Aを林さんが、証言を西野さんが中心に作成。資料などとともに、今後、映像も充実させていくそうだ。やっぱり、事実をしっかり伝える場がひろがっていなかないと。それと一体に、人権を自分の問題とかさねていくようなとりくみが必要かな。
大事にしたいサイトであるなあ。
いよいよであるなあ。
生活保護、過去最大の減額始まる 1日から新たな額で支給(共同通信)生活保護費の基準額が国の予算で1・5%引き下げられ、1日から新たな額での支給が始まった。引き下げは2004年度以来で、食費や光熱費など日常生活の費用に充てる「生活扶助」が対象。15年度までに予算を計670億円(6・5%)減らす。下げ幅は過去最大。
受給者の一部は反発し、引き下げは不当として行政不服審査法に基づく審査請求を1万人規模で行う動きが出ている。請求が却下されれば、集団訴訟を起こす方針だ。
生活保護の支給は毎月1~5日の自治体が多い。金融機関の口座への振り込みや、福祉事務所の窓口などで受け取る。受給者は全国で約215万人、約158万世帯。
たとえば、これまでの標準3人世帯である、33歳、29歳、4歳の家庭では、8月に5820円、来年4月に計1万0650円、再来年4月に計1万5980年の減額になる。約16万円から14万4000円ほどになるのだ。さらに母子世帯になると減額は大きくなる。子育て層の、経済困難が大きい世帯ほど、削減が直撃する。しかも、根拠となった基準額算出の方法そのものが、ほとんど科学性のないものという批判が強まっている。とくに物価考慮といわれているが、平均的CPI方式というものそのものが恣意的なのだ。最初に削減ありきですすむ生活保護の削減。その影響ははかりしれないものになるはずだろう。1万人審査請求というたたかいがはじめる。
そのもとで、生活保護法大改悪、生活困窮者支援法という、水際作戦合法化法案とのたたかいが、この秋の大きな焦点になるのだ。
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