(株)貧困大国アメリカ
堤さんの仕事にはいろいろな評価があるだけど、いまの資本主義社会の一面を見事にきりとった一冊。グローバル時代の新自由主義の世界では、個別の株式会社が異様な力をもつ。総資本といわれた財界はかつての姿ではなくなり、あくまで個別企業が世界での競争のプレーヤーとなりその社会を支配する。それは安倍さんが企業を従えて、世界を行脚した姿とダブル。
ここので、農業・食品産業がとりあげられる。その姿が、TPPの本質も物語る。ああ、日本もこういう社会になっていくのだという警告だ。
そして、彼らは自治体というもっとも住民に近い公共機関を食いものにする。デトロイトの姿。自治体もメディアも左右する。ここには、すでに民主主義は風前の灯火だ。
国民の売り物にしてしまうという根本的な矛盾。と同時に、その手法は、どこまでも古典的な癒着以外なにものでもない。それはコーポラティズムなんてよぶのもおこがましい姿だと思う。この矛盾からどう未来を描くかだな。
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