改憲議席3分の2をめぐって
たとえば、昨日の読売は、世論調査分析のなかで、「参院選の結果、憲法改正に前向きな政党で国会発議要件に達する可能性が出てきた」と論じている。たしかに、改憲の危険が選挙結果いかんで高まるのは事実だと思う。だけど、この論じ方は、自民、公明、みんな、維新を改憲派として論じている。ここには、ちょっと誤って世論誘導をしかねない面があるようにも思える。なぜなら個々の国会議員の主張という点でも、政党の公式の議論という点でも、ここ数年間、改憲派が国会で圧倒的多数をしめていることは否定できないからだ。小沢さんだって、民主党だって、これまで何度も正式に改憲を表明しているではないのか。だけど、改憲という問題のハードルはとても高い。たとえば国民投票に失敗でもすれば、改憲を提案した政党はその支持を失いかねない事態になる。その前に改憲を提起する段階で、反対の世論がつよまり、ここで支持を失うのではという恐怖感も存在する。だから、改憲勢力でも、簡単に動揺し、発言や行動が「ぶれる」のだ。だからいま大事なことは、改憲という複雑なことに対し、どこまでの党がこれは改憲派でどこまでが反対派というように、かってに根拠もあいまいなまま線引きをして、3分の2云々と考えることではないように思う。それよりも、きっぱりした改憲反対の勢力を国会に一議席でも多く押し上げることなんだと思う。そして、新しい国会で、その議席と、国会外の国民の改憲反対の運動とがむすびつき、大きな世論と運動をおこすことだろうと思う。そうして、簡単に改憲派が結束して動くことのできない状況をつくることが大事なのではないだろかなあ。
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