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2013/07/18

憲法を歩く(中) 反対住民 国が訴え

 今日の東京新聞は、高江の伊佐さんのスラップ裁判。藤田さんにつづいて、またもや最近お世話になった人だな。

憲法を歩く(中) 反対住民 国が訴え(東京新聞)

 ブロッコリーにも例えられる、こんもりとした亜熱帯の森を金属製の工事フェンスが取り囲む。沖縄県東村高江周辺の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設現場。近くで座り込みなどの抗議活動をしていた伊佐真次(まさつぐ)さん(51)は二〇一〇年、通行妨害の禁止を求める訴えを国に起こされた。
 「座り込んで腕を組むというのは、私たちはここを守りますという意思表示。それすら許されないのか」
 沖縄でトートーメーと呼ばれる伝統位牌(いはい)を作る木工職人。父の仕事を引き継いだ。「工場の騒音で迷惑をかける」と二十年ほど前に沖縄市から高江に引っ越した。「もともと環境保護派でも何でもない。単に生活していただけ」。しかし一九九九年、ヘリパッド建設計画を知り「人殺しの施設をこんな豊かな森に造るなんて」と反発した。
 着工前に開かれた説明会。どういう機種が来るのかなどの質問に防衛省沖縄防衛局の担当者は「米軍の運用の問題」と繰り返すだけだった。「あるおじいさんは(環境アセスメントで)虫や鳥についてはよく調べるのに、人間の聞きたいことに答えないなんて、俺たちは虫けら以下なのかと怒っていた」
 裁判で伊佐さん側は、抗議行動は憲法二一条の「表現の自由」に該当すると主張したが、一審、控訴審ともに認められなかった。那覇市の裁判所まで高江から片道二時間半。仕事はその分遅れた。座り込みをする住民は減った。「写真やビデオを撮られて裁判にかけられるわけだから。権力を持っているものが権力を使って弱い者いじめをしている」
 参院選公示翌日の五日、最高裁に上告した。弁護団によると、公共工事などに反対する住民を国が訴えた例はないという。「判決が確定すれば、言うことを聞かない人を国がどんどん訴える怖い世の中になる。沖縄だけの問題じゃない」
     ■
 伊佐さんらがフェンス入り口近くに設置した監視用テントに元衆院議員の古堅実吉(ふるげんさねよし)さん(84)=那覇市=は、毎週バナナを持って激励に訪れる。本土復帰前の沖縄で、立法院議員として「憲法記念日」の制定に尽力した。
 沖縄戦で学徒動員され、本島南部の海岸で、捕虜となった。半月かけて米ハワイの収容所まで船で輸送される間、生きた心地はしなかった。敵の捕虜になったら耳や鼻を切り落とされると、すり込まれていた。
 終戦後も「命だけは絶対奪われたくない」という恐怖から、かつての軍国少年は「次は、逮捕されても絶対兵役は拒否する」と思い詰めていた。米占領下の沖縄に戻った後、本土で憲法が制定されたことを人づてに聞いた。「戦争をしなくても良い国になった。徴兵検査ももうないのか」と、ほっとした。
 「そもそも米軍基地が九条違反」と考えている古堅さんにとって、今の高江は、平和的生存権や請願権、表現の自由など憲法が二重三重に損なわれている現場だ。それでも悲観はしていない。「憲法を足場にすれば、時間はかかっても、主権者である国民には、あきらめも敗北もないはずだ」 …

 ヘリパッド建設計画とは、SACO合意で、沖縄県北部の米軍北部訓練場の過半の返還条件として、返還区域のヘリパッド7カ所を、残る区域に移設することが付記され、高江区周辺の6カ所と決めすすめられているもの、今年3月に1カ所が完成した。高江は、ヤンバルの残された貴重な自然の地。アキノ隊員のブログに詳しい。非暴力の、この高江の普通の住民のたたかいを国が訴えたのが、スラップ裁判。Strategic Lawsuit Against Public Participation〟の略語で、公の場で発言したり、訴訟を起こしたり、あるいは政府・自治体の対応を求めて行動を起こした権力を持たない比較弱者に対して企業や政府など、比較優者が恫喝、発言封じ、場合によってはいじめることだけを目的に起こす、加罰的あるいは報復的な訴訟を意味する。

 古堅さんはこのブログでも何度も紹介している。共産党の元衆議院議員。84歳になったいまでも最前線でたたかう。

 そういうことが問われている選挙なんだと。

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