自衛隊運用、制服組に移管 来年度にも、文官部局は廃止
うーん。どんどん前のめりになっていく。ある意味「国防軍」化の先取りなんだろうなあ。
自衛隊運用、制服組に移管 来年度にも、文官部局は廃止(朝日新聞)防衛省は自衛隊の運用について、文官(背広組)からなる内部部局の運用企画局を廃止し、幹部自衛官(制服組)からなる統合幕僚監部に一元化する方針を固めた。制服組の権限を強めるもので、来年度の実施を目指す。
日本では先の戦争への反省から、戦後は文民の首相や防衛相が自衛隊を指揮する文民統制を敷いた。さらに背広組が、軍事中心の制服組とは違う立場から自衛隊を管理し、首相や防衛相を支えることで、文民統制をより強く働かせている。
運用企画局は部隊の活動や訓練を担当する。制服組も同様の組織を持ち、双方が防衛相に提言できる仕組みになっている。運用企画局は機能が統合幕僚監部に移管される形で廃止され、自衛隊の運用はすべて制服組の管轄となり、背広組の役割は大きく後退する。
運用企画局の廃止は自民党が6月に安倍晋三首相に提言した。軍隊の運用は、専門性が高いうえに迅速な対応を要求されることなどから、軍が一元的に扱うことが、世界各国では一般的となっている。同局の廃止で、自民党が憲法改正草案に掲げる国防軍創設を視野に、自衛隊の仕組みを他国に近づける狙いもある。
■制服組の権限強化
防衛省が運用企画局の廃止方針を固めたのは、自民党の強い後押しによる。制服組の「背広組は権力を手放さない」という長年の不満を背景に、背広組の権限を弱める動きが、自民党の政権復帰で勢いづく。
背広組の権限を弱める動きは前からあった。2004年に制服組の海上自衛隊トップが当時の石破茂防衛庁長官に防衛参事官制度の廃止を進言。背広組の幹部らが長官に直接提言する制度で、09年に廃止された。
運用企画局の廃止は民主党政権で「文民統制」を理由に白紙にされたが、自民党は昨年に政権復帰後、防衛相経験者らが背広組の幹部らに実現を迫った。
自民党は今回の参院選でも、公約の土台となる政策集に「部隊運用組織の統合などでより積極的・効率的に機能する防衛省・自衛隊にする」と明記した。
自民党内には「文民統制とは、背広組でなく政治家が軍を統制することだ」(防衛相経験者)との考えが根強い。ただ、自衛隊を管理してきた知識、経験を持つ背広組の権限を弱め、政治家だけで十分に果たせるのか。党内からは「制服組の権限強化は慎重にすべきだ」との不安が早くももれる。
文民統制というのは、厳密な意味では、たしかに政治による軍の統制。それは人民(国民)による軍の統制という言う意味だ。そのためには、民主的な手続きによる軍のコントロールが必要だ。だけど、日本は戦前、軍部の独走を許したという苦い経験をもつ。だからこそ、歴史的な反省のもとで、さまざまな制度がつくられた経緯がある。軍が政治をコントロールしたり、軍事的に前のめりの政権ができたりしたことを想定しているとも言えるかもしれない。その時に国民の前に正確な情報がだされるのか。しかも、そもそも現憲法では、軍など存在していないことになっているのだし。だからこそ、軍と政治の結びつきに一定の制限をかける。そういう知恵がだされた経緯があるのだと思うけど。もちろん、そのためには、文民官僚組織が、民主的に運営されているという前提がつくのだけれども、それでも、文民官僚のなかには、かなり冷静な議論をする方がいるのは事実で。まあ、柳澤さんみたいな人と、田母神さんみたいな人を思いうかべるとわかりやすいのかも。いずれにしても、そんな知恵まで、とっぱらって、普通の軍というよりも、歴史の教訓を学ばない軍をつくりたいということになるんだろうけれども。
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