チェルノブイリ、朽ちる要塞が廃炉阻む 記者が内部ルポ
朝日の記者がチェルノブイリの4号機に入り、ルポを書いている。写真も含め生々しい……。
チェルノブイリ、朽ちる要塞が廃炉阻む 記者が内部ルポ(朝日新聞) チェルノブイリ原発を覆う「石棺」は崩れ始めていた。今もなお放射線が作業員の行く手を阻む。事故から四半世紀以上たつのに、廃炉作業にいつ取りかかれるのかさえもわからない。汚染水処理にさえ四苦八苦する東京電力福島 近くのビルの屋上に上がると、朽ち果てた要塞が目に飛び込んできた。その隣にかまぼこ形の巨大シェルターの建設が進められていた。 現時点で高さ85メートル。完成すれば高さは110メートルになり世界最大級のアーチ形構造物になる。クレーンでつり上げたゴンドラの中の作業員がマッチ棒のようだ。 シェルターは二つに分けてつくられ、完成するとレールで移動させ4号機を丸ごと覆う。9月には、屋根につかえて邪魔になる排気筒の撤去作業を始める。 1997年に計画が持ち上がり、2012年に本格的な工事が始まった。建設費は9億3500万ユーロ(1200億円)。欧州復興開発銀行に設けられた「チェルノブイリ・シェルター基金」に、日本など20カ国以上が拠出する。 爆発で破壊された4号機は鉄筋コンクリート製の石棺で覆われている。しかし、残った建屋にたてかけているためもろく、これまで何度も補修してきた。コンクリートの壁にはすき間や割れ目が無数にあった。 石棺の建設は事故発生から2カ月後に始まった。兵士らが人海戦術で半年間で造り上げた。高い放射線量で作業員が近づけなかったため、溶接やボルトによる接続もなく基礎が地盤沈下で傾いた。 国際原子力機関(IAEA)などの専門家らがまとめた報告書では、穴の面積は合わせて1千平方メートルになると試算。そこから年間約2千トンの雨水が入り込んでいるという。中の放射性物質と混ざって1300トンが汚染水となり、4号機の下の土壌に漏れ出していると指摘する。 南側のタービン建屋に回ると、建物にぽっかり大きな穴が開いていた。今年2月、タービン建屋機械室の屋根が崩落した時の穴だ。現場にいた作業員が一時的に避難した。当初は雪の重みが原因と見られていたが、補修が不十分で屋根の留め具が外れたのが原因との見方も出ている。……
現実に、決して、コントロールできない異質の危険の様をまざまざと見せてくれる。いまだに、とけた核燃料は放置され、高い放射線量が計測されている。近寄れば即死だ。廃炉への見通しはたたず、石棺な崩壊寸前の状態にある。
では、福島は? ここから何も教訓を引き出さず、そして、被災の対策もいまだ十分でないというのに、どうして再稼働なのだろうか。それを前提にした基準の発表。あまりにも、事故が示した危険と乖離している。チェルノブイリの光景は、たぶん、福島そのものであるはずなのに……。
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