ハンドブック 集団的自衛権
安倍さんが、第一次政権の時代から執念を燃やす「集団的自衛権」の行使。政府は、これまで「憲法9条のもとで許容される実力の行使の範囲を超えるものであり,許されない」と解釈してきた。この憲法の制約を、内閣が解釈を変えるだけで変更することはできるのか。憲法論の基本からこの問題を抑える。
9条をめぐる憲法解釈は、いわば現実的な対応という視点からおこなわれてきた。くり返された解釈の変更で、集団的自衛権という点でもあやうくなった部分と、それでも海外での武力行使はできないという歯止めを作ってきた部分と。いわばその歯止めをとっぱらおうとするのが安倍さんである。憲法論の基礎から学ぶと、学説の主流がどこにあるのかがわかる。いまなお原則的な憲法解釈は根強い。ところがこの9条の問題、とくに安全保障の問題は、むしろ国際政治の面からの議論が主流で、いわば現実政治によって議論されている傾向がある。もちろん、それはそれで必要だが、一方で、憲法や国際法の原則的理解を抑えないと、現実的な力関係のなかでおこなわれる解釈の変更に対して、対抗する軸もあいまいになる、浮遊すると言う面もあることは否定できない。このあたりはきちんと押さえたいところ。
と、同時に、もちろんそういう学説の主流とは立場の違う、現実政治の力関係をあるていどふまえた阪田雅裕・元内閣法制局長官の2007年の発言の再録も注目される。立場は違うが、国際法と憲法の関係など卓見も多い。刺激をうけた。
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