国立大進学にも親の所得差くっきり 06年調査から一転
今日の新聞からクリップ。この数年間で、格差と貧困がすすんでいる証左。
国立大進学にも親の所得差くっきり 06年調査から一転(朝日新聞)経済格差の影響が、授業料が比較的安い国公立大への進学にも及び始めている――。そんな実態が、東京大の研究者らの調査で浮かび上がった。年収400万円以下の低所得層と1050万円以上の高所得層では、子どもの国公立大進学率に3倍近い差があった。2006年の調査時にはなかった傾向だ。
今回の調査は、昨春、高校を卒業した子どもの保護者が対象。1064人が回答した。
国公立大進学率は、400万円以下の低所得層が7・4%。所得階層が上がるほど進学率も上がり、1050万円以上の高所得層では20・4%となった。私立大はそれぞれ20・5%と42・5%だった。
06年の同種調査では、私立大では同じ傾向が出ていたが、国公立大はそれぞれ9・1%と11・9%で、あまり差がなかった。国公立大の年間授業料の平均額は約54万円(11年度)で、私立大の約86万円より安い。研究班は06年の状況について「国公立大は低所得層への高等教育の機会の提供というミッションを果たしていた」と評価。今回の結果は、「教育機会の格差拡大を示唆している」と結論づけた。…
調査をおこなったのは小林雅之東大教授。小林教授には、いっしょに仕事をさせてもらったことがあるし、お世話になっている。小林さんは「09年以降に雇用情勢が悪化したことで、高所得層でも国公立志向が強まり、その分、低所得層が入学しにくくなっているのではないか」と分析している。調査はさらに、保護者が子どもの成績を「上位」と評価している場合の4年制大学への進学率も調べている。06年は低所得層が67%、高所得層は72・9%だったが、12年はそれぞれ53・3%と76・9%で、低所得層での落ち込みが目立つというのだ。つまり、「わが子は成績がいい」と考えていても、大学に入れるための経済的な余裕がなくなってきている可能性があるというのだ。「低所得層の進学が困難になってきていることが、明らかになった。給付型奨学金の創設など学生支援を充実させることが重要だ」と。子どもの貧困対策法が話題になっているが、ほんとうに実効性のある教育政策をとらないといけないのだ。
詳細な調査結果は知りたいなあ。
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