逆境を生き抜け-急増“チャイルド・プア” 闘う現場-
NHK首都圏スペシャルで放映されたドキュメント。
小中学生で就学援助を受ける数は昨年度156万人と過去最多、約6人に1人の割合です。経済的困難が影響した不登校や進学の難しさなど、状況は厳しさを増しています。
子どもたちをどう支えればいいのか、東京北区の教育現場の取り組みが注目を集めています。
中学校につくられた、不登校となった生徒が通える特別な「ひまわり教室」。運営する原和夫さん(66)は教員ではなく地元の老舗銭湯の3代目です。職員会議にも出席、学校に来ないなど心配される子どもの家に通って本人や家族に会い、事情を調べ、一緒に問題解決を目指します。
「貧しさから食事もとっていない」「複雑な家庭環境」「いじめなどの心の傷」…、原さんが向き合ってきた子どもは、これまで約300人。家庭にまで踏み込みにくい学校と連携し、心を閉ざし生きる希望さえ失う子どもたちに前向きな気持ちを取り戻させてきました。相談に毎日乗り、自宅で夕食をとらせ、家庭環境が厳しい場合は、住まわせたり。親の相談にも乗り、北区の福祉担当と連携をはかることも。
いま、子どもたちの心はどのように蝕まれているのか、どうすれば支えられるのか、取り組みを見つめ考えていきます。
ちょっと驚いた。さまざまな困難を抱えた子どもや家庭の問題を地域の力をかりて向き合うというのは、大きな意味はあると思う。いろいろ心配はあるのだけれども、それを吹き飛ばすような実践の力。こういう力はいまでも地域にある。そういう実践に感動したり、共感したりの番組だった。
それを前提にしても、こういう力をもった人の努力に依存していることそのものは気にかかうる。支援の専門性をどう担保するのかということもあるし、制度をどう安定的に持続させるのかということもある。いっそう複雑化する問題に、今後、どう対応していけるのかなどの問題も、そのあたりは番組ではちょっと曖昧化されていた感じもする。そのためには、もっと福祉の体制をあつくして、学校と福祉の連携を強めるしかないはずなのだけれども。そういう脆さも感じることは感じるけど。
いずれにしても、子どもの貧困法がつくられる時代。ほんとうに政治と社会がこの問題にどう向き合い、どういう実践を積み重ねていくのか、そのことが問われている。そのためにも実践の力にだけ依存するのではなく、制度そのものももっと問うたほうがいいのだろうなあ。もちろん、地域でボクは何ができるのかも考える。うーん。
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