グローバル化時代の大学論② イギリスの大学・ニッポンの大学
教育再生で大学教育が大きな焦点になっている。第三次提言がいま準備されている。ここに提言案がある。 それで、いろいろ大学教育について、調べたり読んだりし始めた。だけど、変化も激しくって。そもそも、よく大学のことって知らないしということで、グローバル時代がテーマだから、外国のことをまず知ろうと思って、そういえば苅谷さんがこんな本を書いていたなあと思って読み始めた。
そもそも安倍さんたちの発想というか、ここ数年、財界が政府といっしょにやっているのが、グローバル競争にかてるエリート大学の改革だ。
苅谷さんの本もオックスフォードの経験にもとづいた、そういうエリート大学の話だ。もちろん、前提として、これだけユニバーサルアクセスの時代に、大学の論じ方としてはちょっとせまいなあ。学術のあり方として、どうかなあとは思うけれども、それを前提としながら、結局、日本の大学の弱点がうきぼりになるような本だった。それは大学への予算の投入の薄さ。そのことが1つは高学費、それも、親の譲渡という方形のきわめてゆがんだ形での。それでも学生はアルバイトにおわれるわけだから、パートタイム学生でしかなくなる。もう1つは、もっと個人教育の焦点化した、学ぶことの条件整備が必要なのに、結局日本はここがない。それは、教育再生でも同じだ。結局、いくらいろんなことを掲げても、教育再生が掲げる大学改革が成功しないということでしかない。
RU11という日本のエリート大学の組織があって、提言を発表した。それがこれ。エリート的な狭い発想でも、基盤的経費の充実を軸とした大学への予算の投入が課題だと。
正直、学力だとか、大学の力など、だいぶ考え方は違うと思うけど、それはそれで面白かった一冊。
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