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2013/05/23

安倍政権と日本政治の新段階――新自由主義・軍事大国化・改憲にどう対抗するか

13149 渡辺治さんの新著。「強い日本の復活」「アベノミクス」を掲げて、高支持率を維持する安倍内閣をどうみるかにせまる。このテーマで、ボクも渡辺治さんといっしょに仕事をさせていただいたらしているが、その仕事をした2月ごろから比べても、いっそう議論は深化している。本書は、先の衆院選挙での自民党の圧勝、それが一方で自民党の安定した基盤を意味しないところから書き起こす。と、同時に、その自民党の政権復帰をあらためて90年代以降の世界と日本の政治的変容、とりわけ新自由主義の展開の歴史のなかで、位置づけなおす。これは、とりわけ本書では、しっくりくる。続いて、安倍政権がどういう役割をもって登場したかを全面的に分析する。第一の柱が「新自由主義・構造改革」の大攻勢であり、第二の柱が「対米追随の軍事大国化の解釈改憲先行」であり、第三の柱が「新保守主義的社会統合策」であるとする。その三つの柱の総仕上げとしての改憲というわけだ。
 しかし、本書を読むと、これら安倍内閣がすすめようとしているいずれもが、内部に、さらにはその相互間に、きわめて激しい矛盾をもっていることが鮮明となる。そのことは、歴史的な安倍政権の位置とそれゆえにもつ、この政権の脆弱さとかさなりある。本書では、あまり展開されていないが、こうした安倍内閣の役割・使命というものが、世界の大きな流れとはきわめて異質なものであることも容易に類推される。
 それだけにこの新自由主義・軍事大国化・改憲にどう対応するのか、そのポイントは国民のたたかいにある。この間のたたかいの展開に共感し、そこから教訓を学ぼうとする姿から、つねに国民のたたかいのなかに身を置こうとする筆者の思いも伝わっている内容になっている。

 で、同時に思ったこととして、国民の政治意識と政治の動きとの関係で、たとえば、本書では、今後の展開では、不安定な保守政治のもとで保守政党の連立を予測している。ところが、現実の進行は、どうも自民党以外の保守政党は崩壊状態にある。それはなぜか?ボク的に考えたこととして、ここにきてあらためて、国民的な規模で広がる”政治不信”というものをどう理解するのか。自民党だけの一人勝ちだが、それでも自民党が脆弱という現象をそう考える。ならば、なぜ政治不信か?その制度的、イデオロギー的、運動的な問題はどこにあるのか、などを考える必要があるような。どうだろうか?

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本質的には、第1の柱である新自由主義的な構造改革というのは、行き着く先は、アメリカの言いなりと言っておきながら、アメリカの1%の言いなりになって、日本の99%が、アメリカの99%と共に、自分達の利益のことしか考えない日本の1%の餌食にされるばかりでなく、これが世界的に拡大すれば、全人類の悲劇に繋がりかねない悲惨な運命に繋がってしまうという真実に辿りついてしまいますよね。
第2の柱である「対米追随の軍事大国化の解釈改憲先行」というのは、日本の99%の中に潜む跳ね返りに過ぎない1%の身勝手な連中を扇動し、結局のところは、日本の1%からすれば、自分達が生きて行けなくなることへの不安や恐れを抱き、これが、好戦的平和ボケに結びついて、99%を分断工作して、日本の1%にしがみついてくれるだけの使い物にならない間抜け連中を跳ね返りの1%により扇動し、自分たちに怒りの矛先を向けられないようにするための、極めて幼稚で傲慢、卑劣極まりない姑息な手段に過ぎないという真実に辿りついてしまうと、聞いて呆れるばかりでしかございませんよね。
こうした真実を踏まえれば、第3の柱である「新保守主義的社会統合策」というのは、結局のところ、「脱ニッポン型思考のすすめ」ではございませんが、天皇制官僚機構を頂点とする、自己犠牲を強要する全体主義と分極化した利己主義だけの運命共同体を護持して、ただ、この中だけで、強欲で傲慢な日本の1%と、これに従属する使い物にならない間抜けか、跳ね返りの1%の利己主義者だけで、共に幸せに暮らせれば、それで良いのだし、結局のところ、これもまた日本人が持っている構造的欠陥というものに向き合う勇気も無いし、この真実から目を背けて逃げ込みたいがために、主観的な価値観だけを他者に押し付けようとしているに過ぎないという真実に辿りついてしまえば、世界的に見れば、全人類の中で最も猿に近いだけの、とんだ恥知らずな民族に過ぎないとしか言い様がございませんし、行き着く先は、袋叩きにされて悲惨な運命に巻き込まれたとしても、これもまた、こうした連中が自ら選択した運命に他ならないという真実に辿りつけば、自明のこととしか言い様がございませんし、これにより、個人主義が踏みにじられることになってしまえば、これが構造的アノミー現象と言われる空洞化を引き起こして、一億総懺悔により、運命共同体が崩壊してしまうことも自明のことでしかございませんし、そうなると「日本を取り戻す」どころか、日本が取り返しのつかないことになってしまうと同時に、これが天皇陛下にシンポライズされたのでは、余りにも天皇陛下が可哀想なことだし、「お気の毒に」としか言い様がございませんし、此れ程恥ずかしいことは無いと同時に、此れ程悲しいことはございませんよね。

ならば、今度は、日本の99%が中国を見倣って、アメリカの99%と共に、上手く騙されたふりをすれば、全人類に対しては、「誠に恥ずかしい限りですが、このままでは全人類に多大なご迷惑をお掛けするようなことになるばかりでしかございませんので、そうならないように、どうぞ、もっともっと、幾らでも安倍首相を馬鹿にして、日本に対して「大日本帝国の馬鹿野郎」という位の物凄い怒りを、幾らでもぶつけて下さい」と喜んで発信して参りましょう。
同時に、安倍首相に対しても、上手く騙されたふりをして、「どうぞあなたと運命を共にしてくれるお友達に過ぎない、日本の1%とこれにしがみついてくれる右翼の皆様だけを道連れにして、全人類から邪魔されない様に、何処か人目のつかないところで、そっと静かに幸せに暮らして下さい」ということで、幾らでも窮地に追いやりながら、そっと静かに背を向けて、離れて行く様にすることで、このような腐った運命共同体そのものを、天皇陛下と根本的に切り離した上で、国境のウチとソトから、喜んで自己破壊させてしまうことで、自己犠牲を強要する全体主義も、分極化した利己主義も共に捨て去ることで、ドイツを見倣って、大日本帝国だけを根本的に切り離して断絶し、靖国神社も、天皇陛下とも、国際社会とも切り離してしまうことで、幾らでも孤立化させると共に、誰もが自由に、そっと静かに慰霊顕彰だけは出来る様にすることで、大切に存続して行くことで、ニ度と公式参拝も絶対にしないようにすることで、近隣諸国からすれば、そっと静かに通り過ぎて行かれる様にすれば良いだけのことでは無いでしょうか。
これを乗り越えて、誰もが損することも無く、誰もが得することが出来て、共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、共に幸せに暮らすことが出来る市民社会に変えていくことで、日本の1%を没落させると共に、極端な貧困層を底上げすることで、貧富の格差を一定の範囲内に縮小させ、富の公正な再分配によって、日本経済を幾らでも縮小させ、東アジアの中で、幾らでも喜んで取り残されながらも、対米従属からは、そっと静かに離れながらも、資源や食糧の輸入を減らして、輸出も減らしながらも付加価値の向上によって、「成熟した素敵な大人の国」となって、ひっそりと自立していくことで、これが結果的には、全人類の救世主として高く評価されるほどの素晴らしい運命を選択してしていくようにして参りましょう。
これを邪魔する右翼連中に対しては、上手く騙されたふりをして、「あなたがたは、もう生きて行けなくなったとしても構わない存在でしかございませんので、戦争ごっこでもするなら、どうぞアメリカのいいなりにでもなって、日本からとっとと出ていかれて、幾らでも勝手に特攻隊でもやって、「大日本帝国の馬鹿野郎、靖国神社の馬鹿野郎」という無念の怒りだけをぶつけて、勝手に死んで見捨てられて下さい」となるのか、あるいは、「どうぞ、誰にも邪魔されない様に、何処か人目のつかないところで、そっと静かに幸せに暮らして下さい」ということで、そっと静かに無視してやりながら、離れて行く様にして参りましょう。
但し、くれぐれも、邪魔されない限りにおいては、絶対に邪魔するようなことだけはせずに、ただお互いの利益に叶うことが出来る様に、分かち合うところは、喜んで分かち合う様にしてあげて、「困った時はお互い様」ということで、助けを求められた時には、喜んで助けてあげるだけにして、何も困っていない場合には、決して、余計なことだけはしないようにしてあげましょう。

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» キーワードは「米国化」 [へなちょこ自然保護]
 日本の米国化.それが安倍政権のめざす日本だ.  たとえば農業.生産性が低いのだという.日本の農家は努力が足りないらしい.「国際社会」では「生き残りをかけた」競争が行われているのだと,国営洗脳放送が毎日ことあるごとに言っている.  テレビを見てはいけません.これほど繰り返しインプットされたら,よほど自分をしっかり持っている人でも洗脳されてしまう.大規模な自然破壊を前提とした米国の農業と,自然との対話を基調とする日本農業とでは,そもそもの成り立ちが違う.しかし洗脳されてしまった人は米国式の農業を... [続きを読む]

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