正規と非正規の中間「限定正社員」って? 普及策検討中
すでに、こういう広がりも見せているのか。
正規と非正規の中間「限定正社員」って? 普及策検討中(朝日新聞)正社員だけど、モーレツではなく、働く職種や地域が限られる。仕事がなくなれば解雇される可能性もある――。そんな「限定正社員」を広げる議論が安倍政権で進む。「働きやすさ」を高めるねらいがあるが、「解雇しやすさ」につなげる思惑ものぞく。
■職種や地域限定で
政府が注目するのは、転勤や配転、残業もありの正社員と違い、職種や勤務地などを限った働き方だ。いまでも導入する企業は珍しくない。経済成長につながるとして、経営者や学者らでつくる政府の規制改革会議などが普及策を検討し、6月にまとめる成長戦略に盛り込まれる見通しだ。
背景には、いままでの正社員のあり方に不満を持つ働き手や企業の存在がある。働き手にすれば不本意な転勤や長時間の残業を拒めず、公私のバランスをとりにくい。企業にすれば仕事がなくなっても解雇しづらいため、非正規労働者を多く雇ってしまう。
そこで、正規と非正規の中間のような働き方が広がれば、「正規と非正規に二極化した働き方の解消につながる」(規制改革会議)というわけだ。規制改革会議は限定正社員の利点に、非正規労働者の雇用の安定▽子育てや介護と両立した働き方の促進▽女性の活用▽転職市場の拡大を示した。
ただ経営側には「雇ったあとに正社員と同じ丸抱えでは困る」との考えがある。雇用の保障度合いが正社員と同じでは、導入する利点が薄れるためだ。規制改革会議は限定正社員の雇用ルールを政府が明確にすることを求めている。
焦点は、どんな場合なら退職させられるかだ。経団連は、労使が「仕事がなくなれば終えられる雇用契約」の導入で合意していれば、従来の正社員より雇用が守られないことを法律に書き込むよう主張。一方、連合は「解雇しやすい働き方が広がる」(幹部)と警戒する。
厚生労働省は「何が解雇理由になるかは労使協議に委ねるべきだ」との考えだ。有識者会議などで来年度にも、雇用管理上の注意点がまとめられる。■企業の狙いは人材確保
すでに限定正社員を導入している企業もある。
長崎ちゃんぽんの「リンガーハット イオンモール船橋店」(千葉県船橋市)の副店長、須田京介さん(24)は、昨年10月にアルバイトから正社員に。自宅から通える店だけで働く「エリア社員」だ。全国転勤の正社員「ナショナル社員」とは給料や昇給のスピードに差があるが、須田さんは「育児や介護で転勤できない人もいる。いろんな働き方を会社が用意するのはいいことだ」。
会社の狙いは人材確保。優秀なアルバイトに正社員を勧めても、育児など転勤できない事情から断る人が多かった。そこで2005年に制度をつくった。これまでに158人が転換した。
国の11年の調査では、従業員300人以上の企業の約半分に、勤務地・職種・労働時間のいずれかを限定する正社員制度があった。多くが給与を正社員の8割程度とする。全国転勤がない地域型従業員制度がある東京海上日動火災保険は「女性の活躍の場が広がり、管理職が増えた」(広報)という。
正社員が多様な働き方を選べ、非正規労働者のステップアップになるなら、働き手に利点がある。だが「解雇しやすくなると考えて、正社員を限定正社員に『ステップダウン』する企業も出るだろう」(厚労省幹部)との心配も根強い。…
問題は最後の指摘。この制度によって、働き方が改善されるのかと言う問題。とくに解雇の容易さというのは、要注意というか、絶対にあってはならないことだ。記事が指摘している実態。「実際、限定正社員を狙い撃ちにした退職勧奨もある。損害保険会社で働く東北地方の40代女性は、自宅から通える職場で働く契約なのに、関東への転勤が無理なら辞めるか、非正規職に替わるよう迫られた。/断ると給与を減らされ、パワハラも激化。耐えられず辞めた仲間も。この女性は『普通の正社員と同じ仕事で低賃金。いいように使って捨てられる、名ばかり正社員です』と話す」と。さらに働くものを不安定に追い込むことが制度かされかねない。そういう重大な問題がまちうけている。
うーん。ほんとうに働かされ方そのものの改善にふみだすような運動をすすめ制度化させていかないと。たいへんなことになりかねない。
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