日本国憲法を活かし直すとは
今日は全国憲法研究会の講演会に行ってきた。仕事がら憲法記念日は毎年、日比谷ではなく、こちらに講演会に参加しているけど、ここ数年は、義母の入院、看護、そして葬儀などはあったので、少し久しぶり。今年は小熊さんがメーンの講師だったので、その話を聞きたかった。表題の演題の小熊さんの講演は期待通りだった。
もともとこの人は、物事の全体を解説して見せようとするところがあるので、ちょっと無理をするところがある。実証的と言うより、時として恣意的な議論をして誤解されるような気がするのだけれども。だけど時代のつかみ方がなかなかなのだ。
今日の話も、経過を話すところはちょっとという感じだったけど。いまの話は面白かった。現実対等的な議論の限界とともに、立憲主義の議論への違和感もなかなかなもの。もともと、マルクス主義法学の立場でも、立憲主義のいう権力を縛るという議論も建前で、「権力=悪」論の図式によるもの。その建前を崩して、人権侵害がおこなわれてきたのも事実で。それは小熊さんの違和感と共通したりする(笑い)。それはさておき、小熊さんの主張の肝は、その立憲主義の議論も、エリートの議論だというもの。むしろ、「日本とはどういう国なのか」「どういう未来をめざしていったらいいのか」というものへの渇望がこそが護憲の世論の背景にあったという指摘。
だけど、国民の憲法や政治への無関心がひろがっている。そもそも、いまの改憲の流れは、そういう国民の気分を背景にしながらも、96条を変えることでは、ハードルを下げる。つまり、社会を変えるために憲法を変えるといいながら、ルールをかえてハードルを下げることで社会を変えることにはつながらないと。改憲という理念的なことよりも、個別の問題への関心がひろがっていることに小熊さんは注目する。その実現と憲法との関係をしっかりつなげていくことこそが大事だと。このあたりが小熊さんらしいところ。
3・11から少したったとき、3・11後一番注目する知識人はと、知り合いの編集者から聞かれたとき、ボクは小熊さんの名前をあげた。ボクもまわりでは、彼を評価しない人が残念ながら多いのだけれど(笑い)。ボクの意見はいまも変わらないなあ。
もう一人の講演は高見先生。とても学問的な話。こちらのほうは、法律論のちゃんとした勉強です。たしかに、ちゃんと勉強しないとなあ。なるほどという話ではあったけど。ここのところの研究者の議論はちゃんと勉強しておかなくてはと反省した次第。
NHKのニュースでボクの姿がばっちりうつっていた。今年は、子どもの貧困集会、就活自殺の報告会につづいて三回目なんだよなあ。
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