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2013年5月

2013/05/31

パワハラ:労働相談で最多 「バカ」など中傷、暴言

 これはいろいろ考えさせられる。

パワハラ:労働相談で最多 「バカ」など中傷、暴言(毎日新聞)

個別労働紛争相談件数の推移
001_2 全国にある労働局の「個別労働紛争解決制度」に寄せられた相談内容のうち、2012年度は「いじめ・嫌がらせ(パワハラ)」が5万1670件に上り、11年度までトップの「解雇」を抜いて初めて最多となった。厚生労働省が31日発表した。同省は「パワハラは労働問題、との意識が広がった」とみるが、短期間での成果や効率を求める企業の姿勢が強まり、働きづらい職場の現状が浮き彫りになった形だ。
 同制度は労働組合の組織率が下がる中、個人と会社の個別紛争を解決する制度として厚労省が01年からスタートさせた。同省によると、12年度の相談は約106万件(前年度比3.8%減)あり、民事上の個別トラブルに関するものは約25万件(同0.6%減)。内訳はパワハラ5万1670件(同12.5%増)、解雇5万1515件(同10.9%減)で、労働条件引き下げ、退職勧奨などが続いた。
 パワハラは02年度は6627件だったが、毎年右肩上がりに増加。12年度の内容は「バカ」などの中傷や暴言▽腰を負傷した社員に過酷な作業を割り当てる▽頭をたたく−−などがあった。相談者のうち正社員が39.8%に上る一方、非正規雇用も31.5%おり、弱い立場の人が問題を抱える傾向がみえた。

 「食事や休憩もなく9時間怒られ続けた」「夏は冷房、冬は暖房が利かない場所に机を移動させられ仕事をさせられる」というようなものもあるそうだ。いわばいじめとしか言えないような相談も少なくないと言う。
 こうしたことの広がりは、もちろん人権感覚という問題もあるし、そういう人権を大事にするようなことをどう職場に広げていくかという課題もあるのだけれども、そもそも、職場が変容して、効率が徹底して追及され、法的な問題にかかわらず、かなり厳しい状況が日常化しているという問題が根底にあるのだと思う。これは相当よく考えなければいけない問題。法的なたたかいとともに、もっと職場を変えるようなとりくみも大事なんだろうなと思う。もちろん制度なども、そういう職場を変えるようなものにしていかなければならないのだろうけれども。とにかく、いまの職場にある問題は、もっと広く議論されなければならないように思う。

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逆境を生き抜け-急増“チャイルド・プア” 闘う現場-

 NHK首都圏スペシャルで放映されたドキュメント。

Img_top20130531 小中学生で就学援助を受ける数は昨年度156万人と過去最多、約6人に1人の割合です。経済的困難が影響した不登校や進学の難しさなど、状況は厳しさを増しています。
子どもたちをどう支えればいいのか、東京北区の教育現場の取り組みが注目を集めています。
 中学校につくられた、不登校となった生徒が通える特別な「ひまわり教室」。運営する原和夫さん(66)は教員ではなく地元の老舗銭湯の3代目です。職員会議にも出席、学校に来ないなど心配される子どもの家に通って本人や家族に会い、事情を調べ、一緒に問題解決を目指します。
 「貧しさから食事もとっていない」「複雑な家庭環境」「いじめなどの心の傷」…、原さんが向き合ってきた子どもは、これまで約300人。家庭にまで踏み込みにくい学校と連携し、心を閉ざし生きる希望さえ失う子どもたちに前向きな気持ちを取り戻させてきました。相談に毎日乗り、自宅で夕食をとらせ、家庭環境が厳しい場合は、住まわせたり。親の相談にも乗り、北区の福祉担当と連携をはかることも。
 いま、子どもたちの心はどのように蝕まれているのか、どうすれば支えられるのか、取り組みを見つめ考えていきます。

 ちょっと驚いた。さまざまな困難を抱えた子どもや家庭の問題を地域の力をかりて向き合うというのは、大きな意味はあると思う。いろいろ心配はあるのだけれども、それを吹き飛ばすような実践の力。こういう力はいまでも地域にある。そういう実践に感動したり、共感したりの番組だった。
 それを前提にしても、こういう力をもった人の努力に依存していることそのものは気にかかうる。支援の専門性をどう担保するのかということもあるし、制度をどう安定的に持続させるのかということもある。いっそう複雑化する問題に、今後、どう対応していけるのかなどの問題も、そのあたりは番組ではちょっと曖昧化されていた感じもする。そのためには、もっと福祉の体制をあつくして、学校と福祉の連携を強めるしかないはずなのだけれども。そういう脆さも感じることは感じるけど。
 いずれにしても、子どもの貧困法がつくられる時代。ほんとうに政治と社会がこの問題にどう向き合い、どういう実践を積み重ねていくのか、そのことが問われている。そのためにも実践の力にだけ依存するのではなく、制度そのものももっと問うたほうがいいのだろうなあ。もちろん、地域でボクは何ができるのかも考える。うーん。

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国連社会権規約委員会の総括所見に関する会長声明

 はやくこの総括所見は読みたいと思うが。だれかが訳してないかなあ。
 以下は日弁連の会長声明。

国連社会権規約委員会の総括所見に関する会長声明

 国連の経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(以下「社会権規約」という。)の実施状況に関する第3回日本政府報告書について、国連社会権規約委員会は2013年4月30日に審査を行い、同年5月17日付で総括所見を公表した。同規約の批准国である我が国は同規約の実施義務を負い、同委員会から勧告された事項について改善すべき義務を負う。
 この総括所見は、差別、労働、社会保障、震災・原発事故及び教育など31項目に及ぶ勧告を我が国に対して行っている。とりわけ以下の事項が重要であると考える。
 第1は、国内法体系において規約を全面的に実施するために必要な措置をとることを改めて求められるとともに、規約上の権利に対する国の最低限の中核的義務は即時に実施すべきであると指摘されたことである。また、司法研修所のカリキュラムや弁護士ら司法専門職を対象とする研修プログラムにおいて、規約上の権利の裁判適用可能性を十分に取り上げるよう求められた(7項)。
 第2は、パリ原則に則った国内人権機関の速やかな設置が求められたことである(8項)。これは前回の総括所見でも求められ、当連合会もかねてから強く求めてきたことでもある。
 第3は、ジェンダーの役割に関する社会の認識を変革するためのキャンペーンの実行、労働市場における男女の就業機会の平等に向けた教育の実施、男女共同参画基本計画における、教育・雇用・政治的公的決定の分野での男女割当を含む大胆な目標の設定(13項)、同一価値労働について男女で異なる評価額を適用することの違法性等の意識啓発(19項)など広く女性差別の解消が求められたことである。
 第4は、東日本大震災・福島原発事故について、災害対応・危険の低減及び復興のための取り組みにおいて人権を基礎とするアプローチをとること、特に社会権の享受において差別のない災害管理計画を確保すること(24項)、並びに原子力施設の安全に関する透明性の確保と原発事故対策の確立、特に予想される危険、予防措置及び対策に関する広範な、信頼性のある正確な情報の住民への提供と事故発生時のすべての情報の速やかな開示等を求められたことである(25項)。
 その他、我が国の生活保護費の削減を含む社会保障予算の削減に関して、社会保障の後退禁止原則の確保を求められ、給付の削減が受給者の社会権への打撃とならないよう注意を促されたこと(9項)、国民年金制度における最低年金保障の導入と生活保護申請者の取扱いにおける尊厳の確保(22項)、雇用における差別禁止及び合理的配慮の実施義務を含む障害者基本法の改正を求められたこと(12項)、女性、婚外子等に対する差別的な法律の見直しを促されたこと(10項)、高校無償化制度を朝鮮学校にも即時に適用すべきとされたこと(27項)等も重要である。さらに日本軍「慰安婦」に関して社会権の享有の保障等のために必要な措置をとること、「慰安婦」に対するヘイト・スピーチその他の示威行動の防止のために公衆に対する教育を行うことも勧告されている(26項)。
 日本政府は、これらの総括所見の勧告事項について、誠意をもってその実現のために努力をすべきであり、当連合会としても、日本政府及び関係機関と建設的対話を重ねながら、全力をあげてその実現に向けて取り組む所存である。
                       2013年(平成25年)5月27日
                                   日本弁護士連合会
                                       会長 山岸 憲司

 ひとつひとつが、かなり時宜にもあった貴重な勧告になっているなとつくずく思う。このほか、ここではふれられていないけれども、長時間労働の防止を強化することや、労働時間の制限に従わない場合は制裁を科すよう求めたうえで、「必要な場合は、職場におけるあらゆるハラスメントの禁止・防止を目的とした立法、規制を講じるよう勧告する」としているそうだ。これらは日本の運動の大きな力にしなくてはねえ。

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子ども貧困対策法案成立へ 数値目標は見送り

 うーん、対策の肝となるべき数値目標は入らなかった。これはとっても残念だなあ。

子ども貧困対策法案成立へ 数値目標は見送り(東京新聞)

 与野党は三十日、民主、みんな、生活、社民の四野党と与党がそれぞれ議員立法で国会に提出した子どもの貧困対策推進法案について、与党案を修正し一本化することで正式に合意した。四野党が主張していた貧困率削減の数値目標導入は見送る。衆院厚生労働委員会で三十一日、全会一致で可決される。今国会で成立する見通し。
 四野党は効果的に対策を進めるには具体的な目標が必要と主張。与党は「貧困率には意味がない」と反論し、協議した結果、政府が策定する大綱の項目の一つに、施策を検討する際の参考にとどめる「指標」を加えることで合意した。具体的な指標は、生活保護受給世帯の子どもの高校進学率などを政令で定める。
 四野党案は対象の子どもの年齢を二十歳未満とした。自民党が当初まとめた骨子では十八歳未満にいったん引き下げたが、与党案で撤廃。与野党協議の結果、与党案通り年齢制限は設けなかった。
 四野党案は、大綱策定に際し、政府が有識者や関係者から意見を聞く審議会の設置を明記していた。与党案にはなかったため、大綱策定の際には、当事者などの意見を聞くよう政府に求める付帯決議を採択する。施行から五年後に法律を見直す規定も設けた。

 与党の消極性が際立つわけだけど、どうしても法律の制定を願う運動団体の思いもある。こういう大きな方向性を掲げること自体はたぶん間違いではないのだろうなあ。それだけに、問題はその実効性をどうつくっていくのか。ここが勝負になるということか。これからも、持続的で、効果的な幅広い運動、当事者の発信がさらに重要なんだろうなあ。と。

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2013/05/30

嘉手納周辺の騒音、深夜~早朝年4000回超

 10日ほどまえの記事。記録のためにクリップ。

嘉手納周辺の騒音、深夜~早朝年4000回超(沖縄タイムス)

 嘉手納町が実施した2012年度の米軍嘉手納基地周辺3地域(嘉手納、兼久、屋良)の騒音測定調査で、嘉手納と屋良両地域の深夜~早朝(午後10時~午前6時)の騒音発生回数が3年連続で4千回を超えたことが、20日までに分かった。同基地周辺では、深夜~早朝の活動を制限する騒音防止協定が結ばれているが、形骸化した状態が続いている。
 深夜~早朝の騒音発生回数は、嘉手納地域で4358回(前年度4986回)、屋良地域で4137回(同5175回)、兼久地域で286回(同500回)で、対前年度は下回った。ただ、1996年に騒音防止協定が結ばれた当時の嘉手納地域の発生回数は1120回(同年度)で、4倍に増加。また2000年度に本格調査が始まった屋良地域は2210回でこちらは2倍に増えている。
 年間発生回数(24時間)は屋良地域で3万8554回を記録し、前年度より5751回の増加。1日平均は111回だった。一方、嘉手納地域は前年度より1288回少ない2万1919回、兼久地域は9260回と前年度より2294回減少した。
 當山宏町長は「騒音防止協定の意味をなしておらず、大幅な改善が必要だ。(実感として)騒音が減ったとの認識はなく、グアムへの訓練移転など恒常的な軽減につながるような対策を求めたい」と語った。

 これが沖縄の現実だ。

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橋下大阪市長:問責決議案は否決 公明が反対

 うーん、何なんだよなあこれは。

橋下大阪市長:問責決議案は否決 公明が反対(毎日新聞)

 旧日本軍の従軍慰安婦を巡る発言などで市政を混乱させたとして、大阪市議会の自民、民主系、共産の3会派は30日の本会議で、橋下徹市長(日本維新の会共同代表)に対する問責決議案を提案したが、反対多数で否決された。公明も賛成して可決される見通しだったが、松井一郎大阪府知事(維新幹事長)が同日午前、可決されれば橋下市長が辞職して出直し市長選を実施するとの見通しを表明。公明が反対に転じた。
 問責決議案は、橋下市長が沖縄の在日米軍に風俗業の活用を進言したことについて、「市政を大きく混乱させ、すでに深刻な国政問題にまで発展しつつある」などと指摘。慰安婦発言への批判を受け6月の訪米を中止したことによる国際交流への影響なども指摘し、猛省を促している。
 自民など3会派は29日夕、問責決議案を共同提案することを決め、公明も賛成する方向で合意していた。
 これに対し、松井知事は30日午前、記者団に「問責というのは辞職勧告だ。民意を問うことになる」と述べた。さらに橋下市長が同日、公明、自民、民主系の会派と会談し、可決時には出直し市長選に踏み切る意向を示唆し、問責決議の回避を求めた。
 自民など3会派は予定通り問責決議案を共同提案する方針を確認したが、公明は方針を転換して表題を「猛省と責任の自覚を促す決議」とする同内容の決議案を単独提案することを決めた。この結果、いずれの決議案も反対多数で否決された。
 橋下市長は本会議後、出直し市長選について「しない」と明言。2決議案の内容を「重く受け止める」と話す一方、「問責は『辞めろ』と言われるのと同じだ。突きつけられたら信を問う市長もいる」と述べた。また、慰安婦発言について、市民に申し訳ないと謝罪した。…

 橋下さんの一連の発言は、公職を辞すべき内容のものだったと思う。本来、不信任や、辞職勧告であってもおかしくはない。しかし、さまざまな会派の調整のなかで、責任を問う問責という形ですすんだ。もちろんこれには法的拘束力はない。だけど、維新の側からの出直し選挙発言で、こうも一変するとは。
 少なくとも、公明党をはじめ党略的な選択をした政党の責任はものすごく大きい。問われなければならないし、実際に国民からの信頼を傷つけるものだったと思うなあ。

 だけど、これで、橋下さんがの責任がなくなったわけでもなんでもない。たたかいはこれからだと思う。

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生活保護法改正案の修正合意をふまえての生活保護問題対策全国会議の見解

 生活保護法の改正案の議論が山場だ。今日はとにかく世間は、大阪市議会の問題に、釘付けになってしまっていたけれども、この生活保護の問題は、昨日、自公民維みの5党が修正に合意し、明日にも衆院の委員会で採択がおこなわれようとしている。水際で、生活保護の申請を阻止する「水際作戦」を合法化するこの改正案、修正されても大きな問題がある。

2013年5月29日
生活保護法改正案の修正合意をふまえての見解
                               生活保護問題対策全国会議
 現在、国会で審議中の生活保護法改正案(以下「改正案」という)について、私たちは、①違法な「水際作戦」を合法化し、②親族の扶養を事実上生活保護の要件とするものとして、撤回・廃案を求めてきた。厚生労働省は、いずれもこれまでの取扱いを変えるものではないと弁明してきたが、法文が変わる以上、そのような弁明は信じられないと私たちは批判してきた。
 本日、民主、自民、公明、維新、みんなの5党が、①の点については、申請書や添付書類の提出を必須の要件とはしない内容に修正することで大筋で合意したと報じられている。衆議院で安定多数を確保する自公政権も、批判の声を無視することができず、余りにも行きすぎた制度改変に若干の歯止めがかけられたことは、運動の成果であり一定の評価ができる。
 しかし、②の扶養義務の強化の点については修正合意の対象となっておらず、未だ問題は解決されていない。大阪市北区において、DV被害にあった母子が生活困窮の末に餓死するという痛ましい事件が大きく報道されているが、このような被害者が生活保護申請をした場合にも扶養義務者たる夫に通知(改正法24条8項)や調査(同28条、29条)がなされないとも限らない。また、これらの規定の存在により、夫への通知によって自分の居所が知られることを危惧したDV被害者が、困窮状態に陥っても生活保護申請さえためらうことになりかねない。
 改正案には、後発医薬品の事実上の使用義務づけ(同34条3項)、被保護者の生活上の責務(同60条)、保護金品からの不正受給徴収金の徴収(同78条の2)など、なお問題が残っているのであり、これらの規定についても削除又は修正等がなされない限り、廃案を求めざるを得ない。
 私たちは、今後の国会審議において、①現行よりも申請手続きを厳格化するものではないことがより具体的に確認され、②の点についても削除又は修正等がなされる十分な審議が行われることを期待し、国会審議の行方を注視するとともに、より一層運動を強めていく所存である。
                                             以 上

 反貧困ネットも声明を出している。これは原案についての声明だけれども。

2013年5月30日
生活保護法の一部を改正する法律案」の廃案を求める緊急声明

 私たちは、貧困問題の解決を目的として活動している市民団体です。
 政府が本年5月17日に閣議決定した、生活保護法の一部を改正する法律案(以下「改正案」という。)につきまして、その内容に看過しがたい問題があるため、その廃案を求めて以下に緊急声明文を記します。
1 違法な「水際作戦」を合法化しようする点
現行の生活保護法では、保護の申請を書面による要式行為とせず口頭でも足るとされ、かつ、保護の要否判定に際して必要な書類の添付について、申請の要件とはしていません。
 一方、改正案では、「要保護者の資産及び収入の状況」、「その他厚生労働省令で定める事項」を記載した申請書を提出し、申請書には保護の要否判定に必要な「厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない」としています。
しかし、そもそも保護申請時に、諸資料の添付を申請者に求めるのは非常に困難です。ホームレス状態の人やドメスティックバイオレンスによって荷物を持たずに逃げてきた人など、諸事情によって資料をそろえられない人が、生活保護を利用できないと誤信し、申請をあきらめることが懸念されます。
2 扶養義務を事実上要件化しようとする点
 次に、改正案は、保護の実施機関に対し、保護開始の決定をしようとするときは、あらかじめ扶養義務者に対して、厚生労働省令で定める事項を通知することを「義務化」しています。さらに、資産状況等の調査対象となる扶養義務者の範囲も拡大しています。
 これに対し、現行法下においても、扶養義務者に対する通知が行われる運用はありました。それによって、保護の申請を行おうとする要保護者が、扶養義務者への通知により生じる親族間のあつれきやスティグマ(恥の烙印)を恐れて、申請を断念する場合が少なくありませんでした。またドメスティックバイオレンスから逃げてきた女性や家族からの虐待があった場合には、扶養義務者へ通知することで暴力や虐待が再燃する危険があります。改正案によって扶養義務者への通知が義務化され、かつ調査対象も拡大し扶養義務者への通知が法律上避けられないものとなった場合、保護の申請を行おうとする要保護者は、より明確に扶養義務者への通知を恐れることとなり、一層の萎縮的効果を及ぼすことが明らかです。
3 厚生労働省の見解の矛盾
厚生労働省も5月20日におこなわれた生活保護関係全国係長会議において、申請時に口頭での申請を従来同様に認めることや、必要な書類の添付を要件とはしない旨、別途厚生労働省令で規定予定と説明しています。
 また、扶養義務に関しては、その通知の対象となり得るのは、明らかに扶養が可能と思われるにもかかわらず扶養を履行していないと認められる極めて限定的な場合に限るとの旨、同じく別途厚生労働省令で明記すると話しています。
 しかし、もしそうであれば、条文として明記することは必要なく、すでに現行法上でおこなわれている「水際作戦」の事例に、あたかも法的根拠を与えかねません。
4 その他多くの問題点が組み込まれている点
 この2点の他にも、後発医薬品の原則義務化(34条3項)、就労自立給付金の創設(55条の4及び5)、生活上の責務についての規定(60条)、返還金の徴収金額の上乗せや事実上の天引きについて(78条)、罰則規定の強化(85条及び86条)、廃止理由の緩和(28条5項)など、多くの論点が、拙速な議論のもと組み込まれています。
 これらは生活保護利用者一人ひとりの尊厳や自由を阻害するもので、管理することによって「自立を助長しよう」とする発想です。しかし、本来の生活保護における「自立の助長」とは、いわくその人のうちにある可能性を見出していく(小山進次郎)ものであり、これらの条文はその対極にあります。
5 結語
 以上述べてきたように、改正案が成立すると、違法な「水際作戦」が合法化されて多くの要保護者が生活保護申請の窓口で追い返され、また、多くの要保護者が扶養義務者への通知をおそれて申請を躊躇うことにより、客観的には生活保護の利用要件を満たしているにもかかわらずこれを利用することのできない要保護者が続出します。
 改正案の法案提出理由には「国民の生活保護制度への信頼を高める」との記載があります。国民が求めているのは「水際作戦」を合法化するような、必要な人が利用できない生活保護制度への改正でしょうか。社会の責任を圧縮し、家族という不安定で不確かなものに責任を負わせる、穴だらけなセーフティネットへの改正なのでしょうか。
 この改正案は要保護者の生活保護利用を抑制し、多数の自殺・餓死・孤立死等の悲劇を招くおそれがあります。当ネットワークは、そのような事態を到底容認することはできません。よって、改正案の廃案を強く求めます。
                            反貧困ネットワーク代表 宇都宮健児
                                          以上

 そもそも修正しても、大きな問題が残るのだから、絶対に廃案にすべきだ。
 同時に出されている生活困窮者自立支援法案にも問題がある。自立支援そのものは、必要だと思うけれども、問題はそれがどんな形で具体化するのか。一人一人の困難をかかえた人にとって意味あるものになるかどうか。しかし支援事業の具体化は自治体に丸投げされ、支援がすすむ保証が法案にはないことがいちばんの問題だろう。言い換えれば、保証のない事業を生活保護の利用制限の口実にもされかねない。
 いよいよ重大な局面にはいっていく。

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オスプレイ配備の部隊も…自民が防衛大綱に提言

 6月には政府のほうでも作業がすすむ。

オスプレイ配備の部隊も…自民が防衛大綱に提言(読売新聞)

 自民党は30日午前、党本部で国防部会・安全保障調査会の合同会議を開き、政府が年末に策定する新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)に対する党の提言を決めた。
 提言は、ミサイル攻撃などを受ける前に、自衛のため相手国の基地などを攻撃する「敵基地攻撃能力」について、「我が国独自の打撃力の保持について検討を開始し、速やかに結論を得る」として、早期に実現するよう要請した。
 また、中国の海洋進出をにらみ、島嶼とうしょ防衛策について、垂直離着陸機オスプレイを配備した水陸両用部隊を新設することや、占拠された島の奪還のため、陸海空3自衛隊が一体となった海兵隊的機能を持つことを求めた。
 提言は来週中に党政務調査会、総務会で了承される見通しだ。その後、6月上旬に安倍首相に提出し、防衛省が同月下旬にもまとめる大綱見直しの中間報告へ反映させたい考えだ。

 まだHPにもアップされていないけど、10日ほどまえの段階での、提言の案はここにある。

 量的にも質的にも強化するというのが主眼。それを2010年に民主党政権下でできた防衛大綱の「動的防衛力」という概念を、「強靱(きょうじん)な機動的防衛力」に変えることであらわす。具体的には敵基地攻撃能力の保有、海兵隊的機能付与(オスプレイが導入されることになる)、陸上自衛隊の指揮系統の一元化を進めるための陸上総隊創設で、陸自の強化ももくろむ。おそらくアメリカは軍事分担を望んでいるにしても、それ以上の前のめりの大軍拡方向の打ち出しになるのだろうけど、それが昨今の日本の外交の現状、とくに中韓との関係を考えると、非常に深刻な問題を生じさせることになりそうなのだけれども。

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2013/05/29

71歳、念願の中学生活 盛岡となん支援学校

 地方紙の記事を、河合さんがFBで紹介していた。これは大事な記事。

71歳、念願の中学生活 盛岡となん支援学校(岩手日報)

 盛岡市手代森の盛岡となん支援学校中学部に本年度、71歳の板倉ミサヲさんが入学し、学習に励んでいる。板倉さんは幼いころに脳性まひとなって小中学校に通えず、学校で学びたいとの思いが募って入学を決意。同校創立50年で最年長の新入生となった。孫のような同級生、初めての学校生活に意欲は高まるばかり。「みんなと勉強できて楽しい」と学べる喜びをかみしめながら、授業を心待ちにしている。
 板倉さんは四肢が不自由で、滝沢村大釜の障害者支援施設・瑞雲荘で生活する。中学部は3年間で、担任が週3回ほど施設を訪問し、1回2時間の授業を受ける。登校して授業や行事に出ることもあり、12~13歳の同級生とは早くも仲良しだという。
 60歳を過ぎてパソコンを習得し、今ではタブレット端末も使うほどチャレンジ精神は旺盛だ。板倉さんは「今まで覚えた知識が通用するか試したい」と話し、「学べる機会があるならチャレンジする」と向学心に満ちている。

 養護学校の義務化からもう34年の月日がたつ。この義務化の実施、就学免除という、教育の、発達する権利の切り捨てから、何とか我が子の学ぶ場をという、お母さんお父さんたちの運動の上に実現されたもの。だけど、当然、では、それ以前に、切り捨てられていた権利をどうするのかは、ずっと問われている問題で、こういう成人の教育の取り組みはいろいろな形ですすめられてはきた。だけど、まだまだ残されている。
 と同時に、現実には、まだ現場では、排除や切り捨てはまかりとおっている。それとたたかっている親や教師たちもいる(相方もいろいろ、たたかっているなあ)。そして、そういう排除を生み出してしまう条件整備の圧倒的な遅れがある。つまり、発達保障が、まだまだ基礎の段階で今日的な課題でもあると言えるのかもしれないなあ。そういうことを問いかけている実践でもあるんだろうなあ。

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焦ってます

 数日前、4人の人から、それぞれ4冊の新刊を読んだかと聞かれた。その4冊はそれぞれとても注目すべき本で、ボクもすでに買っていたり、チャックしていたりしたけど、まだ読んでいなかった。実際に、目の前の仕事のために、読まなければならない本は山積みになっている。総合誌の編集という、この仕事を20年以上やっていて、何かと問題は個別化され、細分化され、いろいろ企画を考えるにも、調べ上げる量というのは格段に増えている感じがする。まあ、年齢とともに、調べたり読んだりする速度は、どんどん低下しているにもかかわらず、一方で、調べるべき分野も増えているという事情もあるのだろうけどねえ。それでも、数日のあいだに、とりあえず2冊ほどは読んだけどねえ。
 新聞のチェックだってそう。かつては、結構、まじめに、新聞をチェックしたり、少なくとも政治面や社説などは、全国紙プラスアルファーのチェックをやっていた(そのためのブログもつくっていた)。だけど、いまはとてもそういうことはできないなあ。2紙(いまはとりあえず、朝日と赤旗)をていねいに読んで、あとはネットでのチェックですますという感じになっている。これでは、ほんとうに支配層の側の論理をつかめているのかと言われると、ちょっと心許ない。月刊誌や週刊誌となると、どんどん穴が出てくる。

 そもそも、考えてみると、仕事にどんどん時間がかかる。それは仕方がないけど、じっくり時間をかけるという我慢もできなくなっている。そういう自分の仕事の粗さが自分でよくわかるんだよなあ。だけど、それはそれで量をこなさなければいけない。だけど仕事量は減っているだよなあ。だいたい、ボクの原動力とも言えるような取材のフットワークの良さも完全に劣化している。腰が重くなっている。動かない言い訳をしている。
 相方が生き生き仕事をしているのを見ると、ああいう気分転換、切り替えの早さにちょっと苛つく(笑い)。ボクは、家庭の問題も抱えちゃうから(苦笑)。それに刺激的な仕事をしている友人の姿をみていて、やっぱり、自分の仕事に、苛つく。

 なんて、愚痴ってもはじまらないよなあ。もっと若い人といっしょに仕事をするようなスタイルをつくらないとねえ。大きな曲がり角であるのは何も政治の世界の話だけではないねえ。こういう時代だからこそ、もっともっと、新しい仕事の仕方をつくりださないとなあ。

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自民党:古賀氏が96条改正に反対 「赤旗」に来月掲載

 なるほど、古賀さんが「赤旗」に登場かあ。

自民党:古賀氏が96条改正に反対 「赤旗」に来月掲載(毎日新聞)

 自民党の古賀誠元幹事長が共産党機関紙「しんぶん赤旗」のインタビューに応じ、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正について「絶対にやるべきではない」と強く反対したことが分かった。自民党の元幹部が赤旗に登場するのは異例。安倍晋三首相は96条改正に前向きだが、歯止め役のいない党内への懸念が背景にあるとみられる。6月2日付日曜版に掲載される。
 古賀氏は「各議院の総議員の3分の2以上」という発議要件に関し「憲法はわが国の最高法規。他の法規を扱う基準と違うのは当然だ」と指摘。自民党は憲法改正草案で「過半数」への緩和を掲げているが「ハードルを下げることは認めることはできない」と反対姿勢を鮮明にした。
 9条については「平和憲法の根幹。その精神が一番ありがたいところで、『世界遺産』と言っている」と平和主義の堅持を主張。そのうえで「自衛隊は9条2項(戦力不保持)を1行変えて認めればいい」として、限定的な改正にとどめるべきだとの考えを示した。
 古賀氏はこのところ、テレビ番組に出演するなど改憲への慎重論を発信している。記事では戦争遺児としての生い立ちに触れ「二度と戦争を起こしてはならない。インタビューを受けたのも、戦争を知る世代の政治家の責任だと思ったからだ」と述べ、慎重な党内論議を促した。

130602180 その赤旗日曜版がこの写真。
 保守の人のあいだでも現在の改憲に反対な人は少なくない。野中さんや加藤さんなどの発言も記憶に新しいところ。少し前で言えば、防衛庁長官だった箕輪さんが、イラクへの派兵に対して違憲訴訟をたたかったこともある。かつての保守は、政治的な立場の違いは別として、ある種の良識と一貫性があったといえるのかもしれない。古賀さんは、昨年まで遺族会会長だったわけで。元派閥にしても、利益誘導のシステム、自民党的な後援会システムなどは、国民とむすびつく制度でもあった。
 1つは、小選挙区制がそれを破壊したことは言うまでもない。と、同時に、政党助成金のシステムが政党の資金の面で国民との関係を希薄化したという点もあるのだろう。自民党政治がゆきづまり、かつての利益誘導的なやりかたでの再配分ができなくなったなかで、政治と国民との距離が広がったなかで、小泉型政治が広がる。ここでも良識よりも、キャッチフレーズが優先されるような政治になった。このあたりの保守政治の変化は興味深いのだ。
 今度の改憲を見ても、訴えるべき内容はほとんどない。96条など、国をどう変えるのかという訴えもない。だけど、国民の権利を国会が阻んでいるという詭弁とすりあえ…。
 
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維新国会議員団:「表現の自由、規制も」 改憲要綱原案

 ものすごく迷走するなあ維新の会。さらにタカ派の国会議員が暴走を続けそう。

維新国会議員団:「表現の自由、規制も」 改憲要綱原案(毎日新聞)

 日本維新の会国会議員団が今国会中にまとめる憲法改正草案要綱の原案が28日、明らかになった。原案は「『表現の自由』は一定の規制を受ける場合がある」「家族の価値(法律婚)を保護すべき国の責任を規定する」など、国家の規制を強める方向の検討事項を盛り込んでいる。
 名称は「憲法に対する基本的議論の方向性」。首相公選制導入や1院制の検討を掲げたほか、「皇位継承については男系男子継承とする旨、憲法または皇室典範に明記する」「立憲君主国であることを明確にする」と記している。
 原案は、国会議員団代表の平沼赳夫元経済産業相ら旧太陽の党系の意向が色濃く反映されたとみられる。しかし、橋下共同代表らは、法律婚を前提とした「家族の価値」を憲法に明記することに懸念を示してきた。原案を踏まえて党内議論を進めるが、国会議員団と橋下氏らとの対立の火種になる可能性がある。

 自民党の改憲草案と、復古を競いある。おそらく土俵を右にずらすのが最大の狙いだろうけれども、国民側に急速に警戒感が強まっているのだから。それでも三分の二をとるという目論見だろうけれども。低投票率を見越しているのか? 議論がスルーされて、結果だけで物事が進行するのも危険だ。だけどなあ…。

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教育再生、安倍カラー前面 教授会の権限縮小 伝統教育を重視

 もう昨日のニュースだけど、クリップしておく。いったいこの人たちは何がしたいのだろうか?

教育再生、安倍カラー前面 教授会の権限縮小 伝統教育を重視(産経新聞)

 政府の教育再生実行会議(鎌田薫座長)の第3次提言は、2つの安倍カラーが出た。一つは大学教育のグローバル化、もう一つは伝統教育の重視だ。特に、「大学自治」を振りかざして大学改革に消極的な教授会については、役割を厳格にすることで、学長主導の大学改革を後押しする狙いがある。
 教授会は、カリキュラムの設定、学生の処分や入退学の決定、教授の採用に深くかかわり、大学の運営に存在感を示してきた。学校教育法には「大学には重要な事項を審議するため教授会を置かなければならない」とあり、ある大学関係者は「『重要事項』を拡大解釈して大学を事実上支配してきた」と説明する。
 提言は、「教授会の役割を明確化し、学校教育法等の法令改正の検討や学内規定の見直しも含め、抜本的なガバナンス改革を行う」とした。教授会の権限を弱めることを通じ、グローバル化や組織改革で大学の生き残りを図ろうとする学長がリーダーシップを発揮しやすい環境を整備するねらいがある。今後、教授会を学長への助言機関に変えることなどが想定される。
 また、鎌田座長は28日、首相官邸で記者団に「(提言では)日本人としてのアイデンティティー確立や日本文化発信に関する記述を強化した」と説明した。
 提言は、真の国際人は外国語で日本の文化を紹介できる人物であるとの基本理念を打ち出した。
 その上で、小中高校を通じて「国語教育やわが国の伝統・文化についての理解を深める取り組みを充実する」と明記した。英語で日本史や茶道を学ぶことが想定される。素案の段階にはなかった「日本文化について指導・紹介できる人材の育成や指導プログラムの開発等の取組を推進する」との記述も加えた。

 これがその提言。

 これまでの大学改革の議論と、大きく変化があるようには思えない。出されている資料だけをみても、そう変わるわけではない。大学のグローバル化も、言われ始めて何年ぐらいたつのだろうか。そういうなかで、「学生を鍛え上げ社会に送り出す」という言葉が踊る。いわば学生バッシングがいっそうひどくなったということか。学ばない学生が悪く、そういう学生を甘やかしている大学が悪いと。高等教育予算の少なさは資料としてだされるが、それが生んでいる、高学費などが生み出す矛盾や、さらに大学の貧困には踏み込まないのだ。提言は明らかにエリートの養成ということを一つの眼目にしているのだろうと思うけれども、これではどうも、彼らのねらいも実現できそうにない。ここまで、大学の価値の核心をなしてきた「自治」や「自由」について抑制的な提言をして大学の力はそがれないのか。少なくとも大学のランク二位のオックスフォードは、徹底した自治を形成している。正直言って、貧弱な議論だよなあ。

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2013/05/28

大学3年生の就職に対する取組や意識に関する調査

 ちょっとした情報。

大学3年生987名に聞いた
『大学3年生の就職に対する取組や意識に関する調査』
~大企業・大都市志向ばかりではない大学生の就職意識~

第一生命保険株式会社(社長 渡邉 光一郎)のシンクタンク、株式会社第一生命経済研究所(社長 長谷川 公敏)では、全国の大学3年生 987 名を対象に、標記についてのアンケート調査を実施いたしました。
 この程、その調査結果がまとまりましたのでご報告いたします。

大企業に就職したいか (P.2)
● 「大企業にこだわらずに就職したい」62.0%、「大企業に就職しても安心ではない」79.5%
企業規模へのこだわりの背景意識 (P.3)
● 「大企業に就職しても、安心ではない」「終身雇用されるかわからない」と考える学生の約 7 割が「企業規模にこだわらずに就職したい」
働き方のこだわり (P.4)
● 「正社員にこだわりたい」84.9%、「一つの会社に長期勤続するつもり」64.9% 大企業・大都市志向と転職志向・ワークライフバランス (P.5)
● 「企業規模こだわりなし」の学生の 76.3%、「首都圏・近畿圏以外で勤務したい」学生の 78.4%がワークライフバランス重視の生活を希望
働く目的は? (P.6)
● 「生活のためにお金が必要だから働く」が 69.6%で最も多く、以下、男子は家族形成、女子は生きがいのためが多い
就職に伴う地域移動意識 (P.7)
● 「出身地で働きたい」41.3%、「出身地以外で働きたい」29.5%
就職に伴う地域移動は大都市志向か (P.8)
● 「出身地である現在の居住地に留まって働く」の約4割、「出身地に戻って働く」の8割以上の学生が大都市圏以外での就職を望んでいる
出身地で就職しようと思う理由 (P.10)
● 第1位は「地元が好きだから」
出身地以外で就職しようと思う理由 (P.11)
● 上位は「志望企業があるから」「企業数や求人数が多いから」

 意外なほど、まじめな学生の思いと、現実との乖離。うん、これこそ政治の課題も多いなあ。

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参院選投票先、維新3%に急落 自民は47%

 もう2日前のニュースになるのだけど、クリップしておこうね。

参院選投票先、維新3%に急落 自民は47%(日経新聞)

 日本経済新聞社の世論調査で、日本維新の会の失速が鮮明になった。夏の参院選で投票したい政党を聞いた質問で維新は3%と4月調査から6ポイントの急落。橋下徹共同代表(大阪市長)の旧日本軍による従軍慰安婦を巡る発言が尾を引いたとみられる。自民党は47%と高水準を維持したが、懸案の憲法改正や原子力発電所の再稼働などは異論が根強い。
 橋下氏の従軍慰安婦を巡る発言を受けて維新への期待が変わったかを聞いたところ、「期待が薄らいだ」との回答は23%。「特に変わらない」が33%、「もともと期待していない」が35%で、「期待が高まった」は2%だった。
 維新への期待感の低下は参院選の投票先を聞いた質問でより浮き彫りになった。1月以降、参院選の投票先で維新は自民党に次ぐ2番手に付けていたが、今回の調査では民主、公明両党の後じんを拝し、みんなの党と並ぶ4位に転落した。政党支持率でも維新は4月から2ポイント下落し3%に落ち込んだ。
 これまで参院選で維新に投票するとしていた人は維新支持層のほか、無党派層が多い。今回、無党派層で維新に投票すると答えた人は2%で、4月の9%から7ポイント減った。
 ただ他の野党も、維新を離れた無党派層の受け皿にはなっていない。投票先で民主党は1ポイント減、みんなの党も2ポイント減の3%と低迷。無党派層の投票先では「まだ決めていない」が6ポイント増えた。
 投票先でトップを維持した自民党は政党支持率も54%と依然、高い水準を維持している。ただ安倍晋三首相が意欲を見せる課題と国民の要望にはなお溝が残る。
 参院選で投票する際に重視する政策(複数回答)は、景気対策が57%と最も多く、次いで社会保障が39%。以下、外交・防衛26%、原子力政策23%、消費増税21%、環太平洋経済連携協定(TPP)20%が続き、首相肝煎りの憲法改正は18%にとどまった。
 首相が改憲でまず取り上げようとしている96条が定める改憲発議の要件緩和に関しては「反対」が41%で、34%の「賛成」を上回った。国民の理解が得られる状況にはまだ至っていない。
 経済再生に欠かせないとみられる原発の再稼働も「賛成」は30%にとどまり、「反対」が52%と過半数を占めた。自民党支持層でも再稼働には賛成38%、反対46%。「アベノミクス」と呼ばれる安倍内閣の経済政策を評価する人をみても、49%が再稼働に反対し、賛成の37%を上回った。
 自民党は参院選公約で、憲法96条の先行改正は明記せず、原発再稼働も街頭などで配る政策パンフレットでは触れない方針だ。内閣や自民党の支持率は高止まりしているが、これらの懸案には世論を意識した難しいかじ取りを強いられそうだ。

 で、これがその世論調査の結果。
 解決記事がもう1つ。
 内閣支持率68%、経済政策「評価」62% 本社世論調査

 ついでに産経の世論調査。

改憲勢力結集に影、自維連携派は10%に半減(産経新聞)

 日本維新の会共同代表、橋下徹大阪市長の慰安婦に関する発言で維新への支持が急落したことは、安倍晋三首相(自民党総裁)が目指す参院選後の改憲勢力の結集に影を落としている。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査では、自民と維新の連携を望む回答が前回4月の20.7%から10.7%へと半減した。維新、みんなの党との連携を想定してきた首相は、戦略の練り直しを迫られている。
 慰安婦問題をめぐっては、自民と維新の軋轢(あつれき)が顕著になっている。
 「私たちは政府・与党が一体となってやっている。『二枚舌』とか、そういうご発言は気をつけてなさっていただきたいものだ」
 自民党の石破茂幹事長は27日の記者会見で、橋下氏が旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた河野談話に対する政府・自民党の姿勢を「二枚舌だ」と批判したことに反論した。
 合同世論調査では、参院選後の自民とみんなの連携を望む回答も前回並みの5.3%にとどまり、逆に「どの政党とも連携すべきでない」との回答が33.5%から41.5%へと8ポイントも増加。公明党との連立維持を望む意見も18.3%から20.5%に微増した。

 もう1本。産経の記事。
 橋下氏の慰安婦発言「不適切」75% 維新支持も急落

 安倍内閣の高い支持率と、一方での脆弱性。とくに改憲と歴史問題はウイークポイントであるのは事実。それでも時代の気分にのろうとするのか。そして、経済政策の支持とのねじれか。だけど、そこに脆弱性があるのも事実。ここは正念場か。われわれにとっても。

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オスプレイ飛行、県指摘に国「違反なし」

 これって、いったい何なんだろうか? 近日中には、文書が出るんだろうけれども、あれだけの事実をつきつけられて、どう答えるというのだろうか?

オスプレイ飛行、県指摘に国「違反なし」(沖縄タイムス)

 防衛省は27日までに、米軍普天間飛行場に配備されている垂直離着陸輸送機オスプレイの県内での飛行について、県が運用ルール違反として調査を求めていた318件について、明確な違反はなかったことを確認した。検証結果を正式にまとめ次第、県に報告し、米軍に対しても運用ルールに基づいた飛行を求める方針。
 オスプレイの飛行について、県と市町村が独自で目視調査した昨年10、11月の2カ月間と同時期に、沖縄防衛局が目視した結果や写真3千枚を基に調査。県が指摘した内容について、1件ずつ照合した結果、日米合同委員会で合意した運用ルールに明確に違反する飛行はなかったと判断した。
 同委員会は昨年9月、オスプレイの飛行について(1)できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避け、移動時は可能な限り水上を飛行する(2)午後10時から午前6時までは運用上必要と考えられる活動に制限する(3)ヘリモードは米軍基地内に限定-などを柱とする運用ルールを合意。
 県などの目視調査で違反と判断したのは11市町村の318件(61・5%)で、このうち315件を「学校や病院を含む人口密集地上空での飛行」と指摘していた。
 日米両政府は今夏にも普天間へオスプレイ12機の追加配備を合意しており、正式配備までに県に報告し、地元の理解を得たい考え。ただ、飛行実態を目の当たりにしている県民から、ルール順守や配備への批判の声が高まることも予想される。
 防衛省が「明確な違反は確認されなかった」としたことについて、仲井真弘多知事は27日、「(防衛省から)正式な報告を受けていない」と断った上で「僕らはそうじゃないと思っている」と反発。
 高良倉吉副知事は「実際の飛行実態を反映した調査結果なのか」と疑問を呈し「米軍基地の提供責任は国にある。防衛省は正確にオスプレイの飛行データを調査して、米側に伝えるべきだ。オスプレイに対する安全性への県民の不安は払拭(ふっしょく)されていない」と述べた。

 FBでもたくさんの写真がアップされている。ほとんど議論の余地もない。沖縄を徹底して切り捨てるということとしか思えない。だけど、それは、本土でも大きな矛盾をうむ。それほどの事態がすすんでいる。そのすべてに目をつむるのがこの政権か。
 そして、この問題での沖縄の抗議を、橋下さんは、「市民運動的」という罵声をあびせるんだろうか?
 たまらないなあ。この日本の政治は。

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2013/05/27

臨場 劇場版

Rjg_ma1_large 今日まで工場に籠城。夜、早めに家に帰って、とにかくボーっとしたかったので、この映画をDVDで見てみた、テレビの人気番組の映画版。そんなに、テレビでも見ていたわけではないけど。横山さんの小説は嫌いではない。
 うーん。無差別殺人の犯人はああ描くしかないのかなあ、というような人物設定になっているけど。被害者の母親役の若村さんが抜群。被害者一辺倒にならずに、それなり冷静に描く。だけど、治療と司法の関係はちょっとこんな描き方でいいのかなあって感じ。
 だけど、だけど、倉石はどうなったのだろうか? もう臨場は終わってしまうのかなあ?

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大阪母子死亡:「もっと食べさせたかった」母親のメモ発見

 ずっと気になっている、若いお母さんと3歳の子どものこの事件。少しずつ事実が明らかになるのかなあ。

大阪母子死亡:「もっと食べさせたかった」母親のメモ発見(毎日新聞)

 母子とみられる2人の遺体が見つかった大阪市北区天満のマンションの部屋から「子どもに、もっと良い物を食べさせてあげたかった」という趣旨のメモが残されていたことが、捜査関係者への取材で分かった。室内には食べ物がほとんど残っていなかったことなどから、大阪府警は餓死した可能性が高いとみて詳しい経緯を調べている。
 府警は、2人は部屋の住人の井上充代さん(28)と息子の瑠海(るい)ちゃん(3)とみて、身元の確認を進めている。メモは請求書のような紙の裏に残っており、充代さんが書いたとみられる。2人の遺体は今月24日に見つかった。

 ほぼ、餓死と判断してまちがいない。すでに、ここまでも、メモは請求書の裏に手書き、電気とガスも止められ、冷蔵庫もなく、食べ物もなく、預金口座の残高は十数円…ということがわかっている。子どもも、母親もどんな思いでいたのだろうか。2月に先に子どもが亡くなり、そしてお母さんが亡くなった。それでも餓死が続く。これが日本の現実。この国の政治がもたらしているもの。悔しくて涙が出る。それでも、生活保護を利用できなくしかねない法改正がすすめられるのか? 法案をめぐる動きも山場だが…。

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橋下氏が外国特派員協会で講演、来場者は「歴史的人数」

 いやはや、この人は。

橋下氏が外国特派員協会で講演、来場者は「歴史的人数」(産経新聞)

 戦時下の慰安婦制度をめぐる発言などで批判を受けている日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が27日午後、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で講演に臨む。メディアの関心も高く、来場者申請数は会場の定員を100人以上超える「歴史的な人数」(関係者)になるとみられる。橋下氏も講演前日に自らの見解をまとめた日本語と英語の文書を公表し理解の浸透を狙うが、発言の真意はどこまで伝わるのか。とりわけ国際世論に影響力のある海外メディアとの“直接対決”が注目される。
 同協会によると、来場者の申請数は、24日午前の時点で300人超。会場は約200人しか収容できず、多くの記者は別室のモニターで講演や質疑応答の様子を見ることになっている。
 橋下氏は講演に先立ち、26日に自身の見解をまとめた文書を公表。その中で在日米軍に風俗業の活用を勧めたことについて、「米軍のみならず米国民を侮辱することにもつながる不適切な表現。撤回するとともにおわび申し上げる」とし、発言の撤回と謝罪を表明。
 一方、慰安婦発言ついては「私が必要とし、容認しているように誤報された」とメディア報道を批判し、改めて釈明。その上で、「第二次世界大戦中、世界各国の兵士が女性を性の対象として利用してきた」と重ねて指摘しながら、「日本が過去の過ちを正当化してはならないことを大前提に、世界各国も日本だけを非難して終わってはならない」と持論を展開した。…

 配布した文書も含め、くわしくはこちらを。

 もちろん歴史認識、そもそもの事実の認識にも誤りがあるし、その後明らかになっている事実についての認識も違う。そのうえで、日本軍の犯罪についての認識もねえ。そしてなによりも自分の発言について明らかにごまかしている。これでは世界に通用するはずもなく。たぶん、いっそう外国からの批判は強まるだろうなあ。
 いろいろ言うわけだkら、この間、かれがどのように発言したのかというものを全部、しらべあげて一覧にすればいいんだよなあ。だれかアップしてないかしら。

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カンヌ映画祭、審査員賞に是枝監督「そして父になる」

congratulation!

カンヌ映画祭、審査員賞に是枝監督「そして父になる」(朝日新聞)

 第66回カンヌ国際映画祭は最終日の26日夜(日本時間27日未明)、コンペティション部門の結果を発表し、是枝(これえだ)裕和監督(50)の「そして父になる」が審査員賞を獲得した。最高賞のパルムドールは、フランスの「アデルの人生」(アブデラティフ・ケシシュ監督)だった。
 「そして父になる」は、病院で取り違えられて成長した2人の男の子と、2組の家族の葛藤を描く。是枝監督のオリジナル脚本だ。主演は福山雅治さん。ほかに尾野真千子さん、真木よう子さん、リリー・フランキーさんらが共演している。18日の公式上映の終了後には、客席から10分にわたる長く温かい拍手が続き、是枝監督や福山さんが涙ぐんだ。
 是枝監督は2001年の「ディスタンス」でカンヌのコンペ部門に初参加。04年の「誰も知らない」では、当時14歳だった柳楽優弥さんが史上最年少の男優賞を受賞した。
 受賞会見で是枝監督は「ここ何本か、身近な生活の中から題材を選んでいたので、どんな形で国境を越えるのか不安でした」と話し、「しかし、いろんな国の人たちが『この映画の中に私自身がいた』との感想を聞かせてくれた」と喜びを語った。…

 とってもスキな監督。ずっと作品は見てきたけど。「誰も知らない」から、もう9年か。ドキュメンタリータッチのリアルさ。この作品も早く見たいなあ。まずは、乾杯!

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2013/05/26

団地の清掃

Veht4 今朝は団地の草取り、その後、午前中は、階段清掃でした。相方は、さっさと用事を入れて、ボクにおしつけて出かけていました。結構な重労働で、たっぷり(;´д`)をかきましたあ。団地は、共同管理ですから、結構、いろいろな人間関係があります。スキですけどねえ、集合住宅は。

 午後からは、仕事に。取材はちょっとはしごをして、中途半端に。

 で、早めに帰って、夕食づくり。今日は、無性にキーマカレーを食べたかったので、つくってみた。写真をとるのわすれたけど。相方からも、お褒めの言葉(笑い)。

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グローバル化時代の大学論② イギリスの大学・ニッポンの大学

150430 教育再生で大学教育が大きな焦点になっている。第三次提言がいま準備されている。ここに提言案がある。 それで、いろいろ大学教育について、調べたり読んだりし始めた。だけど、変化も激しくって。そもそも、よく大学のことって知らないしということで、グローバル時代がテーマだから、外国のことをまず知ろうと思って、そういえば苅谷さんがこんな本を書いていたなあと思って読み始めた。
 そもそも安倍さんたちの発想というか、ここ数年、財界が政府といっしょにやっているのが、グローバル競争にかてるエリート大学の改革だ。
 苅谷さんの本もオックスフォードの経験にもとづいた、そういうエリート大学の話だ。もちろん、前提として、これだけユニバーサルアクセスの時代に、大学の論じ方としてはちょっとせまいなあ。学術のあり方として、どうかなあとは思うけれども、それを前提としながら、結局、日本の大学の弱点がうきぼりになるような本だった。それは大学への予算の投入の薄さ。そのことが1つは高学費、それも、親の譲渡という方形のきわめてゆがんだ形での。それでも学生はアルバイトにおわれるわけだから、パートタイム学生でしかなくなる。もう1つは、もっと個人教育の焦点化した、学ぶことの条件整備が必要なのに、結局日本はここがない。それは、教育再生でも同じだ。結局、いくらいろんなことを掲げても、教育再生が掲げる大学改革が成功しないということでしかない。
 RU11という日本のエリート大学の組織があって、提言を発表した。それがこれ。エリート的な狭い発想でも、基盤的経費の充実を軸とした大学への予算の投入が課題だと。
 正直、学力だとか、大学の力など、だいぶ考え方は違うと思うけど、それはそれで面白かった一冊。

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2013/05/25

教師が教師になるとき

 今日は夕方まで職場で、編集実務および実務にいそしみ、夕方から、ちょっとした飲み会。現場教員3人と、研究者およびOB2人、その他2人。まあ、いろいろな経過のあるつき合いということで(笑い)。飲みながら、わいわいいろいろな話をするんだけど、教師は自分史を語るときがある。そのぐらい教師が教師になるにはすごいドラマがあるといつも思う。今日いたメンバーのなかでは一番若いひとの自分史がなかなか感動した次第。というか、ある先輩(ボクも少し知っている)人との話が中心だったけど、その人との関係で、自分がどのように教師としての道を歩んできたか。教師は決して、一人では教師になれないと言う話。だけどね、いま教師をいろいろ教師をめぐる状況はきびしくていろいろ考えなkてはならないけど、同時に、そのなかで成長してきた教師の道筋っていうのは、やはりそれは大事なことがいっぱいある。それが日本の教育運動の成果でもあるんだろうな。すてきな話だったなあ。

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首相、ミャンマー訪問 40社の企業幹部が同行 実利優先で理念を実現

 結局、これが安倍さんの言う成長戦略というやつの正体なんだろうなあ。

首相、ミャンマー訪問 40社の企業幹部が同行 実利優先で理念を実現(産経新聞)

 安倍晋三首相は24日、政府専用機でミャンマーのヤンゴン国際空港に到着した。26日にテイン・セイン大統領と会談する。日本の首相のミャンマー訪問は36年ぶり。発足から24日で150日を迎えた第2次安倍政権での首相の外遊は、これで10カ国目となる。その足取りからは「実利優先で理念実現」という安倍戦略外交の姿が浮かび上がる。
 大統領との会談で首相は電気・情報通信などインフラ整備での支援と1千億円規模の政府開発援助(ODA)を表明する。また、今回の訪問には40社の企業幹部が同行。さきにロシアと中東で原発や最新医療を売り込んだトップセールスの第2弾として、日本側にも国内の成長戦略に資するメリットが期待される。
 こうした手法について政府高官は「相手国と(お互いプラスの)ウィンウィンの関係を目指す」と指摘、経済面での“実利”優先の姿勢を強調する。……

 この間の外交は本当に露骨である。ODAを土産に、大企業をつれていって、その「商品」を売り込む。そのセールスマンが首相というわけだ。もちろん、潤うのは大企業だけだ。その中軸に「原発」があるというのも何と言えばいいのか。
 だけど、その利益が、国民に等しく滴り落ちるわけではない。大企業にはそういう関心もないのだと思うなあ。そんなことより政治がやるべき仕事があるはずなのに。リーマンショック以降、ますます困難になっている国民の生活は、アベノミクスで変わったのか? 変わる保障や展望がどこにあるのか。どんな手立てが示されているというのか。だんだん、腹が立ってきた。

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稲田行革相発言、韓国が即時撤回求める

 この問題はいっこうに収束には向かいそうにないなあ。

稲田行革相発言、韓国が即時撤回求める(TBSニュース)

 韓国外務省は24日、稲田朋美行政改革担当大臣が従軍慰安婦制度について、戦時中は「合法だった」と述べたことに対し容認できない発言だと批判、即時撤回を求めました。
 稲田行政改革担当大臣は、24日の記者会見で従軍慰安婦制度について、戦時中は「悲しいことであるが、合法であった」と発言しました。
 これに対し、韓国外務省当局者は「女性の尊厳と人権に対する冒涜で、反人道的犯罪を擁護する常識以下の発言」だと非難、即時撤回を求めました。
 また、慰安婦制度が、重大な人権侵害だという認識が国際社会の中で共有されつつあると指摘、日本の指導者は過去の過ちを反省し、時代錯誤的な言動をやめるべきだと日本側に要求しました。
 安倍総理の歴史認識や橋下氏の従軍慰安婦に関する発言などで、韓国側の不信感が高まっている中で、今回の発言はさらなる波紋を呼びそうです。

 こんな議論が通らないことは、あたりまえだ。そもそも20世紀の最初の時期には、醜業を行わしめるための婦女売買禁止に関する国際条約という、売春目的の人身売買を防ぐ方向の条約がつくられはじまっていて、売春目的に女性を海外につれていくことは規制されていたし、日本では未成年の場合、本人が承諾したとしても、売春目的で海外に連れ出すことは犯罪とされていた。朝鮮半島で、だましたり、強制的に女性をつれだしていたことは国際的に問われる問題なのである。ましてや、中国やアジアで、強制的に「慰安婦」にした例は、通例の戦争犯罪以外なにものでもない。
 そして当時から、この「慰安婦」問題が犯罪であるという認識が、国際的にももたれていたことが、戦後直後のBC級裁判の資料などからもすでにあきらかになっている問題なのである(たとえばバタビア裁判やビルマでの裁判)。とうてい合法だとか、必要だったなどの議論は許されるものでもないし、国際的に通用するものではないのだ。

 ほんとうに、こうした議論が政治家、しかも責任ある地位にある人からなされる異常さにへきへきするなあ。

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2013/05/24

日本は侵略の過ち認めて シンガポール首相が見解

 アジアでも批判は広がる。これは安倍さんにつきつけられたものだ。当然、経済も含め、外交的にも大きな課題になる。

日本は侵略の過ち認めて シンガポール首相が見解(しんぶん赤旗)  シンガポールのリー・シェンロン首相は23日、東京都内で開かれた国際交流会議「アジアの未来」(日経新聞社など主催)で講演し、日本は、侵略戦争の過ちを認める形で「歴史を過去のものとすべきだ」との見解を示しました。  リー首相は「日本はアジアの未来に不可欠の存在」としたうえで歴史問題に言及し、「日本は戦後、侵略した国々と十分に和解しなかった」と指摘。問題を未解決のままにしてきたことが日本とアジア諸国の「信頼を構築することを難しくしてきた」と強調しました。  リー首相は、侵略への謝罪を表明した村山談話は「日本が戦争の歴史を過去のものとするための重要なステップだった」「この問題は引き続き日本と近隣諸国、とくに中国、韓国との関係に影を落とす」としたうえで、「よりよい将来のために前を向くべき時だ」と訴えました。

 シンガポールと言えば、実は、南京事件とならぶ、華僑の大虐殺が、日本の占領軍によっておこなわれたところだ。アジア太平洋戦争開戦3カ月で日本軍はシンガポールを占領した。シンガポールを「抗日華僑」の一大拠点と見ていた日本軍の占領作戦は、「抗日華僑」をあぶり出し、処刑することから始めたという事件。林博史さんの著作があることはこのブログでの紹介した林さんはこの本を「加害責任と向き合おうとしない日本側の態度」ということでしめているが、いまあらためて、そのことが問われることになっているのだよなあ。

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オランダ人元慰安婦:「償い事業」責任者が証言集出版

 この問題は韓国だけではなく、アメリカから、そしてヨーロッパからの批判が広がる。

オランダ人元慰安婦:「償い事業」責任者が証言集出版(毎日新聞)

 第二次大戦中に旧日本軍により慰安婦にさせられたオランダ人被害者に対する「償い事業」の実施責任者だった女性が、元慰安婦8人の証言記録集「壊された花」を8月15日に出版する。元慰安婦は死ぬまで心的後遺症に苦しめられたという。元責任者は「大多数の元慰安婦が死ぬ一方、政治家が歴史をねじ曲げている。若い人に悲惨な事実を学んでほしい」と話す。
 筆者はオランダ・ハーグ在住のマルガリータ・ハマー・モノ・ド・フロワドビーユさん(71)。「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)がオランダで実施した元慰安婦への支援事業(1998〜2001年)で、事業実施委員長を務めた。
 ハマーさんは79人の元慰安婦を認定する作業の中で被害者と親しくなり、そのうちの8人から当時の状況やその後の人生を聞き、まとめた。
 元慰安婦の一人、エルナさん(仮名、06年に81歳で死亡)は証言集に「若く咲き誇っていたあの日/血塗られた太陽に花は壊された/傷は永遠に続く」との詩を死の数カ月前に寄せた。血塗られた太陽は日の丸を指す。
 日本軍は1942年、当時オランダの植民地だったインドネシアに進攻。オランダ人民間人9万人、軍人4万人を収容所に入れた。
 エルナさんは43年に母親とジャワ島中部アンバラワの収容所に入れられた。44年2月に軍の将校が来て18歳だったエルナさんを含む17〜28歳の女性17人をスマランに連行。
 エルナさんは軍医による性病検査の後、将校に強姦(ごうかん)され、軍医にも強姦された。拒否しても「収容所の家族を殺す」と脅された。2カ月後、慰安所は軍幹部の命令で閉鎖され収容所に戻されたが、妊娠がわかり中絶した。
 戦後、スマランの慰安所を設置した軍人や民間人10人がBC級戦犯としてバタビア臨時軍法会議で死刑を含む有罪判決を受けた。
 エルナさんは戦後、オランダ兵と結婚したが度々、慰安所を巡る悪夢に悩まされた。特に夫が亡くなってからは心的外傷が強まり眠れない日が続いた。
 「慰安婦にされた被害者の人生全体が台無しにされ、傷が癒えることはなかった。慰安婦制度が必要だったなどという政治家の発言はおかしい」とハマーさんは話す。

 証言集、邦訳がまたれるなあ。ぜひ読みたい!

 ハマーさんをふくむ、オランダ人元慰安婦への「償い事業」の実施責任者だった2人が、日本維新の会共同代表の橋下徹・大阪市長が、第二次大戦中の旧日本軍による従軍慰安婦制度が「当時は必要だった」と主張したことに対し、駐オランダ日本大使に「誤った危険な発言」とする抗議書簡を送ったそうだ。元責任者は毎日新聞に「発言は被害者を傷つけるもの」と批判したという。 ハマーさんによると、書簡では橋下発言に「憂慮」を表明。発言は従来の日本政府見解を逸脱した「間違った方向」で、従軍慰安婦の被害国、とりわけアジアにとり「危険なものだ」と非難したという。元慰安婦の大半は死亡しているが、全員と接触して事業を行ったハマーさんは「発言はこれまでの元慰安婦へのおわびを否定するもので、謝罪が謝罪でなくなる。日本の首相のおわびの手紙で救われた元慰安婦を深く傷つけた」と述べている。安倍晋三首相の見解が橋下市長の発言の基礎になった」と首相も批判している。ちなみに、 オランダ政府の93年の調査報告は、インドネシアで65人が強制的に慰安婦にさせられたことは「確実」と指摘している。

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元従軍慰安婦:橋下氏と面会中止 「政治利用されるだけ」

 今日は、午前中は会議。午後からは印刷工場に籠城。とりあえず順調ということで。

元従軍慰安婦:橋下氏と面会中止 「政治利用されるだけ」(毎日新聞)

 元従軍慰安婦で韓国から来日中の金福童(キム・ボットン)さん(87)と吉元玉(キル・ウォノク)さん(84)は24日、同日午前に予定されていた日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長との面談を中止することを、支援団体を通じて伝えた。2人は慰安婦を巡る橋下氏の発言で心身ともに疲れており、「発言を撤回するつもりがないのなら会う意味がない」との意向を示しているという。
 橋下氏は24日夕、「非常に残念だ。僕の誤解を生んだ発言で傷ついたのなら、その点はおわび申し上げますと伝えたかった」と話したが、発言の撤回は否定した。
 面談中止について、支援団体「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」は同日午前、市役所で会見し、「橋下市長の仕組まれた謝罪パフォーマンス、シナリオに合わすことはできません。妄言を撤回し、公式謝罪しなければならないと考えます。政界から引退することを望みます」とする2人の声明を読み上げた。…

 で、これがその声明。

【橋下市長面談に対する私たちの立場】
日本軍「慰安婦」生存者である私たちは
日本維新の会共同代表橋下徹大阪市長との面談を拒否します

日本軍「慰安婦」生存者である私たちは、日本での7月参議院選挙を目前に控え、日本市民と政治圏に再び日本軍「慰安婦」問題解決を訴え、戦争のない平和な社会づくりに連帯するため、5月18日から福山・沖縄・広島・岡山を経て大阪・奈良をまわり歴史の真実を日本市民社会に伝えています。
そして、私たちは橋下市長が自身の妄言を撤回し謝罪するために会うと理解し、24日に橋下市長と会うことにしました。

■橋下市長は面談の対象ではなく「審判」の対象
日本証言集会のさなかである5月19日、私たち生存者は橋下大阪市長、石原東京都知事らが共同代表の維新の会が「橋下の『慰安婦は必要だった』発言を撤回しないことで一致した」と明らかにした報道に接しました。橋下市長はその後も強制性を否定する立場などを連呼し、胸を引き裂かれる思いでした。
私たちは今年86歳と88歳になります。引き裂かれた胸を抱いて橋下市長に会うことを考えると、妄言を任務と課す張本人を前にすること自体が恐ろしく大きな精神的衝撃となっています。ひとすじの期待をかけて面談しようとしましたが、それは純真な考えであったと「反省のない」橋下市長の続く妄言が答えています。ここに、橋下市長は面談の対象ではなく、「審判」の対象であるだけだと再度明らかにします。

■橋下市長の仕組まれた謝罪パフォーマンス、シナリオに合わすことはできません
5月18日からの証言集会を行う過程で日本の記者から入手した情報によると、24日の面談で橋下市長は、謝罪パフォーマンスを企て、その上ひざまずいて謝るという一過性のマスコミ操作を準備していることがわかりました。
この謝罪パフォーマンスは、反人権的な発言がアジアの良心的な市民社会はもちろん、国連や米国務省・米議会などの批判で困難に陥るや、自身の立場を守ろうとひねりだされた脚本であると断言します。
終わらない被害者の胸痛む現実と歴史を、橋下市長の謝罪パフォーマンスと引き換えにすることはできません。二度も踏みにじられる必要はありません。

■世界平和市民と一緒に前進するのみ
私たちはその場しのぎで臨機応変に術策を変える橋下市長に会う価値も理由もないと判断しました。橋下市長との面談を拒否します。橋下市長が心から私たちに申し訳ないと感じ反省するならば、自身の口から出た犯罪に等しい妄言を撤回し、公式謝罪しなければならないと考えます。そして、政治家として間違いに対する責任をとり、政界から引退することを望みます。私たちは、これまでの道を今後も歩み続けるのみです。

2013年5月24日
                        日本軍「慰安婦」生存者 金福童 吉元玉

 そもそも、撤回もせずに、おわびって、この人の神経が理解できない。

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2013/05/23

ケリー国務長官が原爆資料館元館長に宛てた書簡発見

 反戦運動に参加した経歴のあるといわれるケリー国務長官だけど。こんなことがあったそうだ。

ケリー国務長官が原爆資料館元館長に宛てた書簡発見(NHKニュース)

 アメリカのケリー国務長官が上院議員を務めていた28年前に「いかなる人も再び核爆弾の悲劇を被るべきではない」と書いた広島の原爆資料館の元館長に宛てた書簡が見つかりました。
 書簡は、昭和54年から58年にかけて広島の原爆資料館の館長を務め、2年前に亡くなった被爆者の高橋昭博さんの自宅で妻の史絵さんが見つけました。
 史絵さんによりますと、高橋さんは、生前、世界の主な政治家に、みずからの被爆体験とともに、核兵器の廃絶を訴える手紙を出していて、昭和59年に上院議員に当選したばかりのケリー氏が核の凍結を訴えていることを知り、手紙を出したということです。
 そうしたところ、翌年の昭和60年に返信の書簡があったということで、書簡には「あなたの手紙は非常に感動的で、誰もが忘れてはならないメッセージが込められている。そのメッセージはシンプルでいかなる人も再び核爆弾の悲劇を被るべきではない」と書かれています。
 その後、書簡は、自宅に保管されたままになっていたということで、発見した史絵さんは「ケリー氏にはオバマ大統領に働きかけて、核兵器廃絶を進めてもらいたいし、主人もそのように祈っていると思います」と話しています。

 現実の世界政治のなかで、はたしてケリーがどんな役割をはたすのかはよくわからないけれども。注目はしたいところではあるのだけれども。どうだろうかなあ?

 いずれにしろ、核兵器をめぐっても悲しい事件も生じている。安倍さんやさらには橋下さんら政治家の発言で日韓関係が悪化するなかで、韓国メディアからこんな発言が…。

広島・長崎への原爆投下「神の懲罰…」韓国中央日報(テレビ朝日ニュース)

 中央日報は、20日付の論説委員のコラムで、安倍総理大臣が視察で搭乗した航空自衛隊の練習機の機体番号が、かつて細菌兵器の人体実験をしたとされる旧日本軍の部隊名と同じ「731」だったことを非難しました。そのうえで、原爆投下は「人体実験の犠牲者らの復讐で、神の懲罰だった」として、非戦闘員への大量殺戮(さつりく)を肯定するような論理を展開しています。さらに、安倍総理の言動については、「日本への仕置きが足りないと判断するのも神の自由だ」などと主張しています。
 菅官房長官:「中央日報の記事の表現は、誠に不見識だ。こうした認識は断じて許すことはできない」
 一方、菅官房長官は、コラム掲載翌日の21日に、在ソウルの日本大使館が中央日報の関係者に強く抗議したことを明らかにしました。

 残念ながらHPからは削除されたようだけど。あきらかに人為的な行為で起きた悲劇を、「神の懲罰…」という発言は決して許されるものではない。これはそうだ。
 そのことを前提のうえだけど、このコラムは日本の政治家への怒りにみちていたことも事実。731を連想させる行為があったことは否定ができない。繰り返される妄言。その怒りについても、やはり考えさせられるのだ。
 こういう対立が連鎖にならずに、和解への対話のためにいま何が必要なのだろうか。重い気分を振り払いながら、いろいろ考えるところなんだけどなあ。

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96条「過半数に緩和」明記 自民、参院選公約固まる

 いよいよ、参議院選挙の公約が出てくる。やはり憲法は大きな焦点になっていく。とりわけ、96条は大きな焦点となる。うーん。

96条「過半数に緩和」明記 自民、参院選公約固まる(朝日新聞)

 自民党は23日、参院選公約原案をまとめた。憲法改正の発議要件を定めた96条は「衆参それぞれの過半数に緩和」と明記。国防軍保持や天皇を元首とした党の憲法改正草案をもとに国会提出と改憲を目指して「積極的に取り組む」とした。
 安倍晋三首相の思いを記す前文や、政権奪回後の経済や震災復興、外交分野での実績を加えた公約を31日に正式決定する。
 改憲の項目は最後に列挙。憲法改正草案から7項目を抜き出し、3原則の継承、国旗国歌、緊急事態条項などを盛り込むとともに、96条改正についても過半数緩和を明記した。…

 もちろん自民党の公約には、原発政策では、再稼働に触れず「中長期的にバランスのとれたエネルギー戦略を構築」とするにとどめるというようなこともあるようだ。(再稼働は公約とは別の総合政策集に盛り込むようだ)。TPPは「守るべきは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益にかなう最善の道を追求する」としつつ、実際には、コメや牛肉などの重要品目を「聖域」として守る表現は入れないともいう。そういう公約の内容は、まで手に入れていないので今後の課題として。

 焦点となる、憲法96条については、今日は96条の会の結成の記者会見がおこなわれた。

96条改正「憲法への挑戦」 主張超え学者結集(共同通信)

 改憲の発議要件を緩和する憲法96条改正に反対の学者が「96条の会」を発足し、代表の樋口陽一東大名誉教授らが23日、東京・永田町で記者会見して「96条改正は憲法の存在理由そのものへの挑戦だ」とする声明を発表した。
 発起人は憲法学者や政治学者ら36人。護憲派だけでなく9条改正を唱える改憲論者も含まれており、主張の違いを超えて大同団結した。声明は「96条を守れるかどうかは権力を制限するという立憲主義にかかわる重大な問題。(改正は)政治家の権力を不当に強めるだけだ」と訴えた。 …

 かなり政治的には幅広い研究者が結集した意義は大きいんだと思う。これがHP。

 さて、96条について、こんな議論もなされている。これも参考になる。
『ニコ生×BLOGOS』第19回 憲法改正は本当に必要なのか?

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安倍政権と日本政治の新段階――新自由主義・軍事大国化・改憲にどう対抗するか

13149 渡辺治さんの新著。「強い日本の復活」「アベノミクス」を掲げて、高支持率を維持する安倍内閣をどうみるかにせまる。このテーマで、ボクも渡辺治さんといっしょに仕事をさせていただいたらしているが、その仕事をした2月ごろから比べても、いっそう議論は深化している。本書は、先の衆院選挙での自民党の圧勝、それが一方で自民党の安定した基盤を意味しないところから書き起こす。と、同時に、その自民党の政権復帰をあらためて90年代以降の世界と日本の政治的変容、とりわけ新自由主義の展開の歴史のなかで、位置づけなおす。これは、とりわけ本書では、しっくりくる。続いて、安倍政権がどういう役割をもって登場したかを全面的に分析する。第一の柱が「新自由主義・構造改革」の大攻勢であり、第二の柱が「対米追随の軍事大国化の解釈改憲先行」であり、第三の柱が「新保守主義的社会統合策」であるとする。その三つの柱の総仕上げとしての改憲というわけだ。
 しかし、本書を読むと、これら安倍内閣がすすめようとしているいずれもが、内部に、さらにはその相互間に、きわめて激しい矛盾をもっていることが鮮明となる。そのことは、歴史的な安倍政権の位置とそれゆえにもつ、この政権の脆弱さとかさなりある。本書では、あまり展開されていないが、こうした安倍内閣の役割・使命というものが、世界の大きな流れとはきわめて異質なものであることも容易に類推される。
 それだけにこの新自由主義・軍事大国化・改憲にどう対応するのか、そのポイントは国民のたたかいにある。この間のたたかいの展開に共感し、そこから教訓を学ぼうとする姿から、つねに国民のたたかいのなかに身を置こうとする筆者の思いも伝わっている内容になっている。

 で、同時に思ったこととして、国民の政治意識と政治の動きとの関係で、たとえば、本書では、今後の展開では、不安定な保守政治のもとで保守政党の連立を予測している。ところが、現実の進行は、どうも自民党以外の保守政党は崩壊状態にある。それはなぜか?ボク的に考えたこととして、ここにきてあらためて、国民的な規模で広がる”政治不信”というものをどう理解するのか。自民党だけの一人勝ちだが、それでも自民党が脆弱という現象をそう考える。ならば、なぜ政治不信か?その制度的、イデオロギー的、運動的な問題はどこにあるのか、などを考える必要があるような。どうだろうか?

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2013/05/22

若者・女性の活躍推進へ提言=政府フォーラム

 3日ほど前のニュースですけど、クリップ。

若者・女性の活躍推進へ提言=政府フォーラム(時事通信)

 政府は19日、関係閣僚や有識者でつくる「若者・女性活躍推進フォーラム」の会合を安倍晋三首相も出席して福岡市で開き、若者と女性が活躍する場を増やすための提言をまとめた。仕事と子育ての両立に取り組む企業を助成金や優遇税制で支援することなどが柱。産業競争力会議に提出し、6月にまとめる成長戦略に反映させる。
 首相は会合で「成長戦略に(提言を)しっかり取り込み、日本経済再生に向けた原動力の一つとして、政府を挙げて実行に移していく」と強調した

 で、これがその提言なるもの。

 いわゆる成長戦略の一環ということで。いろいろ気になるところです。一般論として、若者と女性を重視することは大事なことだけど、問題は中身。
 これまでの若者政策の基本は、若者へのバッシングを基調とした議論から脱しきれずにいる。女性については、いわば過酷な労働をおこなう男性の補助労働の発想。しかし、結局、目新しいものがあるわけではない。若者の問題も、女性の問題も、基本は現在の非人間的な雇用政策が根底にあるのだけど、そしてそのもとでおこっている貧困化の問題があり、その支援が必要なのだけど、そこにはせまらない。そもそも、だされるのは状況を変えるために、企業に期待する努力内容みたいなもの。いいかえれば企業に求める善意というか。企業への要請は必要だろうけど、企業の善意を待つようでは、状況はかわらないのになあ。

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水道事業統合、大阪市議会委が否決 橋下市長公約どうなる

 橋下さんの、「慰安婦」問題での発言で、孤立を深める維新の会だけど、肝心の大阪での彼らのとりくみでも、陰りがはっきりしてきたようだなあ。

水道事業統合、大阪市議会委が否決 橋下市長公約どうなる(産経新聞)

 大阪府内42市町村が運営する大阪広域水道企業団に大阪市の水道事業を移管する水道統合の議案について、大阪市議会の交通水道委員会は21日に審議を行い、大阪維新の会を除く公明、自民、民主系、共産の4会派が統合反対を表明、委員会として否決を決定した。24日の本会議でも、正式に否決される見通し。
 橋下徹大阪市長は、水道統合を二重行政解消の柱として府知事時代から進め、市長選公約にも掲げていた。橋下氏は終了後、「非常に残念。どこが問題なのかを含め、しっかり考えてみたい」と述べた。また橋下氏はこれまで、水道統合が頓挫した場合の選択肢として市水道事業の民営化検討をあげていたが、この日は言及を避けた。
 同市と企業団が合意した統合内容は、市が水道事業資産を企業団に無償譲渡するが、企業団は技能職員を引き受けない。大阪市域の水道料金は維持するとしたが、水道料金を含む重要事項の改定は、市町村長の3分の2が賛成すれば可能になるため、将来にわたって担保されてはいない。
 委員会では、合意内容への批判が噴出。自民は「資産も経営権も投げ出すだけで市民にとってデメリットだ」と酷評。公明からも「水道料金の値上げリスクを抱える」と懸念する意見が上がった。大阪維新の会は「水道料金が下がるのかどうかはっきりしない」などとして態度を留保した。……

 まあ「大阪を改革する」と勇ましかったわけだけど。やってきたことは、かなり酷いことだ。教育基本条例や職員条例、思想調査などは言うまでもなが。くらしにもさまざまな攻撃をかけてきた。「敬老パス有料化」、住吉市民病院の廃止、公立幼稚園・保育園すべての民営化、地下鉄民営化、さらに文楽など文化補助金カット……。そして市民のたたかいが広がった。
 いま開かれている市議会で焦点になっている水道事業統合は、今日、否決されたそうだ。
 まだまだ続く、3月に継続審議となっている市営地下鉄、バスの民営化に向けた条例案。今度も焦点中の焦点だが、これはどうも公明、自民、民主系は今議会での採決を見送り、再び継続審議とするようだ。会期はあと1週間あまり。注目される状況である。

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慰安婦めぐるヘイトスピーチ、国連委が日本に改善求める

 今日の朝日の社会面。

慰安婦めぐるヘイトスピーチ、国連委が日本に改善求める(朝日新聞)

 国連の社会権規約委員会は21日、日本に対して、従軍慰安婦をおとしめるような行為をやめるよう求めた。一部の排外主義的グループが「従軍慰安婦は売春婦だった」という趣旨のヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返しているのを受けたもので、政府に改善を求めている。
 同委員会は発表した見解の中で、日本政府に対して「公衆を教育し、憎悪表現や汚名を着せる表現を防ぐ」ことを求めた。さらに元慰安婦の「経済、社会、文化的な権利や補償への悪影響を懸念する」としたうえで、「必要な全ての措置」をとることも要請した。
 今回の見解では、朝鮮学校が国の高校無償化制度の対象外となったことについても、「差別にあたる」と批判し、改善を求めている。
 同委員会は、人権を保障するための国連の条約「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)」の締約国を対象に、定期的に見解をまとめている。今回は4月下旬に日本政府と市民団体の双方から意見を聞いたうえで、発表した。法的な拘束力はないが、政府は誠実に受け止める義務がある。……

 社会権規約委員会の日本審査では、日本のバンドが「売春ババア殺せ チョン斬れ」などの歌詞が入った曲を作り、そのCDが韓国の元慰安婦らに送りつけられた出来事も紹介されたというけど、たしかにそういう事件があったことを思い出した。審査は、橋下徹さんのこの間の「慰安婦」発言や、西村真悟議員の「韓国人の売春婦はまだうようよいる」発言の前で、そういう意味では、政治家の発言を直接批判したわけではないとも言えるのだろうけれども、こうした問題が日本社会で理解が深まっていないし、政治が役割をはたすどころか、逆の役割をはたしていることを懸念しているとも言える。この間の、政治家の発言への批判をしっかりおこなうとともに、国民レベルでの認識が深められ、共有化されるような政治的な議論もおこなわれなければいけなのだろうなあと思うなあ。

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2013/05/21

みんな、維新との選挙協力解消 参院選と都議選

 混迷する政界。

みんな、維新との選挙協力解消 参院選と都議選(共同通信)

 みんなの党は21日の役員会で、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長による従軍慰安婦発言などを受け、夏の参院選と東京都議選での選挙協力解消を決定した。日本維新側に譲るとしていた参院千葉選挙区などに独自候補を擁立する方向だ。日本維新側も対決に転じる意向を示しており、選挙戦の構図は一変する。
 みんなの党の渡辺喜美代表は役員会で「価値観の相違がある以上、関係を全面的に見直さなければならない。選挙に不利に働くことを乗り越える覚悟で決断しなければならない」と述べた。
 両党は参院選の候補一本化で合意し、共通公約の月内取りまとめも目指して協議を進めていた。

 だけど、橋下さんが日本軍「慰安婦」問題で、問題のある発言をしたのはなにも最近の話ではない。昨年も、かなり問題のある発言をくり返してきた。さらに言えば、日本維新の会が誕生して、その国会議員たちがどんな発言をくり返してきたのか。たんに集会のような場だけでなく、国会の質問などでもおどろくような発言をしている。

 結局、あらわれているのは、政治の劣化ということ以外なにものでもない。あきらかにみんなの会のほうにも歴史認識について、あいまいな対応があったわけだし…。戦後世界が何に努力をしてきたのかについての無関心がそこにあるんだと思う。もちろん、みんなの会のこういう態度にたいして、政策よりも、選挙に有利不利で判断する中央政界にうんざりみたいな発言をする橋下さんなど、論外。何がとわれているのか、政治家として無感覚すぎて、もうどうにもならないなあ。

 だけど、こんな劣化した政党の状況のなかで、参議院選挙を向かえて、投票率の低下が心配される。政治をあきらめない道、方向をしっかり示さないとなあ。

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シリーズ 貧困拡大社会 大学は出たけれど・・・ ―急増する奨学金の滞納―

 今日のハートネットTVは奨学金。

130521_2 「大学に行かなければよかった」。厳しい経済状況から、大学時代に借りた奨学金を返せずに苦しむ人が増えています。番組では、危機に直面する奨学金制度の実態を通して、深刻化する若者の貧困と教育支援のあり方を考えます。
 その大きな理由が、厳しさを増す経済状況です。大学卒業者の就職率は低迷を続け、安定した収入を確保出来ず、返済に行き詰まっているのです。
 現在、全国の大学生のおよそ半分が奨学金を借りていると言われています。卒業後に追い込まれている先輩の姿に不安を覚える学生や、借りる事をためらい進学そのものを諦める学生も増えているといいます。返済している当事者、学生、弁護士からなる「奨学金問題対策全国会議」も3月に設立され、問題は国の教育のあり方にまで広がりをみせています。
 貧困に苦しむ人の教育のセーフティーネットとしての役割を担ってきた奨学金。番組では、危機に直面する奨学金制度の知られざる実態を通して、深刻化する若者の貧困と教育支援のあり方について考えていきます。

 知りあいがオンパレードの番組だったけど、実態にはやはり息をのむ。酷いの一言。あらためて、根底に、若者へのバッシングと強い自己責任論があったと思い知らされる。
 しかし、もう制度もはたんしている。ローン化して暴走する奨学金は若者を確実に追い込んでいる。大学というものもなりたなない。結果、受益者負担にもならない……そのような個人と家庭に負担を強いる制度。奨学金の改善、給付型の創設、そもそも大学にもっとお金をつぎ込んで、この高学費を何とかしなければならない、大学のクローバル化をいうのなら、バイトもせずに学べる条件をつくるのがあたりまえなんだけどなあ。

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「ゼロ」の裏 浮かぶ課題 横浜待機児童「解消」

 昨日のニュースでも、これはもちきりだったけれども、やはりこれはいろいろ考えさせられるのだけど。

「ゼロ」の裏 浮かぶ課題 横浜待機児童「解消」(東京新聞)

 保育所に入れない待機児童が三年前の全国ワーストから、四月一日でゼロになったと発表した横浜市。保育所の民間参入などでゼロを成し遂げ、国も他の自治体に民間参入を促す。だが、専門家は民間頼みの危うさを指摘。ゼロ~一歳児の認可保育所の広さは国基準を下回るなど、質の確保には課題が残る。
 厚生労働省によると、昨年四月時点で株式会社運営の認可保育所は全国で三百七十六園。うち横浜市は全国最多の百十二園に上る。今年四月一日時点では百五十二園に増え、市の認可保育所の四分の一を占める。
 市は十年ほど前から市立保育所の民営化を進めてきた。林文子市長も民間を積極的に誘致。市保育対策課の佐藤英一課長は「企業の協力も待機解消につながった」と説明する。
 市の民間活用方式を国も評価する。厚労省は今月、全国の自治体に株式会社の参入を促す通知を出した。同省の担当者は「スピード感ある整備につなげてほしい」と話す。
 だが、急激な民間参入の流れに、明星大学の垣内国光教授(児童福祉)は「国は手っ取り早く待機児童を解消したいのだろうが、質を担保するべきだ。保育を営利事業としていいのか」と異を唱える。
 保育士の入れ替わりの激しさが目立つことも懸念し、「決算書の公開や、親の園内見学で透明性を高めることが必要。行政の監視も欠かせない」と指摘。横浜市は四月から条例で民間の認可保育所に外部評価を義務付けたが、五年に一回という。
 さらに、ゼロ~一歳児について市は認可保育所に、国の基準以上の子どもを入所させる独自の運用をしている。国の面積基準では、はいはいする前は一人一・六五平方メートル、はいはいし始めると同三・三平方メートル以上を確保しなければならない。
 子どもは生後八カ月前後ではいはいを始めるため、受け入れ当初から三・三平方メートルを確保しておかなければ違反状態になる。だが、いくつかの自治体は誤って解釈し、横浜市もゼロ~一歳児の面積を一律に二・四七五平方メートルで認可してきた。
 愛知県碧南市では基準未満の詰め込み保育が一因で死亡事故が起き、厚労省は一昨年、三・三平方メートルの基準を徹底するよう全国の自治体に通知。横浜市は四月、本年度以降開設する認可保育所は国の基準を守るが、既存の保育所は低い基準のまま運用できるとする市条例を制定した。

 このニュースを聞いて感じたことがいくつかある。
 1つは、認可保育園の建設はその気になれば大幅に前進することができるという問題。これはボクが住んでいるところでもそういう実例になっているわけだけれども、周辺自治体で言えば、土地などもないわけでない。だけど、この横浜のケースでは、カウントされていない待機児が膨大に存在することは看過できない。いつも待機児問題では、統計上のあいまいさやとりトリックなどがくりかえされる。
 2つめに、株式会社の参入が増えているが、これはきちんと検証すべき問題がいろいろあるのだろう。もともとの疑義などもブログで書いたりしたが、実態として、どうなっているのか、調査がまたれる。
 第3に、やはり最低基準そのものは決して崩してはいけないということ。と同時に、この基準そのものが、かなり、世界的に見ても劣悪である可能性が高いという問題があるということは忘れてはいけない。ここには横浜の大きな課題があることは言うまでもない。
 4番目に、そもそも保育要求をめぐっては、入れる入れないの保活問題が深刻なわけだけど、使い勝手や、安心安全、働きやすさなどいろいろな面で、不満や切実な要求があったことも事実。基準や制度そのものの点検や改善も迫れている。なによりも、保育士が安心して働け、その力量をあげていくような制度的保障がなく、圧倒な非正規の状態にある問題は深刻。これで、子どもが安心して生活できるのかは問われている。
 5番目に、と同時に、子どもをあずける家庭だけでなく、そうでない家庭も含め、この子育て世代は経済的な困難がひろがっていて、切実な要求がいっぱいあるということ。働いている場合も、ダブルワークや劣悪な労働条件などの実態もある。そういう状況下の子育てへの支援という点で、十分なのかという視点もあらためて必要な気もする。投げかけている課題は広く、深いのではないのかなあ。

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2013/05/20

超党派議連:社交ダンスの危機 風営法見直し目指し発足

 News23でも大きく取り上げられていたけど。

超党派議連:社交ダンスの危機 風営法見直し目指し発足

 若者が集まる「クラブ」やダンス教室などを規制する風営法の見直しを目指し、超党派の国会議員約60人が20日、「ダンス文化推進議員連盟」(会長・小坂憲次元文部科学相)を発足させた。警察の摘発例増加で、公民館でのダンス教室が中止に追い込まれるなど混乱が広がっていることを受け、結成された。議連は、法改正を求める約15万人分の署名を受け取り、今後関係省庁からのヒアリングなどを進める。
 風営法で「ダンスをさせる営業」は「風俗営業」とされ、都道府県公安委員会の許可が必要となっている。
 警察による摘発が近年強まり、高知市では昨年5月、高齢者向けの社交ダンス講座が、講師が国の認定を受けていないとして市の要請で突然中止される事案も。「文化の危機」としてクラブ関係者や弁護士らがレッツダンス署名推進委員会を結成。「ダンスは中学校体育の必修科目なのに風俗営業とするのは時代遅れ」「表現や営業の自由として憲法上も保障されるべきだ」などと訴えてきた。
 警察庁は「健康増進目的の場合、同法上の『営業』に当たらない」との見解を示し、昨年12月に都道府県警に通知。「男女ペアで踊るのが通常の形態とされていないもの」を規制対象外とし、ヒップホップダンスや盆踊りを例示したが、男女ペアが原則のタンゴやサルサは、認定講師がいない場合は依然規制対象となっている。
 議連設立総会で、署名推進委共同代表の斎藤貴弘弁護士は「風営法の規制対象は広く、トラブルのない営業にまで及ぶ」などと問題点を挙げた。クラブ関係者らはアーティストの活動の場としての意義を説明。近隣への迷惑行為や未成年の飲酒などの問題に業界として取り組むことを強調した。…

 テレビでとりあげたのはクラブの問題。飲食をともなうものは、規制の対象とされるようだ。で、クラブが規制の対象になる。業界団体もなく、どう自主的なルールをつくっていのかというような課題もあるようだけど、なによりも規制当局が、窓割れ理論ともいえるような厳しい規制を軸に考えている状況があることに驚く。ましてやスポーツとも言える競技ダンスまで、対象になるなど論外でもあるけど。
 何よりも人権というものを基礎におくという発想の弱さなんだろうなあ。この視点から問題を解決するということにならないと。

 風営法の改正をめざす弁護士さんたちのHPはここ。ここでは署名もできる。
 若者の運動もひろがっている。

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2013 日本の米軍基地

Photo 沖縄のあけもの出版から、小泉親司さん著、安保破棄中央実行委員会監修で『日本の米軍基地』が発行されました。
 近くに米軍基地が存在しない人にとって、米軍基地はもう一つ、ピンとこない問題でもある。だけど、実際に、自分の目で基地を見ると、その大きさや生々しさに必ず衝撃を受ける。むしろ基地の近くにいる人のほうがなれてしまうという面もあるのかもしれない。そうした米軍基地がいま日本でどういう状態にあるのか、それに抗するたたかいはどういうものがあるのか、それらを概観したものになっている。
 言うまでもなく日本の米軍基地は、日本を守るために存在するのではなく、アメリカの世界戦略に基づいて存在する。その世界戦略を政権や「抑止力」と言い換えて、日本を守るためという乱暴な論理をつくりあげる。いかに乱暴な論理かは、その在日米軍基地がどんな役割を話しているのかを見ればわかる。同時に、軍事優先のもとで、在日米軍基地は世界に類をみない異常性をもつ。米兵による犯罪や在日米軍による事故が密約で裁かれることは少ない。豊富なデータをもとに、アメリカに追随する日本と言う国のあり様が明らかにされています。
 その米軍基地が、米軍再編でさらに大きく変容しようとしている。そのなかで沖縄の問題が問われ、オスプレイの問題がとわれはじめている。さらには自衛隊もいっそう従属的な性格を鮮明にしながら、米軍と一体になっている。

 しかし、なぜこういう変容がうまれているのか。こういう動きの背景と言うか、原動力と言うか、そのもとで、国民との矛盾がどんな形でぶつかっているのか、そういう動的なものがちょっとつかみづらいかな。そのあたりは、何を見てもそうなのかもしれないけどなあ。

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橋下氏発言「問題」75% 内閣支持率65% 世論調査

 で、朝日も世論調査。忙しい。

橋下氏発言「問題」75% 内閣支持率65% 世論調査(朝日新聞)

 朝日新聞社が18、19日に実施した全国定例世論調査(電話)によると、安倍内閣の支持率は65%で、これまで最高だった3月と並んだ。一方、日本維新の会の橋下徹・共同代表による旧日本軍の慰安婦や、風俗業をめぐる発言については、75%が「問題がある」と答えた。
 安倍内閣の支持率は、前回4月は60%だったので、今回は上昇した。不支持率は今回は18%(前回19%)だった。
 橋下氏の一連の発言については「大いに問題がある」は32%、「ある程度問題がある」は43%。「あまり問題はない」は15%、「まったく問題はない」は5%にとどまった。橋下氏の発言で維新の印象が「悪くなった」は50%。「変わらない」は44%で、「よくなった」は2%だった。……

 これが質問と回答。

  どの世論調査をみても、あいかわらず自民党の支持率が高い。一方で、巨大野党の混迷ぶりが際立っている。そういう展開のなかでの選挙というのはどうなんだろう。その安倍内閣も、昨日も書いたけど歴史問題や外交問題での国民の意識との乖離は甚だしいわけで。経済政策に対する支持が依然として高い。けど、いいという実感をもっているわけではなく、あくまでも期待にとどまっれいる。原発政策への批判も高い。必ずしも、安定的な支持ではないのだけれども。
 経済政策や歴史・外交でも、妙なねじれや、複雑な意識動向が形成されているのも、注視は必要なんだろうなあ。あとえば閣僚の靖国神社を参拝については「よかった」は48%もあるとか。一方で。中国や韓国との関係改善について、安倍首相に「期待できない」42%とか。

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2013/05/19

毎日新聞調査:橋下氏慰安婦発言「妥当でない」71% 追加あり

 もう一つニュースをクリップです。

毎日新聞調査:橋下氏慰安婦発言「妥当でない」71%(毎日新聞)

 毎日新聞は18、19両日、全国世論調査を実施した。旧日本軍の従軍慰安婦制度が「必要だった」とした日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)の発言について71%が「妥当でない」と回答し、「妥当だ」の21%を大きく上回った。維新の政党支持率は前回調査(4月20、21日)の7%から4%に急落した。参院選比例代表で維新に入れるとの回答も前回の11%から5%に半減し、橋下氏の発言による党勢の失速を示す結果となった。
 橋下氏の発言の評価を男女別で見ると、男性の70%、女性の72%が「妥当でない」と回答し、性別に関係なく反発が強かった。年代別で「妥当でない」の割合が最も高かったのが20代の86%で、60代79%、40代76%、50代66%、70代以上62%、30代60%と続いた。
◇安倍内閣支持、横ばい66%
 安倍内閣の支持率は前回から横ばいの66%で、7割近い高支持率を維持。歴史認識問題では安倍晋三首相や自民党の高市早苗政調会長の発言が野党などから批判されたが、自民党の政党支持率も38%(前回39%)とほぼ変わらなかった。
 維新の支持率は昨年12月の衆院選直後の世論調査で民主党を上回る14%に達して以降、次第に減らしながらも自民党に次ぐ2位の座を守ってきたが、半年ぶりに陥落した。男女別では男性6%(前回10%)、女性2%(前回5%)となり、女性の維新離れが激しい。ただ、他党の支持率も民主5%、みんな4%、公明4%、共産2%と横ばいで、支持政党なしの無党派層が4ポイント増の36%となった。
 参院選比例代表の投票先でも、質問を始めた2月から3カ月続けて維新が2位だったが、今回は民主、みんな両党の6%を下回る4位に後退した。自民党は前回比3ポイント減の41%だった。
 自民党と維新は憲法改正の主張が重なり、参院選後の連携も取りざたされてきた。世論調査では、憲法改正へ向けて両党が連立政権を組むことへの賛否を質問。反対が過半数の58%で、賛成は32%にとどまった。安倍内閣を支持すると答えた人の中でも53%が反対と回答した。

 うーん。
 毎日の調査では興味深い内容が多い。
 たとえば、毎日新聞調査:景気回復の実感ない80% ところがアベノミクスそのものは、支持が高い。毎日新聞調査:憲法96条改正、反対52%


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内閣支持率は70%で横ばい 比例投票先、維新が後退

 ニュースをクリップ。引き続く橋下維新の問題もあるし、原発をめぐる問題もあるけど。やはりこれが。

内閣支持率は70%で横ばい 比例投票先、維新が後退(共同通信)

 共同通信が18、19両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は70・9%と、前月の72・1%から横ばいだった。夏の参院選の比例投票で日本維新の会に投票するとの回答は2・8ポイント減の5・7%で、1・0ポイント増の民主党6・8%を下回り3位に後退した。1位は自民党で1・9ポイント増の44・4%。
 歴史認識をめぐり、安倍晋三首相が自身の発言で海外から反発を呼んだことを受け事実上軌道修正を図ったのに対し、日本維新の橋下徹共同代表が発言を維持していることなどが背景にあるとみられる。内閣不支持は16・2%で0・2ポイント増えた。

 うーん。安倍さんの政治と国民との乖離は、かなりはっきりしている。歴史認識や外交もそうだけど、経済問題でも、そんなに安倍さんの恩恵をうけるという図式ではない。それでも、支持率が高いのは、1つが大企業あってこそのイデオロギーの強さか。と、同時に、民主に続き、維新の壊滅の前に、政党選択はいまは複雑か。ここを説くカギは、しっかり考えねばならぬということかあ。

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こどもまつり打ち上げ

 で、夜は恒例の打ち上げ。もともと、かつての所属した学童クラブの単位の集まりのうちあげ(この連中が中心となって、毎年参加している)と、かつての市連協メンバーが中心の事務局の打ち上げと、連チャンするところだけど、もうそういう体力はさすがにないなあ。ということで、近場で前者だけ。それでも10人近く参加するノンベども。
 気の置けない仲間の語らい。ボクが参加すると結構、政治の話にも花がさく。橋下さんの話題もそう、アベノミクスの話題も。だけどねえ。やっぱりなるほどなあと思うのは、いまおかしいことがおおいじゃんという思いは、たくさん共有できるわけど。そういう意味では、ここのところ大きく政治的な意識は変化しているそういう時代なのかなあとも。
 子どもの話題もいろいろ。みんな大きくなっていく。もちろん、子どもが20人をこえて、親じゃなく、子どもがのみにくるところもあって楽しいなあ。かつては、日曜日でもやんちゃに、深夜まで飲んだけど、さすがにもうボクは高齢者だから(苦笑)、やや早めに離脱というわけで。こちらのみなさんも今日は感謝。また遊ぼうね!

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みさとこどもまつり2013

945155_529807100413373_1366048443_n970774_529807260413357_895741219_n934153_529822510411832_503458985_n260266_529822753745141_214449665_n970879_529833920410691_1998296708_n 今年のこどもまつりは27回目。何度も書いているのだろうけど、9回目からかかわっている。長いなあ。規模も小さくなったけどだけど、ことしは野外でやって、想像を超えるぐらいいっぱいの人が来た。楽しかった。めちゃくちゃ準備不足だけど、かんとかやっつけてやってしまうところが恐ろしい。子どもの生活の中心の学校がずいぶん地域から離れてしまったなかで、もともと地域の学童保育からはじまったまつりが民営学童がなくなって3年ほどたっても、まあ、はんぶん意地で?続いている。手作りのおまつり。たぶんそういう遊びや、みんなでこどもととりくむ場がすっかりなくなったからなんだろう。たくさんの親子がやってきて、こどもたちがやってきて、一時の楽しい時間。
 だけど、ほんとうは、もっと日常的に子どものことを考える運動ができればいいのだけれども。みんな忙しいから、このときだけやっているのだけれども、もっとそんなとりくみが、そしてもっといろいろある子どもの問題に光をあてれるような運動ができればいいんだけど。とりくんで、ああ中途半端だなあって、毎年思うけど。まあそれでも続ける。もっといろんなことができればいいんだけどなあ。子どもといろいろいっしょに遊んでいる親子が主人公になれるような運動がつくれればいいんだけどなあ。もどかしいけど。でも、ほんとうにたくさんの人が来てくれた。そんなイベントを簡単にやってしまう仲間もすごいけど。ほんとうに今日はおつかれさま。

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2013/05/18

後藤道夫さん退職記念講演会「新福祉国家構想と社会主義」

T46tr 朝から列車事故があったり、なかなかあわただしい1日です。ちょっと、今日は必死で、企画を考えたりです。問題意識は結構、深まっているような感じですがね。ただ、政治がどのように動いていくのかです。
 今日、夕方は、表題の講演会。尊敬する後藤さんの記念講演です。ボクも3回ぐらいいっしょに仕事をさせていただいています。体系的に後藤さんが考えてきたことを聞けたのはすごくよかった。以下、おおざっぱな感想。
 何よりも後藤さんは「帝国主義論」にいっかんしてこだわる。それがなぜかということから話がはじまる。そのうえで後藤流の帝国主義の段階の規定。これはユニーク。イギリス型自由貿易帝国主義、列強帝国主義、アメリカ型自由貿易帝国主義、多国籍企業型帝国主義。そのなかで従来の帝国主義との違いを明らかにする。それを大衆社会統合という後藤さんらしい視点で分析する。ここからは、まったくボク個人の見解だけど、ボクは現代社会を理解するうえで、さらには現代資本主義を理解するうえでも上部構造の独自の構造分析が相当必要だと考えている。そのうえでも、後藤さんの指摘は刺激的だし、問題提起はおもしろい。
 資本による国民統合をめざした大衆社会が、現代の帝国主義段階で収縮期に入って、その対抗戦略としての新しい福祉社会の提起。さらに、その新福祉社会がかつての社会主義建設の欠陥、市場のコントロールの条件をつくるというような話かな。
 最後のほうを、地域の用事でどうしても抜けなければならなかったのがちょっと残念。では、資本の原理的な運動形態と帝国主義の変容の関係は。後藤さんの社会主義論と、それとの関係は。マルクスについては哲学的な接近が基本で、資本論の核心点との関係は? このあたりがほんとうは知りたいところであったりしたのだけれども。今日の話はぜひ活字にしてほしいなあ。某出版社の編集者の来ていたけどねえ(笑い)。くそ、最後までいたかったなあ。

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元慰安婦:橋下氏と面会予定の吉さん、「暴言」と批判

 収拾がつかない状況のこの問題。だけど…。

元慰安婦:橋下氏と面会予定の吉さん、「暴言」と批判(毎日新聞)

 旧日本軍の従軍慰安婦だった韓国人女性、吉元玉(キル・ウォノク)さん(84)が18日、広島県福山市の集会で講演し、日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が従軍慰安婦制度を「当時は必要だった」と述べたことについて、「過去の過ちを認めて謝罪できないまでも、暴言を吐いてはいけない」と批判した。
 市民団体「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」の招待で来日した。吉さんは日本の植民地だった朝鮮で生まれ、11歳だった1940年から旧日本軍の慰安所で兵士の相手をさせられたという。終戦後に解放されたが、南北分断で北朝鮮になった故郷には戻れないまま、韓国で暮らしている。99年に韓国政府に慰安婦だったことを申告。以来、国内外で自身の経験を証言する活動を行っている。
 この日、集まった市民約50人を前に、吉さんは橋下氏の一連の発言について「被害に遭った人間はまだ生きているのに、ひどい言葉を言われ、聞くに堪えない。過ちはきちんと謝罪すべきなのに、逆に人の心をこんなにも痛くさせている」と話した。さらに「暴言に腹が立つ思いもあるが、それ以上に、若い人に慰安婦の事実を知ってもらい、私たちのような経験をする人がもう生まれない平和な世の中を作っていってほしい」と訴えた。
 吉さんは、元慰安婦の金福童(キムポットン)さん(87)とともに、広島市で19日、岡山市で23日にある証言集会で話をし、24日に大阪市役所で橋下氏に面会する予定。

 24日に橋下さんと面会かあ。橋下さんのことだから。いうことは想像できるけど。だから、ちょっと怖い感じ。うーーーん。

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民間投資70兆円に拡大…首相が成長戦略第2弾

 日本を大企業が世界でいちばん活動しやすくする、みたいなことを総選挙のときに自民党は政権公約にたしかに掲げていたけど、成長戦略ってほんとうにそういう内容になっている。

民間投資70兆円に拡大…首相が成長戦略第2弾(読売新聞)

 安倍首相は17日、東京都内で講演し、成長戦略の第2弾を発表した。
 今後3年間を「集中投資促進期間」と位置付け、税制・金融面などで「あらゆる施策を総動員する」と強調、従来の地域別とは異なる企業別の新たな特区制度の創設などを打ち出した。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加を控え、「農業・農村の所得倍増」の目標も掲げた。6月にまとめる政府の成長戦略に盛り込む。
 首相は先月19日に、女性の社会進出や医療産業の育成を柱とした成長戦略を発表しており、今回の講演は「成長戦略第2弾スピーチ」と位置づけられた。
 民間の設備投資を現在の年間63兆円から70兆円規模に増やす目標を掲げ、「新たなイノベーション(技術革新)に挑み続ける『モルモット精神』を持つ企業に大きなチャンスをつくる」と強調した。具体策としては、個別企業が求める規制緩和策を特例で認める「企業実証特例制度(仮称)」の創設を表明した。
 また、日本の農産物・食品の輸出額を2012年の4500億円から20年に1兆円に倍増するとし、「水産物であれば、ブリやサバ。東南アジアやEUなどで需要を開拓する余地がある」と訴えた。重点品目と輸出先としての重点国・地域を絞り、迅速な衛生証明書発給体制の構築などを図る戦略だ。農業強化策として、都道府県に新設する「農地中間管理機構(仮称)」が農地を借り受け、基盤整備をしたうえで法人などに貸し出す仕組みの創設を掲げたほか、「儲もうかる農業開拓ファンド」(首相)の展開、活用を通じ、農林水産業を成長産業に変えていく新たなアイデアや取り組みを支援していくとした。

 最初の成長戦略では、女性と若者対策を掲げ、いまその対策がすすんでいる。だけど、それは女性と若者を企業のためにいかに使いやすくするのかという視点が色濃い。今度もそうだ。世界に大企業が出ていくということがメイン。そのなかで、注目するのが大学。ここまで、大学の教育を大企業の人材養成を主眼にするのかと驚く。

 これがその講演。

 ここまで露骨な言葉が使われていても、うーん、これへの批判的な視点はまだ社会のなかで、共有されているわけではないわけで…。
 よし、よくよく考えるのが仕事だな。これは、大事なこれからの大きな仕事です、

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2013/05/17

西村氏「韓国人売春婦うようよ」 維新・衆院議員、直後に撤回

 なんだこれは。

西村氏「韓国人売春婦うようよ」 維新・衆院議員、直後に撤回(共同通信)

 日本維新の会国会議員団の西村真悟衆院議員は17日の党代議士会で、共同代表の橋下徹大阪市長の従軍慰安婦発言に関連し「日本には韓国人の売春婦がうようよいる」と発言した。その後の記者会見で「韓国と国名を挙げたのは不穏当だった」として発言を撤回した。日本維新は橋下氏発言の沈静化に努めているが、所属議員による再度の問題発言として批判されそうだ。
 西村氏は、従軍慰安婦発言をめぐる海外報道に関し「従軍慰安婦がセックス・スレイブ(性奴隷)に転換されている。これが国際的に広がれば、謀略が成功しかねない」と強調。その上で「反撃に転じた方がよい」と述べた。

 人を侮蔑し、傷つけることだけを目的にしたような発言だな。論評の価値もない。
 だけど、安倍さんの発言があって、高市さんの発言がある。それを橋下さん発言が助ける。そこで、橋下さんが窮地におちいると、今度はこの発言。その過程で、発言はどんどん酷くなっていくという構図。これが、政治というのが何とも言えないなあ。

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首相、9条改正に意欲…米誌インタビュー

 これを読んで、アメリカではどういう反応があるのだろうか?

首相、9条改正に意欲…米誌インタビュー(読売新聞)

 安倍首相が米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」のインタビューで、憲法9条を改正し、自衛隊を「国防軍」と明記する必要性を強調したことが17日、分かった。
 また、「日本が過去にアジアの多くの国に与えた大変な苦しみと損害について深い後悔の気持ちを表明している」と強調した。
 インタビューは11日、同誌のジョナサン・テッパーマン副編集長が東京で行った。17日に電子版で公開され、6月下旬発売の7・8月号にも巻頭で掲載される。同誌は各国の知識層や政策担当者に影響力がある。
 首相は憲法9条の改正について「自国防衛の組織を軍と呼んでいない世界で唯一の国だ。自衛隊を国防軍と規定すべきだ」と述べたが、「我々はこの問題を慎重なやり方で提起しなければならない」とも指摘した。
 また、集団的自衛権の行使が可能となっても、「ほかの国と同じ立場に日本がなるだけだ」と語った。

 戦後の国際社会の原則を否定するような発言を繰り返したうえでの、この発言…。
 そして、日本の侵略戦争や植民地支配への反省をふみにじるような発言をして、ほかの国と同じ立場にという欺瞞。うーんうーん。

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自民、敵基地攻撃能力の保持検討 新防衛計画大綱の提言骨子案

 ニュースをクリップ。

自民、敵基地攻撃能力の保持検討 新防衛計画大綱の提言骨子案(共同通信)

 自民党は17日、国防部会・安全保障調査会の合同会議で、政府が今年新たに策定する長期的な防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」に向けた提言の骨子案を示した。北朝鮮の核・ミサイル開発を踏まえ、敵基地攻撃能力の保持を検討するよう主張。中国の海洋進出を念頭に、離島防衛の強化も打ち出した。月内に正式決定し、政府へ提出する。
 岩屋毅安全保障調査会長は会議で「自民党がこの国を守る決意を示しながら、参院選で信を問う」と述べた。
 骨子案は北朝鮮の脅威を念頭に、海上配備型迎撃ミサイル搭載のイージス艦を含め、ミサイル防衛)のための効果的な部隊配備、運用態勢の構築を図るべきだと明記した。

 時事通信の配信の提言概要はこれ。
 集団的自衛権という言葉は、概要にはないけれども、どうなんだろう。「日米防衛協力の指針(ガイドライン)見直し」ということで具体化されていくのだろうか。日米の軍事一体化と日本の役割の増大がすすみそうな文面かな。同時に、相当、自民党のなかで主導的に軍事的に傾斜していくような姿勢も垣間見えるなあ。「自主憲法制定と国防軍設置▽国家安全保障基本法制定▽日本版NSC(国家安全保障会議)設立▽秘密保護法制定▽国防基本方針見直し▽防衛省改革」からはじまって、「新たな防衛力の構築=強靱(きょうじん)な機動的防衛力」というスローガンのもと、「隙間のない事態対応▽統合運用強化=陸上総隊設置検討▽防衛駐在官増強▽島しょ防衛強化▽敵基地攻撃能力保持検討▽テロ・ゲリラへの実効的対処▽在外邦人輸送能力強化自衛隊の人員・装備・予算の大幅拡充▽諸外国並みの防衛費確保自衛隊の人員・装備・予算の大幅拡充▽諸外国並みの防衛費確保」など目白押し。自衛隊が変わるという印象。

 同時に、今日はこういうニュースもあった。
12年度の自殺自衛官79人=政府答弁書(時事通信)
 判明している自殺原因は、精神疾患等29人、家庭問題13人、借財8人、職務5人、病苦4人、その他8人だったそうだ。過去との比較の資料がないのでよくわからないけれども、戦場に近くなった自衛隊の現状をいろいろな形で反映しているようにも思える。うーん。

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2013/05/16

どうなる「いじめ対策法」 与・野党案まとまる

 昨日のニュースだけど。

どうなる「いじめ対策法」 与・野党案まとまる(朝日新聞)

 いじめ対策法の今国会での成立をめざし、民主、生活、社民の野党3党が法案を参議院に出した。自民、公明の与党もすでに法案をまとめ、近く提出する。それぞれの法案を、大津市でいじめを受けた中2男子が自殺した事件の第三者調査委員会(横山巌委員長)の委員3人が読み比べた。
 両法案とも、いじめの対象を子どもに限定し、文部科学省、地方自治体、学校に対し、いじめ対策の方針や計画をそれぞれ作るよう求めている。
 相談窓口を学校などに設けることも明記。防止に向け、道徳教育や体験活動の充実を挙げる。いじめを把握したら、被害者の保護者と情報を共有し、いじめが犯罪にあたるような場合、警察への通報を義務づけている点も共通している。
 与党案では、(1)保護者の責務を明確化(2)加害者への指導(3)教育委員会の役割を示した記述が少ない――などが特徴だ。
 (1)では、国や地方、学校や教職員と同様に、「保護者」の項目を設け、子どもに「必要な指導を行う」と規定。(2)では、「懲戒」「出席停止」など具体的な措置を明示している。
 (3)では、例えば「地方いじめ防止基本方針」の策定主体や「対策連絡協議会」の設置者を教委でなく、地方自治体としている。
 一方、野党案は、文科省や都道府県に「協議会」、教委や学校に「対策委員会」など、組織を多く作ったことが特徴だ。委員会には、保護者や地域住民らも参加させる。学校や教委には、いじめ対策の役職を新設。教員らの資質の向上にも言及している。…

 大津の調査委員の三氏がコメントしている。
 和歌山大教授・松浦善満さんは「いじめを解決するのは、教職員、保護者、子どもらあくまで当事者だ。法律をつくるなら、彼らを支えるために、教員やスクールカウンセラーを増やすなど条件整備に徹するべきである。…実際の教室では、いじめは学級崩壊、暴力と三位一体で進んでいる。学級の規律が乱れ、暴力が広がるなか、いじめが見えにくくなり、被害者が無力感を抱いて死を選ぶ。その構図は大津の事件にもあてはまる。問題は子どもの関係性。いじめを誘発する空間全体を変えなければならないのに、いじめだけを取り出して対症療法を施しても、決して有効ではない。与党案は厳罰主義で、古典的な発想だ。管理的な指導でかえって問題行動が生まれやすくなるのは、1980年代の校内暴力の時代に経験済みではないか。…朝、お茶を入れても飲む時間がなく、夕方まで冷めたままになっている職員室。子どものことを話し合う余裕もない教師集団。大津の中学校もそんな現場だった。学校が元気ではないのに、いくら外からカツを入れても事件は防げない」
 教育評論家・尾木直樹さんは「立法化はぜひ必要だ」としながら、「昔からの精神主義・厳罰化路線のまま。今は、いじめの加害者、被害者がどんどん入れ替わる。学校の文化を土台から変えなければ解決できない。いじめの要因は、いじめる子自身が学校や家庭でストレスを抱えている場合もあり複雑だ。道徳教育で規範意識を高めてすむ話ではない。大津の中学校は道徳教育のモデル校だったが、現に事件を防げなかった」
 弁護士・横山巌さんは、「大津市の第三者調査委員会ができたのは、事件から10カ月後。…なるべく早い段階で、学校や教育委員会と離れた第三者委をつくった方がいい。…第三者委の調査には、ある程度、強制力が働く方がいい。大津市の第三者委では、裁判が進行中であることを理由に開示されない部分があった。教委と学校が持っている証拠をすべて開示するくらいの協力態勢があってもいい。…与党案では、教委の責務がはっきりしない。地方公共団体の責務はうたっているが、教委についての記述がほとんどない。首長と教委の関係が議論されている今だからこそ、教委の役割を明確にするべきだった」など、

 自公の法案は次のようなもの。
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国立大進学にも親の所得差くっきり 06年調査から一転

 今日の新聞からクリップ。この数年間で、格差と貧困がすすんでいる証左。

国立大進学にも親の所得差くっきり 06年調査から一転(朝日新聞)

 経済格差の影響が、授業料が比較的安い国公立大への進学にも及び始めている――。そんな実態が、東京大の研究者らの調査で浮かび上がった。年収400万円以下の低所得層と1050万円以上の高所得層では、子どもの国公立大進学率に3倍近い差があった。2006年の調査時にはなかった傾向だ。
 今回の調査は、昨春、高校を卒業した子どもの保護者が対象。1064人が回答した。
 国公立大進学率は、400万円以下の低所得層が7・4%。所得階層が上がるほど進学率も上がり、1050万円以上の高所得層では20・4%となった。私立大はそれぞれ20・5%と42・5%だった。
 06年の同種調査では、私立大では同じ傾向が出ていたが、国公立大はそれぞれ9・1%と11・9%で、あまり差がなかった。国公立大の年間授業料の平均額は約54万円(11年度)で、私立大の約86万円より安い。研究班は06年の状況について「国公立大は低所得層への高等教育の機会の提供というミッションを果たしていた」と評価。今回の結果は、「教育機会の格差拡大を示唆している」と結論づけた。…

 調査をおこなったのは小林雅之東大教授。小林教授には、いっしょに仕事をさせてもらったことがあるし、お世話になっている。小林さんは「09年以降に雇用情勢が悪化したことで、高所得層でも国公立志向が強まり、その分、低所得層が入学しにくくなっているのではないか」と分析している。調査はさらに、保護者が子どもの成績を「上位」と評価している場合の4年制大学への進学率も調べている。06年は低所得層が67%、高所得層は72・9%だったが、12年はそれぞれ53・3%と76・9%で、低所得層での落ち込みが目立つというのだ。つまり、「わが子は成績がいい」と考えていても、大学に入れるための経済的な余裕がなくなってきている可能性があるというのだ。「低所得層の進学が困難になってきていることが、明らかになった。給付型奨学金の創設など学生支援を充実させることが重要だ」と。子どもの貧困対策法が話題になっているが、ほんとうに実効性のある教育政策をとらないといけないのだ。
 詳細な調査結果は知りたいなあ。

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同胞(はらから)

Cap05011111 山田洋次監督の作品のなかで、いちばん思い入れがある作品が何かと問われれば、この作品をあげる。物語は「岩手山の北麓、八幡平に広がる松尾村。高志(寺尾)はこの過疎村の青年会会長だった。ある日、東京からひとりの女性が彼のもとを訪れる。彼女の名前は河野秀子(倍賞)。この村で統一劇場による”ミュージカル・ふるさと”の公演を開いてほしいというのだ。しかも青年会の主催で。青年会の意見は大反対。が、高志の熱意によって賛同者は増え、ついに総会で公演主催が決定する。幾度となく中止の瀬戸際にたちながら、団結した若い力はとうとう公演当日を迎える」。
 はじめてみたのは18,19歳ごろだろうか? ボクは、この映画を、ある団体のイベントで自主上映をした。そんな思い出のある作品。ある意味で、原点みたいな映画でもある、今日、ほんとうに久しぶりにこの映画を見た。若い頃の寂しさ、何かをなしえないもどかしい思い、切ないほのかな思い、どこまでも自分に自信をもてない苦しさ。だけど、夢中になりたかった。そんな思いがよみがえってきた。
 もう1つ、その時代、高度成長時代から田中角栄の時代に、捨て去られる農村が舞台。ボクらが生きてきた時代とは何だったのか。それが今に何を問いかけているのか。そのことをちゃんと考えるできだと思った。

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2013/05/15

橋下氏、慰安婦発言で釈明 「必要だと一切言ってない」

 今日もこの話題でもちきりだ。さて、月刊誌はどう出る?

橋下氏、慰安婦発言で釈明 「必要だと一切言ってない」(朝日新聞)

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は15日、戦時中の旧日本軍慰安婦は必要だったとした自らの発言について「(慰安婦制度が)いま必要だなんていうことは一切言っていない」「制度を問題がなかったなんて一言も言っていない」と釈明した。慰安婦の存在自体を容認していると国内外で批判が強まったため、戦時中の状況を説明したとして、沈静化を図ったものだ。大阪市役所で記者団に語った。
 安倍首相は15日の参院予算委員会で橋下氏の一連の発言に「私の、または安倍内閣、あるいは自民党の立場とはまったく違う発言だ」と答弁した。橋下氏は「立場が違うのはありがたい話。日韓基本条約で法的にすべて解決しているということの方が慰安婦を傷つけている。慰安婦の方がどれだけ大変な苦痛を味わってきたか、大変不幸な過去を背負ってきたのか、配慮すべきだと言い続けている」と反論した。
 橋下氏は戦時中の慰安婦についても「日本の行為を正当化するつもりはない」と釈明する一方、「第2次大戦当時、世界各国が同じようなことをやっていたのに、なぜ日本だけが特別な批判を受けるかを考えなければならない」と主張した。沖縄で米軍普天間飛行場の司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と進言したことについては「米兵の性犯罪は一番沖縄県民の機微に触れるところ。米兵の性的エネルギーをコントロールすることに本気になってほしいと言った」と説明した。…

 うーん。結局この人は何も認めないんよなあ。立論の1つ。強制的につれて来たことはなく、それが非難されるのはまちがっているというが、非難されているのは奴隷的な状況で強いられたということ。しかも、それを強制的につれてこられた事実などいくらでも明らかにされている。東京裁判でも、日本の裁判所の認定でも枚挙にいとまはない。世界にあったことという、それはたしかに事実だけど、これだけ組織的に、大規模に、残虐におこなわれた例はない。そもそも、世界は、戦後の歴史のなかの、現在起こっていることも含め、そういう集団的なレイプについての痛苦な反省を積み重ねてきているではないのか!
 後段の性風俗の問題などほんとうに論外。人権をまもるたたかいは、ほんとうに長いたたかいだ。現実にさまざまな葛藤が積み重なり、女性の人権を現実のものにしようとしている営みがある。そんなことに無関心で、無頓着な人が、日頃から”道徳”の大事さをとく滑稽さを自覚しようともしない。自分の道徳が、教化と押しつけ以外何ものでもないことの証左でもあるのに…。

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敦賀原発2号機直下に「活断層」 規制委報告、廃炉必至

 大きなニュースなのでクリップしておく。

敦賀原発2号機直下に「活断層」 規制委報告、廃炉必至(共同通信)

 原子力規制委員会の調査団は15日、日本原子力発電敦賀原発(福井県)の敷地内断層に関する評価会合を開き、「2号機直下の破砕帯は、耐震設計上考慮する活断層である」とする報告書を取りまとめた。
 国は活断層上に原子炉建屋など重要施設の設置を認めていない。報告書を踏まえ、規制委は早ければ22日の定例会合で今後の対応を議論するが、活断層なら2号機の運転再開は認めない方針。原電が活断層を否定する新証拠を示さない限り、廃炉は避けられそうにない。
 団長役の島崎邦彦委員長代理は「これまで何の事故もなかったのは幸いと思うしかない」と述べた。

 これがその報告書(案)。
 大きく廃炉への一歩を踏み出す局面にきたのだ。

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ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて

406217112009lzzzzzzz もうずいぶん前に買っていて、パラパラと眺めてほおっておいた本。この間のヘイトスピーチの問題もあり、ちゃんと読まなければと思って、もう一度手にとって見た。
 この間のヘイトスピーチの問題を、ボクはやっかいな問題だなあと感じていた。もちろんレイシズムの立場を全面に出した、ああした行動は決してゆるされないし、そのことを正面から批判しなければいけない。そして、そういう攻撃の対象とされた人たちとの連帯というのは、決定的に重要な時期に来ている。だけど、やっかいだと思うもう1つの問題は、そうした背景にある時代のいわば「気分」だ。そんな問題もふくめ、ていねいに取材している。そこで、わかるのは、在特会など彼らは決して、理解されること、支持されることなの何ものぞんでいないのだと。一方で、時代の「気分」は確実に形成されている。それは一体何なのか。
 この本では、在特会からの支持者の離反は相次ぎ決して支持が大きく広がることはないことを明らかにしている。だけど、なぜ在特会なのか。この点について、求めるのは絆であり、承認欲求であり、そして格差と貧困の広がりの中での特権的な政治社会へ憤りだと言う。それをよびさますネット社会のありようにも注目している。たぶん、それは半分あたっている。だけど、ボクは読んでいて、もう少し長いスパンでの政治や社会の変容をダブらせながら考える必要も感じた。時代の「気分」の変化はいつからはじまったのだろうか。おそらく80年前後から、少しずつその歩みをはじめていたのではないのか。そこから考えるべきことは、より重層的でより多面的な課題があるようにも感じる。その時代を生きていた人間として。
 いま、いろいろなことが起こっている。政治意識も流動化しているが、その流動化のなかで、もどかしい枠組みみたいなものも感じていることは事実。そういうなかで、本来掲げるべき「進歩」だとか、「人権」とかいうものが、あたりまえのように息を吹き返すというか、新しい社会のイメージとして浮上するには、いま何が問題なのか。もちろん今起こっている人権の侵害に正面からたちむかうことだ。そしてそれを分厚い社会の共通認識にすること。だけどそのためには、この本でも描かれているような、現場にただよっている「生きづらさ」みたいなものから出発して、答えをみつけることもまた、たぶん必要なんだと思った次第だけど。

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違法な「水際作戦」を合法化し、親族の扶養を事実上生活保護の要件とする 「生活保護法改正法案」の撤回・廃案を求める緊急声明

 生活保護問題対策全国会議が、表題の緊急声明を発表し、今日、記者会見をしている。

 Page001_20130515011016 まずは、その内容を漫画化したチラシが左の写真だ。


 そして声明文。

違法な「水際作戦」を合法化し、親族の扶養を事実上生活保護の要件とする「生活保護法改正法案」の撤回・廃案を求める緊急声明                     

                           生活保護問題対策全国会議
                           (代表幹事 弁護士 尾藤廣喜)

第1 はじめに
 現在,国会において審議されている平成25年度予算案では,「生活保護制度の見直し」によって450億円の財政効果を果たすとしていた。そして,いよいよ自民党厚生労働部会は,本年5月10日,生活保護法改正法案(以下,「改正法案」という。)等を了承し,政府は,これを受け,増え続ける保護費を抑制する狙いで,今国会での成立を目指していると報道されている。
 しかしながら,本改正法案は,これまで違法とされてきた「水際作戦」を合法化・法制化し,保護の要件ではない扶養義務者の扶養を事実上保護の要件化するという,現行生活保護法の根本を前近代的復古的内容に変更する驚愕すべき内容を含んでいる。
これらの内容は,生活保護制度の見直しについて諮問されていた社会保障審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」の報告書にも全く触れられておらず,これまで議論の対象にさえなっていない。
 しかも,配布されているポンチ絵や法律案要綱にも,全く触れられておらず,こっそりと隠されている。
 わが国の生活保護の利用率,捕捉率は,ただでさえ先進国中で異常に低い状況にあるが,仮に,本改正法案が成立し施行されることとなれば,より一層,生活保護を必要とする生活困窮者が生活保護を利用できなくなり,餓死者,自殺者,親族間殺人等の犯罪の多発という戦慄すべき事態を招くことが必至である。
 本改正法案は,何としても廃案とされなければならない。……

 会のブログには、今日の記者会見の資料もアップされている。
①"声明別紙「保護申請権侵害による餓死、衰弱死等の主な被害事例」 
②書類の添付の必要性等を理由として行われた「水際作戦」の実例
③生活保護法改正法案条文新旧対照表(一部)
④扶養義務と生活保護制度の関係の正しい理解と冷静な議論のために〔概略版〕
⑤日弁連チラシ「あなたの暮らしも危ない?誰が得する?生活保護基準引き下げ」

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アルマジロ~アフガン前線基地の7か月~

 BSの世界のドキュメンタリーでやっていた。後編だけ、思わず見てしまった。

04 兵役のあるデンマークでは、すべての男子が9ヶ月間の軍務に就く。取材チームはアフガニスタンへ派遣されることになった若者に焦点を合わせる。
 若者たちは1ヶ月の訓練期間を経て“アルマジロ”へ。アルマジロはアフガニスタンの前線に置かれた対タリバンの前線基地だ。ISAF(国際治安支援部隊)としてデンマーク軍とイギリス軍が共同で運営している。アルマジロの周辺では、一見、平和な農村の日常が続き、部隊は毎日、そうした村々をパトロールする。タリバンの影響が及ばないように監視するのが任務だ。
 ある日、いつものように巡回を始めた部隊に砲撃が加えられる。装甲車も加わり戦闘となるが、タリバンの姿は確認できない。「無事か?応答を!」とアルマジロからの無線に、「一人負傷。脈はあるが呼吸が困難」との連絡が。そして、また一人が重傷を負い、本国に送り返された。 平和な都市生活から緊張を強いられる要塞での軍務。ギャップは大きい。PTSDとなり、戦闘不能になる兵士も珍しくない。7ヶ月後、若者達は帰国する。二度と軍務にはつかないと言う者、正式に軍隊に入りもう一度アルマジロに行くと宣言する者、反応は様々だ。
 戦争とは何なのか。そして、命、平和の意味とは?カメラは問いかける。

 後半の戦闘から、その後。極言の状態。そして、敵を人とも思わない行動、異様な興奮。転がる死体。成果を自慢しあう……。ああ、これが戦場か。そして、「この現場のことは自分たちにしかわからない」と。衝撃的なシーンが続く。
 戦争の現実から、戦争とは何なのかを問いかける。ほんとうに根源的。「この現場のことは自分たちにしかわからない」という閉鎖的な論理が、さまざまなことをあいまいにする。「慰安婦」問題にも似たところがある。それだけに、ボクらが積み上げてきた「平和」の論理や法理の意味も考えさせられる。

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2013/05/14

特別支援学校の教室不足に対策を

 うちの雑誌でもとりあげたのですけど。大事なニュースです。

特別支援学校の教室不足に対策を(NHKニュース)

 障害がある子どもが通う特別支援学校の児童や生徒が急増し、教室不足が深刻になっているとして、保護者や学校の教員たちが国に早急な対策を求める署名活動を始めました。
 JR横浜駅前で行われた署名活動には、特別支援学校に通う子どもの保護者や教職員が参加しました。
 特別支援学校は、この10年間で児童や生徒の数が3万5000人、率にして40%も増えた一方、学校の数はおよそ70校、7%の増加にとどまっています。
 このため、教室が足りない学校が相次ぎ、一つの教室をカーテンで仕切って使ったり、図書室や音楽室をなくしたりして対応しています。
 参加した保護者たちは、過密化で学ぶ環境が悪化しているとして、国に対し、教室不足を早急に解消してほしいと訴えました。
 また、小学校や中学校、それに高校には、広さや設備などの基準がありますが、特別支援学校にはそうした基準はありません。
 参加した人たちは基準がないことが過密化の問題につながったとして、特別支援学校にも基準を作り、施設の整備を進めてほしいと訴え、集まった人たちが次々と署名に応じていました。
 署名活動を行ったグループの鳥居順子さんは、「障害がある子どもたちの学ぶ環境は危機的な状況です。きちんとした基準を作り、環境を整えて教室不足を解消してほしい」と話しています。
 グループでは、全国で集めた署名を、来月国に提出し、教室不足の解消と設置基準の策定を働きかけることにしています。

 大規模化の問題の背景には、特別支援学校には設置基準がないことです。2010年12月に全国の大学等の特別支援教育研究者141名が発表した「<国民の皆さんへの緊急アピール>知的障害特別支援学校大規模化の現状を憂える~適正化のための「基準」を~」においても、「大規模化が止まらず、特別支援学校の教育環境の整備が追いつかない背景の最大のものは、学校の適正規模についての全国的な基準がない、設備教育条件についての基準を示す特別支援学校設置基準がないことである」「小・中・高校の「設置基準」がありながら、未だに特別支援学校の「基準」がないままに放置されていることは、障害のある子どもたちに対する差別であり、特別支援教育軽視と非難されても弁解の余地はなかろう」と指摘されています(http://www.shinsyokyoso.org/sitetheme/kennkyuushaapi-ru.pdf
 ぜひ、署名にご協力を!
 また、20日の「おはよう日本」でも、東京の特別支援学校、神奈川の特別支援学校分教室の様子とあわせてこの問題がとりあげられるそうです。ぜひ広げましょう!

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生活保護「心苦しく」辞退、心中図る 母殺害の娘の初公判 札幌地裁

 こんな事件があったのか。

生活保護「心苦しく」辞退、心中図る 母殺害の娘の初公判 札幌地裁(産経新聞)

 生活苦から心中を図り、母親=当時(70)=を殺害したとして、承諾殺人罪に問われた、無職、大沢久美子被告(42)の初公判が14日、札幌地裁(佐伯恒治裁判官)で開かれ、大沢被告は起訴内容を認めた。検察側は懲役3年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求め結審した。判決は16日。
 検察側の冒頭陳述によると、2人は平成18年9月ごろから生活保護を受けていたが、23年4月に辞退した。100万円の貯金が24年5月に底を突き、大沢被告は病気の母親から「おしまいにしよう」と持ち掛けられ、心中を決意した。
 受給をやめた理由について大沢被告は被告人質問で「ハローワークに通ったが仕事が見つからず、お金だけもらうのが心苦しかった」と述べた。
 検察側は論告で「生活保護を再受給することもできた」と指摘した。弁護側は最終弁論で「辞退は悩んだ末の結論」と情状酌量を訴えた。

 だれもが使いやすい制度にしないと、スティグマが大きな壁になる。だけど、政権与党はそれとはまったくちがう改正案をだそうとしている。扶養者の資産までも報告させ、罰則を強化する。違法だった「水際作戦」を合法化して法制化するというえるような内容だ。困難をかかえた人を追い込み、こんな事件、悲劇を拡大するつもりなのだろうか。
 これが、日本の現実。この事件を直視して、問題を考えなければいけないのに…。

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橋下氏「言うべき事は言わなければならない」

 今日も一日、インタビュー原稿と格闘。だけど、今日は職場でも、昨日の橋下発言でもちきちだった。

橋下氏「言うべき事は言わなければならない」(読売新聞)

 日本維新の会の橋下共同代表は14日、自らの簡易投稿サイト「ツイッター」で、いわゆる従軍慰安婦問題について、「国を挙げて韓国女性を拉致して強制的に売春させた事実の証拠がないことも厳然たる事実。世界が誤解しているなら、言うべき事は言わなければならない」との認識を改めて示した。
 沖縄の在日米軍幹部に風俗業の活用を働きかけたことについては、「法律違反のことをしろと言っているわけではない。米軍が、法律で認められた日本の風俗業を利用することは何ら問題はない」と述べた。

 橋下氏の言っていることには、目新しいことはない。こうした主張のやっかいなことは批判されたことなどは、まったく無視し、同じ議論をむしかえすことだ。事実誤認、問題のすり替えなどをくり返す。こちらは同じことはくり返さなければならなくなる。
 と、同時に、心配することがもう1つある。橋下さんの発言は、どう考えても、今日のような想定してのこととしか思えない。つまり彼にとって批判はたいして痛くもまない。ここで得をしているのは、政権内や与党幹部の発言に対する批判が、一気に橋下さんにむかったことだろうなあ。
 そして、もう1つ、気になるのは、社会全体がこのような発言にぶれない批判力があるときは、いいのだが。いまのような中国や韓国に対して敵対的な意識が広がっているときは、こうした発言の内容が、気分や雰囲気として広く残ってしまいかねない状況があることだ。となると、この問題を橋下さんへの批判にとどまらせるのではなく。ボクらの側でしっかりとした議論にし、社会認識の深まりにむすびつけていくことが必要なんだろうなあと。そこは、よく考えなきゃいけないことだろうなあ。

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2013/05/13

生活保護世帯の大学入学貯蓄容認 厚労省「貧困の連鎖」断つ

 子どもの貧困の問題はここのところ再び話題にはなっている。そこでこんな議論も出てくる。

生活保護世帯の大学入学貯蓄容認 厚労省「貧困の連鎖」断つ(共同通信)

 厚生労働省は13日、生活保護を受けている世帯が子どもの大学の入学金に充てるため、保護費を預貯金することを認める方針を固めた。近く都道府県などに通知する。将来の就労に役立つ進学を後押しすることで、自立できる環境を整え、親から子へとつながる「貧困の連鎖」を断ちたい考えだ。
 生活保護世帯の預貯金は制限されており、自立に役立たないもののために預貯金した場合、その分の保護費は支払われない。ただし高校進学に向けた学資保険などは「使用目的が生活保護の趣旨目的に反しない」として認められている。
 今回、入学金用の預貯金を認めるのは、就労に役立つ資格を取得できる大学、専修学校、各種学校。

 だけど、冷静に考えれば少ない保護費から貯蓄をするわけだから、生活費は抑制される。おまけに、保護費は抑制、削減がすすめられようとしている。「貧困の連鎖」を断つというのなら支援策そのものが検討されていいはずなんだけどなあ。だけど、数日前にきまった生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案を見ても、とにかく不正への罰則規定をたくさんつくったいり、扶養の問題を厳しくして、結局、生活保護の受給を抑制しようという狙いがありありだ。議論の出発点に、人権を保障するという視点がどこにもないというのが特徴なんだろうなと思う。そういう視点なしに、「貧困の連鎖」を断つと言ってもなあ。

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「慰安婦は必要だった」「侵略、反省とおわびを」橋下氏

 安倍さんの歴史観に国際的な批判が広がるなかで、橋下さんのこの発言にも驚く。

「慰安婦は必要だった」「侵略、反省とおわびを」橋下氏(朝日新聞)

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は13日、戦時中の旧日本軍慰安婦について「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と述べ、慰安婦は必要だったとの認識を示した。大阪市役所で記者団に語った。
 橋下氏は「当時の歴史を調べたら、日本国軍だけでなく、いろんな軍で(慰安婦を)活用していた」と指摘。そのうえで「なぜ日本の慰安婦だけが世界的に取り上げられるのか。日本は国をあげて強制的に慰安婦を拉致し、職業に就かせたと世界は非難している。だが、2007年の(第1次安倍内閣の)閣議決定では、そういう証拠がないとなっている」と述べ、「事実と違うことで日本国が不当に侮辱を受けていることにはしっかり主張しなければいけない」と語った。
 一方で「意に反して慰安婦になったのは戦争の悲劇の結果。戦争の責任は日本国にもある。慰安婦の方には優しい言葉をしっかりかけなければいけないし、優しい気持ちで接しなければいけない」とも語った。…

 もっとも、そもそも、日本軍「慰安婦」問題の経緯については、事実認識そのものがまちがっている。世界がなぜ批判しているのか、何が問われているのかについての違うし、証拠がなかったということも違う。そのうえに「必要だった」という発言。人権意識そのものが問われる。おまけに米軍普天間飛行場を視察した際、米軍幹部に対し、海兵隊員に風俗業者を活用させるよう求めたことを記者団に明らかにしたというのだから。
 発言には前段があって、侵略の定義をめぐって「敗戦の結果として、侵略だと受け止めないといけない」とか、安倍晋三首相が「侵略の定義は定まっていない」と主張している点については「学術上、定義がないのは安倍首相が言われているとおり」と述べている。国際社会への挑戦以外なにものでもない。

 だけど、なぜ、ここまで挑発的な発言を繰り返すのか。そもそも彼自身が、理解していないのか。それとも、わかっていて、政治的な効果をねらっての発言か?どちらにしても、日本の政治の混迷を象徴するような発言でもある。ひどい話である。

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自衛隊監視訴訟:元情報保全隊長「一般人も対象」

 かつてこの情報保全隊の存在が明らかになったとき、メディアは大きくとりあげた。憲兵政治の復活だとも比喩された。だけど、この間、メディアはほとんどとりあげなくなった。そうしたもとで、情報保全隊は自衛隊全体の組織への改編され、存在し続けている。そしてたたかいは続いている。

自衛隊監視訴訟:元情報保全隊長「一般人も対象」(毎日新聞)

 陸上自衛隊の情報保全隊が自衛隊イラク派遣反対の市民集会などを監視したのは憲法違反として、東北の住民が国に監視差し止めなどを求めた訴訟で、控訴審の口頭弁論が13日、仙台高裁(佐藤陽一裁判長)であった。保全隊の元隊長が初めて証人出廷し、同隊が一般市民も監視対象にしていたことを明らかにした。
 監視対象について、元隊長は「自衛隊の任務遂行に支障が出る可能性があるもの」と答え、イラクの実情を伝える写真展や労働組合の街宣なども「なり得る」と説明。対象の決め方については「守秘義務」を理由にいったん証言を拒否したが、佐藤裁判長から証言するよう促され、「私も含め部隊内で検討した」などと回答した。

 時代は、国民監視法制がどんどんつくられていく時代だ。それを当然視するかのような証言とも言えるのかもしれない。ここでは、問題がどこまで明らかとなっていくというのだろうか。絶対に明らかにしていかなければいけない問題であるはずだ。

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2013/05/12

母の日

Lfqk5 今日は、母の日。FBでも書いたけどだからって別に実家の母親に何もしない親不孝なボクです。
 同じように、子どもたちも何の連絡ももちろんありません。ところが今年は相方には彼女を東京の母と慕う後輩から贈り物が届いたようです。それが写真。
 まあ、息子たちのかわりに、今日はボクが夕食づくりを命じられましたが。で、つくったのは、まずは、サラダベースの前菜をいくつか。それから、トマトベースの野菜スープ。トマトとなすびのパスタ。で、キノコとチーズの煮込みハンバーグ。なかなかでしょう(笑い)。今日のは、なかなか味付けはよく、相方から80点もらいました。まあ、気分転換にする料理は好きですけど。

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どうする どうなる 教育委員会制度

Bwpnq 今日は、午前中チラシづくりをしていたら、データが飛んだり、散々な始まり。
 で午後から、高校問題研究委員会の公開研究会に参加。教育再生の流れの中で教育委員会の改革が問題となっている。まずは、ずっとこの問題を研究されていた三上昭彦さんの報告。いかの改革のポイントとして首長・教育長主導、教委の諮問機関化、同時に国の指揮監督体制の強化を指摘された。しかしそれは手段で、めざしているもの、中心は基本政策分科会が言っている教育全体をどう変えていくのか、つまり基本法制の再編。グローバル化のもとでの人材の養成にあると。
 歴史的には2回目とも3回目とも言えるの廃止論。52年にいっせいに市町村レベルまで設置された教育委員会だけけど、このころから再編の議論、廃止論もだされ、結果として56年任命制にかわった。この点については制度を残したという評価も最近はあり議論の焦点になっている。
 2003年 小沢自由党 廃止の法案上程→民主党日本国教育基本法案での廃止論を明確にしさらにマグナカルタで、こうした流れの中で自民党の側も廃止論をかかげてきた。
 こういうふうに歴史をふり返ると、戦後の教育の民主化は制度論的にも未完の課題だと言えるのかもしれない。それだけに、戦後改革のなかでめざされていたもの。教育委員会法の趣旨、「教育委員会法のしおり」や教育委員会法設置の手引きなどに掲げられたものがなんであったのかを踏まえながら、つまり大学区庁構想など教育者の自律性・自主性をめざした流れとこれに対し、教育委員会法制度という住民による統制などの議論をしっかり踏まえながら、同時に、この社会と教育の変容の中に、いま考えるべきことは何かを考えなければいけないのだろうなあ。
 
 シンポはまずいま美浦村の教育長をしている門脇さん。筑波大学の先生だった人。「いまのような制度の改革をしてもプラスの効果は期待できない。マイナスに。ガタガタになる」と。2年間どんなことをやってきたのか?0歳から90歳まで、社会力を育てる。人が人とつながって社会をつくる。ノーテレビ、ノーゲーム運動。98%認知。64%がやっている。家庭学習の定着とセットで。選書会。体育館に本をもってきて子どもが選んで図書館に。幼稚園、保護者が知恵を出し、思いっきり遊べるところに改装。スーパー教育長のとりくみはすごい。ここで教育長の専門性を考えさせられる。
 続いて東村山の教育委員の小関さん。もともと学校現場の管理職をやっていた方。彼女は、委員になって。事務局を教育委員会ととらえてやってきたなあと。教育委員さんとは深いかかわりがなかった。実は、事務局の機動性や体制に深い関わりがあったど。教育委員、名誉職とかではなく、臨時会、機動性もあり。早い時期に議題や資料も送られ、きちんと読み込んで参加する。決して形式的ではない。膨張も毎回6、7人は必ずいる。議事録も公開されている。時間がかかる。素人教育委員のよさもわかる。教育についてまったくの素人だけでは難しい。大学の仕事ととても同時進行ではできる仕事ではないとも感じる。体験にもとづく議論である。
 最後は、中嶋さん。問題は教育行政の仕組みではない。中心におくべきは子ども・国民の人権保証。教育の自主性を確保する。それを担保するため制度とはを考えるべきだと。そして廃止論の本質は、教育の政治支配にあり、公教育の戦後の制度の破壊と保守的規範主義的いでもろぎーにもとづく教育にあると。犬山の体験にもとづく、教育委員会の学校管理機関としての可能性、制度の可能性という視点から総括された。そして改革論は、教育委員会が都合が悪くなっている。スリム化と資本蓄積手段化をめざしている。そういう改革の担いてとしての地方公共団体があり、機能しにくい教育委員会を変えようとしている指摘された。

 議論では、教育長の専門性という問題がよくわかった。と同時に、それと教育委員会との関係が大きな問題になる。その際に、どう民主的な統制がかかるのかということも。今日は結構、頭が整理された研究会になったのです。

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2013/05/11

小中学校の学級規模の縮小は、必ずしも学力の格差解消にはつながらない ~学力テストの得点分析による研究成果~

 数日前にちょっと話題になった調査研究。なかなかややこしい。

小中学校の学級規模の縮小は、必ずしも学力の格差解消にはつながらない~学力テストの得点分析による研究成果~

 慶應義塾大学経済学部赤林英夫教授(教育経済学)と日本学術振興会特別研究員(PD)の中村亮介(2013年3月まで慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程)は、情報開示請求により提供を受けた全国学力・学習状況調査(全国学テ)と横浜市学習状況調査の学校別平均点データを利用して、学級規模の縮小が学力の伸びに与える影響を分析し、国際的専門誌で公表しました。
 分析の結果、小学6年生・中学3年生の国語と算数(数学)の中では、小学校の国語を除き、学級規模縮小の効果を確認することはできませんでした。また意外なことに、全国学テの得点(学年当初の学力)が低い学校と高い学校に分けて分析すると、小学校の国語で確認された学力向上効果は、当初の学力の高い学校でのみ確認できました。これは、少人数学級の推進が、学校間の学力格差を縮めるとは限らないことを示唆しています。
 本研究成果は、経済学の専門誌であるJapanese Economic Reviewに掲載される予定です。

 まあ、これがそのプレスリリースなんだけど。そもそもこの文章も言っているように、「少人数学級推進と子どもの学力向上との間の因果関係を統計的に立証することは必ずしも容易ではありません」。いずれにしても難しいわけだ。だけど、よく考えてみると、この学力調査で、どれだけ学力がはかれているのかはあまり定かではない。きわめて、限られた側面の調査のみをもって、こういう結論付けの仕方はいかがなものかというのが一点。
 だけど、100歩ゆずって、ある側面の学力については反映しているとしても、ほんとうに子どもにいろいろな力がつくような教育活動の在り方を制限しておいて、「少人数学級では……」と言われてもというのが第二点。そもそも、少人数学級になれば機械的に学力がつくはずもなく、そういう条件をいかした教育活動がおこなわれこそ、好影響が出るというのはあたりまえのこと。そういう教育活動を抑えつけ、逆行するような競争だけが押し付けられているのだもの。そういう問題全般をみないと、ちょっと調査も意味があるのだろうか。いかにも、効率のみを図ろうとする「経済学的」な発想だよなあと、痛感するんだけど。

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2013/05/10

沖縄県のHPより (よくある質問)米軍基地と沖縄経済について

 沖縄県のHPにこんなページができた。「(よくある質問)米軍基地と沖縄経済について」といって、沖縄県の経済は米軍基地経済に大きく依存しているのではないのかという疑問にこたえたものだ。主な柱を紹介すると

(よくある質問)米軍基地と沖縄経済について

(問13)沖縄県の経済は米軍基地経済に大きく依存しているのではないですか。
○基地経済への依存度は、昭和47年の復帰直後の15.5%から平成21年度には5.2%と大幅に低下しています。
○米軍基地の返還が進展すれば、効果的な跡地利用による経済発展により、基地経済への依存度はさらに低下するものと考えています。

(問14)米軍基地の存在と沖縄振興予算との関係についてどのように考えているのですか。
○我が国の日米安全保障上の責務を国土面積の0.6%の沖縄が過重に負担しています。
○沖縄振興は本土とは異なる沖縄の特殊事情を踏まえ行われているものです。

(問15)普天間飛行場の県外移転を主張するのであれば、米軍基地を前提としたこれまでの多額の沖縄振興費を返還するべきではないですか。
○沖縄振興は北海道、小笠原諸島や奄美諸島と同様な地域振興制度であり、米軍基地以外の特殊事情も踏まえ措置されているものです。
○普天間飛行場が返還されたとしても依然として大部分(約72%)の米軍基地は残り、過重な基地負担という特殊事情は解決されるものではないと考えます。

(問16)沖縄の駐留軍用地返還跡地の利用に関する法律はどんな中身ですか。
○沖縄の自立的発展及び豊かな生活環境の創造のための基盤としての返還跡地の有効かつ適正な利用の推進について規定しています。
○国の責務の明記、跡地利用の支障の除去、駐留軍用地への立ち入りのあっせん、給付金の支給、駐留軍用地内の土地の取得の円滑化、跡地利用協議会の設置等が規定されています。

(問17)米軍基地返還跡地の開発による経済波及効果はどうなっていますか。
○都市部における基地返還跡地は、返還後の開発により経済規模が大幅に拡大し、県経済を牽引しています。

 もちろん実際の本文には、くわしい解説がついている。
 これは、2月議会の共産党議員の一般質問での、日本国民の中にある、「沖縄は基地があるから経済も成り立っているという誤解を解くために県として対応せよ」との提起にこたえたもの。
 言い換えれば、これが沖縄の常識でもある。すでに、公共事業のおカネでの買収の論戦は沖縄では通用しなくなってきている証左でもあるのだと思う。

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「受忍論、また戦争怖い」 東京大空襲 敗訴確定

 今日の朝刊の悔しいニュース。裁判は、たまに画期的なものもでるが、なかなかこういう根幹にかかわる見解はかわらないのだよなあ。

「受忍論、また戦争怖い」 東京大空襲 敗訴確定(東京新聞)

 一九四五年の東京大空襲の被害者らが国に謝罪と補償を求めた訴訟で、最高裁が原告側の上告を退ける決定をしていたことが九日、判明した。旧軍人らには補償があるのに、空襲被害者に何もないのは法の下の平等を定めた憲法に反するという訴えを門前払いした。賠償を認めなかった高裁判決が、なぜ憲法違反に当たらないのか根拠も示さなかった。全面敗訴が確定し、原告らに怒りが広がった。
 「戦後六十八年たち、精神的、体力的に限界。私たちに死ねと言うことじゃないですか」。原告の豊村美恵子さん(86)=千葉県我孫子市=は、最高裁の決定に「何のために頑張ってきたのか」と涙声で憤った。
 一九四五年三月十日の大空襲の夜、出札係をしていた国鉄上野駅で宿直をしていた。翌日、深川区(現江東区)の自宅に戻ると、焼け野原が広がっていた。海から引き揚げられた遺体の中に母親を見つけ、防火活動をしていた父親と姉、弟も亡くなっていた。
 八月三日。王子区(現北区)の赤羽駅付近で電車に乗っていた際、米軍機の機銃掃射に遭った。腸が飛び出した男性をぼうぜんと見ていたとき、血に染まった自分の右半身に気づいた。出血で意識が薄れ、運ばれた病院で「手を切らないで」と頼んだ。麻酔から覚めると、右ひじの先が切断されていた。
 義手を付けたが、「絞る、切る、結ぶ、押さえる」といった動作もままならない。腕がしびれ、眠れない。戦傷病者戦没者遺族等援護法で国から補償されるのは軍人・軍属だけなのに、「戦争でけがをしたなら、お金がいっぱいもらえていいね」と間違われ、悔しい思いをした。
 「国は、私たちを戦争の被害者と認めてくれなかった」と、犠牲者の遺族会で提訴を提案。空襲の負傷者や遺族ら百十二人が原告となり二〇〇七年、集団訴訟を起こした。賠償請求の形を取ったが、国が被害を放置して被災者が苦しんだ事実を知ってほしかった。
 「戦争被害は等しく受忍すべきだ」という国の論理に危機感を抱いてもいた。自分たちが我慢したら、また戦争が繰り返されるのではないか。「何回戦争をやっても、国民がどんな被害を受けようとも国は『受忍義務』と言えば済むことになる」
 四年前、「裁判が終わるまで生きていたい」と八十二歳で心臓を手術した。障害者の苦しみを伝えるため、最高裁に義手姿の写真も提出した。そんな悲壮な決意も司法には届かず、官邸前での座り込みも考えている。「倒れるまで訴えなければ。人生最後ですから」

 戦争被害受忍論とは、「戦争の損害は国の存亡にかかわる非常事態の下、国民が等しく受忍しなければならなかった」とする論理。最初は、海外からの引き揚げ者が外国に接収された財産の補償を日本政府に求めた訴訟で、1968年に最高裁が訴えを退けた際に示した考え方で、原爆被爆者へ国家補償をすべきかどうかを審議した政府の懇談会の答申(80年)でも、根拠とされてきたものだ。高裁判決でも、結局は、この受忍論だった。
 東京大空襲の訴訟団のHPでも、結局、この論理が、戦争の責任をあいまいにするものにほかならないとの批判でうまっている。
 さて、政治の責任はどうなるのだろうか?

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2013/05/09

生活保護受給者:「冠婚葬祭出ず」7割…民医連調査

 尼崎がはじめた調査の全国規模のもののものが発表された。

生活保護受給者:「冠婚葬祭出ず」7割…民医連調査(毎日新聞)

 生活保護受給者の大半が地域の行事や冠婚葬祭に参加していないことが、全日本民主医療機関連合会(民医連)の調査で分かった。交際費を捻出する余裕がないことや生活保護に対する後ろめたさが背景にあるとみられる。
 調査は2〜3月、岩手、秋田、栃木をのぞく44都道府県の医療・介護施設利用者で生活保護を受ける1482人から聞き取った。地域行事の参加状況は「全く参加しない」「あまり参加しない」の合計が82.5%。冠婚葬祭でも同様に69.5%に達した。交際費については「なし」と「月額1000円以下」の合計で50.4%だった。
 回答者の7割超は60歳以上。自由記載欄では「近所の人に肩身が狭い」「金銭的なことからつき合いは全て断っている」など、孤立しがちな胸の内がつづられていた。
 調査担当者は「受給者は『もらいすぎ』『不正受給ばかり』などとバッシングされるが、健康で文化的な最低限度の生活ができているとは言い難い。経済的困窮が人的交流の貧しさにつながっている」と話している。

 すこし前に民医連の人から聞いたけど、調査した若い職員もショックをうけたとか。そのぐらい現状でも社会から阻害され、困難な状態におかれているというのが現状なのだと。いまの生活保護バッシングは、いっそう利用者の社会的な自立を阻むような結果しかもたらさないということがこの調査からもわかる。
 たぶん、調査結果は数日中に民医連のホームページにアップされると思います。

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パート女性、早産リスク高め 正社員・主婦の2.5倍

 これもまたすごい調査結果である。

パート女性、早産リスク高め 正社員・主婦の2.5倍(朝日新聞)

 パートタイムで働いている女性は、正社員や専業主婦に比べ、早産するリスクが2・5倍高いことが、厚生労働省研究班の大規模調査でわかった。国内で労働と早産リスクの関係について調べたのは初めてという。
 パート勤務の形態や職種の違いによる分析はできていないが、研究班は、おなかの張りなど早産の兆候が出ても、休みを取りにくい労働条件が影響している可能性があるとみている。
 早産は少ない体重で生まれたり、赤ちゃんの命にかかわったりする心配がある。富山大や順天堂大、愛育病院など全国11施設で2008~10年に妊娠し、その後出産した1365人を解析した。内訳は専業主婦573人、正社員560人、パートなど192人。
 予定日より3週間以上、早く出産した早産の割合は7・5%。うちパートなど非正規雇用で働く女性は12・5%が早産で、統計処理したリスクは専業主婦の2・54倍だった。正社員の早産率は6・6%で、専業主婦の6・5%とほぼ同じだった。…

 若い女性の半分以上が不安定な雇用の状態にあるということを考えると、ほんとうに重大な事態でもある。いまの日本の雇用が労働をほんとうこう効率だけで追い立て、女性に調整弁としての、不安定な補助労働を強いる事態が生み出している現実。こんな社会でいいのか! 根本から問い直さないといけないなあ・

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首相 歴史認識 米が懸念 「東アジア混乱」「米国益害する」

 国際的な安倍さんの歴史認識への批判が強まっている。安全運転と言われ続けてきたけれども、安倍さんの歴史認識のタカ派性は、本質的な内閣の矛盾としてあるということなのだと思う・

首相 歴史認識 米が懸念 「東アジア混乱」「米国益害する」(東京新聞)

 米議会調査局が日米関係の報告書をまとめ、旧日本軍慰安婦問題などをめぐる安倍晋三首相の歴史認識について「(東アジア)地域の国際関係を混乱させ、米国の国益を害する恐れがあるとの懸念を生じさせた」と指摘した。米有力紙にも首相の歴史認識を批判する社説が相次ぐなど、東アジアの不安定化要因として危惧する声が高まっている。
 米議会調査局は、上下両院議員の立法活動を補佐するためその時々の国政の重要課題について専門スタッフが調査し、詳細な情報を公式報告書にまとめて議員に提供。議論に影響を及ぼしている。
 今月一日付の日米関係の報告書は、首相が「強固な国粋主義者」として知られ、「帝国主義日本の侵略やアジアの犠牲を否定する歴史修正主義にくみしている」と指摘。慰安婦問題や靖国神社参拝をめぐる言動は、「米国や日本の近隣諸国から注意深く監視される」と強調した。
 報告書は、植民地支配と侵略を認めた一九九五年の村山富市首相(当時)の談話について、安倍首相が今年四月の国会答弁で「そのまま継承しているわけではない」「侵略の定義は国際的にも定まっていない」と述べたことに触れ、米国が非公式に懸念を伝えたとの報道に言及した。
 慰安婦問題では、報告書は旧日本軍の関与を認めた九三年の河野洋平官房長官(当時)による「河野談話」の見直しが安倍首相の持論であり、仮に見直せば日韓関係を悪化させるとしている。米国内の反応として、クリントン前国務長官が「慰安婦」でなく「(強制された)性的奴隷」という用語を使うよう国務省高官に指示したとの報道も引用した。
 さらに「首相は熱心な国粋主義者を閣僚に選んだ」と指摘。複数の閣僚が靖国神社を参拝し、中韓両国が反発していると説明した。
 米有力紙も、安倍首相について「歴史を直視していない」(ワシントン・ポスト)、「不必要なナショナリズム」(ニューヨーク・タイムズ)とする社説を掲載している。

 これが、その報告書の原文かな。
 もちろん、まだ読んでいないけど。とくに、記事になる、クリントン前国務長官が「慰安婦」でなく「(強制された)性的奴隷」という用語を使うよう国務省高官に指示したことや、「首相は熱心な国粋主義者を閣僚に選んだ」と指摘。複数の閣僚が靖国神社を参拝し、中韓両国が反発しているなどに言及しているのは重要だと思う。

 韓国大統領はオバマさんに、直談判するにいたったわけだし。一方で、安倍さんは、侵略の定義はないなどと言って、それが批判されても、侵略」を「他の国家の主権、領土保全、政治的独立に対する武力行使」などと定義した一九七四年の国連総会決議について「国連安全保障理事会が侵略行為を決定するためのいわば参考だ」と言ってしまう。総会決議はいわば国際社会の合意ともいえ、これは国際法の現状への無理解としか言いようがない。国際社会への挑戦として、かなり国際的に深刻な矛盾を拡大することになるのだけれども…。

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2013/05/08

内田樹さん 「日本の現在地」

 今日の朝日のオピニオン欄には内田さんが登場。正直言うと、ボクは、この人はあまり好きではないのですけど。でも、今日のはおもしろかった。本人が自身のブログで紹介している。

 国民国家としての日本」が解体過程に入った…。
 簡単に言うと、政府が「身びいき」であることを止めて、「国民以外のもの」の利害を国民よりも優先するようになってきたということである。
 ここで「国民以外のもの」というのは端的にはグローバル企業のことである。
 起業したのは日本国内で、創業者は日本人であるが、すでにそれはずいぶん昔の話で、株主も経営者も従業員も今では多国籍であり、生産拠点も国内には限定されない「無国籍企業」のことである。この企業形態でないと国際競争では勝ち残れないということが(とりあえずメディアにおいては)「常識」として語られている。
 トヨタ自動車は先般国内生産300万台というこれまで死守してきたラインを放棄せざるを得ないというコメントを出した。国内の雇用を確保し、地元経済を潤し、国庫に法人税を納めるということを優先していると、コスト面で国際競争に勝てないからである。…
 株式会社の経営努力というのは、もっとも能力が高く賃金の低い労働者を雇い入れ、インフラが整備され公害規制が緩く法人税率の低い国を探し出して、そこで操業することだと投資家たちは考えている。このロジックはまことに正しい。
 その結果、わが国の大企業は軒並み「グローバル企業化」したか、しつつある。いずれすべての企業がグローバル化するだろう。繰り返し言うが、株式会社のロジックとしてその選択は合理的である。だが、企業のグローバル化を国民国家の政府が国民を犠牲にしてまで支援するというのは筋目が違うだろう。
 大飯原発の再稼働を求めるとき、グローバル企業とメディアは次のようなロジックで再稼働の必要性を論じた。…日本企業に「勝って」欲しいなら原発再稼働を認めよ。そうしないなら、われわれは生産拠点を海外に移すしかない。そうなったら国内の雇用は失われ、地域経済は崩壊し、税収もなくなる。それでもよいのか、と。
 この「恫喝」に屈して民主党政府は原発再稼働を認めた。
 …ことあるごとに「日本から出て行く」と脅しをかけて、そのつど政府から便益を引き出す企業を「日本の企業」と呼ぶことに私はつよい抵抗を感じる。彼らにとって国民国家は「食い尽くすまで」は使いでのある資源である。
 …大学に向かって「英語が話せて、タフな交渉ができて、一月300時間働ける体力があって、辞令一本で翌日から海外勤務できるような使い勝手のいい若年労働者を大量に送り出せ」と言って「グローバル人材育成戦略」なるものを要求するのは「人材育成コストの外部化」である。
 要するに、本来企業が経営努力によって引き受けるべきコストを国民国家に押し付けて、利益だけを確保しようとするのがグローバル企業の基本的な戦略なのである。…

 グローバル化というものの本質をしっかり指摘する。そして、うならせるのはさらに後半。

 もう一つ指摘しておかなければならないのは、この「企業利益の増大=国益の増大」という等式はその本質的な虚偽性を糊塗するために、過剰な「国民的一体感」を必要とするということである。  グローバル化と排外主義的なナショナリズムの亢進は矛盾しているように見えるが、実際には、これは「同じコインの裏表」である。…  中国や韓国とのシェア争いが「戦争」なら、それぞれの国民は「私たちはどんな犠牲を払ってもいい。とにかく、この戦争に勝って欲しい」と目を血走らせるようになるだろう。  国民をこういう上ずった状態に持ち込むためには、排外主義的なナショナリズムの亢進は不可欠である。だから、安倍自民党は中国韓国を外交的に挑発することにきわめて勤勉なのである。外交的には大きな損失だが、その代償として日本国民が「犠牲を払うことを厭わない」というマインドになってくれれば、国民国家の国富をグローバル企業の収益に付け替えることに対する心理的抵抗が消失するからである。

 排外主義、ナショナリズムの亢進の背景をしっかり指摘する。
 そして、「私たちの国で今行われていることは、つづめて言えば『日本の国富を各国(特に米国)の超富裕層の個人資産へ移し替えるプロセス』なのである」と喝破する。うーん。

 皮肉混じりに言うように、それが世界の各地でおこなわれていることなのならば、ボクらが描くべき未来とはどんな世界なのだろうか?そこが問われているんだろうなあ。

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首相、「進駐軍が作った」 改憲実現に意欲

 GW明け、国会の議論は結構、物騒だなあ。

首相、「進駐軍が作った」 改憲実現に意欲(共同通信)

 安倍晋三首相は8日の参院予算委員会で、1946年に公布された現行憲法が連合国軍総司令部(GHQ)の草案を基にしていることを踏まえ「制定過程で(見ると)、進駐軍が作った。時代にそぐわない内容もある」と述べ、改憲実現への意欲を重ねて示した。
 同時に「私たち自身の手で憲法を作るという精神こそが、新しい時代を切り開く」と訴えた。
 トルコとの原子力協定締結を含めた原発輸出政策に関し「相手国の事情や意向を踏まえ、高い安全水準技術を提供する」と推進していく考えを強調した。
 みんなの党の山田太郎、社民党の山内徳信両氏に対する答弁。

 制定過程というが、なぜかそこには、ポツダム宣言の受諾や侵略戦争への反省という問題がすっぽりと抜けてしまう。それを否定したいということにしか思えない。
 そして、新しい時代というがどんな国を安倍さんはつくりたいのか?今日の予算委員会では、安倍さんは、自衛隊が、自衛のために敵の基地などを攻撃する能力、いわゆる「敵基地攻撃能力」について、抑止力の観点から議論していく必要があるという考えも示している。集団的自衛権の行使について「日本の領土の近辺で、日本のために警備しているアメリカの艦船の近くに、自衛隊の艦船がいて、アメリカの艦船が攻撃されたときに助けなくていいのかという問題がある。実際に助けなかったら、同盟そのものが大きな危機に陥る」と述べた。結局は、軍事を優先する国ということか。そして、アメリカとともにたたかう国。
 そういえば、今日はオスプレイの夜間訓練がおこなわれている。
オスプレイ、2度目の夜間飛行訓練 四国上空
 ここにも、どういう国をつくろうとしているのかが垣間見えるのだけれども。

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弁護士収入:2割が年収100万円以下

 事実上、リタイヤしたような人も入っているだろうし、これだけではもう一つ正確なことはよくわからないのだけれども。……

弁護士収入:2割が年収100万円以下(毎日新聞)

 弁護士の大半は個人事業主として活動しているが、その2割は、経費などを引いた所得が年間100万円以下であることが国税庁の統計で分かった。500万円以下だと4割にもなる。弁護士が急増したうえ、不況で訴訟などが減っていることが主原因とみられる。一方、1000万円超の弁護士も3割以上おり、かつては「高給取り」ばかりとみられていた弁護士業界も格差社会に突入したようだ。
 国税庁は自営業者ら個人事業主の「総所得金額等」を業種別にまとめている。総所得金額等は収入から必要経費などを引いた金額で、サラリーマンの「手取り給与」に近い。
 弁護士の中で対象となるのは、2008年、2万3470人▽09年、2万5533人▽10年、2万6485人▽最新の11年、2万7094人で、登録弁護士の8割を超える。
 国税庁の統計によると、このうち08年は、100万円以下が2879人(全体の約12%)、100万円超500万円以下が4684人(同20%)だった。しかし、09年は、100万円以下が5189人(同20%)と急増。11年は、100万円以下6009人(同22%)、100万円超500万円以下5208人(同19%)だった。
 一方、1000万円を超える高収入の弁護士の割合は年々減っているが、11年でも約34%に上る。
 統計の対象となる弁護士は、事務所を自分で開いたり、他人の事務所に間借りして個人営業する「ノキ弁」(軒先弁護士)ら。勤務先の法律事務所から給与だけをもらい、所得税を源泉徴収されている弁護士は含まない。
 低所得の弁護士はなぜ増えるのか。弁護士会などは司法制度改革による弁護士の急増を要因に指摘している。同改革は訴訟数増加や役所・企業への弁護士進出で弁護士の仕事が増えると想定していたが、景気低迷などの影響で、実際にはそのようになっていない。最高裁によると、裁判所が新たに受理した訴訟などの事件数は03年の612万件から、11年には406万件に落ち込んだ。
 こうした需給のアンバランスを受け、日本弁護士連合会は司法試験合格者数を現在の年約2000人から1500人程度にすべきだと提言している。司法制度見直しを議論してきた政府の法曹養成制度検討会議は今年3月、年3000人程度としていた合格者数目標を撤廃する案を公表した。

 だけど、訴訟件数は結局は大幅に減少しているわけで、はやりかなり弁護士さんの世界では格差が広がっているということは事実なようだ。弁護士の横領事件なども増加しているような感じがするし。さらには、今春、学生を募集した法科大学院69校のうち、93%に当たる64校で入学者が定員を下回ったということも明らかになっている。問題は、国民にとってもっと司法が使い勝手のいい、身近なものになっているのかどうかという問題だけど。

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安倍首相、排外的デモを非難=フェイスブックで呼び掛けへ

 昨日からこのニュースでもちきりだ。これをどう考えるのか? ちょっと考えた。

安倍首相、排外的デモを非難=フェイスブックで呼び掛けへ(時事通信)

 7日の参院予算委員会で民主党の鈴木寛氏が、在日韓国・朝鮮人を対象とした排斥的なデモが国内で横行しているとして、安倍晋三首相に見解をただした。首相は「一部の国、民族を排除しようという言動があることは、極めて残念だ」と非難した。
 デモは「コリアンタウン」として知られるJR新大久保駅周辺などで今年2月ごろから行われている。首相は「他国や他国の人々を誹謗(ひぼう)中傷することで、われわれが優れているという認識を持つことは間違っているし、結果として自分たちを辱めていることにもなる」と強調した。
 鈴木氏は「首相のフェイスブックにもそうした(排外的な)書き込みが増えている」と指摘し、行き過ぎた言動は慎むよう呼び掛けることを提案。首相は「私のフェイスブックでそういうエスカレーションを止めるべきだとコメントしたい」と応じた。

 もちろん、こうしたヘイトデモ、ヘイトスピーチは、明らかな人権侵害であり、それへの批判の高まりが、安倍さんをして、こういう発言をさせたのだろう。この問題は、決して放置できない人権問題で、安倍発言はその意味で大事なことだとは思う。今後とも、そういう世論の包囲をすすめていく必要がある。そのことが前提だけど。
 いろいろ考えると、もう一つの側面がある。もともと在特会の行動は、だれもが眉をひそめるような行為だ。社会的な批判があることを前提としている。むしろ、そういう行動を行い、社会的な注目をあびることで、その主張を広げようというものだ。そのなかで、在特会の会員も増えているし、その支持者も広がっていることは事実。と、同時に、そういう排他的、排外的な主張が、グラデーションのような感じで広がっていく。その主張と、安倍さんたちの主張は実は共通点も多く、共鳴し合うような構造になっている。それが時代の雰囲気を形成するという狙いもある。だけど、安倍さんたちにとっては、在特会は批判してもいい相手であり、在特会は安倍さんから批判されることは当然のことでもあるのかもしれない。
 となると、この人権侵害を許さないことと同時に、こうした行動を通じてつくられる排外的な世論そのものへの批判と説得も大きな課題になる。そういう厄介な構造があるのかもしれないと、ちょっと心配したりする。

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2013/05/07

正規と非正規の中間「限定正社員」って? 普及策検討中

 すでに、こういう広がりも見せているのか。

正規と非正規の中間「限定正社員」って? 普及策検討中(朝日新聞)

 正社員だけど、モーレツではなく、働く職種や地域が限られる。仕事がなくなれば解雇される可能性もある――。そんな「限定正社員」を広げる議論が安倍政権で進む。「働きやすさ」を高めるねらいがあるが、「解雇しやすさ」につなげる思惑ものぞく。

■職種や地域限定で
 政府が注目するのは、転勤や配転、残業もありの正社員と違い、職種や勤務地などを限った働き方だ。いまでも導入する企業は珍しくない。経済成長につながるとして、経営者や学者らでつくる政府の規制改革会議などが普及策を検討し、6月にまとめる成長戦略に盛り込まれる見通しだ。
 背景には、いままでの正社員のあり方に不満を持つ働き手や企業の存在がある。働き手にすれば不本意な転勤や長時間の残業を拒めず、公私のバランスをとりにくい。企業にすれば仕事がなくなっても解雇しづらいため、非正規労働者を多く雇ってしまう。
 そこで、正規と非正規の中間のような働き方が広がれば、「正規と非正規に二極化した働き方の解消につながる」(規制改革会議)というわけだ。規制改革会議は限定正社員の利点に、非正規労働者の雇用の安定▽子育てや介護と両立した働き方の促進▽女性の活用▽転職市場の拡大を示した。
 ただ経営側には「雇ったあとに正社員と同じ丸抱えでは困る」との考えがある。雇用の保障度合いが正社員と同じでは、導入する利点が薄れるためだ。規制改革会議は限定正社員の雇用ルールを政府が明確にすることを求めている。
 焦点は、どんな場合なら退職させられるかだ。経団連は、労使が「仕事がなくなれば終えられる雇用契約」の導入で合意していれば、従来の正社員より雇用が守られないことを法律に書き込むよう主張。一方、連合は「解雇しやすい働き方が広がる」(幹部)と警戒する。
 厚生労働省は「何が解雇理由になるかは労使協議に委ねるべきだ」との考えだ。有識者会議などで来年度にも、雇用管理上の注意点がまとめられる。

■企業の狙いは人材確保
 すでに限定正社員を導入している企業もある。
 長崎ちゃんぽんの「リンガーハット イオンモール船橋店」(千葉県船橋市)の副店長、須田京介さん(24)は、昨年10月にアルバイトから正社員に。自宅から通える店だけで働く「エリア社員」だ。全国転勤の正社員「ナショナル社員」とは給料や昇給のスピードに差があるが、須田さんは「育児や介護で転勤できない人もいる。いろんな働き方を会社が用意するのはいいことだ」。
 会社の狙いは人材確保。優秀なアルバイトに正社員を勧めても、育児など転勤できない事情から断る人が多かった。そこで2005年に制度をつくった。これまでに158人が転換した。
 国の11年の調査では、従業員300人以上の企業の約半分に、勤務地・職種・労働時間のいずれかを限定する正社員制度があった。多くが給与を正社員の8割程度とする。全国転勤がない地域型従業員制度がある東京海上日動火災保険は「女性の活躍の場が広がり、管理職が増えた」(広報)という。
 正社員が多様な働き方を選べ、非正規労働者のステップアップになるなら、働き手に利点がある。だが「解雇しやすくなると考えて、正社員を限定正社員に『ステップダウン』する企業も出るだろう」(厚労省幹部)との心配も根強い。…

 問題は最後の指摘。この制度によって、働き方が改善されるのかと言う問題。とくに解雇の容易さというのは、要注意というか、絶対にあってはならないことだ。記事が指摘している実態。「実際、限定正社員を狙い撃ちにした退職勧奨もある。損害保険会社で働く東北地方の40代女性は、自宅から通える職場で働く契約なのに、関東への転勤が無理なら辞めるか、非正規職に替わるよう迫られた。/断ると給与を減らされ、パワハラも激化。耐えられず辞めた仲間も。この女性は『普通の正社員と同じ仕事で低賃金。いいように使って捨てられる、名ばかり正社員です』と話す」と。さらに働くものを不安定に追い込むことが制度かされかねない。そういう重大な問題がまちうけている。
 うーん。ほんとうに働かされ方そのものの改善にふみだすような運動をすすめ制度化させていかないと。たいへんなことになりかねない。

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政府、10代から「女性手帳」導入 骨太の方針で調整 何歳で妊娠? 人生設計考えて

 一昨日のニュースだけど、やはり気になるのでクリップしておこう。

政府、10代から「女性手帳」導入 骨太の方針で調整 何歳で妊娠? 人生設計考えて(産経新聞)

 政府が、女性を対象に10代から身体のメカニズムや将来設計について啓発する「女性手帳」(仮称)の導入を検討していることが4日、わかった。医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し「晩婚・晩産」に歯止めをかける狙いだ。6月に発表する「骨太の方針」に盛り込む方向で調整している。
 政府は少子化対策として産休や育休を取りやすくする制度改正、子育て世帯中心の施策を優先してきたが、晩婚・晩産化対策も少子化解消には必須と判断した。安倍晋三内閣はこれを重点政策に位置づけており、骨太の方針に反映させた上で、来年度予算に調査費などを計上したい考え。
 内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」(議長・森雅子少子化担当相)は、妊娠判明時点で自治体が女性に配布する「母子健康手帳」よりも、早い段階からの「女性手帳」の導入が効果的とする見解を近く取りまとめる。子宮頸がん予防ワクチンを接種する10代前半時点や、20歳の子宮がん検診受診時点での一斉配布を想定している。……

 なにが酷いって、徹底した女性への蔑視、女性は産む機械と言った大臣を思わず思いだした。そして、性的マイノリティのことなどまったく視野の外だよなあ。だけどまあ、この視線というのが、ああいう憲法草案をつくる人たちだなあとは、つくずく思う。個人の権利によりそうことはなく、うえから説教口調でものを述べる態度だよなあ、これ。

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韓国人の4割「日本に軍事的脅威感じる」

 ちょっと気になる世論調査。

韓国人の4割「日本に軍事的脅威感じる」(聯合ニュース)

 韓国人の約4割が日本に軍事的脅威を感じているという調査結果が示された。
 韓国シンクタンクの東アジア研究院(EAI)と日本非営利組織の言論NPOは7日に東京で記者会見し、満19歳以上の韓国人男女1004人と満18歳以上の日本人男女1000人を対象に3~4月に実施した共同世論調査の結果を発表した。
 それによると、「軍事的脅威を感じる国・地域」を問う質問(複数回答)で、韓国人回答者のうち43.9%が日本を挙げた。北朝鮮(86.7%)、中国(47.8%)に次いで3番目に多い。一方、日本人のうちでは12.2%が韓国を挙げた。北朝鮮(78.9%)、中国(60.1%)、ロシア(19.0%)に続き4番目だ。
 韓国人のうち、現在の韓日関係を「良い」と考えている人は3.4%にとどまり、「悪い」は67.4%に達した。日本人も「良い」は11.3%と低く、「悪い」が55.1%に上った。
 また、従軍慰安婦や独島問題などをめぐり両国のあつれきが深まったこの1年間で、相手国への印象がどう変わったかを尋ねたところ、韓国人の46.7%、日本人の39.6%が「悪化した」と答えた。
 未来の韓日関係について尋ねたところ、韓国人のうち「良くなる」と答えた人は14.0%、「悪化する」は26.6%だった。日本人は「良くなる」が23.1%で「悪化する」の18.2%を上回ったが、最も多かったのは「変わらない」(34.6%)だった。
 それにもかかわらず、両国民は相手国との関係を重視している。韓日関係について、韓国人の73.6%、日本人の74.0%がそれぞれ「重要だ」と回答した。
 一方、相手国について思い浮かべるものを尋ねる質問(複数回答)で、韓国人は「独島問題」が84.4%、「慰安婦問題」が61.5%と圧倒的に多かった。日本人は「韓国料理」が59.1%、「竹島問題」が56.7%、「韓流ドラマ・K-POP」が47.2%だった。……

 調査報告書の実物はこれ。
 日本人の意識も興味深いけれども、何といっても、目をひかれるのが韓国人の意識。韓国から見て日本がどう映っているのかは興味深いし、この点をよく理解することは大事だと思う。やはり、彼らにとって、日本は脅威とうつっている。歴史問題での意識の差の大きさは、ほんとうにしっかり見る必要があると思う。
 韓国の研究員は「韓日関係に関する世論調査をここ10年実施してきたが、今回は否定的な回答がこれまでで最も多かった」と話しているそうだけだけれども、いわゆるナショナリズムの負の連鎖にならないような対話の回路をどうつくっていくのか、培っていくのか……。大きな課題を見せつけられた。

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7野党、川口委員長の解任案提出 許可得ずに訪中延長

 あれれ!

7野党、川口委員長の解任案提出 許可得ずに訪中延長(共同通信)

 野党7党は7日午後、自民党の川口順子参院環境委員長が国会の許可を得ずに中国訪問を延長して委員会が中止になったとして、川口氏の解任決議案を参院に共同提出した。8日にも開かれる参院本会議で採決される見通し。参院では野党が多数を占めており、川口氏は自ら辞任しない限り、可決されて解任される公算が大きい。
 川口氏は4月23、24両日、国会の渡航許可を得て中国での国際会議に出席。楊国務委員(外交担当)との会談が急きょ入ったため、野党側に期間延長を申し入れたが、理解を得られないまま滞在を延長した。
 提出は民主党、みんなの党、生活の党、共産党、みどりの風、社民党、日本維新の会。

 共同の記事は、ちょっと舌ったらずで、川口委員長は、自らが決めた環境委員会を流会させたという前代未聞の事態を引き起こしている。実は、今日はさらにひどいこともあった、午前中の法務委員会が、自民党の欠席者が多く、審議に入らぬまま中止になったのだ。
 政権与党となった自民党の国会軽視……。かつてのおごりがふたたび目立ってきたとしか言いようがないよなあ。

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2013/05/06

維新の会:地方選で苦戦 「空中戦」に限界、当12人・落13人 兵庫知事選、擁立に慎重論

 これはこれで」興味深い。

維新の会:地方選で苦戦 「空中戦」に限界、当12人・落13人 兵庫知事選、擁立に慎重論(毎日新聞)

 4月14日投開票の兵庫県伊丹・宝塚両市長選で惨敗した日本維新の会は、各地の首長選・議員選でも苦戦している。夏の参院選に向け大阪府外での拠点づくりを目指して地方選に力を注ぐが、今年に入ってからの戦績は当選12人、落選13人で「負け越し」だ。浮動票が少なく有権者とのつながりが鍵となる地方選では、橋下徹共同代表(大阪市長)の発信力を頼みにした「空中戦」の限界もある。7月21日投開票の兵庫県知事選の候補擁立見送り論も、党内に浮上し始めた。
 「名前が浸透しなかった」。4月14日投開票の伊丹市議補選で落選した山澤慎太郎氏(40)が、活動を始めたのは告示まで2週間を切った3月26日だ。選挙期間中は自転車で市内を駆け回り、街頭でミニ演説を繰り返した。当選者に約3600票差の1万7475票を獲得したが、「準備期間が短すぎた」と振り返る。
 維新は昨年の衆院選で、有権者の政治不信を背景に比例代表では自民に次ぐ1226万票を獲得した。
 しかし、地方選では人間関係や地域課題が重視されることも多い。広島県庄原市長選(4月7日投開票)では、維新が推薦する新人の藤原義正氏(56)が、市長給与の半減を掲げたが落選。藤原氏自身、「田舎では目新しいことが求められていない」と分析する。大阪近郊の伊丹・宝塚両市長選でさえ、得意の公務員批判を橋下氏が展開したが効果は表れなかった。
 一方、北九州、岡山県倉敷、静岡、大分県佐伯の各市議選では、昨年の衆院選で落選した維新候補が当選を果たした。地道な活動が功を奏したのは、佐伯市議選(4月14日投開票)で初当選した桑原宏史氏(43)だ。衆院大分1区で落選した後、市議選での公認を得る前の2月中旬から後援会活動を本格化させた。
 ただ、選挙の実動部隊となる地方議員の引き込みも難航気味だ。兵庫県では地方組織づくりのモデルケースとして、党所属の地元衆院議員3人が3月上旬に県総支部を発足させたが、参加した地方議員は旧たちあがれ日本出身の神戸市議1人だけだ。総支部内では知事選への擁立見送り論が広がっており、所属衆院議員は「今は知事選より、地元で地方議員を育てる方が先だ」と主張する。…

 記事には選挙結果の一覧もついていて便利。もちろんこの政党の組織的な問題もあるのだと思う。しかし、明らかな都市型選挙でもそうなのだから、そんな単純な話でもないと思う。この党の基本的な性格がかかわっていると思うけどなあ。

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自民 防衛計画大綱への提言骨子案

 明文改憲が焦点化されているが、同時に、憲法をないがしろにする壊憲もすすんでいることはしっかり見ておかないとなあ。

自民 防衛計画大綱への提言骨子案(NHKニュース)

 自民党は、政府が見直し作業を進めている「防衛計画の大綱」について、沖縄県の尖閣諸島を巡る中国の動きや、北朝鮮によるミサイル開発などを念頭に、島しょ部の防衛体制の強化や、敵の基地への攻撃能力の保有などを求める、提言の骨子案をまとめました。
 政府は、厳しさを増す安全保障環境に対応する必要があるとして、民主党政権が3年前に改定した「防衛計画の大綱」を、ことし中に見直す方針で、自民党の国防部会と安全保障調査会は、党の意見を見直しに反映させるため、提言の骨子案をまとめました。
 それによりますと、沖縄県の尖閣諸島を巡る中国の動きを念頭に、離島への上陸能力を持つアメリカ軍の海兵隊のような機能を自衛隊に整備するなど、島しょ部の防衛体制を強化すべきだとしています。
また、北朝鮮情勢を踏まえ、核・弾道ミサイル攻撃への対応能力を高めるとともに、敵の基地への攻撃能力を保有するよう求めています。
 さらに、集団的自衛権の行使に向けた検討を加速させることや、テロに備えて自衛隊が原子力発電所の警備に当たること、それに、自衛隊の人員、装備、予算を大幅に拡充することなどが盛り込まれています。
自民党は、この骨子案を基に党内で議論を進め、今月中にも提言を取りまとめ、政府に働きかけていくことにしています。

 まだ、骨子案の実物は見ていないけれども、島しょ部の防衛体制の強化、敵の基地への攻撃能力の保有などかなり踏み込んだもののようだし、ねえ。団的自衛権の行使も大きなテーマだし、原発の問題も出てくる。うーん、壊憲の動きも目が離せないなあ。

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根の深い木 -世宗大王の誓い- 見終わりました!

Images_2 全24話。DVDで借りてきて、見終わりました。王と民、国家と官僚、その体制を支える漢字という文字。特権階級が学問を独占し、その支配を支える。そういう時代に、世宗はハングル文字をつくった。その世宗の葛藤を、ソイとカン・チェユンという架空の人物をからませて展開する。
 いやあ、すごくおもしろかった。この間見た、韓国の時代劇のなかではいちばんおもしろかった。とくに、最終盤はほんとに目が離せなかった。かなり衝撃的展開だし、それが”文字”を軸に展開するんだもの。その問いかけもまたなかなかななものだった。ある意味でものすごい歴史的な出来事でもあったわけだ。文字をつくる事業とは。物語で描かれている、官僚たちの文字創製への抵抗は、それは事実であったようだ。なかなかすごい歴史であるなあ。

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ラストメッセージ 井上ひさし"最期の作品"

 5月4日には、旅館で、このNスペをみた。

Thum_01_9 社会への鋭い風刺と人間味溢れるユーモアで、多くの人の心をとらえてきた作家・劇作家の井上ひさし。亡くなってから4月で丸3年になる。75年の生涯で60に上る戯曲を書いた井上だが、最期までどうしても完成させることができなかった作品がある。沖縄戦をテーマにした戯曲「木の上の軍隊」だ。わずかに残された井上直筆のメモには、沖縄戦の激戦地となった伊江島で、ガジュマルの木の上に逃げた2人の日本兵が、戦争が終わったことを知らずに2年間過ごした、という実話をもとに書こうと構想していたことが記されている。肺がんに冒されたベッドの上で、死の間際まで「木の上の軍隊」を書くことに執念を燃やした井上。その遺志が、この春、井上に特別な思いを持つ人びとの手によって実現することになった。4月、生前の井上が高く評価していた藤原竜也を主演にすえ、「木の上の軍隊」の公演が幕を落としたのだ。番組では井上の死後、父の遺志をついで「木の上の軍隊」実現に奔走する娘と、演出家・脚本家たちの創作の過程に密着。舞台の映像も交えながら、不世出の劇作家・井上ひさしが最期に伝えようとしたラスト・メッセージを探っていく。

 あのラストシーンは、井上さんの着想にヒントがあったのか。そのぐらい、この題材への思いは強かった。この芝居、舞台をつくった人たちに拍手。
 そしてボクらはやはり受け継がなければならないということか。

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義母の一周忌

20130505_092739 GWの後半は、富山で義母の一周忌でした。4日の早朝に家を出て、富山に向かう。渋滞、事故渋滞と続き、長野から新潟に抜けるところでは、事故による通行止め。当然、下の道もびっちり渋滞…。4時からの法事に間に合うかとう深刻な事態になってしまいました。半分、あきらめましたが、抜け道を探しつつ、なんとか15分前に到着。
 法事の会場は、長福寺さん。ここは黄金の茶室でちょっと有名なそうだ。ウィキにも載っています。
 法要のあとは、近くの鯰温泉に。これがその写真です。ほたるいかづくしの料理でした。ほたるいかのしゃぶしゃぶや天ぷらはさすがにはじめてでした。
 翌日、いろいろ富山の用事をすませて、すぐに自宅に向かいます。こんどはびっしり長ーい渋滞です。行きが9時間、帰りは10時間、さすがに疲れました。結局、今日は仕事はやめて、1日ぐったりしていました。まあ、休みはこんなもんなんでしょうねえ。

 実は、5カ月ぶりに家族4人がそろいました。とくに、二男はずいぶん久しぶりです。ここ1カ月以上音信不通で、だいぶ心配しましたが、ちょっと一安心です。長男とは、車の中でいろいろおしゃべり。まあ、いっぱしの支援者としての仕事をしているようです。いろいろ仕事への思いを聞かせてもらえました。心配ばかりかける息子ですが、すこしまぶしさも感じました。あまりしゃべらない二男とは家で少し話。とにかく今は、やりたいことをやりたいという思いがまだ強いようです。とりあえず、見守るしかないんでしょうねえ。今日の昼には、二人とも自分のアパートに帰っていき、また夫婦2人の生活です。寂しくもあり、気楽でもありますがねえ。ということで明日からは本格的な仕事です。

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2013/05/03

日本国憲法を活かし直すとは

Tt3zr 今日は全国憲法研究会の講演会に行ってきた。仕事がら憲法記念日は毎年、日比谷ではなく、こちらに講演会に参加しているけど、ここ数年は、義母の入院、看護、そして葬儀などはあったので、少し久しぶり。今年は小熊さんがメーンの講師だったので、その話を聞きたかった。表題の演題の小熊さんの講演は期待通りだった。
 もともとこの人は、物事の全体を解説して見せようとするところがあるので、ちょっと無理をするところがある。実証的と言うより、時として恣意的な議論をして誤解されるような気がするのだけれども。だけど時代のつかみ方がなかなかなのだ。
 今日の話も、経過を話すところはちょっとという感じだったけど。いまの話は面白かった。現実対等的な議論の限界とともに、立憲主義の議論への違和感もなかなかなもの。もともと、マルクス主義法学の立場でも、立憲主義のいう権力を縛るという議論も建前で、「権力=悪」論の図式によるもの。その建前を崩して、人権侵害がおこなわれてきたのも事実で。それは小熊さんの違和感と共通したりする(笑い)。それはさておき、小熊さんの主張の肝は、その立憲主義の議論も、エリートの議論だというもの。むしろ、「日本とはどういう国なのか」「どういう未来をめざしていったらいいのか」というものへの渇望がこそが護憲の世論の背景にあったという指摘。
 だけど、国民の憲法や政治への無関心がひろがっている。そもそも、いまの改憲の流れは、そういう国民の気分を背景にしながらも、96条を変えることでは、ハードルを下げる。つまり、社会を変えるために憲法を変えるといいながら、ルールをかえてハードルを下げることで社会を変えることにはつながらないと。改憲という理念的なことよりも、個別の問題への関心がひろがっていることに小熊さんは注目する。その実現と憲法との関係をしっかりつなげていくことこそが大事だと。このあたりが小熊さんらしいところ。
 3・11から少したったとき、3・11後一番注目する知識人はと、知り合いの編集者から聞かれたとき、ボクは小熊さんの名前をあげた。ボクもまわりでは、彼を評価しない人が残念ながら多いのだけれど(笑い)。ボクの意見はいまも変わらないなあ。
 もう一人の講演は高見先生。とても学問的な話。こちらのほうは、法律論のちゃんとした勉強です。たしかに、ちゃんと勉強しないとなあ。なるほどという話ではあったけど。ここのところの研究者の議論はちゃんと勉強しておかなくてはと反省した次第。

 NHKのニュースでボクの姿がばっちりうつっていた。今年は、子どもの貧困集会、就活自殺の報告会につづいて三回目なんだよなあ。

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2013/05/02

5月3日憲法記念日、「報道ステーション」で、 『えほん日本国憲法』についての放映

65820 え、もうこの本が出て、5年も経つのか。時がたつのは早いなあ。

 で何かというと、改憲問題がクローズアップされるなか、明日、『えほん日本国憲法』(絵・文:野村まり子 監修:笹沼弘志 明石書店、2008年)が、テレビ朝日の「報道ステーション」で2:20頃からとりあげられる予定というメールが、友人の編集者から届いた。内容は者・野村まり子さんのインタビューと 『えほん日本国憲法』を使って憲法学習をしている自由学園のようすなどだうだ。
 観衆の笹沼さんは、静岡でホームレス支援をしている路上の憲法学者。一度、お会いしたことがある。やさしい語り方をする憲法学者だ。ボクも見ることにしよう。ぜひ、みなさんも。

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米兵、民間地に着地 オスプレイ降下訓練中

 琉球新報の写真を見ると、その光景は異様だ。

米兵、民間地に着地 オスプレイ降下訓練中(琉球新報)

 米軍伊江島補助飛行場で1日午前10時10分、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイからのパラシュート降下訓練があり、兵士1人が米軍提供区域外の民間地に降り立つのが確認された。この兵士が着地したのは牧草地で、周辺住民や農作物への被害は確認されていないが、着地した20メートル先には、畑で農作業をする住民もいた。パラシュート訓練の実施について米軍や沖縄防衛局から伊江村への事前通知はなかった。伊江村がオスプレイによるパラシュート降下訓練を確認したのはオスプレイの沖縄配備後初めて。
 訓練をしたのは、米陸軍トリイステーションに所属する兵士6人。オスプレイから降下した6人のうち1人が強風にあおられ、フェンスから約80メートル離れた牧草地に着地した。住民や沖縄防衛局によると、当時降りた場所に人はおらず、被害はない。
 兵士が民間地に降りたことについて伊江村は午前11時10分、防衛局に通報した。防衛局は同11時35分に米軍に照会、午後2時20分に米軍に原因究明と再発防止を申し入れ、同2時25分に県基地対策課に連絡した。
 島袋秀幸伊江村長は「これまで悪天候のときは訓練を中止するよう求めてきたが守ってもらえていない。周辺に農作業をしていた人もいた。一歩間違えればという感もある」と述べ、2日にも防衛局に原因究明と再発防止を求める考えだ。
 高良倉吉副知事は「米軍には厳重に安全管理をして十分に配慮する姿勢が求められる」と話した。県は同日、防衛局に「周辺住民に不安を与える」とし、再発防止を求めた。

 厳密なデータなど見たことはないが、その演習の性格から言って、パラシュート降下訓練は事故の可能性の高い訓練ではないかと思う。実際に、沖縄ではこの訓練にかかわる事故は繰り返されていると思う。
 もともとは読谷飛行場などでおこなわれていたと思うけど、現在は伊江島でおこなわれている。だけど、伊江島ではさまざまな訓練がおこなわれているために、最近では東京の横田でも頻繁におこなわれている。ボクの友人でも実際に見た人もいる。となると、厚木に展開したオスプレイが横田でということなどもあり得ないわけではない。
 1,2日におこなわれた訓練は、もちろん事前通告はない。
 オスプレイの危険は、どんどん広がっている。

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「憲法改正の必要あると思う」42%

 朝日の調査とはまったくちがうNHKの調査。いずれにしてもRDD調査だし、おそらく外注だろうし、かなり設問や聞き方で、結果がかわってしまうのだから、ある意味、大ざっぱな結果しかわからないんだし、一喜一憂してもしかたがない。悲観をしても、楽観をしてもダメだということなな。

「憲法改正の必要あると思う」42%(NHKニュース)

 3日は憲法記念日です。
 NHKが行った世論調査によりますと、「憲法を改正する必要があると思う」と答えた人は42%で6年前の調査とほぼ同じだった一方で、「改正する必要はないと思う」と答えた人は16%で、前回より低くなったことが分かりました。
 NHKは、先月19日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行い、2685人のうち60%に当たる1615人から回答を得ました。
憲法改正について
 この中で、今の憲法を改正する必要があると思うか尋ねたところ、「改正する必要があると思う」が42%、「改正する必要はないと思う」は16%、「どちらともいえない」が39%でした。
NHKでは、国民投票法が成立した6年前にも同じ調査を行っていますが「改正する必要があると思う」という回答はほぼ同じだった一方で(前回41%)、「改正する必要はないと思う」という回答は8ポイント低くなり、「どちらともいえない」は9ポイント高くなりました。
 「憲法を改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「時代が変わって対応できない問題が出てきたから」が75%と最も多く(前回73%)、次いで「国際社会での役割を果たすために必要だから」が15%など(前回18%)、6年前の調査と同じ傾向でした。
 「憲法を改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」が53%と最も多くなりましたが、6年前の調査よりは9ポイント低くなりました。
また、「多少問題はあるが改正するほどのことはないから」と答えた人は36%で、6年前より10ポイント高くなりました。
憲法9条について
 「憲法9条」について改正する必要があると思うかどうかを聞きました。
 「改正する必要があると思う」が33%、「改正する必要はないと思う」が30%、「どちらともいえない」は32%で、ほぼ同じ割合で並びました。
 このうち、「改正する必要があると思う」という回答は6年前の調査よりも5ポイント高くなりました。
一方で、「改正する必要はないと思う」という回答は11ポイント低くなりました。
 9条を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「自衛力を持てることを憲法にはっきりと書くべきだから」が47%、「国連を中心とする軍事活動にも参加できるようにすべきだから」が32%などとなりました。
 9条を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ「平和憲法としてのもっとも大事な条文だから」が66%、「改正しなくても、憲法解釈の変更で対応できるから」が16%などとなりました。
憲法96条について
 国会が憲法改正を発議する要件を定めた憲法96条についてです。
 96条が定めた憲法改正の発議に必要な条件を、衆参両院のそれぞれで、すべての議員の「3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩めるべきだという主張があることについて知っているかどうか聞いたところ、「よく知っている」(17%)と「ある程度知っている」(36%)が合わせて53%でした。
 これに対して、「あまり知らない」(30%)と「まったく知らない」(15%)が合わせて45%と、全体の半分近くが現在の議論について十分知らないと答えています。
 さらに、96条が定めた憲法改正の発議に必要な条件を、両院のすべての議員の「3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩めるべきだという主張について賛成か反対かを聞いたところ、「賛成」が26%、「反対」が24%でほぼ同じだったのに対し、「どちらともいえない」が47%で半数近くとなりました。

 ちなみに、ニュースでは研究者のコメントがついていた、調査結果について、改憲派の小林節教授は「憲法改正は避けて通れないという認識が、次第に一般にも広がってきたことがうかがえる。国民が幸福に暮らすために国家があり、主権者である国民がその国家を使うためのマニュアルとして憲法がある。だから、よりよい見直しをする『バージョンアップ』は当然のことだ。今こそすべての人が気兼ねなしに憲法改正を論じあう時期だ」と。一方で、水島朝穂教授は「憲法改正に反対の意見が減っているが、これは、国の安全保障政策や外交政策と憲法の問題を混同して『憲法を変えればうまくいく』と誤解している人が多いためではないか。現在の周辺諸国との問題は、憲法問題ではなく日本の安全保障政策の欠陥であることを国民に知らせたうえで、憲法についてじっくりと議論をすべきだ」と。
 心しよう。

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改憲手続き緩和 賛成38%、反対54% 世論調査

 改憲について、もの騒がしくなってきたけど、それに対する世論の反発も大きい。

改憲手続き緩和 賛成38%、反対54% 世論調査(朝日新聞)

 憲法記念日を前に朝日新聞社は全国郵送世論調査を行い、憲法に関する有権者の意識を探った。それによると、憲法96条を変え、改憲の提案に必要な衆参各院の議員の賛成を3分の2以上から過半数に緩める自民党の主張について、反対の54%が賛成の38%を上回った。9条についても「変えない方がよい」が52%で、「変える方がよい」の39%より多かった。
 96条の改正要件緩和については、自民党が昨年作った憲法改正草案で主張。最近は安倍政権も唱えているが、有権者は慎重であることが浮かび上がった。
 衆院と参院の一票の格差が是正されない状態で選ばれた議員が改憲の提案をすることについて尋ねると、「問題だ」が54%、「問題ではない」が38%。改憲手続き緩和の自民党の主張に賛成の層でも、44%が「問題だ」と答えた。
 一方、9条については、昨年4月下旬に実施した電話調査でも「変えない方がよい」が55%、「変える方がよい」30%だった。調査方法が違い、質問文もやや異なるため単純に比較できないが、「変えない方がよい」という人が多い傾向は続いている。
 参院比例区の投票先で自民を挙げた人は49%に達したが、自民投票層でも、9条を「変える」が45%、「変えない」が46%とほぼ並んだ。自民党は9条を変えるべきだと主張しているが、変えない方がよいという人でも「景気や雇用」などを重視して自民に投票するという構図だ。
 また、今の憲法を「変える必要がある」は54%、「変える必要はない」が37%だった。質問文がやや異なるが、過去の電話や面接調査では1990年代後半以降、改憲派が多い。
 調査は3月中旬~4月下旬に実施。有効回答2194件、回収率73%。……

 気になったので去年の朝日をしらべると。
 憲法改正については、全体をみて改正する「必要がある」は51%(一昨年54%)、「必要はない」は29%(同29%)。変える必要がないが大きく増えている。
 戦争放棄と戦力不保持を定めた9条を「変えるほうがよい」は30%(同30%)で、「変えないほうがよい」は55%(同59%)。ここは変えるほうがよいは増加傾向か。

 この間の世論の動向からいえば、やはり警戒感が高まっている。
 だけど、自民党の支持率は高く、選挙での関心は景気・雇用が圧倒的。憲法が必ずしも投票動向につながるかは未知数だ。いずれにしろ、今後の展開次第ということ。

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2013/05/01

ハナ 奇跡の46日間

Hana_01_large 今日は、メーデー。午前中、代々木公園の中央集会に参加して、午後からは、職場で仕事。夜、相方と待ち合わせして、渋谷に映画を見に行った。
 物語は91年4月、千葉でおこなわれた世界卓球選手権で韓国と北朝鮮が結成した史上初の南北統一チームの実話にもとづくもの。そのころはボクもいっぱしの職業人だったけど、こんなことがあったなんて、まったく知らなかったことが恥ずかしい。日本の現代史とも根深く関係するかの国のことについて、こんなにも無関心であったことが情けない。最初は対立からはじまる。だけど、若い選手たちが、なおさらスポーツを舞台にするだけに、絆が生まれるのは当たり前のことでもある。だけど、覆い被さる政治的対立、そして北の国の不可思議と不条理。そこで生まれる葛藤。それでも、この2つの国は、同じ民族の国である。
 当然のごとく、いまの朝鮮半島をめぐる不安定な情勢がだぶってくる。さまざまな不安と葛藤をはらみながら、それでも同胞の国として、向き合わざるをえないかの国。その重みと、この国の政治の薄っぺらさをどうしても感じてしまうのだ。
 ハ・ジュオンは美しく、かっこいい。ペ・デュナの圧倒的な存在感。この俳優はすごい。チェ・ユニョンチェは可愛く、ハン・イェリは清楚。脇役たちも好演。ストーリーは単純で、演出を奇をてらうようなものはない。だけど、圧倒的におもしろかった。こういう情勢だから、観客は少ない。しかも、小さな映画館での上映のみというのはもったいない。もっと、ボクらは知らなければならないことなのに。

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監視強まる生活保護(敵がいる:4)

 「朝日」の社会面の連載「敵がいる」を読むと、呆然としてしまう。

監視強まる生活保護(敵がいる:4)(朝日新聞)

 これで、もう人の目を気にして暮らさなくていい。
 4月19日、大阪地裁。足の不自由な大阪府枚方市の佐藤キヨ子さん(73)は、車を持っていることを理由に市に生活保護を打ち切られ、法廷で争った。判決は勝訴。「車を使うことは自立を助ける」と認め、市に賠償を命じた。
 生まれつき股関節に障害がある。60歳を過ぎて手術を受け、痛みは少し和らいだが、筋肉が弱くてよく転んでしまう。座席を改良した車は、通院にも買い物にも欠かせない。10年を過ぎた車だが、一人息子が贈ってくれた宝物でもある。
 数時間後。ネット掲示板に判決を報じる記事を貼りつけたスレッドが立った。
 〈歩けないなら車いらないだろ ねとけよ〉
 〈保護とめられても生きてたんだし。要するに不正受給ですな〉
 身近にも陰口をたたく人はいた。でも、裁判で勝ってもそうなのか。
 「私の痛みや苦労なんて全然知らんのでしょう。もっと見るからに痛そうにしてたらいいんですか」
 この4月、佐藤さんの住む枚方市に「生活保護情報ホットライン」ができた。財産を隠している。内緒で働いている。必要のない治療を受けている。そんな受給者を見たら、市に知らせてほしいという。
 隣の寝屋川市が2年前に始めた。通報はこれまで380件超。保護の一時停止や廃止につながったのは22件。大阪府内で通報窓口は6市に広がっている。……

 この寝屋川市では、「財産をもっているのでは」「必要のない治療をうけているのでは」そう感じたら通報をというポスターまでつくっているらしい。驚くような告発社会。30年代のドイツと比べてみるようになっても、ほんとうにおかしくない。いったいどういうことなのか?
 この連載では、「在日攻撃 牙をむく言葉」「社会『北朝鮮』触れられぬ空気」「社会沖縄攻撃 ゆがみ増幅」と続いている。実態は描いているが、その要因や背景はまだ描かれない。そこをどう考えるのか。どのように押しつけではないような、結びつきから連帯をおこしていくのか。少なくともボヤーっと考えていてはいけないとも思えてきた。

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名護市長ら「基地これ以上負えぬ」参院予算委に

 昨日は、参院予算委の公聴会が那覇でおこなわれた。そこでのやりとりは、自公政権と沖縄との根深い溝がうきぼりになった。

名護市長ら「基地これ以上負えぬ」参院予算委に(沖縄タイムス)  参院予算委員会(石井一委員長)は30日、2013年度予算案をめぐる地方公聴会を那覇市内のホテルで開いた。川上好久副知事、稲嶺進名護市長、照屋義実県商工会連合会長、新垣安弘県議が公述人として基地問題や振興などについて意見を陳述。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐっては「これ以上の負担は負えない」「県外移設が早い」など4氏ともに実現が困難との意見を述べた。  公述人に対する質疑では、自民党の山崎力氏が「本土では震災のがれき処理の受け入れですら反対されるのが現状。普天間の受け入れは困難だ」と述べ、辺野古に移設しなければ普天間が固定化すると指摘した。  これに対し稲嶺市長は「本土では国が地方にがれき処理の強要ができないというが(沖縄では)辺野古を強要している」と反論。固定化の懸念についても「二者択一で考えるべきではない。(政府は)真剣に県外を考えたのか」と訴えた。  新垣県議も「既存の滑走路を持つ県外に移設する方が早いという仲井真弘多知事の言っていることは正しい」と述べ、辺野古移設見直しを求めた。……

 この山崎議員はさらに言っている「普通の国民は『(基地を)引き受けていいよ』と言わない。それが現実。その間を縫った解決策が辺野古移設だ」とまで言ってのける。これには稲嶺市長は怒り心頭だ。「普通の国民と言うが『ウチナンチュ』は日本人に含めてもらえていないのか」と。当然の怒りだと思う。その怒りが自公政権には届かないのか。あえて無視を続くけるというのか。

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