パワハラ:労働相談で最多 「バカ」など中傷、暴言
これはいろいろ考えさせられる。
パワハラ:労働相談で最多 「バカ」など中傷、暴言(毎日新聞)個別労働紛争相談件数の推移
全国にある労働局の「個別労働紛争解決制度」に寄せられた相談内容のうち、2012年度は「いじめ・嫌がらせ(パワハラ)」が5万1670件に上り、11年度までトップの「解雇」を抜いて初めて最多となった。厚生労働省が31日発表した。同省は「パワハラは労働問題、との意識が広がった」とみるが、短期間での成果や効率を求める企業の姿勢が強まり、働きづらい職場の現状が浮き彫りになった形だ。
同制度は労働組合の組織率が下がる中、個人と会社の個別紛争を解決する制度として厚労省が01年からスタートさせた。同省によると、12年度の相談は約106万件(前年度比3.8%減)あり、民事上の個別トラブルに関するものは約25万件(同0.6%減)。内訳はパワハラ5万1670件(同12.5%増)、解雇5万1515件(同10.9%減)で、労働条件引き下げ、退職勧奨などが続いた。
パワハラは02年度は6627件だったが、毎年右肩上がりに増加。12年度の内容は「バカ」などの中傷や暴言▽腰を負傷した社員に過酷な作業を割り当てる▽頭をたたく−−などがあった。相談者のうち正社員が39.8%に上る一方、非正規雇用も31.5%おり、弱い立場の人が問題を抱える傾向がみえた。
「食事や休憩もなく9時間怒られ続けた」「夏は冷房、冬は暖房が利かない場所に机を移動させられ仕事をさせられる」というようなものもあるそうだ。いわばいじめとしか言えないような相談も少なくないと言う。
こうしたことの広がりは、もちろん人権感覚という問題もあるし、そういう人権を大事にするようなことをどう職場に広げていくかという課題もあるのだけれども、そもそも、職場が変容して、効率が徹底して追及され、法的な問題にかかわらず、かなり厳しい状況が日常化しているという問題が根底にあるのだと思う。これは相当よく考えなければいけない問題。法的なたたかいとともに、もっと職場を変えるようなとりくみも大事なんだろうなと思う。もちろん制度なども、そういう職場を変えるようなものにしていかなければならないのだろうけれども。とにかく、いまの職場にある問題は、もっと広く議論されなければならないように思う。
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