アルマジロ~アフガン前線基地の7か月~
BSの世界のドキュメンタリーでやっていた。後編だけ、思わず見てしまった。
兵役のあるデンマークでは、すべての男子が9ヶ月間の軍務に就く。取材チームはアフガニスタンへ派遣されることになった若者に焦点を合わせる。
若者たちは1ヶ月の訓練期間を経て“アルマジロ”へ。アルマジロはアフガニスタンの前線に置かれた対タリバンの前線基地だ。ISAF(国際治安支援部隊)としてデンマーク軍とイギリス軍が共同で運営している。アルマジロの周辺では、一見、平和な農村の日常が続き、部隊は毎日、そうした村々をパトロールする。タリバンの影響が及ばないように監視するのが任務だ。
ある日、いつものように巡回を始めた部隊に砲撃が加えられる。装甲車も加わり戦闘となるが、タリバンの姿は確認できない。「無事か?応答を!」とアルマジロからの無線に、「一人負傷。脈はあるが呼吸が困難」との連絡が。そして、また一人が重傷を負い、本国に送り返された。 平和な都市生活から緊張を強いられる要塞での軍務。ギャップは大きい。PTSDとなり、戦闘不能になる兵士も珍しくない。7ヶ月後、若者達は帰国する。二度と軍務にはつかないと言う者、正式に軍隊に入りもう一度アルマジロに行くと宣言する者、反応は様々だ。
戦争とは何なのか。そして、命、平和の意味とは?カメラは問いかける。
後半の戦闘から、その後。極言の状態。そして、敵を人とも思わない行動、異様な興奮。転がる死体。成果を自慢しあう……。ああ、これが戦場か。そして、「この現場のことは自分たちにしかわからない」と。衝撃的なシーンが続く。
戦争の現実から、戦争とは何なのかを問いかける。ほんとうに根源的。「この現場のことは自分たちにしかわからない」という閉鎖的な論理が、さまざまなことをあいまいにする。「慰安婦」問題にも似たところがある。それだけに、ボクらが積み上げてきた「平和」の論理や法理の意味も考えさせられる。
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