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2013/04/02

保証人社会を問う:自殺した起業の自営業者 連帯保証で4割苦悩

 ライフリンクの自殺実態白書からの記事。

保証人社会を問う:自殺した起業の自営業者 連帯保証で4割苦悩(毎日新聞)

◇短期決断で救済困難
 NPO法人「自殺対策支援センターライフリンク」が自殺者約500人について、最初に悩みを抱えてから亡くなるまでの期間(経過期間)を調べたところ、性別や職業など自殺者の類型のうち「自ら起業した自営業者」が2年と最短で、その4割が連帯保証の問題を抱えていたことが分かった。経過期間が短いほど救済が難しいとされ、個人保証制度の見直しが自殺対策の課題として浮かんだ。
 ライフリンクは07〜12年の5年間で、46都道府県523人の自殺のケースについて遺族に聞き取りを実施。類型ごとに分析した「自殺実態白書2013」をまとめた。
 経過期間は平均値ではなく、中央値(対象者を期間の長さで並べた時に真ん中となる対象者の値)を用い、全体の中央値は5・0年だった。一方「自ら起業した自営業者」55人の中央値は2・0年で、分析した類型の中で最短だった。この55人のうち21人(38%)が、他人を連帯保証人にするなど個人保証の面で悩みを抱えていた。
 さらに自殺前に相談した人の割合は、無職者の84・9%に対し、自営業者(自ら起業した人と、事業を継承した人を含む)は63・3%にとどまり、学生(57・8%)に次いで少なかった。
 ライフリンクの清水康之代表は「事業不振に陥ると負債や過労、生活苦、家族間の不和などの問題を急速に抱え込む傾向にあるようだ。倒産や自己破産などの選択肢があれば逃げ道となるが『連帯保証人に迷惑をかけられない』という思いがその逃げ道をふさいでしまう」と指摘。専門機関への相談の割合が低い点にも「相談すれば事業が不振だと知られてしまい、取引を打ち切られたり金融機関の貸しはがしに遭うという不安があるのではないか」と推測する。
 個人保証制度を巡っては連帯保証人を引き受けた第三者が他人の借金を背負わされて自殺する事例も多く、ライフリンクの白書でも12人がこうしたケースに該当するとみられる。

 奨学金の問題でも、返済が困難なものが、自己破産などの手だてをとれない要因となっているのが、この連帯保証人と保証人の制度だ。迷惑をかけてはいけないと、結局、保険金で支払うと自殺を考えるケースも後をたたないようだ。
 ボクは、金融については詳しく知らないが、これは世界でもここまでの仕組みをとっている国はそう多くはないのではないか。企業なら精算ということができるのに、個人事業主や個人は、なぜここまで追いつめられなければならないのか。どうも、民主的な金融ルールではないように思える。ほんとうに弱い者、力のない者は、やりなおしはきかないのか。こんな社会の仕組みはやっぱりおかしいと思う。声をあげなきゃ。そしてまず、支えることを考えなきゃ。

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コメント

確か住宅ローンについても、日本では住宅を転売したとしても、売却価格が借入残高よりも下回れば、ローンだけが残ってしまうなんてことと本質的には同じことだとすれば、余りにも悲しい限りとしか言い様がございませんよね。
アメリカでは、リーマンショックによりサブプライムローンが焦げ付いた時に、住宅が売りに出されている光景というのも見た記憶がありましたが、アメリカでは、それまで住んでいた住宅を処分する場合には、基本的には借入残高と同額で買い取ることで、借りていた方々は、新たに引っ越すなりして、借家なり、手頃な住宅を見つけるなりして、ホームレス等に転落するようなことは回避出来るし、金融機関側からすれば、残った残額分だけを精算することで、転売した時に、これより高く売れれば、金融機関側の利益になるだけのことだし、仮に下回ることになったとしても、金融機関をはじめ、転売業者等と痛みを分かち合うことに繋がり、「困った時はお互い様」ということで、共に助け合うことに繋がって、共に幸せに暮らすことが出来ることに繋がることで、遥に望ましいことはない事と比べると、まともな日本国民からすれば、従軍慰安婦問題等と同様に、聞いて呆れるばかりでしかございませんね。
イギリスやフランス、ドイツなどの欧州では実際のところはどうなのかわかりませんが、少なくとも、日本のようなことはありえない事くらいは幾らでも想定されるし、それこそ、幾らでも見習う必要があることだけは間違いありませんね。

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