ソハの地下水道
想像していた映画とは全然違っていた。実話にもとづくあまりにも重い映画だった。ソハは下水道の修理工だが、暮らしはきびしい。ドイツ軍が占領していたポーランド(当時)、ゲットーがある町で、ソハは若い同僚と泥棒稼業に精を出している。たまたま、強制収容所行きを逃れようとしていたユダヤ人たちを匿い、口止め料をもらうことのなる。最初は、金を取るだけ取って、通報はその後という思惑で、迷路のようになっている地下水道にユダヤ人たちを匿う。しかし、ユダヤ人を匿うこと自体が、処刑の対象になる。やがて、ソハの身にも、危険が迫ってくる。
こんなにも究極の状況のなかで、生き抜いていた人たちがいた。一方で、人間くさく人間の営みや葛藤がある。だからこそ人間として思いも生まれてくる。ソハの問いかけは、神と人との間をさまよう。そして人としての決断と勇気に励まされる。
だけど、時代は、そして神は、どこまでも理不尽で、彼らは、絶望の闇の中にあった。地下での14カ月、彼らは何に希望を見いだしていたのだろうか? ラストの字幕でのソハのその後は、その後、この地では、新たな理不尽がふりかかることを示している。だけど、たたかいつづけた人としての営みが現実にあったこと、その重みを痛感させられるし、それが、受け継がれていることそのものが大事なのだろうなあとも。
今日は、移動中の地下鉄で、ボクの目の前に宇都宮弁護士が座っていて、驚いた。これから講演と言っておられた。ちょっとご挨拶。
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