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2013/04/07

「中学生・高校生の生活と意識調査・2012」について

 昨年、NHKが「中学生と高校生の生活と意識調査」を実施している。1982 年、87 年、92 年、2002 年に続き 10 年ぶり5回目で、学校生活、友だちや親との関係、心理状態、社会観などの幅広い質問領域の調査となっていて、興味深い。
結果の概要は以下のとおり。

■いじめを見聞きした後、半数が「何もしなかった」
今の学年になってから「いじめられた」という人は、中学生5%、高校生2%、「いじめた」が中学生4%、高校生2%である。「友だちがいじめられているのを見聞きした」人は中学生で 32%、高校生で 17%だが、その半数がその後「何もしなかった」と回答している。 また、いわゆる“ネットいじめ”を経験したのは、高校生女子で 10%である。
■まわりと協調する中高生が増加-望ましいのは、自己主張せず「多くの人の意見に合わせる生き方」
「他人がどう言おうと、自分がこうと思ったことは主張する」より、「無理に自分の考えをおし進めないで、多くの人の意見に合わせる」ほうが望ましいという人が、中高とも6割を超え、10 年前と比べて増えている。
■ネット上だけの“友だち”が増えていく?
中学生の 60%、高校生の 96%が「メール」を使い、高校生では3人に1人が「プロフやブログ」「ソーシャルメディア」も使っている。 「ネット上だけのつきあいで、実際には会ったことがない友だち」がいる人は、中学生で 17%、高校生では 32%に上るが、ネット利用者の3割が「ネット上の人間関係はトラブルが起きやすい」と感じている。
■悩みごとの相談は友だちからお母さんへ
悩みごとの相談相手は「友だち」という人が最も多く、中学生で4割、高校生では6割に上るが、過去 30 年の推移をみると、中高とも「友だち」に相談する人が減り、「お母さん」に相談する人が増えている。
■父母は「やさしくあたたかい」「よくわかってくれる」「いろいろなことを話す」が過去 30 年で最多
父母に対する評価をたずねたところ、「やさしくあたたかい」「よくわかってくれる」「いろいろなことを話す」という人が過去 30 年で最も多くなっている。
■将来について楽観的な中高生、悲観的な父母
「一生懸命勉強すれば、将来よい暮らしができるようになる」と思うかたずねたところ、「そう思う」と答えたのは、中高生ともに8割近くに上る。「そう思う」と答えた人の割合は、10 年前と比べて大きく増えている。調査方法が異なるため単純な比較はできないが、父母の結果は子どもとは異なり、「そうは思わない」つまり一生懸命勉強してもよい暮らしができるとは限らないと考える人が多い。
■『幸せだ』中学生 94%、高校生 96% 「とても幸せだ」が大幅に増加
中高生の大多数が『幸せだ(とても+まあ)』と回答している。10 年前と比べて「とても幸せだ」が中高ともに増えている。

『放送研究と調査』(月報)の1月号から3月号にその解説論文が掲載されていた。
まず①は、「“楽しい”学校。ネットでつながる友だち」
学校は楽しいが9割超、いちばん楽しいのは「友だちと話したり一緒に何かをすること」、担任の先生は「よくわかってくれている」が増加、今の学年になって「いじめられた」中学生5%高校生2%「いじめた」中学生4%高校生2%、今の学年でいじめを見聞きした中学生32%高校生17%、いじめを見聞きした後、半数が「何もしなかった」
 友だちのとつきあいは、望ましいのは、自己主張せず「多くの人の意見にあわせる生き方」、悩みごとの相談相手は「友だち」だが過去20年では減少、母親は「やさしくあたたかい」「よくわかってくれる」が増加、「友だちづきあい」に関心がある人が減少
 携帯電話は中学生49%高校生97%が所有、高校生の3人に1人が「プロフやブログ」「ソーシャルメディア」でやりとり、メールの利用者の4割が1日「10件未満」、インターネットの1日の平均利用時間は「1時間ぐらいまで」が半数超、インターネット上だけの友だちがいる中学生17%高校生32%、ネット上の嫌がらせや悪口の経験「された」中学生2%高校生7%「した」中学生1%高校生4%、インターネット上の人間関係については長所短所を認識、大多数がインターネットを使ううえでのリスクを認識、子どものインターネット利用についての心配は“生活の乱れ”
 ボクは、子どもたちの人間関係の変化などなるほどと思う点も多いが、同時に、あんがい、そういうなかでしたたかに生きていることを感じたりするのだが。

②は学力問題で、「厳しい将来に備えを―勉強を重視する親たち」
大学・大学院まで進学したい中高生が過去30年で最多に。学校外の勉強時間は中高とも下げ止まり、男子中学生で多い塾通い、「授業で教えられる中身が多すぎる」と思わないが過半数、勉強は将来役立つと考える中高生が増加、受験勉強を否定的にとらえる親が減少、
親にとっての気がかり 父母の9割が将来の就職難を心配、子どもと意見が合わないことは」勉強のしかたや勉強時間」が最多、子の弁九時間や成績としつけの自己評価なども分析。教育費については「教育費は負担だが、惜しまない」父母が多数、
 親の学歴や生活程度で異なる勉強の環境についても分析、親の学歴や生活程度と子どもの勉強へのとりくみのちがい、生活程度の認識の低い人に多い「教育費は家計の負担」」と。
ボク的には、親子の関係の変容というものをすごく感じる。もちろんその背景には、家族にすべてがのしかかるというのがあるのだろうけれども。

③は「中高生はなぜ“幸福”なのか」
 『幸せだ』が9割超、なかでも「とても幸せだ」が大幅増
こころの状態についても、不安定な心理状態「まったくない」が増加、打ちこめることのない中高生過去30年で最も少なく。
理想の生き方と社会への関心という点では、「今」を重視する中高生、7割超が『留学したくない』、高くはない政治や世の中への関心、7割が「社会」よりも「自分の生活」と。
 将来については、「決めていない」中高生が減少、男女の役割分担は「家庭内協力」を重視、多くが出産後の女性の就労に肯定的、将来の子育ては「父母が同じぐらいにかかわる」が最多。
 全体として「自分をある程度犠牲にしても、他人の面倒をみる」が増加、日本は「よい社会」「将来は明るい」と思う中高生が増加という。
 ボク的に読んでみると、中高生は決して非社会的でないし、政治への関心が低いわけではない。むしろ、社会的な認識や政治的なとらえかたが、現実の生活のなかで。非常に制約がかかったかたちで培われているということが多いようにも感じるのだけれども。ここから、社会認識にどんな変化が生みだされるのか、そういう視点で注目をしたい感じがする。

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