魂の旋律 ~音を失った作曲家~
今日のNHKスペシャルは、佐村河内守。
“現代のベートーベン”と呼ばれる日本人がいる。佐村河内守(サムラゴウチ マモル)、49歳。14年前に原因不明の病で両耳の聴力を失いながら、クラシック作品の中で最も困難とされる交響曲を書き上げた。現存作曲家の交響曲が演奏される事がほとんどない中、彼の「交響曲第一番“HIROSHIMA”」は、広島、東京、京都、大阪など5回も演奏されただけでなく、一昨年発売されたCDは、音楽チャートでTOP10入りを果たしJ-POPと上位を競うなど、“偉業”とも言える空前のヒットを記録した。
そんな彼が、今取り組んでいるのは、東日本大震災の被災者へ向けたピアノ曲「レクイエム」。彼の曲に勇気づけられたと、多くの被災者から声が届いたことを受け、“鎮魂”の思いを強く願うようになったのだ。しかし、震災を体験した訳でもない自分に、納得できる鎮魂曲が作れるのか…。被災地を訪ね、被災した人たちとの交流を深めるなど、佐村河内の格闘の日々が続いている。
番組では、音のない世界の住人、佐村河内がいかにしてレクイエムを完成させるのか。3月上旬に予定されている宮城での演奏会に向けた制作現場に密着。さらに、彼の交響曲に救いを見いだした被災者たちの取材も加え、“命を削り、音を紡ぐ”作曲家・佐村河内守の実像に迫る。
もう3年前になる。佐村河内さんの「HIROSIMA」の改訂版を、東京芸術劇場で聞いたのは。そのときのブログ。そして、CDが発売されたときのブログ。
こころを揺さぶる。
今風の前衛音楽ではない。むしろ古典的な手法の音楽で、しかも、緻密。計算されつくした音楽であることが、この番組からも分かる。
その音楽を紡ぎ出す苦悩。ここまでしてなぜ、彼は音楽をつくるのか?
自身の苦悩と、被爆二世としてのHIROSIMAの経験。
そこに、東日本大震災の困難が重なる。すこでつくられたのが、「レクイエム」。“命を削り、音を紡ぐ”。やはり、心をゆさぶられる。
今度は、『桜、ふたたびの加奈子』の主題歌だそうだ。これは見に行けるか?
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