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2013/03/09

発信箱:「ストロング・ジャパン」=福本容子(論説室)

 昨日の毎日新聞のコラム。なかなか衝いている。

発信箱:「ストロング・ジャパン」=福本容子(論説室)(毎日新聞)

 フォークランド諸島は、南米アルゼンチンの東沖480キロにあるイギリス領。マルビナスというスペイン語名もある。アルゼンチンも領有権を主張しているのだ。1982年にはアルゼンチンが侵攻し、実効支配していたイギリスが派兵して制圧した。
 そのフォークランド諸島で来週、住民投票がある。イギリスの海外領土として残るのか、を問うもので、3000人ほどの島に報道陣が押し寄せる。
 中国のテレビも来た。地元紙「ペンギン・ニュース」の編集長、リサ・ワトソンさんは取材され質問にびっくり。「中国と日本がフォークランドに学ぶべきことは何ですか」。尖閣のことなど知らない。第一、2大国がこんな島の経験に学ぼうなんて。
 ワトソンさんは困ったけれど、最近、尖閣問題はよくフォークランドと重ねられる。紛争当時、英首相だったサッチャーさんの言葉を安倍さんが施政方針演説で引用したことが大きい。「日本の首相、フォークランド戦争を尖閣紛争に結びつける」(米タイム誌)、「日本、サッチャーとフォークランドを鼓舞に使う」(英デーリー・テレグラフ紙)
 サッチャーさんの言葉を引用したのは、武力行使ではなく国際法が物を言うべきだ、と訴えたかったからみたい。でも、フォークランドでは結局、武力行使から戦争になり、74日でアルゼンチン兵649人とイギリス兵255人と島民3人が犠牲になった。
 日本は中国と戦争する気がある−−。海外では首相のサッチャー語録引用が警戒を招いた。「強いニッポン」を連呼する安倍さんだ。「鉄の女」へのあこがれかもしれないけれど、日中関係を険悪にしないか、と世界は結構心配している。「ストロング・ジャパン」。言わない、が賢そう。

 どうやら安倍さんは、海外からは相当好戦的な指導者と思われているようだ。もともと、安倍さんは、リル・ストリープ主演「マーガレット・サッチャー」のかなで、「フォークランド紛争に勝利をおさめた後、英下院で国民に団結を呼びかけるシーン」に感動したと語った前科がある。だけど、今回の演説は、「フォークランド紛争を振り返って、イギリスのマーガレット・サッチャー元首相は、こう語りました。『海における法の支配』。私は、現代において、『力の行使による現状変更』は、何も正当化しないということを、国際社会に対して訴えたいと思います」と、力の行使よりも法の支配を訴えたものだ。にもかかわらず、世界からは好戦的とみられるのは、「強い日本」を掲げ、挑発的な行動も多いが故なんだと思う。とりわけ尖閣については、中国側の問題もあるが、安倍さんのほうも十分に挑発的な対応をとっている。アメリカをはじめ世界の多くの国は、ここでの紛争は望んんでいないし、そのでの紛争が世界に経済にどのような影響をおよぼすのかも含めて懸念している。必ずしも、これら国際社会は日本の動きを支持するとは思えない。
 現時点では、いろいろな問題があるにしても、中国側も尖閣では海艦の船や航空機の対応だし、日本の側も海では海保が対応している。そういう一線は現時点では越えていない。ここで、それぞれの国でどのように抑制的な動きがでるかどうかの正念場になる。軍隊が直接対峙をすることになれば、深刻な事態も予想さえるだけに。政権は、どこまで、そういう対応をとりながら、解決への糸口をつくることができるのだろうか。国際社会が注目している。

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