3.11 あの日から2年 わが子へ ~大川小学校 遺族たちの2年~
今日のNスペは、大川小。
巨大津波によって全校児童108人のうち70人が亡くなり、4人の行方が今もわかっていない、石巻・大川小学校。学校の管理下で唯一、多くの犠牲者を出した“震災最大の悲劇”といわれている。
NHKは、震災半年後に放送したクローズアップ現代「巨大津波が小学校を襲った」の後も、深い悲しみを背負った遺族の日々を見つめ続けてきた。子どもという「希望」を失った家族や地域が、再生への一歩を模索している姿を記録し、この大災害が人々に何をもたらしたのか後世に伝えるべきだと考えたからである。
番組では大川小学校の遺族の2年の月日を見つめる。
哀しみは決して癒えているわけではない。いまだ4人(教員1人)は行方不明のまま。そうした親たちの哀しみ、そして中学の教師であると同時に遺族となった先生の葛藤、教師である子どもを失った親の苦悩と哀しみ。心に突き刺さるような話だった。途中で、親たちが、真相をもとめて立ち上がるシーンがある。教師を責めるのではなく、学校とともに、ふたたびこういう悲劇がおこらないようにという願いからのとりくみ。その記者会見後に、子どもの写真を抱き続ける親の姿が哀しみを広げる。
だけど、ここでも2年の月日がたった。しかし、その検証は第三者委員会はやっとはじまったばかりだ。その人選、そして運営のあり方など、親たちの疑念を生んでいるのは事実。ほんとうに真相はいま明らかにはなっていない、これからなのだ。室崎先生などの活動に期待したい。そういう課題については、番組はふれなかった。
安全で安心な学校であるために。本当に、残されたボクたち大人は、その責任を果たせているのかも問われているのだとも思う。
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