Disabled Children: Rights and Poverty: UK Perspectives
院内集会をなかぬけして、表題の研究会に参加した(民主教育研究所の主催)。イギリスでソーシャルワークの研究と養成に40年近く携わってきたDawn Juddさんの報告。なかなか外国のいまの様子というのはよくわからないから貴重な機会。イギリスで、子どもの貧困法の制定にいたる経緯というのは、何度か研究会で聞いていたけど、保守連立政権のもとでそれがどうなっているのかというのははじめて聞く話。
もともとイギリスでは子どもの貧困がどのように議論されてきたのかという問題もそうだけど、その巻き返しの連立政権の考え方というのも驚く。だから現状はかなりたいへんな状況もあるようだ。もともと、社会的な支援というのが基本(日本の場合、障害児学校の役割が大きい)だけど、そこの削減は、若者障害者支援のワーカーが大幅に削減されていたり。とくに新自由主義改革では、個人給付が中心の政策への転換がすすめられて、それが福祉サービスの後退をもたらしているようだ。
そこで、障害児と貧困の調査をすすめているわけだけど、その調査方法に注目。質的調査とか参加型調査とかいわれるようだけど、貧困にあの障害児に直接に聴き取りをしている。しかも、障害程度でグループを分け、軽度のグループが重度の子どもたちのそれを分析したりする。そういう議論のなかで、障害児が社会からどう孤立しているのか、どのように参加ということを望んでいるのかということが焦点かされる。子どもの権利についての議論のありようともかかわって興味深い話だった。
センのケーパビリティやコンバーション・ハンディキャップという概念についての議論になったけど、ボク的にはちょっと違う解釈をしたんですけどねえ。
刺激とヒントをもらって充実した会でした。謝謝。
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