戦後教育の記録8万点 読谷村へ
これは大事な記事なので、クリップ。
戦後教育の記録8万点 読谷村へ(沖縄タイムス)県教職員組合(沖教組、山本隆司委員長)が保管する沖縄の戦後教育や復帰運動を記録した写真や文書など約8万点の資料を、読谷村(石嶺傳實村長)が引き取ることになった。人手不足と財政難で保管が徹底できず、沖教組が引き取り手を探していた。前身の「沖縄教職員会」会長を務めた元県知事の故・屋良朝苗さんの故郷でもある同村が手を挙げ、関係者は「沖縄の戦後史にとって重要な資料を引き取ってもらってありがたい」と喜んでいる。
きっかけは昨年6月24日、同村教育委員会で村史編集を担当する泉川良彦さん(58)が、那覇市久茂地の沖教組事務所1階の資料室を訪れたことにある。村や県の歴史を学ぶフィールドワークの一環で、村民約20人と事務所を訪ねた際、沖縄の教育復興を訴える声明文や復帰闘争などの資料が黒いひもなどでつづられ、雑然と戸棚に置かれているのを見た。
その中に、屋良さんら教職員が結成した「沖縄戦災校舎復興促進期成会」が53年、全国の高校や大学などを回って集めた約6千万円を元手に図書や教材などを購入、県内に配布した「愛の教具」を分類する教職員とみられる写真や期成会の議事録などを見つけた。
「他の図書館や大学にもない貴重な資料だ」と感じた泉川さんは翌日、沖教組の宮城淳書記長に借用を申し出た。すると「全ての資料を村に寄託できないか」と逆提案された。沖教組は加入組合員が伸び悩むなどして苦しい財政運営が続き、管理が行き届かず、引き取り手を探していた。
泉川さんはすぐに当時教育長だった比嘉源勇さんに相談。石嶺村長も資料の貴重性を理解し、引き取りを決めた。
村は今年中に資料を移動させる予定で、現在、沖教組と資料の移送方法を話し合っている。山本委員長は「資料が本土や海外に出てしまったら、沖縄にとって大きな損失になっていた」と、感謝した。泉川さんは「県民や研究者に広く見てもらえるよう、これからじっくり考えたい」と、一般公開に向けた保管方法を検討する予定だ。
本土から切り離されて、アメリカの軍政下のもとにあった沖縄の戦後は、さまざまな困難をかかえながら、特異な戦後史を歩んでいる。そのもとで、教育の分野、子どもの分野では、どんなことがおこっていて、それがいまの沖縄にどう連なっているのかは、今後の沖縄の未来を考えるうえでも、欠くことができない作業。その意味でも、この分野での戦後史研究はとても大事だと思う。それだけに貴重な資料が、そのままちゃんと管理・活用されるようになるのは、これほど、喜ばしいことはない。一般公開されたら、見に行きたいなあ。
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