韓日 一時は慰安婦問題で“合意寸前”
竹島の日にかかわって、またいろいろ注目される日韓関係。こんなニュースが昨日飛び込んだ。
韓日 一時は慰安婦問題で“合意寸前”(KBSワールド)元日本軍従軍慰安婦問題について、韓国と日本は2011年12月に行われた首脳会談を機に対話を重ね、合意寸前までこぎつけていたことがわかりました。
これは、朝日新聞が22日、「李明博外交の5年」と題した記事の中で、金泰孝(キム・テヒョ)前大統領府対外戦略企画官とのインタビューを引用する形で伝えたものです。
そのなかで、金泰孝氏は、「おととし12月、李明博(イ・ミョンバク)大統領と当時の野田佳彦首相が京都で会談し、元日本軍従軍慰安婦問題について議論して以降、韓日両国が対話を重ね、合意寸前まで行っていた。うまくいけば慰安婦問題の合意は、夏には発表でき、関係は改善したはずだ」と述べました。
当時、交渉の内容は、日本の首相が元慰安婦の女性たちに心から謝罪し、国が償いもするということが核心で、金泰孝氏と日本政府官邸の高官との間の特別なチャンネルでは、ほとんどの部分で妥結する手前だったということです。…
朝日のインタビューで金泰孝さんは「一昨年12月の京都での首脳会談は慰安婦問題で長時間の激論になった。歴史問題ではこれが最後かつ最大の懸案だ。その後、日本政府も李政権のうちに問題を解決しようと努め、双方が誠意ある対話を重ねた。日本の首相が被害者のおばあさんたちに心から謝罪し、国のお金で償いもするということが核心だった。ごく少人数しか知らないのだが、実は合意寸前だった。通常の外交ルートとは別に、私と日本政府官邸の高官との間に特別なチャンネルがあり、ほとんどの部分で妥結する手前だった」という。
これがほんとうなら、野田さんは、もう少しで歴史に名を残せたのにねえ。
日韓関係というのは、北朝鮮との関係でも、中国との関係でもキーになる外交関係だと思う。少なくとも、その日韓関係を考える上で、韓国の立脚点がどこにあるのかを理解するうえで、けっこう重要なことを言っているような感じのインタビューでもある。
合意できなかった理由として、 「一つは韓日の外交当局が、それぞれの立場を反映させようと踏ん張ったことで、状況が難しくなってしまったことだ。そんなところに、GSOMIAの騒ぎが起きた。締結が突然流れたことで、慰安婦問題が宙に浮いた形になった。うまくいけば慰安婦問題の合意は、夏には発表でき、関係は改善したはずだ。朴槿恵(パククネ)新政権に日本側が改めて提案すれば、道は開けると思うが、問題は安倍政権だ。韓日関係のみならず、日本の国際社会における地位と役割を考え、勇気を持ってほしい」という。対中外交についても、牽制一辺倒の日本との違いを強調し、日本の集団的自衛権にもつても、「韓国では今、日本が何を言っても『軍事大国化するため北を活用している』と受け止められる。韓日間の対話を軌道に乗せ、韓国側が誤解しないようにすべきだ。日本は安全保障問題とともに、周辺諸国が日本の集団的自衛権の保持を祝福できるような環境を整えてほしい。二つの宿題を並行して片付ける努力が必要ではないか」と指摘する。
安倍政権が抱える矛盾の一端をうまく表現している感じ。
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