何者
直木賞受賞作。読んでいて、ほんとうにつらくなる。ちょうど子どもたちの世代。その感じ方、息づかいが聞こえてくる感じがする。
若い頃、自己認識をめぐる状況は過酷だ。それはボクの時代だってそうだった。だけど、時代の変容は、大きくその状況の過酷さをうきぼりにする。就活とSNSを舞台に。自分が、なりたい自分であることを求められる世代。なりたい何者か…。
だけど、社会的な背景などは、視野のそのにある。孤立化の時代は、あくまでの個人の問題でしかない。そのことを問わないのだから、きっと自己責任にとらわれていく。そんなことも感じさせる。主人公の影があばかれたとき、つらくって涙が出る。
何か答えはでたのか? ラストのラストは、どう読めばいいのだろう。ボクが若かった頃、はやった小説との距離は強烈。若者のいまを垣間見せてくれ、いろいろ考えさせられた。おじさんたちは読んだ方がいい。
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