キ・ボ・ウ ~全村避難 福島県飯舘村二年の記録~
テレビ朝日は、かつては日本教育テレビという放送局だった。そのなごりなのだろうか、民間放送協会という団体があり、毎年、こうしたドキュメントをつくっている。ことしはこれ。
あの日、雪さえ降らなければ・・
福島県飯舘村は、今も阿武隈山系ののどかで美しい村だったかもしれない。
村は、人口約6000人、福島第一原発からは30キロ以上離れ、原発の恩恵を受けることもなく独自の村作りをしていた。
しかし、2年前のあの日、福島第一原発から流れ出した強い放射性物質は、雪に巻き込まれる形で、静かに村に降り積もった。
多くの村人は、学者の「心配することはない」という言葉を信じた。
やがて、村は「計画的避難地域」となり全村避難、原発被害の悲劇の村として、
繰り返しメディアで紹介されるようになった。そんな中、菅野典雄村長は、“2年で帰村する”と宣言した。
あの日から2年、飯舘村はまた雪の季節を迎えている。飯舘村の人々はどう過ごしてきたのだろうか?
福島テレビは、突然降り掛かった災難で村を追われた美しい村の住民が、揺れ動く行政に翻弄され、離散生活に苦しみ、除染や村のあり方を巡って対立しながらも、キボウを模索しつづける2年間を追った。
菅野村長と長谷川健一さん、そして、じゃがいもの渡辺さんらの姿を通して、この2年を追う。美しい村をめざした飯舘。その願いはふみにじられた。帰りたい思い。だけど、帰れない現実。その線量はモニタリングポストで捉えられているわけではない。その現実の厳しさ。番組は、政治のあり方や東電の問題については問わない。ただ、おかれている厳しさを紹介する。そして、どこまでも揺れながら、それでも、希望を紡ぐ、福島での集団牧畜を再開する長谷川さんの長男、飯舘のいもをひろげる渡辺さんたち。
豊富な選択ができるような保障ができないのか? どんな選択でも希望を紡ぐことはできないのか?うーん。
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