"核のゴミ"はどこへ ~検証・使用済み核燃料~
今日のNスペ。この問題をとりあげたら結論ははっきりしている。NHKはどう描くのかとハラハラしながら見た。
3つの建屋が爆発した、福島第一原子力発電所の事故。原子炉とともに危機的な状況に陥ったのが、莫大な放射能を持つ使用済み核燃料の貯蔵プールだった。原子炉の稼働によって生じる使用済み核燃料は、全国の原発などに貯蔵され、その量は1万7千トンに達している。国が、使用済み核燃料を資源として貯蔵・再利用する、核燃料サイクルを推進してきたためだ。しかし、サイクルの要となる青森県六ヶ所村再処理工場は、トラブルの連続で操業開始を延期し続け、高速増殖炉「もんじゅ」も、1995年の事故以来、ほとんど動いていない。さらに、再処理に伴って生じる高レベル放射性廃棄物を埋設処分する場所も決まっていない。国は、3兆円近い経済効果をうたってきたが、唯一名乗りを挙げた高知県東洋町では、激しい反対運動が起こり挫折。原発事故後、さらに状況は厳しくなっている。こうした中、去年末に誕生した自公・安倍政権は、「前政権下の原発ゼロ政策の見直し」「核燃料サイクルの継続」を表明。使用済み核燃料、高レベル放射性廃棄物が再び大量に増え続ける懸念が出てきている。もはや、使用済み核燃料や廃棄物から目を背けることはできない私たちの社会。重い課題と向き合う、世界各国の事例も交えて伝え、次世代に負担を先送りしない方策を探る。
番組でもとりあげた「高レベル放射性廃棄物の処分について」についての学術会議の提言はこれ。
番組はまず補助金による経済効果だのみの最終処分場さがしの破綻についてとりあげる。つづいて、世界との比較。そして問題の核燃料サイクルという日本の政策。官僚のなかの、「世間を欺けない」という告発と、それでも「原発は成り立たない」という葛藤がすごい。原発の危険と、再処理を含めた技術の未完成とうことを直視することからはじめなければいけないのだけれども。
だけど、それを阻むのが、ムラの住民たちの無責任な、自らの利害を優先するありよう。その議論には、見ていて背筋が凍り付いた。と同時に、その体質は、今度の東電の調査妨害のそれとも同じものであろう。
しかし彼らも言う、これは国策であり、その仕組みをそのままにしての議論は成り立たないと。ならば、国と政治そのものが責任をとらなければいけないところにきているということか。
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