「強い経済取り戻す」 安倍首相が施政方針演説
「強い経済取り戻す」 安倍首相が施政方針演説(朝日新聞)安倍晋三首相は28日、衆院本会議での施政方針演説で「日々の暮らしを少しでも良くするために、『強い経済』を取り戻す」と強調した。成長戦略を重視する姿勢を前面に掲げ、「日本をもう一度成長センターにしていく」と意気込んだ。参院本会議でも行った。
首相は「力強い日本経済を立て直すことが私たちの世代の責任だ」と指摘。首相の経済政策であるアベノミクスの財政出動、金融緩和、成長戦略の「3本の矢」を進める考えを改めて説明し、「働く意欲のある人たちに仕事をつくり、頑張る人たちの手取りを増やす」と約束した。
成長戦略として「攻めの農業政策」や再生医療・創薬、ファッション、アニメ、環境技術などを例示。海洋開発や宇宙利用、IT活用などに積極的に乗り出す考えも打ち出した。
環太平洋経済連携協定(TPP)では「『聖域なき関税撤廃』は前提ではないことをオバマ米大統領と直接会談して確認した」とし、共同声明をまとめた日米首脳会談の成果を強調しつつ、「今後、政府の責任において交渉参加について判断する」として交渉参加には踏み込まなかった。原発・エネルギー政策は「安全が確認された原発は再稼働する」と表明した。
外交政策では「『主張する外交』で、傷ついた日本外交を立て直す」と表明。北朝鮮の核実験強行を非難し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)が日本固有の領土であることも改めて主張した。
中国には、軍艦による自衛隊へのレーダー照射問題を「事態をエスカレートさせる危険な行為は厳に慎むよう強く自制を求める」と牽制(けんせい)する一方で、「対話のドアは常にオープンだ」と呼びかけた。日韓関係は「未来志向でパートナーシップの構築を目指して協力していく」と訴えた。
「日米安保体制には抑止力という大切な公共財がある」と述べ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題では「(沖縄と)信頼関係を構築し、移設を早期に進める」とした。
集団的自衛権の行使容認は、有識者会議で「21世紀の国際情勢にふさわしい立ち位置を追求する」とし、憲法改正では「憲法審査会の議論を促進し、憲法改正に向けた国民的な議論を深めよう」と語るにとどめた。村山談話や河野談話など歴史認識には踏み込まなかった。…
のっけから、自助のすすめ。いわば社会保障の切り捨てのすすめだ。そのうえで、強い経済を強調するが、成長戦略にはなんの裏付けもない。考えてみればこの成長戦略は、小泉内閣から安倍内閣の時期にはじまったんじゃなかったっけ。その成果はどこにあるのか? TPPについての日米会談は成果だと強弁する。だけど、おそろしいほどに経済に時間をさく。ここは、いまの高支持率の背景でもあろうが、大きな弱み=脆弱性のあらわれでもあるんだろうなあ。ここをどう切るのか。家計をいしきしているのがそのあらわれでもあろうが。
同時に、ここに現れて社会像そのものへの問いかけを考えなければいけないのかなとも感じるなあ。教育にしても、子育てや介護、社会保障の問題にしても、いろどられている社会観というのは思いのほかはっきりしているから。
外交も同じ。日米同盟にあくまでも固執する。そして領土問題で危機をあおり、憲法問題まで踏み込む。そしてなによりも原発再稼働宣言。新しい安全神話の創造ってか。
石破さんもどこかで言っていたけど、まったく安全運転ではなく、どこまでの自民党的だ。唯一の安全運転は歴史認識問題で、それだけにここがもっとものウイークポイントだということもわかる。だけど、政策的な展開は、はっきりしているのだから、もっとどうどうと構えて議論すべきだろうなあ。国民のいまの苦難などと無関係というのがもっともの特徴なんだから。
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