体罰問題の本質にせまる議論をしてほしい
入試問題に傾斜してしまって、自殺事件の背景にある体罰の問題について、なかなか議論が深まっているようには思えない。
いろいろ調べてみると、おもしろデータなどもある。たとえば体罰の体験者には、競技によって差があるということ。体罰が多いのは、バレーボールやハンドボール、野球など。これに対して、陸上や水泳、サッカーなどは少ない。集団競技と個人競技との差もあるだろうけれども、直感的に感じるのは、指導理論、コーチ理論が確立しているかどうか。そういう文化がどこまであるのかどうか。
それはそうだけど、だけど、ことは単純ではない。それでも、サッカーのようにプレイヤーズファーストの理念がうたわれているところでも、体罰は存在する。日本の軍隊でうまれたものが、学校教育を通じて、戦後の学校体育と少年スポーツにもちこまれていく。
と同時に、この間の勝利至上主義が微妙にからむ。ヨーロッパのように、ジュニアやユースの時代に過度な競争を排し、育てるという文化がない。
今日の、朝日のオピニオン欄に、ジャーナリストの方だと思うけれども、コーチの親や子どもに対する絶対的関係という問題の指摘もまた、特別の問題だ。とくに有力な高校部活の場合は、大学の推薦なども含め、コーチがその子の進路を左右する圧倒的な権限をもつことになる。絶対服従の世界になってしまう。場合によっては、ここに金銭もからむことになる。
いったい、事件の背景に何があったのか?まだまだ明らかになっていないことが多い。
真相が解明され、そして、問題の本質が議論されるのを願うのだけど。
« 難病助成の拡大、先送りへ 厚労省、法案提出は秋以降 | トップページ | 全学年35人学級、断念 文科省、自民意向受け白紙に »
「スポーツ」カテゴリの記事
- 那須塩原市と栃木市の「寄宿舎」の廃止を延期 栃木県教委(2022.12.02)
- 「ルーツのバトンを受け継いで 〜フォトジャーナリスト・安田菜津紀〜」(2022.02.01)
- 6分に試合中断で円陣…川澄奈穂美がセクハラ問題に憤慨「二度とこんな事がないリーグに」(2021.10.08)
- 内閣官房機密費で加藤氏 年度末使い切る“菅流”踏襲 領収書不要の政策推進費が93%(2021.07.26)
- ワクチン2回目接種(2021.07.22)
「教育」カテゴリの記事
- 現場へ!)どうなる寄宿舎:1 支援学校、自立の場に危機(2023.03.27)
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
- 長時間過密労働解消のたしかな道すじPart3-今こそ、給特法の改正と教職員の大幅増員を(2023.03.21)
- 全教「教職員勤務実態調査2022」最終報告の記者発表を文科省記者クラブで実施(2023.03.15)
- 児童生徒の自殺、過去最多の514人 学業不振や進路に悩み(2023.03.14)
「政治」カテゴリの記事
- 23年度予算が成立 過去最大114兆円―岸田首相「物価高、切れ目なく対応」(2023.03.28)
- 現場へ!)どうなる寄宿舎:1 支援学校、自立の場に危機(2023.03.27)
- 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか(2023.03.26)
- 生活保護支給額引き下げを取り消す判決 和歌山地裁(2023.03.24)
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
« 難病助成の拡大、先送りへ 厚労省、法案提出は秋以降 | トップページ | 全学年35人学級、断念 文科省、自民意向受け白紙に »
コメント