金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える
今年、最初に読了した本はこれ。一つの歴史的なたたかいの記録であるだけに読み応えは十分だ。急速に参加者が増えるなかで、主催者の苦労には頭が下がる。そのさまざまな困難を乗り越えたのは、シングルイシューの運動にふさわしく、大飯の再稼働反対、その他の原発の再稼働をやめろ、即時原発のやめろの一致点を何よりも大切にしたことというのもよくわかった。昔のなつかしむおじさんたちたちからの攻撃をうまくさばきながら、がんばりつづけたリーガル担当の木下ちがやさんには、ほんとうに拍手だな。
こういう運動は、ほんとうに新しい努力がある。たとえばなぜ官邸前なのか。ここにもこれまでの運動からの大きな飛躍がある。だから、参加者が大きく広がり、そしてまもなく1年になろうとするぐらいの持続力を発揮している。そのくにつくしきれないほどの大きな成果や教訓を、しっかり学びたいと思う。
もちろん、いろいろ一致しない難しい問題もかかえながらの運動だ。団体旗の問題や、日の丸の問題などが象徴的。少なくとも日の丸については、ボクは著者と意見が違うというか、著者とは事実認識そのものが違う。この旗で
苦しんだ人がいて、いまもこの国でそういう人が生きているという事実があるから。だけど、一方で、国民的には、ある程度の定着をしていることも否定はできないことは著者の言うとおり。いずれにしても、そういうさまざまな難しい問題を、かなりきわどい判断をしながら、同時に、はなしあって軌道修正も辞さない。ここにも、一致した点で、どれだけ幅広い人が参加できるのかということが優先されている。
これから、この運動はどう進んでいくのか。すくなくとも原発をやめさせるという目標にむけてはある意味ではまだはじまったばかりだと思う。いろいろな困難も浮上してくるのだろうと思う。そのつどいろいろな意見の違いもでてくるだろう。それに対しての試行錯誤もくり返される。著者自身もいろいろゆれている姿も見えなくもないし。だけど、この原点みたいなものがどんどん豊かにされていくだろうと思う。原発推進内閣との対峙は、今後、大きな課題もつきつける。
大きな運動の発展と同時に、さまざまな主張がもっと多様になされるようになればいいのだと思う。このたたかいがどのように新しい姿を見せるのか、今年もまた注目しつつ、自分たちの取り組みをすすめなくっちゃ。そういう決意もさせられた本でもあった。
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