配属先は「追い出し部屋」〈限界にっぽん〉
今日の朝日の1面から。
配属先は「追い出し部屋」〈限界にっぽん〉(朝日新聞)赤字にあえぐパナソニックグループに、従業員たちが「追い出し部屋」と呼ぶ部署がある。
大阪府門真市のパナソニック本社から遠く離れた横浜市の子会社。工場などがたつ敷地内のビル「S10棟」5階にあるその部屋は、看板もなく、がらんとした室内に100台ほどの古い机とパソコンが並ぶ。そこに、事務職の女性が配属されて3カ月がたつ。
おもな仕事は、ほかの部署への「応援」だ。「要請があれば駆けつけて、製品を梱包(こんぽう)する単純作業などをこなす」。応援要請がないと、することはほとんどなく、終業時間が来るのを待つしかない。
様々な部署からここに、正社員113人が集められた。この女性のように、働き盛りの30~40代までもが対象だ。
配属されて最初に受けた「研修」では、自己紹介のやり方を見て、みんなが「だめだし」をするグループ討論をさせられた。
初めての「応援」は、携帯電話の箱詰め作業。入社以来初めて、「Panasonic」のロゴが袖に入った作業着を身につけた。他工場から持ってきたベルトコンベヤーの横に並び、30秒に1個、流れてくる携帯電話を段ボール箱に詰める。これまでは主に非正規の社員がやっていた仕事だった。
「私の人生、変わってしまった」。その後も、他部署の仕事を手伝う日々だ。
この部屋の正式名称は「事業・人材強化センター(BHC)」。女性が働く会社には今年8月できた。
その少し前に上司に呼ばれ、「今の部署に君の仕事はない」と告げられた。会社が募集する希望退職に応じるか、「BHC」への異動を受け入れるか。
数日迷った末に、子供のことを考えて「残ることにしました」と告げた。すると上司は「BHCに行っても、1年後どうなるかわからない。このことは理解しましたね」と念を押した。…
大企業がどのようにリストラをすすめているのかを追う。
だけど、ここまで記事にするのなら、それが大企業を覆う宿命では決してないことを書いてほしいなあ。短期の利益ばかりを追い求めた結果の、経営の悪化。グローバル時代といいながら、そこには製造業の経営者として戦略をもたず、自覚もなにも存在しなかったのではないのか?そんな怒りさえ覚えるのだが。
年の瀬。厳しい寒さのなかだが、仕事を失った人々は大丈夫なのだろうか。
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