真珠湾から71年 96歳の誓い 元ゼロ戦兵 非戦語る
今日は、12月8日。やっぱり、戦争の意味ということは考えてみたと思うのだけど。
真珠湾から71年 96歳の誓い 元ゼロ戦兵 非戦語る(東京新聞)太平洋戦争が開戦した七十一年前のきょう、長野市の原田要(かなめ)さん(96)は、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)のパイロットとして旧日本軍によるハワイの真珠湾奇襲に参加した。いまは語り部として講演で実体験を伝え、平和を守ることの尊さを訴えている。
「米国有数の軍港の攻撃に出られるとは、男冥利(みょうり)に尽きる」
一九四一年十二月八日、二十五歳だった原田さんは武者震いしたという。だが、与えられた任務は攻撃隊の上空護衛で戦闘の機会はなく、戦果を挙げて帰還した戦友が英雄視される姿を見て悔しさが込み上げた。
翌年四月、英国軍の基地があったセイロン島(現スリランカ)の戦闘で初めて空中戦を経験。敵機の一撃をかわして後方につき、仲間と一緒に五機を撃墜した。瞬間は「自分がやられなくて良かった」という安堵(あんど)と「うまく当たった」という思いが広がった。その後に、最期を悟った敵パイロットの恨めしそうな顔がよみがえった。
その後も激戦を生き延びたが、ガダルカナル島の戦闘で撃墜されジャングルを二日間さまよって生還。終戦は日本内地で迎えた。今も「人を殺してしまった感覚は一生抜けない」という。
戦後は地元に幼稚園を設立し、二年前まで園長を務めた。「人をあやめた罪を償うとともに、平和を大事にする大人を育てたい」という願いからだ。
「言うと思い出すから」としばらくは多くを語らなかったが、一九九一年の湾岸戦争が沈黙を破るきっかけになった。
米軍の空爆映像を「テレビゲームみたい」と表現した日本の若者に「あの先で一番弱い人間が犠牲になっていることを分かっているのか」と危機感を覚えた。以来、長野県内を中心に講演し、自らの厳しい体験を語り続けている。
最近危惧するのは、対中関係悪化などで威勢のよい「ナショナリズム」を叫ぶ風潮が高まっていること。「武器を持てば、私がやったようなことになってしまう」と、非戦を貫く大切さをこれからも伝えたいという。
いろいろな制約からも解放されて、兵士の発言は胸をうつ。
吉田さんの本をこのブログでも紹介したけど、戦後の兵士の歩みをみれば、「慰安婦」問題なども含め、加害の問題についても、戦友会などの機関誌で真剣議論されていたりする。解放戦争論やしかたがなかった論などからは、少しずつ脱却してきたのがその歩みだったとことがわかる。
こうした兵士の経験が、日本の平和意識の基礎にあり、9条を支えてきた1つの力になってきたとも言えるだろうけど。その9条が新たな岐路にさしかかったといえるいま、こうした兵士の体験の継承は、新しい課題なのかもしれないと思いながら読んだ記事。
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