世論を誘導し選挙の公正汚す 検証 巨大メディアと総選挙報道
マス・メディアの誘導も検証しなければいけないのは事実。
世論を誘導し選挙の公正汚す 検証 巨大メディアと総選挙報道(しんぶん赤旗)野党転落時の前回総選挙(2009年)よりも比例、小選挙区とも大幅に票を減らした自民党が「圧勝」した今回の総選挙。民意をゆがめる小選挙区制と並んで、巨大メディアの報道ぶりが、この結果に大きな影響を与えました。巨大メディアはいかに世論を誘導し、選挙の公正を汚したかを検証します。
公示前 「第三極」の動き垂れ流す
衆院が解散された11月16日から総選挙が公示された12月4日までの巨大メディアの報道の最大の特徴は、日本維新の会や未来の党などの「第三極」の動きを細大漏らさずに取り上げる「政局報道」に終始したことです。そして、それを民主・自民の「二大政党」に対する“対抗軸”であるかのように描きました。
たとえば「朝日」「読売」「毎日」など全国紙の解散から1週間の紙面をみると、1面や特集面・政治面の政治ニュースは判で押したように、民主・自民の「二大政党」モノと、維新・太陽など「第三極」モノの組み合わせです。
とくに「第三極」の動きは、「維新・太陽合流へ」「石原代表、橋下代行」「維新、みんなに合流打診」「維新・みんな合流破談に」などと1面や特集面で大々的に垂れ流しました。そのうえ1週間ごとに「比例投票先」として「自民○%、民主○%、維新○%」の見出しが1面トップを飾り、有権者を誘導しました。維新が1けた台でも大見出しになる異常さでした。
巨大メディアは「総選挙は民主、自民、日本維新の会など第三極による三つどもえの構図が強まってきた」(「朝日」11月19日付)などと「三つどもえ」の構図を描き、ニュース報道までそれにあてはめ、それ以外の政党はほとんど報じさえしない態度をとりました。
維新の会は消費税増税、原発推進、環太平洋連携協定(TPP)推進と、政治の中身では古い自民党政治と変わらない政策を掲げていました。しかも、自主憲法制定や石原慎太郎代表の「核シミュレーション」発言など、これまでの保守政党にない特別の危険性をもっていました。こうした本質をほとんど報じることなく、「既成政党」への“対抗軸”と描くことによって、真の対立軸を有権者の目から隠す役割を果たしました。
同時に、自民党が「次期政権」を担うことを当然視するような報道も目立ちました。同党が公約を発表すると、「読売」は3日にわたって1面トップなどで大々的に報道。論戦も「2%物価目標」や「国防軍」といった同党の政策を中心に報じました。こうした報道が自民党「圧勝」を後押ししました。
日本共産党は、「アメリカいいなり」「財界中心」という自民党型政治の転換を訴え、明確な対抗軸を示していました。しかし、巨大メディアは、解散後、日本共産党の主張・動向をほとんど報じず、わずかに報じた際には「埋没恐れる中小政党」などとやゆしたのです。
公示間際に、嘉田由紀子滋賀県知事が新党結成を発表すると、なんの実績もなく、国会議員も当初は存在しなかったにもかかわらず、トップで報道。未来の党を含め、民主、自民、維新の「4極」報道に終始していきます。たとえば、11月末、主要政党の公約が出そろった際、「競う4党 公約交錯」(「朝日」11月30日付)、「民自、原発・金融で対決/維新、消費税『地方税化』」(「読売」)などと4党に限って報道。政策対照表まで4党に限定しました。「毎日」12月1日付は1面トップで「11党首直接対決」としながら、サブタイトルは「民自・第三極が討論」としました。
この点では、「脱原発」をめぐる政党の“本気度”を恣意(しい)的な基準で報じた「東京」も「衆院選4党中心」「未来がリベラルのとりで」(12月3日付)など異常な肩入れをしたことも指摘しておかなければなりません。…
検証記事は続く。
・公示後 「政権の枠組み」論で真の対決隠す
・争点ものでも
・出てこない対案
・「我慢」を説く
・「議席予測」報道で選挙妨害
・テレビ 大政党の動静に関心を誘導
いろいろふり返る必要はあるのだろうと思う。
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