シリーズ 貧困拡大社会 見過ごされた人たち
今日のハートネットTV。
生活保護の受給者数が212万人を超え、戦後最多を更新し続ける一方、収入が生活保護の基準額=最低生活費を下回っているにもかかわらず、生活保護を受けていない人も数多くいることはあまり知られていません。厚生労働省の推計によれば、その数は229万世帯にのぼるとされています(平成19年)。こうした“セーフティーネットからこぼれ落ちている人たち”の実態はこれまで明らかにされることはほとんどありませんでしたが、あるNPO法人が本格的な実態調査に乗り出しました。
山梨県内で食料の無料配給を行う「フードバンク山梨」。フードバンク山梨では今、収入が最低生活費未満であるにもかかわらず、生活保護を受給していない世帯を一軒一軒まわり、その経済状況や家族関係そして健康面の問題など詳細な聞き取り調査を行っています。この調査から、貧困状態にある人がなぜ生活保護を受けていないのか、その背景が浮かび上がってきました。理由として最も多かったのが、保有する資産。生活保護法では原則、家や土地、自動車などの「可処分資産」は処分してからでないと生活保護を受給できないことになっています。しかし、地方では自動車が無いと就職活動に支障をきたすなど簡単に資産を処分できないという事情もあります。さらに困窮状態を家族や親戚に知られるのを嫌い、生活保護を申請することをためらう人たちが多いことも分かってきました。
番組では、フードバンク山梨の調査を通して、生活保護を受給できない人の実態を浮き彫りにするとともに、こうした“見過ごされた人たち”の孤立を防ぐため、設立した農場など新たな試みを取材。支援のあり方について考えていきます。
仕事をしながら見ていたのだけど、印象的だったのが、生活保護からもれる、生活保護を受給しない最大の要因になっているものが資産の問題とともに、スティグマの大きさだ。
ならば何が必要か。
決して、自民党などがすすめようとしている生活保護受給者への管理を強めることではない。しっかり権利としての生活保護をかかげ、それを支える仕組みと財政をつくること。使いやすく、そして、受給者がほんとうに自立できるような支援を行政がしっかりすすめること。そこに、多くの人の共感の輪が広がることなのだろうけれど。
だけど、水際作戦など、現状の政策動向への批判の視点は弱い。
なかなか、課題は大きいのだなあ。
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