福祉国家構想研究会(生活保護チーム)公開研究会
今日は朝から団地の清掃。そのなかでもいろいろ選挙に向けてのご挨拶も(笑い)。少し原稿書きをして、午後からは表題の学習会へ。内容は予想される生活保護基準の引き下げと生活保護制度改悪に対して、理論的な問題点を掘り下げるためのもとということ。吉永さんと布川さんは、大学の先輩だし。とくに吉永さんは、かなり近い先輩だったので。
まず、「生活支援戦略で貧困はなくせるか~貧困の現状と生活支援戦略」と題して岡部卓さん(首都大学東京)の報告。ポイントは、この間の審議会の議論は、生活困窮者対策の充実強化と生活保護の見直しの2大柱になっていて、前者は理念と絵はそれなりに描かれているが具体的な内容はこれからということ、それに比して、後者は具体的にすすめられようとしているということ。いわば80年代の生活保護の見直しのときのように露骨にはすすめられないが、実際には後者がまずすすめられる。前者は絵に描いた餅にならないか? そもそも年金や医療などの問題に手をつけないで前者の貧困や社会的排除をなくすことができるのかという問題提起は示唆に富む。
続いて「あるべき生活保護基準とその重要性~社会保障審議会生活保護基準部会の検討枠組みについて」と題して布川日佐史さん(静岡大学)の報告。対策の充実強化のエンジンこそが生活保護だと。どのように支援するかのなかで充実が生まれるという言葉はハッとさせられる。基準の問題では、第1十分位の参照の問題性を様々な角度から指摘。たしかにその平均は、下からみれば5%ほどのところになってしまう。そもそも生活保護から漏れている人が多いわけだから、こういう部分は生活保護以下になるのは当然、あとは日本の貧困の深刻さの指摘、貧困線がさがって経済的には困難なままなのに、貧困にカウントされない人が増えているのに、貧困率が高くなっていることなどは布川先生の十八番の指摘。ドイツの基準作成の話などは詳しくはしらかなったので、おもしろい。日本の基準に問題のテクニカルな説明。
最後に、吉永純さん(花園大学)が生活保護の切り下げがどのように影響を広げるのかという報告。
ボクにいろいろな人の話を聞いていると、たとえば難病の医療費などもそうだけど、その負担額の基準が、この間、所得税から住民税に変わっている。それだけ生活保護との連動性が強まっているということか。
いろいろ、勉強になった研究会。
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