除染手当、作業員に渡らず 業者が「中抜き」か 福島
いやあ、どんな使われ方をしているのだ。
除染手当、作業員に渡らず 業者が「中抜き」か 福島(朝日新聞)政府が主導する東京電力福島第一原発周辺の除染で、現場作業員に税金から支払われる「特殊勤務手当」が本人に支給されていない事例が相次いでいることが分かった。元請けのゼネコンに続いて下請けがいくつも連なる多重請負構造の中で手当が「中抜き」されているとみられ、環境省は実態調査に乗り出す。
環境省は今年1月から作業拠点となる役場などの先行除染に着手。すでに18件(計35億円)を発注し、数千人が働いている。環境省は、通常の給料とは別に現場の線量や原発からの距離に応じて1日3300円~1万円の特殊勤務手当を作業員に支払う契約を元請けの11社・1組合と結び、手当分を含めて除染事業の予算を計上している。
ところが、ゼネコン6社が受注した1億円以上の先行除染の6件すべてで、作業員に手当が適正に支給されていない事例が朝日新聞の取材で見つかった。
複数の下請け会社幹部や作業員が「作業員に渡していない」「受け取っていない」と証言。「他の会社も払っていない。作業員に手当のことを知らせず、日当5千円で働かせている会社もある」と話す社長もいた。
ある1次下請け会社は1日6600円支払われる地域で1週間働いた社員に対し、通常通り約20万円の月給しか支給しなかった。元請けから手当を本人に支払うよう指示され、賃金台帳上は通常の給料を下げ、その分手当を支払った形で処理したという。この社長は「手当を含めた報酬を支払うだけの発注額をもらっていない」として元請けに責任があると主張。一方、この元請けは「手当は発注額に盛り込んでいる」と反論している。
別の2次下請け会社は日当1万円で作業員を募ったが、社長は「手当のことは知らなかった」と話す。のちに1次下請け会社から指摘を受け、「追加で手当を支給した」という。……
危険な仕事は、下部に請け負わせ、お金だけがピンはねで利益が確保される、無責任な利権の構造は、原発での被ばく労働と同じ構造だ。本当に、働く者の安全や生活はないがしろにされるわけだ。
しかも、こんな無責任さで、実際の仕事の内容は大丈夫なのか? はじめておこなわれる難度の高い作業は、即、そこで、人々が安全に住めるのかということに直結するというのに。どうなっているだ、ほんとに。あまりにもひどすぎるではないか!
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