原発作業員が去っていく 福島第一原発“廃炉”の現実
今日のクローズアップ現代から
史上最悪レベルの事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所。廃炉を終えるまでには40年もの歳月が必要とされている。いま、この現場で働く作業員をめぐって深刻な事態が起きている。国や企業の定める放射線の被ばく限度に近づき、仕事を続けられなくなるケースが続出。待遇の悪化で原発を去る作業員も相次いでいる。国家的な課題「廃炉」を担う人材をどう確保していくのか。現場の実態を検証し、考える。
あまりにも無責任、結局は、下請けに丸投げという実態か。こんな人たちにまかしていて、福一は終結するのか。
NHKはニュースでもこの実態を流した。
元原発作業員“待遇悪化で辞める人相次ぐ”(NHKニュース)福島第一原発で働く作業員の間では、待遇の悪化などを理由に最近辞めていく人が相次いでいて、こうした人たちが再び登録をして現場に戻ってくるのかどうか、不透明な状況です。
去年11月からこの夏まで下請け企業の社員として働いていた、関東地方に住むこの男性は、「毎日誰かが辞めて、福島第一原発からいなくなる状態だ」と話しています。
この男性は、みずからが仕事を辞めた理由について、当初手取りで23万円ほどだった月給が、辞める直前には18万円まで下がったほか、食費を自己負担するよう求められたことなどを挙げたうえで、「もう少し福島のために働いてみようという気持ちはあったが、待遇が下がったことで、働くのは無理だと考えた」と話しています。
また、去年秋から下請け企業の社員として働いていた、関西出身の別の男性も、当初手取りでおよそ25万円だった月給が20万円程度に下がったことや、会社から宿舎の旅館を出て行くよう求められたことなどから、ことし9月、仕事を辞めました。
男性は、「特殊な仕事でもあり、待遇の悪化は、働いているものとしてはつらいものがある。僕らのような人間が頑張っているから、福島第一原発が落ち着いているのだと思うが、こうした待遇になるのは理不尽ではないか」と話しています。
こうした人たちが、福島第一原発の現場で働くための登録を再び行って現場に戻ってくるのかどうか、不透明な状況です。
おいおい電気代はあがったぞ。なぜ、待遇悪化なんだ?
しかも、もう一発。
原発作業員登録数 説明の3分の1だった(NHKニュース)東京電力が、福島第一原子力発電所の廃炉に向けて、現場で働く作業員として登録した人数が、先月時点で、これまで説明してきたおよそ2万4000人より少ない、8000人であることが、取材で分かりました。
東京電力は、「再び登録する人がいる」などとして、短期的には作業員の確保に問題はないとしていますが、長期的な確保に懸念が出ています。
福島第一原発では、メルトダウンした3つの原子炉の核燃料の取り出しなど、前例のない廃炉に向けた作業が続けられていて、今も1日3000人が働いていますが、過酷な作業で辞める人も多く、作業員の確保は大きな課題です。
これについて東京電力は、ことし必要となる作業員の人数を1万1700人と想定し、これに対して、現場で働くために登録した人がおよそ2万4000人いるとして、「要員の不足は生じない見込み」と、これまで説明してきました。ところが、この2万4000人は、事故以降、福島第一原発で働いたことのある作業員の総数で、このうちの1万6000人はすでに登録を解除し、先月時点で登録のある人は8000人であることが、東京電力への取材で分かりました。東京電力は、「いったん登録を解除しても再び登録する人がいる」などとして、短期的には作業員の確保に問題はないと説明しています。
しかし、再登録した作業員の人数を把握していないうえ、一度現場を離れた人が再び登録する保証はなく、その一方で必要な人数は想定より増え続けており、作業員の確保の見通しは不透明な状況です。こうした状況について、東京電力は「確保できる作業員の人数が、一定の幅を持って不確かさであることは事実だ。今後、長期的な確保が相当難しくなる可能性があり、人材の育成に力を入れていく必要がある」と話しています。待遇悪化 東電のコスト削減も影響か
福島第一原発の仕事を辞めた作業員が指摘する「待遇の悪化」には、東京電力のコスト削減に伴う、元請け・下請け企業の受注金額の低下が影響しているものとみられます。
NHKは先月、東京電力から福島第一原発の廃炉作業の仕事を直接受注している元請け企業28社を対象にアンケートを行い、15社から回答を得ました。
その結果、原発事故直後からこれまでの受注単価の傾向について、67%に当たる10社が、「受注単価は下がる傾向にある」と回答しました。
また、その理由については、10社のうち8社が、東京電力のコスト削減に伴う「競争入札の拡大」で、価格競争が激しくなったこと挙げています。
これらの企業の一部は、アンケートの中で、「受注する金額が下がり、質のよい作業員を確保することが難しくなっている」などと、受注金額の低下が作業員の確保に与える影響を明らかにしています。東京電力は、電気料金の値上げなどの認可の条件として、徹底したコスト削減を求められていますが、その一環として行っている競争入札が、結果として、福島第一原発の現場作業員の待遇の悪化にも影響しているものとみられます。…
まともに対策を考えているのか。問題の根本には、こうした労働を、下請けに押しつける構造を改善しないことにある。不安定な労働に依存し続ける。徹底して責任をとろうとしないのがこの企業なんだとしか思えない。そして、国はどのような指導性を発揮しているのか。
だめだ、これでは。
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