« キーワードで読む 現代日本社会 | トップページ | オスプレイ四万十市飛行 普天間へ移動中 »

2012/10/06

貧困のなかでおとなになる

0570  著者の中塚さんとはじめてお会いしたのは、たぶん2008年。まだなくそう!子どもの貧困ネットワークができる前、『子どもの貧困白書』も発刊されるまえ、それらの運動の母体になった、子どもの貧困研究会などものの会場に、大阪からかけつけていた。松本伊智朗さんとか、阿部彩さんと初めてお会いしたのもその研究会だったなあ。
 中塚さんは、若くて熱心な記者さんだなあという印象。話したことはないけれども、その後も、何度か取材先で見かけている。当時は、大阪で、子どもの無保険が大きな問題になりはじめていて、毎日新聞が最終的にキャンペーンの先頭に立って、法改正にむすびついて、この年の協会賞などをさらったけど、問題のきっかけは、朝日なども報道していた。08年の夏だったろうか、教育のページに上下で大きく子どもの貧困がとりがげられた記事は、よく覚えている。その後、彼女は、いっかんんして子どもの貧困をおいかけて、貧困ジャーナリスト賞なども受賞している。
 この本は、その彼女の数年間の仕事のまとめのようなもの。08年当時から、医療や教育現場の記録的なものから、本書ははじまる。それが09年高校入試の問題へと続いていく。このときに国会要請や文科省交渉は、ボクも取材にいったよなあ。そういう告発の筆はさすがだけど、この本を読んでいて、すごいなあと思ったのは、4章、5章の学習支援のところ。そこにいる当事者の思いにしっかりよろそいながら、このとりくみの意義を多角的にうきぼりにしている。「無料学習支援活動は、単なる学力向上ではなく、教育から排除された子や、されそうな子の居場所作りでもあり、長い目で見れば社会からの排除を防ぐ試みだ」。
 大津の大学生たち、埼玉の無料学習支援のとりくみ、相模原の篠崎先生、釧路の「冬月荘」、山科醍醐こどものひろば、西成こどもの里、さいたまユースサポートネット、札幌市若者支援総合センター……。ボクも、直接お話をお聞きしたり、また知り合いも少なくはない。そんなとりくみの記事に、お会いした人に思いをはせる。だけど、ここでも、この本には、そこには子どもたちの思いがある。だから6章は、子どもの声だ。
 イギリスの記事もおもしろい。親サポートの核心は、「non judgemental」というのは、なるほどと思った。よりそい型の支援とは、結局は、いっしょにいる、ともに生きるということなのだと。
 多くのことを学んだ一冊だった。

Banner_02人気blogランキングへ 励ましのクリックを

« キーワードで読む 現代日本社会 | トップページ | オスプレイ四万十市飛行 普天間へ移動中 »

政治」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

経済」カテゴリの記事

若者」カテゴリの記事

読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59689/55824754

この記事へのトラックバック一覧です: 貧困のなかでおとなになる:

« キーワードで読む 現代日本社会 | トップページ | オスプレイ四万十市飛行 普天間へ移動中 »

無料ブログはココログ
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31